TRPG総合研究室 LOG 061

TRPG総合研究室の2000年12月09日から2000年12月16日までのログです。


2000年12月16日:02時25分01秒
【TRPG論】 TRPGにおける理論と、それに対する反論の行い方 / SHiN
 
 (myrtさん)
 >その例の普遍性を検証することなしに、理論の妥当性を論じることは不可能だと思いますが??
 
 「面白い小説の書き方」なんて、理論が、普遍的な妥当性を持つ応用例を生み出せると思いますか?
 TRPGについての理論は、いわば、社会学や心理学に属するものでしょう。その予言性などに関しては、常に不確定要素を抱えています。
 
 ですから、TRPG理論について反論する場合は、反証をもって行うというのは不適切です。例外の存在は、常に覚悟しておくべきです。
 ですから、反論する場合は、より精度や妥当性が高いであろうと思われる「異論」や、「理論の論理的欠陥の指摘」、を持って行うべきなのです。この点は絶対に理解してください。でないと話になりません。
 
 たとえば、前提条件について異論がある場合、理論を用いた結果に反証を挙げるのではなく、別の、より妥当と思われる「前提条件」の提示を行うべきであると言うわけです。
 こうすれば、議論に参加している全員が、より「妥当性のある理論」を手にするチャンスが出来ることになります。これが、「建設的」な議論です。
 
 一方、せっかく、それなりに有用な理論が完成しつつあるのに、「二ユートンの定理は間違っている!なぜなら、光速に近い速度で移動する物体は……」なんて言い出すと、ぶちこわし。
 TRPG理論は、光速どころか、時速100km程度、いやもっと低い速度でも例外が生じてしまうような実証性に欠けた理論に過ぎないのです。
 なぜなら、その目的が、「よりよいセッション」という非常に曖昧模糊としたものに実現であるからです。
 
 ただし、応用理論については、myrtさんのおっしゃるとおりです。応用理論が妥当でない限り、基礎理論も妥当ではないでしょう。もしかすると、myrtさんは、こちらについて語ってらっしゃるのかもしれません。ここらへん、もういちど、はっきりと表明してもらいたいです。
 但し、その応用理論の妥当性の証明も、やはり、曖昧さを含むため、反論は、同様により妥当性が高いだろうと思われる異論や論理的欠陥の指摘を用いるべきです。
 
 (myrtさん)
 >「その理論展開」「その理論が妥当である範囲」どちらか(あるいは両方)について、話者か聞き手のどちらか(あるいは両方)が間違っている場合が多いと思います。
 
 もってまわった言い方で当たり前の事(x=1で、y=1なのに、x=y=1で無い場合、xかy、もしくはその両方が1でない可能性があるって言ってるようなもの)を話さずとも、私は具体例を提示しているのですから、コメントするなら、それに対してきちんとコメントしていただくよう、お願いします。
 でないと、TRPG論の間違った使い方を助長してしまいますよ。(この話だけだと、なんでも、聞き手のせいに出来ると勘違いする人が出てきます。というか、既にそういう人、いるし(笑))
 
2000年12月16日:00時57分06秒
[開放系]続編の暫定公開についてのおしらせ / アキト
 付け足しなんかつまらない!──続・RPG は将棋ではないという話です。
 まだ完成ではない(具体例がまだ未完成なのです)ためトップページからリンクが張れない状態ですが、ラボを読んでる人達ならさして問題なく読めるかと思いますのでおしらせしました。

 それではみなさま、良いお年を。
2000年12月15日:23時51分53秒
【ゲームバランス】コスティキャンのゲーム論の適用範囲 / myrt
 最初に少しだけ。
(Re:2000年12月15日:01時25分58秒 TRPGLABOにおける議論スタンス / SHiNさん)

> 私が応用例について言及するのは、ほとんどの場合、一般的な応用例を、理論の証明や
>根拠として使っているだけです。
 
 その例の普遍性を検証することなしに、理論の妥当性を論じることは不可能だと思いますが??

 ある理論武装する人に対してある聞き手か不満を持つ場合は、「その理論展開」「その理論 が妥当である範囲」どちらか(あるいは両方)について、話者か聞き手のどちらか(あるいは両方)が 間違っている場合が多いと思います。
#残りは、自然言語会話や人間性の問題。

(Re:2000年12月15日:01時32分49秒【ゲームバラ ンス】 TRPGにおけるゲームバランス保持の意義と、TRPGにおける閉鎖系ゲーム成立 の可能性 / SHiNさん)

> これについては、TRPGの場合「保持の必要なし」と考えられると思います。いや、
>というか、性質上保持されないし、保持することにとりたてて利点は無いかなと。
>(TRPG特有の利点との引き換えになるので)
 
 全部を保持する必要はありませんが、全く保持しないと大変なことになります。 MTGの場合、レギュレーションの前後でバランスは変わるものの大枠は変わらないように 工夫されているはずです。なぜなら、それまで培った戦術、カード資源などがある 程度保持されなければ客がやめてしまうからです。

 同様に、TRPGでもリソースデザインでいきなり「せっかく準備してきた対ボス用武器」などが 無効にされればPLは馬鹿らしくなります。そのデザインによりバランスが調整されて、 最終ボス戦がゲームとして面白くなっていてさえ!!
#ストーリーテリングだったら、いきなり「君たちは格好良く活躍し、めでたしめでたし」か??

 その調整されたボス戦自体が「疑似体験」の立場からよりエキサイティングで、「ストーリーテ リング」の立場からよりドラマチックであっても、セッション全体として見れば「疑似体験」とし ても「ストーリーテリング」としても茶番になるでしょう。

 それを避けるにはどうすれば良いか。簡単です。常に「PLのPCとしての立場から見て、コ スティキャン的ゲーム性があたかも保たれているように見える」ようにすれば良いのです。
#もっとも、「無目的TRPG」を推奨されるならこの限りではないかもしれません。 ストーリーテリングの立場からは「話の筋が常に通っている」、疑似体験の立場か らは「疑似体験を阻害するギャップなどをなるべく作らない」ように心がけることでしょうか。
#最後のは難しいな。

 確かにTRPGの定義だけを見れば、「ゲームバランス」を考える必要はありません。しかし、 TRPGを楽しもうとするなら、セッション中デザインにはこれだけの制約がかかります。

 もちろん これらのうち一つ、あるいは他の要素によってセッションを楽しくするためにいくつかの要素 を軽視することもできますが、他要素に抵触しない間は守るよう心がけるべきでしょう。 なぜなら、これら要素は大抵の場合において引き立てあうからです。

>「閉鎖系」のゲームに、「開放系」が影響を与える場合、それは「閉鎖系たりえるのか?」

 影響の質によると考えます。TRPG中で、NPCのエルフの長老とPCのリーダーが将棋で勝負し、 実際にはGMとあるPCが将棋で決着をつける場合について考えてみましょう。

・PCが交渉技能を用いて駒落としを認めさせた場合。それは「駒落としされた将棋」であり
閉鎖系ゲーム。
・PLがイカサマを宣言し、技能判定に成功して堂々とGMの前で駒を2度動かした場合。 すでに「将棋」ではなく、開放形ゲーム。
・PCが途中でちゃぶ台返しをした場合。その時点までは閉鎖ゲームとして成立。
・PLがGMのスキを見てイカサマをし、駒を2度動かした場合。人間関係が不成立。
2000年12月15日:23時48分52秒
【疑似体験】鍼原神無さんの質問に対する回答 / myrt
(Re:2000年12月15日:10時51分30秒
【疑似体験】質問や疑問(Re:「PL設定目標」と「なにげない冒 険者の日常」の関係) / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕さん)
%gt;質問1

 私は字面から「疑似体験」は「必殺技の名前をPLが叫んで親和性を高 める」とか「PCが殴られるとPLも殴られる」などの直接的表現に対する「体験」も 含むと思うのですが、とりあえずここでは「PCが立たされた立場をGM-PLの会 話と想像力を媒介にして疑似体験する」ことに重点がおかれていると思います。
#うまく表現できていないので、また誤解の種になるかも。

> ですので、セッションにとって効果的な“表現”の在り方を考えてった方が、「疑似体験」
>自体を目的化するよりもよいような気がしますが。どうでしょうか?
 
