付け足しなんかつまらない!──続・RPG は将棋ではないという話(半完成)
表紙雑文頁末


  はじめに
 
*0)当サイトにある「開放系ルールとしての RPG ──あるいは RPG は将棋ではないという話」のことを指します。
 
*1)本当にごめんなさい。
 やぁ、おひさしぶり。ボクのことおぼえててくれたかな...え? あんまりよくおぼえてない、だって?
 ほら、いつだったか「RPG とはどんなものか」について一緒に考えようと...RPG とWSGがどう違っているか、とかそーいう話をしたじゃない(*0)。ホントにおぼえてない?
 
 ...思い出してきた?......ん、どうやらそろそろ思い出してくれたみたいだね。
 
 そう、あのときは「RPG では戦闘ルール外の部分がルールに影響力をもちうる、という点で WSG とちがう」ってことで話がおわったんだよね。
 ...でも今になって考えると、これってちょっとまぎらわしいかも。「RPG では戦闘ルール外の部分がルール運用に影響力をもちうる、という点で WSG とちがう」とか言った方がわかりやすかったかもしれないな。もしあのときの話がわかりにくかったんなら、謝るよ。ごめんね(*1)
 
 ...え、今日はわざわざ謝りに来たのか、だって?
 
 いや、ちがうんだ。今日はあの話のつづきとして、「セッションにおけるルールのウチとソトの関わり方」についての話をしてみようかとおもってね。
 だって、前回の話だけじゃ、影響力があるってだけで、あるルールとそれ以外のものとの関係がどんなものかについては何も説明してないからね。やっぱり、ほったらかしはまずいでしょ。
 
 というわけで、「セッションにおけるあるルールとそれ以外のものとの関係」について話させてもらうよ。

  そのまえに
 
*2)前者を「閉鎖的部分」、後者を「開放的部分」と言い直しても良い。
 閉鎖的部分はルールで明確な処理手順が明記されている。これにに対して、開放的部分の処理は若干のルールと世界設定などの記述によって示唆されているに留まる。
 
*3)戦闘ルールが開放系であることはすでに述べている。つまり、閉鎖的部分であっても RPG はやはり開放系なのだ。
 
*4)RPG において閉鎖的部分は断続的である、ということ。シナリオを必要としない RPG がないことが、閉鎖的部分のみで RPG がプレイできないことを間接的に示している。

<断続する閉鎖的部分>

*5)堅苦しく言えば「特定の閉鎖的部分と開放的部分との境界線上での関係」。
(さて、さっそく説明を...と、ありゃミスった。どーしよー)
 
 ...えーと、つい先刻「話させてもらうよ」な〜んて大見得きったばかりなんだけど、実は話をすすめる前に、押さえておかなきゃいけないことがあったんだ。
 
 それは何かっていうと RPG のセッションには、カタイトコヤワラカイトコ(*2)があるということ。もちろん、この場合のカタイとかヤワラカイとかを決める目安は、物理的なものとか倫理的なものじゃなくって、ズバリルール的記述の緊密さなんだけどさ。もっとわかりやすく言うと、処理手順がどれだけまとまっているか、ということかなぁ。
 
 つまり、カタイトコってのは「ルールによって処理手順が明記されている部分」のこと。そして、これの代表例をあげるとすれば、やはり『戦闘場面』だろうね(*3)
 一方、ヤワラカイトコ「ルールによって処理手順が明記されていない部分」のことを意味してる。こっちはカタイトコに比べて非常に幅が広いから、代表と呼べるようなものはないけど。だから、今のところはカタイトコ以外とおぼえててくれれば十分だろうね。
 
 ちょっとまとめてみよう。RPG のセッションには、カタイトコヤワラカイトコがある。ついでに付け加えると、RPG らしい RPG では、カタイトコは必ずヤワラカイトコに挟まれている(*4)ということも言えるだろう。
 
(よし、これでいよいよ本題に入れるようになったぞ)
 
 それじゃあ寄り道はこれぐらいにして、「セッションにおけるあるルールとそれ以外のものとの関係」(*5)について話をするとしよう。

  わけかた(そのいち)
 
