[KATARIBE 29733] Re: [TRPG] [KA] 語り部なメンツで首ナイフ問題を考える

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Date: Fri, 3 Feb 2006 23:49:43 +0900 (JST)
From: 吉 GUY <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29733] Re: [TRPG] [KA] 	語り部なメンツで首ナイフ問題を考える
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200602031449.XAA05959@www.mahoroba.ne.jp>
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2006年02月03日:23時49分42秒
Sub:Re: [TRPG] [KA] 語り部なメンツで首ナイフ問題を考える:
From:吉GUY


 吉GUYです。暫く間が空いてしまいました。



 今回は、ちょっと気になった点、ではなく明確な問題点を先に述べておきます。


「ゲームのルールと常識(みぶろさんが常識という語を使うのでここでは常識
としておきます)が相反する場合、ゲームのルールを優先させる」のがゲーム
の一般的な原則です。

それを忘れるから
http://hiki.trpg.net/wiki/?%BC%F3%A5%CA%A5%A4%A5%D5%CC%E4%C2%EA
↑の根本的な問題を認識できないのです。

 また、「この状況ではこのルールを用いるのではないのか?」という抗議が
起きている以上、「ルールを無視したのではなく、ルールに則ってジャッジした」
という体裁を保つ場合は、その状況でそのルールを用いないルールの解釈や
根拠を示さなければなりません。そして解釈や根拠の基準は、プレイヤーから
見て認めざるを得ないものでなくてはいけません。
「ルールの適用基準はGMだけが分かっている」では、プレイヤーにとってルール
がブラックボックスになるので、プレイヤーは納得しなくて当然です。
 審判も所詮人間ですから公正と言っても当然限界はあります。しかし公正で
あることを諦めて開き直ってしまうとゲームなどそもそも成り立ちません。(#1)

#RPGのルールで、「マスターズルールのルールはプレイヤーは知らなくてよい」
となっているものはこの限りではない場合もありますが。

 ついでに言いますと「ルールの適用基準はGMだけが分かっている」が当り前
の状態になってしまうと、プレイヤーはどういうプレイをすれば、どういう
幅でどういう結果が起こり得るのか、どういう結果は確定するのか、等が判ら
なくなるので、積極的に動けなくなる傾向が生れます。
 これはいわゆる「お地蔵さん」プレイヤーの発生の一因でもあると考えられます。

(#1):ここを逆手にとって上手く開き直ったのが「パラノイア」のようです。



要点は以上です。
以下は返答です。いつもどおり長話です。


> 「わかりました」とだけ書いても変かなと思ったもので。失礼しました。

http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/27800/27818.html
わかりました。以前はそうではなかったようなので。



>>◇1

> 命中率50%のキャラクターは、立ち木を切り倒すのに半々の確率で空振り
>しますか? ロングスピア1D10は鉈1D6より効果的に木を切り倒します
>か? 

 戦闘やダメージのルールは動くものに攻撃を当てて殺傷するときに用いるルール
で、大概のゲームでは動かない立ち木を切るときに用いることにはなっていない
でしょう。
(まぁ、タイトル毎にルールの詳細を調べないと断言はできないので、立ち木
にHPが設定されているルールのゲームを教えて下さい)

 戦闘ルールの適用も、例えば、「対象が動く」や「HPの設定がある」で分ける、
等の基準を示さなければ、みぶろさんでもこういうことを言い出すわけです。
 実際のゲームでの結果がかかっているプレイヤーならば、こういうもの言い
は尚更です。

 そしてこのように基準を示しても、プレイヤーによっては「『動く』と
『動かない』の差って何よ? 例えばこれはどうよ? それならこれはどうよ?」
と食い下がってくる場合もあります。GMの立てた基準に曖昧さや矛盾が無ければ
「この場合はこうだからこうする」「その場合はああなるからあれでいい」と
全てに答えられるはずです。もし答えられないとすれば、GMの基準に曖昧さ
があるわけですから、GMが気分的に納得が行かなくても、プレイヤーが
「これなら分かる」と言う基準でジャッジをする方が公正です。
(この辺どうしても折り合いがつかない場合は、抗議者を退場させるのが一般的
のようです。プロ野球とか見ていると)

#ちなみに、「対象が動く」や「HPの設定がある」という基準は、よほどフォロー
#の無いゲームのルールで判断の必要が生じた場合に、私がGMであれば用いる
#基準で、ルールにきちんとした記述があればそれを用いる方が当然正しいです。