 確かに「表現」と「体験」は表裏の関係にありますが、「ゲーム的に優れ た表現」と「疑似体験を深める表現」は異なる場合があることに注意すべきでしょう。

>質問2

 私は、「神のロールプレイ」とは恣意的なデザイン(セッション前、後問わず)を極力廃 し、「不自然なほど妥当な世界」を形成することによって、PLの個性発揮の対象を提供 しながらGMの恣意性を感じさせないことを試みることではないかと考えています。 これは「PLから見た妥当性」を保証し、「ゲーム」と「疑似体験」に対して嘘臭さを感じ させないようにする効果があると思います。

>質問3

 「PL同士の一線が交錯したらどうするんだ」とは(2000年12月13日:12時22分30秒【疑似体験】面白さと嫌悪感 / myrt)の「「あるPLの主 観的な一線」については解決できるかもしれません。」から始まるくだり です。元の「一線」は「外縁」そのものを指しているつもりだったのですが、ここでは 狭い意味になってしまっています。

 ここでは、あるPLが設定した目的が他の PLの(倫理的、生理的などの)許容限界を超える可能性を示唆しました。これは、従来型 の目的設定型では回避策(あらかじめ傾向を説明するなど)が多い上、目的の絶対数が少ない ことから起こりにくいことです。

 この問題についてはすでにSHiNさんが「すべての整数からではなく、0から1の間の実数で選ばせる ように目的を配置する」ことにより回避を試みることができると述べられていま すが、今回「冒険者のなにげない日常」シナリオの話が出て、「ありがちで許容されがちだが 私は嫌い」であるシチュエーションに思い当たり蒸し返しました。
2000年12月15日:10時51分30秒
【疑似体験】質問や疑問(Re:「PL設定目標」と「なにげない冒険者の日常」の関係) / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>Myrtさんへ
 ここのところのLABO。アタシなりに読んで来てるんですけど。【疑似体験】の関連のお話になって急に内容がわからなくなりました。
 
 それでMyrtさんに質問したいと思います。
 とりあえず、「【疑似体験】『PL設定目標』と『なにげない冒険者の日常』の関係について」 (当掲示板,Myrtさん記,2000年12月14日:10時45分42秒)、に限定して疑問させてほしいんですけど。
 
質問1
>1.TRPGの一要素に「疑似体験」があり、その方面からTRPGを面白くする手法がありうる。
>これは普遍的な真理だと思います。

 「その方面」をもう少し詳しく言ってもらうとしたら、どんな内容になるのでしょうか?
 もちろん「疑似体験の方面」からだってゆうのはアタシもわかるんですよ。
 
 アタシが思うに、「疑似体験」は、セッション中になんらかの“表現”が効果的になされて、はじめて「体験」されるメカニズムなのではないかと思われます。
 ですので、セッションにとって効果的な“表現”の在り方を考えてった方が、「疑似体験」自体を目的化するよりもよいような気がしますが。どうでしょうか?
#「疑似体験」のおもしろさをTRPGセッションから排除する気はありません。
 
質問2
>2.その一つ〔TRPGでの疑似体験をおもしろくする手法のひとつ:カンナ補記〕として、GMではなくPLが目的を設定するという試みが考えられる。それを支える技術として「神のロールプレイ」を目指すことなどが提案されている。
 
 これは引用した文を書いたMyrtさんよりはSHiNさんにお聞きすべきなのでしょうが。SHiNさんにはこないだちょっと違う型で質問、投げかけてあるので、Myrtさんにもお聞きしたいです。「〔GMによる〕神のロールプレイ」は、アタシにはこれまでのところ「技法」と言うよりは「心構え」のようなものが提案されているようにしか読めないでいます。
#もちろんそれが悪いというわけではありません
 
 この辺どうなのでしょうか? これから技法が導き出せる見込がアタシにはわからないのですが。もしくは、SHiNさんが言ってられた「技法の考え方」もよくわかりません。
 例えば、どんなシナリオをどんな考え方で作ればいいのかとか。今のところ、あまりにバク然としていると思います。
 
 アタシ、この件はMyrtさんの投稿の以下の部分にも同じように「よくわからない感じ」を抱いています。
>3.「疑似体験」を重視した、「なにげない冒険者の日常」を面白くする手法がありうる。
>#必ず面白いとは言ってませんよね??私も必ずつまらないとは言ってません。
 
 あり・うるかもしれない。その可能性はアタシも否認したくないです。しかし、今のとこは“表現”の技法を考えてった方が見通し有望であるように、アタシには思えるのですが。
#「PLが目的を設定するという試み」はアタシなりにはわかるつもりです。(SHiNさんが言ってるのとは違うのかもしれませんが)
#しかし、それが「プレイヤーに委ねること」に直結するのはなぜか、が腑に落ちません。
 
質問3
>というわけで、私の「PL同士の一線が交錯したらどうするんだ」という指摘は 2.の手法に対するものであり〔攻略〕
 
 この、「PL同士の一線が交錯したらどうするんだ」とはMyrtさんの投稿のどの部分を指しているのでしょうか? 関連投稿を過去LOGでみてみましたが、よくわかりませんでした。
 お手数ですが、過去LOG番号や投稿題名も特定していただければ、と思います。
 後、できたら「PL同士の一線が交錯」とは、どんな事例が考えられるのか、例示(新たな例示?)を挙げて教えてもらえたら助かると思います。
2000年12月15日:10時45分12秒
[TRPGジャンル論]形式的集合と曖昧な集合 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
@MyrtさんWrote (「【ゲームバランス】TRPG集合と集合論」,TRPG総合研究室 LOG 060,2000年12月04日:11時19分32秒)
>現在論じられている話はつきつめれば「TRPGという集合は、どのような集合なのか」という話です〔後略〕
 
@SHiNさんWrote (「【ゲームバランス】集合論の欠点」,当掲示板,2000年12月12日:12時57分31秒)
>集合論では、ここらへんは記述しきれないんじゃないかなあと。
 
 アタシも「TRPGの定義」の話題は「TRPGという集合は、どのような集合なのか」って話題であるとは思います。
 アタシ的には「TRPGってジャンルは、他の隣接ジャンルにはないどんな特性を持つか」って意味での「集合の性質」のもんだいと思えます。
#なんで「ゲームバランス」みたいなシンプルな話題がこうも論点になったのかは、その背景はよくわからないんですけど。
 
 一方、SHiNさんの言うように、集合論での表現にも限界はあると思います。だって「定義」がまだまだ曖昧(詳細ではない)ですから形式的な集合論で整理しようとすると、必ず漏れや無理が出る可能性はあるからです。
 だからと言って、いろいろな基準に基づいた複数の集合関係を考えて、それぞれを比較検討することは意味がるとは思いますが。
 
 それと、「いろいろな基準に基づいた形式的集合関係複数」を考える手法と別に、「曖昧な集合関係」を考えてく手法もあります。
 以前TRPGLABOで提言したことがあるのですが。
 ご参考までに再紹介しておきます。
 
 「[ジャンル論]提言:『中心(-中核)-周辺-周縁-外縁-外部』の考え方の導入(長文)」 (カンナ記,TRPG総合研究室 LOG 042,2000年03月10日:21時25分17秒)
#元投稿の題名「外延」になってますがこれは誤字です。
#元投稿以降「TRPG総合研究室 LOG 042」でも関連話題があります。
 
 結局「曖昧な集合」の手法を導入しても、複数の集合整理を突き合わせて検討せざるを得ないはずなのですが。
 「曖昧な集合」は排他性が低いので、比較検討もし易いはず、と思われます。
2000年12月15日:01時38分29秒
【TRPG用語】開放系ゲーム、閉鎖系ゲーム / SHiN
(myrtさん)
>#私が「TRPG以外のゲーム」ではなく「一般ゲーム」という用語を使うのはそのため。
 
 この際、事前に有限なリソースが定められた上で行われるゲーム(コスティキャンのゲーム論が使用可能)を「閉鎖系ゲーム」、そうでないゲームを「開放系ゲーム」って呼び方をしてもいいんじゃないかなって思ってます。言葉の意味も、字面から理解できると思うし。
 どうかな?
2000年12月15日:01時32分49秒
【ゲームバランス】 TRPGにおけるゲームバランス保持の意義と、TRPGにおける閉鎖系ゲーム成立の可能性 / SHiN