*6)もちろん、ゲームによっては効果が変化するものもある。このちがいは魔法が「技術や経験の積み重ねの上に存在するモノ」かそうでないかといったコンセプトのちがいによるんだろう。
 
*7)どこらへんが好例かというと、一番おカタイはずの戦闘ルールでさえ外部からの影響を受けるというところ。
 もっともこれだけでは、外部から影響を受けるルール(処理手順)にはどのようなものがあるかについて何も述べたことにならない。しかし、このことは別の機会に譲る。
 
*8)かいつまんで説明すると、「ゲーム的に有効」とは、「ルールブックに明記されたルール処理をする際、その初期条件に作用する」ということを意味する。
 いよいよ本題だ。はたして「セッションにおけるあるルールとそれ以外のものとの関係」はどうなっているんだろうか?
 
 そうそう、これまでは「あるルール」って、なんのことだかわかんなくて首を傾げてた人もいるだろうけど、さっき説明したことを利用すればもうちょっとわかりやすく言い直せるかな。
 そう、こっからは「セッションにおける『カタイトコを支えるルール』とそれ以外のものとの関係」について考えるんだよ。
 
 ...こういったフクザツな問題を考えるときは、とりあえず大まかな「分け方」を考えてみるのがいいんだ。そうすればそこから糸口がつかめるかもしれないからね。
 
 一番おおまかな分け方は「ゲーム的に有効か有効でないか」というのがだろう。えと、この場合の「ゲーム的に有効か有効でないか」が何を意味するかというと...って、そんなのは後回しでいいか。
 
 たとえば、たいていの RPG では、PCが気合を入れて雷撃の呪文を唱えても効果は変わらない(*6)。このときの、セッション上のある行為とその影響──気合いを入れる──は、他の行為とその影響──呪文詠唱と効果──の関係は「ゲーム的に有効でない関係」って、言えるんじゃないかな。
 いいかえると「あるヤワラカイトコでの結果がカタイトコに影響を与えないような関係」がある、ということ。
 
 一方、これとは逆に「あるヤワラカイトコでの結果がカタイトコに影響を与えるような関係」もあるよね。そうそう、前回に話をしたやつとかはその好例だ(*7)
 
 これで、「ゲーム的に有効か有効でないか」という分け方がどんなもので、分け方としてもアリだということがわかってもらえたかな。
 
 え、「ゲーム的に有効か有効でないか」の説明がまだだって? 具体例をあげたんだから、だいたいイメージはつかめてるはずだよ。...ならそれでいいじゃない(*8)
 
 なに、「ゲーム的に有効でない」はイメージできたけど「ゲーム的に有効」の方は例がないからまだよくわからない? ......それなら大丈夫、そいつはじきに解決するからね。
 なぜって、そりゃ次はゲーム的に有効な関係をもうすこし詳しく見てみるからさ!

  わけかた(そのに)
 
*9)『央華封神』は、1994年に富士見書房から発売。文庫サイズ。近く新版で再登場するとのこと。以下「央華」と略記。
 「央華」の PC は善の見習い仙人で、彼らは徳を積むため自らに戒律を課す。これに違反していると徳が減りやがては邪仙人(敵役)になってしまう。
 
*10)1997年にホビージャパンから発売。ボックスタイプ。
 「縁故」とはある対象に対するPCの執着度を示す数値。プレイヤーはキャラクターの執着を効果的に表現すると判定にボーナスが得られる。
 
*11)前者を「複合」、後者を「関与」と言い直しても良い。さらに、ゲーム的に無効なものについては「付与(付け足し)」と言い直しても良いだろう。

複合

関与

付与(付け足し)

*12)「重なり合っている」場合の「評価」や「解釈」にも主観が関わってくる点に注目する意見もある。しかし、今回は扱わないことにする。
 今の段階で言えるのは、「重なり合っていない」場合の主観の方が「重なり合っている」場合よりも遥かに恣意的になる傾向にあるので、より注意を要するということだけである。
 