>人質が首にナイフを突きつけられている状況も、通常の戦闘ルールによ
>る命中やダメージ判定から外れた状況と思いますが。

 どうしてその状況を外れた状況として扱って良いのか、プレイヤーに説明
できますか? 具体的にどのように説明しますか?
 そしてその説明は今後プレイヤーがプレイする上で自発的な判断の基準に
なりますか?
「GMが自分の常識で自分が納得している基準」ではなく「プレイヤーが納得
せざるを得ない基準」を示さなくてはなりません。それができればGMに理が
あります。



> 「死なないかもしれないからダイスを振ってくれ」という抗議が来たら、私
>なら受け入れるかもしれません。

 そうですか。

http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29000/29035.html
> ただ、少なくとも首ナイフ状況において、「ナイフのダメージは1d4だか
>ら死にゃしないよ」と行動するプレイヤーに対しては、「はあ。想像力が豊か
>なんですね」としか言いようがないです。

みぶろさんの↑の発言は受け入れの態度だったのですか。



>「死 ぬ ん だ よ」と押すことも考えられますけどね。

そうですか。





>>◇2.

>「人質の首に擬したナイフを刺し込む」というのと上記例は、同様の状況とは
>言えないと思います。

「思います」ではなく、どういう基準で同様の状況と判断しないのか、
プレイヤーに抗議の余地が無いように説明できなくてはいけません。
言いたいことは何となく分からんでもないですが、それをキチンと説明できなくては
こういうケースではプレイヤーは納得しませんし公正ではありません。



> ルールでフォローされてないならGMの裁量で決定すべき、とは発言しまし
>たが、ルールでフォローされてない攻撃は皆即死と言った覚えはありません。

ならば更に「即死になる」場合と「即死にならない」場合についても、どこで
GMの裁量で線引きをしたのかがプレイヤーに説明できなくてはなりません。

 みぶろさんの発言では「GMの裁量」がブラックボックスになっています。
「GMの裁量」で線引きを行うこと自体は結構ですが、何処にどういう線引きを
したのかがプレイヤーに分からなくては公正とは言えません。



> お互いによってたつ常識が違う以上、ルールという共有物で処理する公平性
>については理解しているつもりです。

理解していないから「 死 ぬ ん だ よ 」で押すのではないですか?



> ただ、ルールを適用した結果非常識なことになる場合、GMは裁量で妥当と
>思われる結果を導いてもいいんじゃないかと思います。明白に不合理でなけれ
>ば、GMの常識を優先して不都合はないでしょう。

 たかがいち審判の“常識”とやらでゲームのルールを好き勝手に無視したり
変えたりすることはゲームでは普通ありえません。
「捕まった武将がそう簡単に寝返るとは限らない」と常識を言ったところで、
将棋は捕った駒を自分の手番でいつでも使えるルールです。
 現実の何かを模したゲームで、突き詰めれば現実的にはおかしな処理がある
などはけっこうあることです。しかし、ゲームに参加するということは、そんな
ことは承知の上でルールに従うということです。

 審判がルールの変更や無視をある程度強制できるのは、何らかの事態によって
あるルールの変更や無視等を行わなければ各プレイヤーに対して公平性が保てない
場合ぐらいでしょう。
 あと、現場でのルールの変更が容認されるとすれば、場の全員(あるいは、
各プレイヤーグループの代表者、等)が合意する場合だけでしょう。審判1人
だけが常識だから正しいと信じていることを理由に独断でルールを無視したり
変えたりするのは公正ではありません。



>抵抗困難な状況でナイフが首に刺さったら死亡する、というのは特に非常識な
>結論とは言えないと思います。

「抵抗不可能(一切の防衛行為が完全にできない。例えば身体が完全に固定され
ているとか、気を失っていて全く動けない、など)ならその言い分も分からん
でもないが、抵抗困難でその判断はグレーゾーンだ」とする人もいるでしょう。

それに「刺さったら」であって
http://hiki.trpg.net/wiki/?%BC%F3%A5%CA%A5%A4%A5%D5%CC%E4%C2%EA
↑の状況はまだ刺さっていません。

 何にせよ、非常識であろうがなかろうがルールに反しているならばゲームでは
間違いです。




>>◇3.