(myrtさん)
>だから、MTGのレギュレーションの変更なんかは非常に参考になると思います。ゲーム自体に変更を加えたとき、「ゲームバランス」の保持は保証されません。しかし保持されないとは限らないので、保持すべき点を
保持する方法論があるはずです。
 
 これについては、TRPGの場合「保持の必要なし」と考えられると思います。いや、というか、性質上保持されないし、保持することにとりたてて利点は無いかなと。(TRPG特有の利点との引き換えになるので)
 というのは、TRPGのゲームバランスというのは、セッション全体で考えるとリソースは事実上・無限量存在します。
 MTGにおけるレギュレーションの変更がゲームバランスに影響を与えるのは、MTGのゲームリソースが有限だからです。
 ルールやリソースの変更がゲームバランスに与える影響は、変更の度合いに比例し、リソースの総量に反比例します。
 一方、TRPGのゲームリソースはプレイ中に生成される、言い換えると総量はほぼ無限大(ここで重要なのは、実際に使用されたリソース量ではなく、潜在的に使用可能なリソース量です。MTGの例を思い出してください)なので、セッション全体で見渡した場合、ゲームバランスは比較的意識する必要は無いと思えます。
 
 もちろん、これは、リソースの無限生成を前提とした理論ですので、リソース作成能力の低いGM(つまり、アドリブの苦手なGM)や、新規リソース発生頻度の低いダンジョン内などの限定環境、そして、特定少数のリソースのゲーム上の数値が突出して高くなっていて他のリソースの価値を事実上消滅してしまう(ヒーロー性の高いPCが活躍するワールドにおけるPCと、一般人の関係と同じです)というような場合においては、この限りではありません。
 
 (具体例をあげると、旅の途中で偶然通りかかった宿屋の料金が、一泊1ゴールドだろうと、2ゴールドだろうと、影響が無いってことです。なぜならプレイヤーは、その気になれば野営をしたり、もっと安い宿屋を探すなどの「未定義リソース」を用いた選択肢を取えるし、例え金銭が足りなくなったとしても、調達方法もいくらでもあるからです)
 
 もちろん、あえてTRPGに閉鎖系ゲーム的な面白さを求めようというなら、この理論を応用(というか、逆用)すれば、可能です。リソース量が無限大であることが、ゲームリソースの微妙な意義を消滅させてしまうのなら、ゲームリソースを制限するば良い……という具合にです。
 
 昔から用いられてる「ダンジョン」なんて、基本ですね。
 
 今の時代により適した方法としては、「特定のリソースの価値を極大化させる(もしくは、他の一般のリソースとは異質で相互作用しないようにする)ことによって、閉鎖系的ゲーム性を守る」って手法の方が良いでしょう。(少々、ややこしくて初心者などにはつらいかもしれませんが。)
 この場合、実際のTRPGセッションの多くは、暫定目標としてその「特殊なリソース」のコントロール権を求めて「開放系のゲーム」を行うパターンになるでしょう。
 そこで気になるのが、「開放系」のゲームに、「閉鎖系」のゲーム(一般のセッションでは、戦闘シーンなどのショートイベント、もしくは単に「判定」として行われる場合が多い)が影響を与えたとしても、そのゲームは「開放系」と位置付ける事ができるけど、果たして「閉鎖系」のゲームに、「開放系」が影響を与える場合、それは「閉鎖系たりえるのか?」って事ですね。
 
 私は、実質的には「閉鎖系」足りえると思います。
 
 もっとも現状で理由を詳しく説明すると非常に長くなるので、直感的に理解していただける事を期待して省略します。
  
 一応、説明を必要とされる方のためにヒントだけ書いておくと、「TRPGにおける挑戦的要素とは、将棋における挑戦的要素と同等のものなのか?」「すごろくの挑戦的要素と将棋の挑戦的要素の違いは?」「TRPGのセッションは、なぜ、9割がたミッション成功してしまうのか?(もちろん、セッションに費やした時間がもったいないからなんて理由じゃないよ(笑))」ってあたりの事を疑似体験やリソースデザインについて最近語られて来た事をベースに考察する事で理解できると思います。
2000年12月15日:01時25分58秒
TRPGLABOにおける議論スタンス / SHiN
 To myrtさん
 
 私としては、このTRPGLABOでの議論の場合、不特定多数のTRPGファンを対象とし、ゲームシステムを限定しないという、その性質上、理論的な部分を議論することに意義はありますが、その応用例となると、嗜好や技量によって妥当性が大きく変化するので、シチュエーションを限定しない限り議論の対象とはしにくいと思うのです。
 私が応用例について言及するのは、ほとんどの場合、一般的な応用例を、理論の証明や根拠として使っているだけです。
 また、私が、TRPG論で理論武装しようという人に批判的なのは、この点をはき違えてるからです。(彼らはたいていの場合、理論をもって自分達のプレイスタイル(つまり、理論の応用例)を正当化しようとします。が、それは適切な理論の用い方ではない)
 
 私が書いてきたこと(疑似体験についてや、GMのマスタリング理論など)は、一部、応用例みたいな事も書いてますが、基本的には全て理論であり、逆用も可能なものです。
 たとえば、擬似体験についての理論は、逆用すれば、疑似体験より他のものを尊重するための方法論を構築するのに使用できるのです。
 くりかえし主張しますが、疑似体験を重視して理論を作るというのは、実際のセッションで疑似体験を重視しようというのとは、別の話なんですよ。
2000年12月14日:10時45分42秒
【疑似体験】「PL設定目標」と「なにげない冒険者の日常」の関係 / myrt
 まとめていて、話がそれていることに気づきました。「疑似体験」のスレッドでは、以下の3段階の主張があると思います。

1.TRPGの一要素に「疑似体験」があり、その方面からTRPGを面白くする 手法がありうる。

 これは普遍的な真理だと思います。

2.その一つとして、GMではなくPLが目的を設定するという試みが考えられる。 それを支える技術として「神のロールプレイ」を目指すことなどが提案されている。

 この手法の利点と欠点を挙げているとき、欠点として「PLが目的を思いつかなかった とき、「なにげない冒険者の日常」のようになってつまらなくなるおそれがある」こと を示しました。

3.「疑似体験」を重視した、「なにげない冒険者の日常」を 面白くする手法がありうる。
#必ず面白いとは言ってませんよね??私も必ずつまらないとは言ってません。

 2.->3.の過程で話がそれました。2.の手法をとろうとして「なにげない冒険者の日常」 となってしまった場合について議論していたはずなのに、現在3.の手法について 語っている内容は「なにげない冒険者の日常」を能動的 に楽しもう、というスタンスです。

 2.で挙げた欠点は、「従来型では楽しめるが、2.の手法では楽しめないPLやGMの存 在」を考慮してのものです(でなければ、TRPG自体の問題であり2.の手法を非難す る必要はない)。
#この問題は、「この手法を取るときはそんなPLは呼ばない」である程度解決可。

 3.の手法は、2.の手法とは独立して価値があります。だから、GMが 最初から「なにげない冒険者の日常」をやると宣言することが可能であり、 そのプレイは従来手法をとったときとは違った楽しみを得る可能性があります。

 というわけで、私の「PL同士の一線が交錯したらどうするんだ」という指摘は 2.の手法に対するものであり、3.の手法とは直接関係ありません。 そして2.の手法をフォローするために3.の手法をとって魅力的な「なにげない冒 険者の日常」を用意しておくことは不可能ではないと思いますが、その両手法を 同時にフォローすることはGMにさらなる負担を与えるのではないか と思います。
#逆に言えば、フォローできるGMならok。
2000年12月13日:12時22分30秒
【疑似体験】面白さと嫌悪感 / myrt
(Re:2000年12月12日:22時58分59秒【疑似体験】つまらない 疑似体験、嗜好に合わない疑似体験 / SHiNさん)

> myrtさんって、「理論的」なことについて語りたいのか、それとも
>その「応用例」や「適用例」について語りたいのか?なんか、時々よくわ
>からなくなるんですよね。

 「応用例」について語りたいと考えており、そのために基板となる「理論的」 なことについて疎かにしたくないと思っています。だから、「大抵」と「必 ず」をしっかり分けておきたいのです。