**)作成:2000.12/更新:2000.12
 さて、「ゲーム的に有効」なものについてだけど、実はこれってさらに2つに分けることができると思うんだ。
 
 そして、その境界線はヤワラカイトコを形成してる若干のルールと世界設定とが、カタイトコに重なり合ってゆくかどうか」になる。
 あ、この場合の「重なり合っている」ってのは、ヤワラカイトコの結果としてある数値が変動したときに、その数値がカタイトコでも使われる、という状態のことなんだけど……この説明だけじゃいくらなんでもわかりにくいよね。
 
 それじゃあ、いくつか例を出して説明してみようか。
 
 んーと......『央華封神』での「戒律違反による徳値低下」(*9)とか『深淵』での「縁故の増減」(*10)なんかがわかりやすい例になるかな。...よし、それじゃあこの二つでどうなってるかを説明してみよう。
 
(ここに央華の例が入る予定)
(ここに深淵の例が入る予定)
 
 ね、どちらもセッションを進めていく過程での行動を、ルールに照らし合わせて解釈することで数値化して、その後のゲーム展開に大きな影響を及ぼしているでしょ? これが「重なり合っている」ていうことなんだ。
 
 とにかく、「ゲーム的に有効」というのはさらに「重なり合っている」ときと、「重なり合っていない」ときに分けられる(*11)、ということ。
 
 じゃあ、そろそろ分け方についての説明に移ろう......といっても実はもうあんまり話すことはないんだよね。なにしろ、どんなときに「重なり合う」かについては、さっき「重なり合っている」状態の説明をしたときにほとんど言っちゃったようなものだから。
 
 ...なんとなく察しはついたかな? ...そう、「重なり合っていない」かどうかはセッションを進めていく過程での行動を解釈し、その影響をカタイトコに及ぼす際の指針がルールでどんなふうに記されてるかにかかっているんだよ。
 
 この「指針」がしっかりしていない場合──つまり「重なり合っていない」場合──GM は世界設定やそのメンバーで共有した経験、自分の経験(および主観)を指針に PC の行動を評価し、カタイトコで使用する素材にすることになる(*12)
 ついでに言っておくと、世界設定や共有した経験以外のものを指針として評価したものは弊害を生みやすいから注意がいるんだけどね。
 
 ま、こんな風に、「セッションにおけるあるルールとそれ以外のものとの関係」は分類できるんだ。これでいままではモヤモヤしていた所が少しハッキリして来たでしょ?
 
 もちろん分類なんてあくまで頭ン中の話だから、これ以外にもっとすぐれた分類もできるかもしれないよ。でも、まったく何もしないよりはずっとましなはずさ。
 
(本日はこれにて終了♪)

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  まとめ
 
セッションの実相
 
  1. セッションにおけるカタイトコ
    • 明確な処理手順が規定されているルールが適用されている部分。
    • 「閉鎖的部分」
  2. セッションにおけるヤワラカイトコ
    • 処理に世界設定の参照やセッション内容評価が必要なルールが適用されている部分。そのほとんどでルールの記述は緊密でない。
    • 「開放的部分」
  3. まとめ
    • TRPG らしいセッションにおいて、カタイトコとヤワラカイトコが断続している。
セッションのカタイトコとヤワラカイトコの関係
 互いの「重なり合い」具合で分類できる。
 
 ゲーム的に有効
ヤワラカイトコの評価が後のカタイトコの処理に影響する。
  1. 複合
    • セッションを進めていく過程での行動を解釈し、その影響をカタイトコに及ぼす際の指針がルールとして示されているときに発生する。
  2. 関与
    • セッションを進めていく過程での行動を解釈し、その影響をカタイトコに及ぼす際の指針がルールとして示されておらず、世界設定などで示唆されるに留まっているときに発生する。
    • 「複合」に比べて解釈の恣意性が高い。
 
 ゲーム的に無効
ヤワラカイトコが後のカタイトコの処理に影響しない。
  1. 付与(付け足し)
    • 指針なしで影響を与えようとすると無軌道になり問題がある。
    • 付け足しは RPG らしくなく、つまらない。

表紙雑文頁頭