 SHiNさんは、疑似体験を重視した魅力的なGMスタイルの一つについて語って おられると思います。だから、そのスタイルの普遍的な価値と、利点と欠点、 そしてどのような人に向いているかをはっきりさせたいと考えています。
#文句ばかりになるのは、利点についてすでに語られているため。

> だから、私は最初から、その他人からはわからない主観的な一線は、PLの
>自由意志に任せようって主張しているわけです。

「あるPLの主観的な一線」については解決できるかもしれません。しかし それが「GMの主観的な一線」や「他のPLの主観的な一線」に抵触する 可能性が否定できません(いや、いつだって否定はできないが)。GMのスタイル 論ですからGMは一歩引けばいいと思いますが、他のPLに対しては少々無責任 ではないでしょうか。

 私は個人的に、「なにげない冒険者の日常」プレイはつまらないのではな いかと思います。しかし実際に体験したわけでも、嫌悪感を抱いているわけでは ないので、GMが「面白いから是非やろう」と言えば真面目につき合うつもりです。 そしてそれは面白いかもしれませんし、楽しんでいるPLやGMがいれば自分がつま らなくてもそのスタイルの利点を確認するでしょう。
#今でも存在を否定しているわけではありません。

 「なにげない冒険者の日常」は「冒険者の何もない日常」ではないので、 PL達は思うままに振舞ってイベントを発生させるでしょう(でなければ本当に つまらない)。 ところが他のPLが望むまま、彼にとって「なにげなく」行動を宣言して私に嫌悪感 を抱かせる可能性があります。率直に書けば、私は色恋ざたプレイが苦手なのです。 同様に倫理的問題プレイや重い雰囲気、ギャグプレイが嫌いな人もいるでしょう。 しかしそれらを禁じると、「好きなように振舞える」利点が殺されます。

 嫌悪感が面白さを生むときもあります(悪のボスを感じ悪く演出するとか)。 好感-嫌悪感ベクトルと、面白い-つまらないベクトルは別です。特に嫌悪感は 劇薬なので、これをGMが制御する方法論がなければこのスタイルは危険なものになる のではないでしょうか。
2000年12月13日:11時33分14秒
【ゲームバランス】MTGのゲームとしてのいくつかの定義 / myrt
(Re:2000年12月12日:12時57分31秒 【ゲームバランス】集合論の欠点 / SHiNさん)
> マジック・ザ・ギャザリング(以後MTG)なんかのゲームバランスって、
>いったいどのようにして評価されるのでしょうか?

 MTGがどのようなゲームか、と定義した段階で評価すべきです。 例えば、買ってきたカードを中身も見ずに用いるゲーム法もあります。 だから、一つのMTGのプレイでも「その場だけ」「デッキを組むまで」など、 違ったゲームとして捉えて分析することができます。
#実際そうやってデッキを組んでいるのではないかと。

 しかし以前SHiNさんが挙げられた「WSLG中において「判定」が「ゲーム中デ ザイン」として働くとき」の例を見ればわかるように、実際の「いわゆるゲーム」では「ゲームバランス」が崩れる場合がありえます(MTGのレギュレー ションの変更も)。それら「いわゆるゲーム」は、コスティキャン的ゲーム である「一般ゲーム」に収まるとは限らないのです。
#私が「TRPG以外のゲーム」ではなく「一般ゲーム」という用語を使うのはそのため。

 だから、MTGのレギュレーションの変更なんかは非常に参考になると 思います。ゲーム自体に変更を加えたとき、「ゲームバランス」の保持は保証されません。しかし保持されないとは限らないので、保持すべき点を
保持する方法論があるはずです。
2000年12月12日:22時58分59秒
【疑似体験】 つまらない疑似体験、嗜好に合わない疑似体験 / SHiN
 
(私の以前の書き込み)
>>あとは、嗜好によって差異はあるにしろ、どんな疑似体験でもPLは大抵楽しみますよ。
(それに対するmyrtさんのレス)
>大方で見ればそうであり、大抵の場合それで片付くことには同意します。私が突っ込みたいのは「その大抵ってなんだ??」という点です。「必ず」とか「絶対」というキーワードに過剰に反応するのはそのためです。

>私の偏見かもしれませんが、「大抵」におさまるおさまらないそのギリギリの線に、TRPGの真理とその一番面白いものが隠されていると思います。また、「大抵」におさまらない一線を発見することは、プレイを「大抵」におさめる上で有用だと思います。  
 
 myrtさんって、「理論的」なことについて語りたいのか、それともその「応用例」や「適用例」について語りたいのか?なんか、時々よくわからなくなるんですよね。
 ギリギリの線を見極めるって点については、私は、「PLに任せる」って手法を提案済みです。
 
 理論的には、個人的嗜好については完全にPLに任せると私は言った。
 すると、現実的には、それじゃ、無理があるのじゃないか。理想論ではないのか?と、myrtさんが言った。
 そこで、私は、その理論の応用例として、GMが自分の理解の範疇でPLの疑似体験を演出するという提案を行った。こうすれば、一からGMが全てを作り出すより、ずっと良いって話を私はしたつもりなのですが。
 しかし、今度は、大抵におさまらない一線を発見することが有用と言う。
 だから、私は最初から、その他人からはわからない主観的な一線は、PLの自由意志に任せようって主張しているわけです。
 
 (myrtさん)
 >その点において「なにげない冒険者の日常」は個人差の激しい例だと思います。例えば私は客観的に考察すると面白いと思いますが、主観的に体験したいとはあまり思いません。
 
 一般に子供は、刺激の強いものが好きですよね。激しいバトルとか、下品なギャグとか。多くの「子供向け」アニメが、そんな内容になってる。ドラゴンボールとか、おぼっちゃまくんとか。
 が、一方で、日本には「サザエさん」とか、「世界名作劇場」なんてものもあって、多くの子供達が一生懸命見ていた。
 私だって、ハイジもヤマトも両方見てましたし、とても好きでした。(再放送だけど)
 
 TRPGだって同じじゃないかな。
 むしろ、TRPGユーザーは今、大人が中心。TRPGファンの平均的嗜好が、どちらかといえば子供っぽいってのは承知してますが、だからこそ、大人も子供も楽しめる「ハイジ」みたいな作品がTRPGに存在してもいいと思うのです。
 個人的嗜好でいわせてもらうなら、私はもう、ダンジョン探索やモンスター退治なんて、あまりやりたくないですよ(笑)
 
 しっかりと創りさえすれば、決して、非日常的なバトルや冒険の疑似体験ばかりが面白いわけじゃないって事がわかると思う。
 ただ、TRPGの場合、映画と違って、プレイヤーがその創作に参加しないと成り立たない。さらに、それを楽しむためには、PLが積極的に「想像力」を働かせてくれる必要がある。
 その意味で頭ごなしに「私はつまらないと思う」って人相手に、その意義を説明するのは、とても無益な気がします。
 しかし、だからといって議論を投げ出したりはしません。
 
 もし、面白いという事が信じられないなら、せめて、「どうすれば、よりつまらなくないか」について考えて見てくれないでしょうか。
 同じつまらないって事にしたって、いろんなレベルがあるじゃないですか。
 二度とやりたくないくらいつまらない、とか、5回に一回くらいなら許せる程度につまらないとか。
 もしくは、セッション中に10分程度なら許せる程度につまらないってのも。
 
 いくら、つまらないからって、一般的なセッションでは必ずそういうシーンが存在するのも、また事実です。なのに、つまらないと言う理由で、それを評価・分析しなくても良いものでしょうか。
 逆に、評価・分析しようとしないから、いつまでたってもつまらないままなんじゃないでしょうか。
 
 もしかしたら、セッションの半分くらいがそういうもので占められていても大丈夫と思えるくらいにつまらなさが軽減するかもしれない。
 最終的にはセッション全部がそういうもので占められていても平気なくらいまでつまらなさを軽減すれば、「たまにならいいけど、毎回だと飽きる程度の面白さ」よりも、ずっと好ましいものになってるんじゃないかと思うのですが。
2000年12月12日:12時57分31秒
【ゲームバランス】集合論の欠点 / SHiN
 
 集合論の欠点ってタイトルですが、本当に集合論の欠点の指摘になってるかどうかわかりません。(笑)
 
 ただ、素人考えでの疑問を提示すると、
 
 マジック・ザ・ギャザリング(以後MTG)なんかのゲームバランスって、いったいどのようにして評価されるのでしょうか?
 たとえば、MTGの場合、使用されるカード(リソース)は、対戦時によって変化しますよね。その意味ではゲームバランスは保持されていない。
 が、MTGは通常、デッキ集めやデッキ選びから始まるゲームだと考えられてるので、その意味では、新盤やレギュレーションの変更があるまでは、ゲームバランスは保持されてると考えてもかまわない。
 
 ところが、TRPGの場合、ここらへんが難しい。
 
 そのセッションごとに採用されたリソースだけを見て、バランスが保持されないと見るか。
 それとも、いわゆるワールドガイドなども含めて、潜在的なリソースの存在を含めてバランスが保持されると見るか。
 
 ここらへんからも、TRPGのゲームバランスに対する意識ってかわってくると思います。
 で、集合論では、ここらへんは記述しきれないんじゃないかなあと。
2000年12月12日:12時38分01秒
Re:Re:三段論法 / 混沌太郎
>逆にされると困ります。

逆じゃなくて対偶なんですけど。(大前提の話)
2000年12月12日:11時56分27秒
【ゲームバランス】Re:三段論法 / myrt
(Re:2000年12月11日:20時09分40秒【ゲームバランス】三段論法 / 混沌太郎さん)

>>「定義がわからん」と言われても「定義を読め」としか答えようがありません。

 ここは「実際読め」というではなく、「書き込みから得られる概念を踏まえて 議論してほしい」ということです。「私の考えてる概念と違う。よくわからん」 で思考停止されているように見えたので。日常的に用いている各概念を脇に おくことができなければ、議論することはできないと思います。

>それに、私に言わせれば、ちゃんと定義しているとは言い難いですね。

 間に合わせの概念ですから。一般ゲームに「慣れ合い」が必要ではなく、TRPGにお いて必要であることを示す道具として働くだけの定義ができれば十分です。しかも、 そのような概念の存在さえ示せれば定義する必要すらありません。ところ がその存在を信じられない人がいたので、対応する形で泥縄的に定義され て現在に至ります。

 私も集合論はさらっただけなので怪しいです(だからわかりにくい)。 三段論法ですが、逆にされると困ります。

1.ゲームAのバランスをゲームバランスAとする。
2.ゲームA'のバランスがゲームバランスAでなかった。
3.ゲームA'はゲームAではない。

 実例では時系列などを考慮する必要があることを示すためにややこしい言い回し をしたのが失策でした。集合論のところで書いたように、一部でも例外があれば 違うものになることを示したかったのです。
2000年12月12日:11時23分16秒
[【TRPGの定義】セッション中デザイン]セッション中ゲームデザイン(総称)の諸相 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕

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 これまでのところ【TRPGの定義】についての関連議論では、「ゲーム中デザイン」について、舞ノ介さんの提案を受け入れ、、、
>Aの「ルール改変ゲームとしての「ゲーム中デザイン」」を 【ゲーム中のルール改変】
>Bの「プレイヤーの未定義リソースを使用した意思決定の結果としての「ゲーム中デザイン」を 【ゲーム中リソースデザイン】
 、、、としている人が多いです。
#「【ゲーム中デザイン】の議論 一つの提案」 (舞ノ介さんWrote,TRPG総合研究室 LOG 055,2000年11月04日:00時03分12秒)
 
 いろいろ考えてみて、アタシはこの整理、まだちょっと大まかなような気がしてきました。
 
 まず、Bですけど。原則としてはプレイヤーは提案をできるだけで、GMが裁量しなくてはセッション中に実定されないものです。
 ただ、GMが黙認した結果、プレイヤーの選択や描写が事実上リソースをデザインしてしまうことはあります。
#Myrtさんが挙げてた波止場での重戦士の事例
 
 それから、総称としての「改変」が、文字どおりの「改変」とは限らず、多くの場合「調整」や「補完」を含んだ行為の総称であることは注意されるべきです。
 「『ゲーム』的には、一意な判定系であると期待される判定システムに対する『改変』」や「上位ルール(にあたるもの)の解釈に対する再解釈(=改変)」の含みです。
 
 また、ルール改変は常にリソースデザインの側面を持つ、(逆は真ではない)はずです。
#例えば、竹馬で川を渡ることにした場合、川を渡るときの判定修正値は、その川がどれくらい深くどれくらい急流であるかのリソースデザインでもあるわけです。(ルール調整はリソースデザインでもある)
#SHiNさんが挙げてた「剣を魔法的通信機に使う例」は、判定システムへの改変にまで及ぶとは限らない(リソースデザインがルール改変には至らないこともある)。
  
 アタシが思うに、GMによるリソースデザインの必要が認められた場合、例えばある川がどれくらい急流か、などのリソースデザインが、まず1「シナリオの都合からGMによって解釈される」、2「『1』の解釈に基づき修正値などがルール調整される」段取りであるはずと思います。
 ここで「シナリオの都合」と言うのは、「プレイヤーにどれくらい緊張してほしいか」とか、「PCに物語内時間をどれくらいロスした方が以降の展開が盛り上がるか」とか、「最悪どれくらいのダメージまでならここでPCに負ってもらって構わないか」とかそうした諸々のGM判断です。ゲーム的な判断であることもあれば物語演出的な判断であることもあるでしょう(ってゆーか、普通は両者が混交してることの方が多いと思いますが)。
 
 しかし、決してGMの気まぐれや単純な思いつきであってはいけないものです。
 
 もちろん、上記のような判断を「特に著しい障害でなくともよい」って解釈がされる場合もあるでしょう。
 それやこれやを含めて、GMは川の障害程度、シナリオの構成から解釈してからルール調整などをするのが自然で、プレイヤーにはそこまでの判断は望めないってことです。
 
 ですので、Aは「GM裁量によるルール改変(調整・補完・追加など)」、Bは「プレイヤー主導によるリソースデザイン」(裁量、または黙認するのはGM)と呼ぶほうがふさわしいと思われます。
#「プレイヤー主導によるルール改変」はアタシは認められないと思います。(裁量権はGMにあるのでプレイヤーにできるのは提案だけです)
 
 つまり「GM裁量によるルール改変(調整・補完・追加など)」と別に「GM裁量によるリソースデザイン」もあるわけです。
 「GM裁量によるルール改変(調整・補完・追加など)」は常にリソースデザインでもあるわけですが、「GM裁量によるリソースデザイン」は描写や説明のみで処理され、ルール(判定系)に改変(調整や補完・追加など)にまでは至らないもの、のことです。
#ここでは、「ルールのデザイン」と「リソースのデザイン」を分けて整理しました。
#関連の議論では「ルールもリソースに含め」て考えられている文脈もありますが。その辺は、投稿ごとの論旨の都合もあるのでしょう。
 
 階層関係は次のように整理されます。
 
■セッション中デザイン(総称)の階層関係
◆A:GM裁量によるもの
・A-1:GM裁量によるルール改変(常にリソースデザインでもある)
 →調整・補完・追加など(「ルール改変」とはいわば下位の総称であって文字どおりの改変ではないことに注意)
#調整/補完/追加の詳細は別記します。

・A-2:GM裁量によるリソースデザイン
 (描写・説明のみで処理され判定系への操作は、リソースデザインの際には生じない。が閉鎖系ゲームに影響を及ぼすことはある)
 
◆B:プレイヤー主導によるもの
・B-1:プレイヤー主導によるリソースデザイン
#例えば、Myrtさんが挙げてるような、波止場の桟橋のうえで重戦士を暴れさせてしまうような、意図せぬデザイン。
#あるいはプレイヤーの描写・説明をGMが黙認したような場合のデザイン。
 (ルール改変にまで関わる場合は、原則としてGMの裁量が必要。つまりルール改変への影響力は間接的)
 (本来は、閉鎖系ゲームに影響を及ぼすときはGMの裁量・認可が必要。つまり閉鎖系への影響力は間接的。判定系への操作はデザインの時は生じない。)

 
 コスティキャン的ゲームは、セッション中、下位の閉鎖系として、いわば断続するサブゲームであることがTRPGセッションの基本様態です。
 セッションの総体を“ゲーム”とみなす場合、トータルではコスティキャン的な「ゲーム」ではあり得ず、現状で定義は不明瞭です。
 ってゆーか、総体“ゲーム”が、どんな“ゲーム”性を求めるか、によって、シナリオ傾向やセッション実態が大別されるのでしょう。
 
 ですので、これまで「ゲーム中デザイン」と総称されていたものは「セッション中デザイン」と総称されるべきでしょう。その方が様々なシナリオ傾向を相互に関係づけて概括整理できるからです。
 特に判定ルールの改変にまでは及ばないリソースデザインも含んだ総称なので「セッション中」の方がふさわしいはずです。
#あるいは「プレイ中」も可ですが、マスタリングにも関わる事象を指しますので「セッション中」の方がよりよい用語かと思われます。
 
■調整/補完/追加について
 簡単に規定してゆきます。
 「調整」とは「ルールに明記された一意な判定尺度にしたがって、適当な数値調整をおこなうこと」とします。

 例えば、「竹馬を操作する場合の敏捷力判定修正値」水準的な出来のルールには、「判定値の目安」が載っているはずと思われますので、そこから適当な数値が判断できます。
 これは、「ルールに明記された一意な判定尺度」の応用ですので、「改変」と言うには実は大げさです。
 
 「補完」とは「判定ルールに明記されていない判定について、他の明記された判定ルール箇条からの類推で妥当な判定法式を割り出すもの」とします。

 例えば、「あるシステムに魔法知識の判定のみ、知性判定に魔法技能値を修正値(ボーナス)にした判定」をすることがルールに明記されていたとします。

 しかし、あるGMが、これでは、今度のシナリオで、魔法使いのPCを扱うプレイヤーのみに活躍の機会が増しがちで、セッションの公正さが損なわれる、と判断したとします。
 そこでGMは、「魔法知識以外でも類似の判定をすること」をセッション・前に断わり、例示として「例えば、軍事関係の知識判定には、指揮技能値を知識判定のボーナスに使える」としたとします。
 ここまでは、「セッション前ルール補完」です。
 
 ところで、この場合「ルール補完」の目的は「セッションの公正さを実現すること」ですので、詳細はセッションを通じて生じる展開に応じて工夫されてゆくべきではあります。
 例えば、「トラップを作る判定に、狩猟技能かサバイバル技能をボーナスに」とかが、セッション中ルール補完されるかもしれません。
 詳細に言えば、コレは、「セッション前ルール補完された方針に基づいた、セッション中ルール調整」と言えます。が、ともかく、そうしたこともGMの裁量基準が充分公正である限りTRPGでは許容されると思います。
 
 追加とは「判定ルールに明記されていない判定処理を、ワールド設定と判定システムのデザイン・コンセプトから類推して定めること」とします。

 例えば、「あるシステムに技術レベルの判定ルールがない、けれど、セッションの展開に応じてで、あるPCが持っている純正装備と、他のPCが闇市で購入した類似品装備との性能の差を、演出として表現することをしたい、となった場合」、――つまり、GMみずからの発想だろうと、プレイヤーからリクエストがあってのことだろうと、「GMが」そうした演出を公正に表現しようと裁量した場合。
 理想的に一番よいのは、「技術レベル」のようなルールの公正なものを考案し、元の判定系に「追加」することです。
#「シナリオ上さほどセッション展開に影響が及ばない」、とGMが判断した場合は、GM裁量で描写で済ませても満わない、こともあります。
#もしくは「このシステムにはそうしたルールはないので、その装備の差違は無視する」とGM裁量してももちろん構わない。 
 
 この場合、「あるシステムに技術レベルの判定ルールがない」のですから、追加するルールの妥当性を検討するために参照できるのは「ワールド設定と判定システムのデザイン・コンセプト」しかありません。
 逆にそれらを参照しないで、即興的にルールを作れば、恣意的になる危険が増します。
 
■総称としての「改変」と「ルール改変的ゲーム」の関連
 「ゲーム中ルールデザイン(総称)」についての議論は、うえで整理してみたような「調整」「補完」「追加」など(よく考えればまだあるかもしれません)の区別と、それぞれが、「判定系システムに対して持つ意味」が整理されていない場合に混乱が生じているように思えます。
 
 試みに「【ゲーム中デザイン】私の主張はほとんど「ゲーム」面のもの」 (TRPG総合研究室 LOG 059,Myrtさん記,2000年12月01日:17時10分24秒)、をみてみます。
 
>TRPGを「ゲーム」の面で見たとき、「ゲーム中ルール改変」は好ましくない。「ゲーム中ルール改変」は、「ゲーム中デザイン」の中でもすでにデザインされた ルールをあえて改変するものである...要するに、交渉で1回目は魅力度チェックだったのに、同条件の2回目は特に理由なく知力度チェックになったりすることは好ましくない。
 
 ここでは、ルール改変の具体例が「明記されたルール箇条」との関係で考えられているかに読めます。一方、上の引用部分に続く注記、、、
 
>#「PCの特技を生かして」とか十分な理由がつけば可。
 こちらでは、判定系ルールが、「システムとして表現しているもの」との関係で改変の妥当さが考えられていると思われます。
 
 Myrtさんの投稿で最初に挙げられている「TRPGを『ゲーム』の面で見たとき、『ゲーム中デザイン』は慎重を期すべきである」には、特に異論はないのですが。
 続く部分をみてみます、、、
>なぜならそれは『ゲーム』自体を破壊するおそれがあるからだ。『ゲーム中デザ イン』は、GMとPL間の『信頼』を基準にして行なうべきだ。
 
 「なぜならそれは『ゲーム』自体を破壊するおそれがあるからだ」の「ゲーム」はコスティキャン的ゲームのことで、TRPGセッション中は閉鎖系(疑似閉鎖系)のセッション中下位ゲームのこと、です。
 「『ゲーム中デザ イン』は、GMとPL間の『信頼』を基準にして行なうべきだ」の「“ゲーム”中デザイン」の“ゲーム”は、ゲームの性質がさだかでない開放系が、「下位ゲーム」に影響を及ぼすこと、です。

 この辺が混乱の元ではあるので「ゲーム中デザイン」は「セッション中デザイン」と用語を変更した方がよいと思われます。
 
 「信頼」に関して言えば。「GMの判断が『システムのコンセプト』の妥当な解釈に即している(と判断される)限り」「信頼」される、べきでしょう。
 これはTRPGジャンルの特性であると思われます。

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2000年12月12日:10時53分55秒
[ゲームバランス] Re:言い換えた方が良い / myrt
(Re:2000年12月11日:19時58分26秒[ゲームバランス] 言い換えた方 が良い / 匿名希・望さん)

>その定義の仕方が全然一般的じゃないから混乱を招いているのだと思いますが。

 匿名希・望さんの提案する用語はより議論に適していると思います。 しかし議論に耐えうる一般的な用語定義なんてまず無理だから、議論時と 口語時の用語は使いわけることをはっきりさせる必要があると思います。

 まず「ゲーム中デザイン」->「慣れあい」->「ゲームバランス」の連鎖を 止めたいのです。もし用語を変更して「ゲームバランス」の問題が 解決しても、その理解が得られなければ同様のトラブルが再び起こるの ではないでしょうか。ここでの「ゲームバランス」は、TRPGにおける「慣れあい」 の必要性を示すための間にあわせの概念にすぎないのですから。
2000年12月11日:20時09分40秒
【ゲームバランス】三段論法 / 混沌太郎
>「定義がわからん」と言われても「定義を読め」としか答えようがありません。
そこが一番いけない点です。定義の表現が適切でなかったのかもしれないじゃないですか。
それに、私に言わせれば、ちゃんと定義しているとは言い難いですね。
それと、せめてどこを再読して欲しいのかくらいは書きましょう。

>三段論法
私も論理学にそんなに詳しいわけではありませんが…
なんと言うかですね、myrtさんの出したのは仮言的だったり全称否定だったりで
少々わかりにくいんですよね。

より基本的な、定言的三段論法の第一格、AAA式(風)に(強引に)整理して見ますと、
大前提:「ゲームバランスAが保たれていないゲームは、ゲーム非Aである。」
小前提:「あるゲームは、ゲームバランスAが保たれていないゲームである。」
結論:「あるゲームは、ゲーム非Aである。」
となります。
大前提に疑問を持たれた場合、何と答えますか?

私の見たところ、myrtさんは、TRPG以外のゲームにおいてはプレイヤーが
どんな方針であるかに関わりなく、システムから導き出されるバランスがその
ゲームがデザイン上目指しているバランスと見なして良いと主張しているのに対し、
Purpleさんは、TRPG以外のゲームにおいても「デザイン方針に反した」
プレイが行われ得る、と主張しているという気がします。

従って、「『バランスが保たれる』とはどういうことか」と言う点について
myrtさんは、
「そのシステムを使用して起こり得る全ての可能性の中のいずれかの状況下にあること」
としているのに対し、
Purpleさんは、
「(代表的な例として)デザイナーがかくあるべしと思った展開から大きく外れないこと」
としているのではないかと思います。

#誤読だったらすみません。
2000年12月11日:19時58分26秒
[ゲームバランス] 言い換えた方が良い / 匿名希・望
・myrtさん
>「その論理展開はおかしい」なら議論できますが(事実している)、「定義がわか らん」と言われても「定義を読め」としか答えようがありません。

その定義の仕方が全然一般的じゃないから混乱を招いているのだと思いますが。
myrtさんいう所の「そのゲームのゲームバランスが保たれる」は「そのゲームがそのゲームとして同一性を保っている」と言う意味でしょう。
だったら「ゲームバランス」は「ゲームのアイデンティティ」と言い換える方が適当だと思います。
2000年12月11日:16時31分41秒
【ゲームバランス】誤読と口語と集合論 / myrt
また式に自信がなくなってきました...それはさておき。

 ROMの30人の皆さんにとって何故もめているかの参考になるかもしれないので、 口語で集合論を論じると起こる問題を例示します。もしかしたらTRPGのリドル にも役立つかもしれません。以下の問いを考えてみましょう。

・鳥の集合は空を飛ぶものの集合か??
さて、すぐに以下の問題について思い当たります。

・「ペンギンの集合」は「鳥の集合」の部分集合だが、その要素は飛ばない
・「鳥の集合」の部分集合である「鳩の集合」は飛びそうだが、さらにその 部分集合の「ケガをした鳩」や、「寝ている鳩」の要素が飛ぶとは限らない
・「鳥の集合」の要素を「もの」と表現して良いだろうか??
・要素「山田さんちの鶏」のジャンプは飛行に認められるか??
・「始祖鳥の集合」は鳥の集合に含まれるか??
・「空を飛ぶものの集合」には受動的に飛行している要素も含まれるか??

 このように、口語で普通はわかっているつもりの「鳥」「空を飛ぶも のの集合」ですら、そのままでは議論の役に立ちません。だから、その議論 において重要になる点についてだけ改めて定義し、あとのラインは「えたい の知れないものの集合」として扱う必要があります。

 例えばここで「鳥の集合」の定義に「各要素の骨盤の形状」なんかを 利用すると、「恐竜の 鳥盤目の集合」も「鳥の集合」の部分集合になってしまうかもしれません。 しかし議論したいことに直接関係なければ、「鳥の集合」の口語妥当性を 無視して議論を進めることができますし、するべきです。

 さて、これらの問題を、その議論に必要な点についてすべて解 決し「空を飛ぶものの集合」の要素だけからな る「飛ぶ鳥の集合」があるとし、同様の質問をしたとしましょう。

・飛ぶ鳥の集合は空を飛ぶものの集合か??

 口語で見逃しやすく、一番大きな問題がここにあります。この質問は ダブルミーニングで、それぞれ答えが異なります。

1.「飛ぶ鳥」の集合は、「空を飛ぶもの」の集合か??
2.「飛ぶ鳥の集合」は、「空を飛ぶものの集合」か??

 前者は真です。「飛ぶ鳥の集合」に「空を飛ぶものの集合」の要素でないものは 含まれず、「空を飛ぶものの集合」の要素だけが含まれているからです。

 ところが後者は偽です。「空を飛ぶものの集合」には「飛ぶロケット」などの 要素が含まれていますが、「飛ぶ鳥の集合」には含まれていませ ん。「飛ぶ鳥の集合」と「空を飛ぶものの集合」はイコールではないのです。


 あと、「ゲーム」と「バランス」を別個に用語として扱うとき、「ゲーム のバランス」という用語は誤読の温床です。私は意識して避けてい た(「ゲームバランス」を用いている)のですが、挙げ足を取るのは好ましくない と思い指摘せずに文の前後から解釈していました。おそまきながら指摘 させて頂きます。 > Purpleさん
2000年12月11日:13時01分40秒
【ゲームバランス】式間違い / myrt
(2000年12月11日:12時50分43秒【ゲームバランス】それは えたいの知れない何か / myrt )で間違えました。

>構文とその後の三段論法での利用を見てもらえればわかるとおり、これ
>は「RとはあるPのQである(R: P -> Q (PとQは集合、Rは写像)」と述べて
>います(決して「RはPである」ではない)。

 まだ今ひとつ自信ないですが、「Q: P -> R (PとRは集合、Qは写像)」だと 思います。本当は「Q: ∃p -> ∀r (pはPの、rはRの要素、PとRは集合、Qは写像)」と か書きたかったのですが、「∀」と「∃」の関係とか機種依存文字じゃないかとか が自信なくてやめていました。
2000年12月11日:12時50分43秒
【ゲームバランス】それはえたいの知れない何か / myrt
%gt;そうそう、「三段論法」という言葉の使い方は間違ってます。

 どこが間違っているのでしょうか??
 
>二つの前提から一つの結論を導き出す推理。

であるように、私は「〜とする(前提1)」「〜とする(前提2)」「ならば〜であ る(結論)」で構成しているつもりなのですが。
#すべての、というのはあくまでも一例です。

 また、私の記述した三段論法(モドキ)が間違っていますか?? 合っているなら、私の言いたいことに違いはありません。 すでにPurpleさんが示された例は排除されている、と論証したのです。

 集合論で扱うように、「ゲームバランス」を「それらの特徴を持つ集 合」のように捉えてください。例えそれが実世界において空集合であっても、 集合の特性自体に変わりありません。
#だから二つ目の質問「バランスが保たれるとはどういう状況か」は回答済。

 この議論で利用すべきは、「それらの特徴を持つ集合」のTRPGと一般ゲームの 境目として利用しうる特性です。だから、「それらの特徴を持つ集合」が他の どのような特性を持とうと意味がありません(他に利用価値があれば別)。「そ れらの特徴を持つ集合」の他の特性も含めて完全に理解している人なんてここには いないでしょう。

 「その論理展開はおかしい」なら議論できますが(事実している)、「定義がわか らん」と言われても「定義を読め」としか答えようがありません。
#不完全手法として例を出す手があるが、実施済み。

 また念のために注意しておくと、ここで言う「一般ゲーム」は「コスティキ ャン的ゲーム集合内のゲームすべて」を指します(議論時と 口語時の「一般」と「特殊」の使いわけはご存知ですね??)。

>「「ゲームのバランス」とは何か?」と尋ねられて、「そのゲームのバラン
>スです。」と答える人は、そうめったにいないと思います。

 構文とその後の三段論法での利用を見てもらえればわかるとおり、こ れは「RとはあるPのQである(R: P -> Q (PとQは集合、Rは写像)」と述べてい ます(決して「RはPである」ではない)。

 集合論を勉強されたならば、そのときの「推論ってこれ数式だよ!!」と か「日常会話と語の意味が全然違うよ!!」とかいう状況を念頭においてください。 私は日常会話時に用いるものとかけはなれた意味で各用語を用いています が、それは曲解ではなく「その定義の表すものを表現する用語として便宜上、日常用語で近い意味を持つ単語を用 いている」にすぎません(だからよく括弧でくくる)。

 厳密な議論にはどうしても必要だからです。集合論なんてやってなくて も、厳密さに気を配っている人には身についている技能だと思います。

 私の書きかたが難解であるとのことですが、一応ある程度の皆さんには伝わっ ていると自負しています。そしてその方々の書き込みでも納得してただけない ようなので、私以外の人にとってもPurpleさんを納得させることは難しいと考えて います。しかしPurpleさんの他にも「私も意味がわからんROMな人」が30人は いると考えて、あれこれ書き方を工夫しているつもり です。「Purpleさんにとってmyrtの言うことはわからん」ことは百も承知です。その 30人を代弁し、彼らの理解を助けるような書き込みを心がけて頂けないでしょうか。
#その意味で学術用語を使いだした私は問題だが、すでに限界なので。
2000年12月11日:04時42分16秒
【ゲームバランス】良い「ゲームバランス」、保たれる「ゲームバランス」 / SHiN
 
 うーん、疑似体験うんぬんについては、議論の論点はわかってるつもりなんだけど、どう説明すればよいかわからない。ちょっと一から語り口を考えなおします。気分転換に、こちらに横槍。
 
 >Purpleさん
 
 集合論は、私もあまりわかりません。特にテキストベースで説明されても、まったくです(笑)
 
 それより、逆にゲームバランスって何か?ってのを、一から考えなおしてから、もういちどmyrtさんの意見をそれに照らして検証してみるってのもいいんじゃないかなって思います。
 
 基本的にゲームバランスって、何のバランスかっていうと、
 
 1、参加者全員に十分な勝つチャンスと負ける可能性があるかどうか
 2、そのゲームに意思決定要素が存在する場合、意思決定ひとつひとつに、利点とリスクがあるかどうか
 
 3、目指すべき目標が複数ある場合、各々の目標の価値とそこに至る難易度の釣り合いが、うまくとれているかどうか
 
 まあ、ここらへんに絞られるんじゃないでしょうか。
 たとえば、素人と達人の間で行われる将棋の場合、ゲームバランスは悪い。なぜなら、素人側にはほとんど勝つチャンスが無いから。そこで、達人側にハンデをつけて、両者に勝つ確立が生じるようにする。ゴルフのハンデも同じ意味あいですよね。
 
 また、意思決定の利点とリスクについてのゲームバランスの悪い例は、コンピューターゲームで良くいわれる「作業」ってやつですね。利点とリスクのバランスがとれてないので、結局、「意思決定させてるフリ」に、延々つきあわされる事になる。
 RPGにおける戦闘なんか、よく「作業的になってしまう」って言われますね。

 目標と難易度のバランスの悪い例は、(極論ですが)「得点100を目指すなら、ジャンけんに二回勝てばいい。が、得点200を目指すならジャンケンに一回勝てでいい」。これじゃあ、誰だって200点を目指す。
 
 この観点から、myrtさんの言う、
 >・バランスが悪いゲームが存在する
 >・そのゲームにおいてもそのゲームでのゲームバランスが保たれている
 
 ってのを検証すると、TRPG以外の一般的なゲームでは、ゲームリソースが、通常固定されてるんですよね。
 例としてバランスの悪い格闘ゲームがあるとします。全国のゲームセンターでモニターした結果、キャラAと、キャラBの勝率の統計は、5対1でした。
 では、このバランスの悪いゲームはつまらないかというと、そうでもない。
 もし、キャラBで勝てば、キャラAで勝った時よりも嬉しい、実力がより証明される、などの意味でゲームバランスが成り立ってるのです。
 そして、そのバランスは、どんなプレイの仕方をしても基本的に壊れません。
 これが、myrtさんの言う他のゲームではバランスが壊れないって事じゃないでしょうか。
 麻雀にしても、たとえば、3vs1で打った場合の、デメリットなんかは、すでに検証されている。だから、それはそれで「悪いながらもバランスは保たれている」って事になるのでしょう。
 
 ところが、TRPGは、セッション毎に、ゲームリソースが変化する部分がある。この場合、悪いながらも保たれるバランスなんてのは存在しない。なぜなら、そのバランスの悪さが、どの程度なのかが検証されていないから。
 
 つまり、バランスが「保たれる」というのと、バランスが「良い」というのは、別の話だということです。さらにいえば、バランスが「良い」というのと、ゲームの面白さもまた別。(たとえ、バランスが悪くても、それが「保たれてる」ならゲーム自体の挑戦性は失われてない場合もある)
 
 そして、バランスが「保たれる」ためには、ゲームリソースが「固定」されている必要がある。
 
 よって、未定義リソースが存在したり、シナリオによって提供されるリソースが異なるTRPGにおいては、ゲームバランスは「保たれない」。
 
 一方、常に同じゲームリソースを用いて行われる一般的なゲームにおいては、バランスが「良い」場合にしろ、「悪い」場合にしろ、とにかくそのバランスで「保たれている」って事じゃないのでしょうか。
 
 ゲームリソースさえ固定されていれば、たとえゲームバランスが悪くても、挑戦性は保たれる。格闘ゲームでも、わざと「弱い」と評判のキャラを使う人っていますよね。

 その点、ゲームバランスが「保たれない」TRPGにおいては、挑戦性を支えることが出来るのは、ゲームバランスの「良さ」だけであると、私は思います。正直、myrtさんとPurpleさんの議論の焦点がどこに向けられているかは、私には計り兼ねますが、この投稿が、なんらかの理解の参考になれば幸いです。
2000年12月11日:02時06分53秒
【ゲームバランス】ゲームのバランスって何ですか?(これで3度目だよこの問い) / Purple
 正直に言って、かなりあきれ果てているところですが、
 
 --- 2000年12月04日:02時08分50秒の私の書き込み
 再度お願いします。前の書き込みでも尋ねた以下の2つの問いに、簡潔にお答えください。
 ・myrtさんにとって「ゲームのバランス」というのは、いったい何なのですか?
 ・ついでに、「バランスが保たれる」というのはどういう状態を指すんですか?
 ---
 
 という私の2つの問に対して、
 
 --- 2000年12月04日:11時19分32秒のmyrtさんの書き込み
 簡潔に言えば、そのゲームのバランスです。すると、簡単な3段論法が成り立ちます。
 ・ゲームAのゲームバランスをゲームバランスAとする。
 ・あるゲームにおいて、ゲームバランスAが保たれていないとする。
 ・ならば、そのゲームはゲームAではない。
 だからゲームバランスを、ゲームを損なう(つまりルールを無視したりする)ことなしに崩すことはできません。
 --- 引用ここまで
 
 という回答を示すとは。
 
 「「ゲームのバランス」とは何か?」と尋ねられて、「そのゲームのバランスです。」と答える人は、そうめったにいないと思います。
#「○○とはなにか?」という問いに「○○です。」と答えるなんて。あきれさせてくれますね。
 
 おまけに、2つの問を尋ねたのに、1つしか答えてくれていません。後回しにされただけかと思い、しばらく待っていましたが、回答していただける気配はないようですね。
 
 説明したくないのなら、それでも構いません。myrtさんの書き込まれてきたことの一部は「私には理解できないなにか」が前提となっているがゆえに、私には理解できないということになるだけです。
 
 その上で、説明していただけるのなら、難解でない説明でお願いします。myrtさんの説明は難解です。私が曲解したり、逆・裏・対偶を間違えていたりしているのは、myrtさんの説明が難しいからです。私を非常に混乱させます。正直に言って、私から見ると、曲解しているのはmyrtさんのほうであるように見えています。
 
 そうそう、「三段論法」という言葉の使い方は間違ってます。
 #一応、ネット上にある国語辞典で調べると、次のように載っています。
 --- 大辞林 第二版の国語辞典の「三段論法」の検索結果より
  さんだん-ろんぽう ―ぱふ 【三段論法】
  〔論〕〔syllogism〕間接推理の中の演繹(えんえき)的推理。「(1)すべての M は P である。(2)すべての S は M である。故に、(3)すべての S は P である」のように二つの前提から一つの結論を導き出す推理。
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 また、以下の質問ですが、「「簡単な」集合論」って、どのレベルの集合論を指しているのかによってYes/Noがわかれます。高校生レベルの集合論なら押さえていると思います。(少なくとも国立大学の理学部の入試で合格するために必要とされるだけの学力はあります。)大学レベルとなると、押さえている自信はありません。
 --- 2000年12月04日:11時19分32秒のmyrtさんの書き込み
 率直に聞きたいのですが、Purpleさんは簡単な集合論については押えておられますでしょうか。現在論じられている話はつきつめれば「TRPGという集合は、どのような集合なのか」という話ですから、細部にこだわる私の話につきあってくださるならば集合論を避けて通ることはできないと思います。
 --- 引用ここまで
 
2000年12月09日:05時04分24秒
TRPG総合研究室 LOG 060 / sf

 TRPG総合研究室 LOG 060として2000年12月02日から2000年12月08日までのログを切り出しました。



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