> 「ただ、少なくとも首ナイフ状況において〜」は「プレイヤーは「即死は無
>いんだからいろいろ対処できるよなぁ」と考えて行動しようとしてもおかしく
>ありません。 」というのが屁理屈のように思えたからです。

ゲーム毎のルールの詳しい記述にもよりますが、
ヒットポイントのルールとダメージのルールとこれがゲームであることを考えれば
当り前です。ゲームのルールに常識云々で難癖をつける方が本来は屁理屈です。



>この状況で「死にゃしない」と考えて行動するのもどうかと思いますがね。

ゲームのルールに基づいてプレイヤーが「まだ手詰まりとは限らない」と考え
行動することに何か問題がありますか?

http://hiki.trpg.net/wiki/?%BC%F3%A5%CA%A5%A4%A5%D5%CC%E4%C2%EA
例文のイラストと同じような状況から、
「捕まっている側が抵抗し、首を斬られたが命に別状は無かった」とか
「周囲が犯人を撹乱し隙を突いて反撃。人質の首の傷はかすり傷で済んだ」
といった展開があるTVドラマを先の投稿の後でいくつか観ました。

こういった展開と類似する展開がある、映画、小説、漫画、TVドラマ等を観た
ことがあるプレイヤーが、こういった状況について必ず即死になる記述がゲーム
のルールに無ければ、判定の結果次第で救出が可能と判断して動くことは十分に
あり得ると思います。

またルールにそういった状況で必ず即死になることが記述されていないのは、
ルール通りの判定でそういった展開が起きることを、ルールの製作者が目論んで
いる可能性もあります。
一見、理に合わないように見えるルールも、経験と理解と想像力が足りないから
そう見えるだけ、ということは結構有ります。(そうでない場合もありますが)


 ちなみにD&Dで
麻痺は「動きが必要な行為は一切できません」とありますが
「麻痺したキャラクターを鋭利な武器の一撃で殺すことはできません(ダメージ
計算して、ヒットポイント<HP>を減らしていくこと)」とあります。
しかし眠っている場合では「ヒットポイントには関係なく鋭利な武器の一撃で
これを殺すことができます」とあります。
 私はこのルールはおかしいのではないか? と思い友人に聞いてみましたが

 友人     :「お前、モンスターズルールをよく読め。眠り攻撃より
        :麻痺攻撃を使うモンスターの方が多いだろ。特にグールとか
        :比較的ザコ系に。その辺のバランスの問題だろう。気づけ」

と言われました。

 ゲームのルールというものは全てのルールとの複雑な関係によって、このルール
があるからプレイヤーはこうプレイする、こうプレイせざるを得ない、こういう
展開が生じる、等が組み上げられています。
 ルールを絶対に変えてはいけない、とは言いませんが、そのゲームの全ての
ルールとの関係を考え、ゲームの構成の全てを見通した上であえて変更を加える
ことでそのゲームがより良くなるという確信の下ではなく、いたずらに常識とか
リアルさとかを振りかざすだけでルールを変更してしまうのは、ゲームをより
面白くする結果になるとは限らないと私は考えます。





あと、確認したいのですが、


http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29000/29035.html
> 例外措置をとる場合にはその旨を告げないと、プレイヤーに対して公正と言
>えないのは間違いないと思います。
>
> ただ、少なくとも首ナイフ状況において、「ナイフのダメージは1d4だか
>ら死にゃしないよ」と行動するプレイヤーに対しては、「はあ。想像力が豊か
>なんですね」としか言いようがないです。


みぶろさんの↑の発言は

「例外措置をとる場合にはその旨を告げないと、プレイヤーに対して公正と言
えないのは間違いない。“そして首ナイフ状況も例外ではない”」

という意味だったのでしょうか?
もしもそうであれば、この点については私が誤読していたようです。






>>◇4.
>>http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/28800/28883.html
>>http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/28900/28996.html
>>http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29000/29035.html
>>これまでのみぶろさんの発言から推測すると、以下のようなマスタリングが
>>みぶろさんの正しいと考えるものになるかと思います。

http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29200/29296.html
> GM      :「ナイフで首を掻っ斬ったら一撃で即死なのです」
>
> プレイヤー  :「なぜそうなるんですか?」
>
> GM      :「『人質の首をナイフで斬る』ルールが無いからです。
>        :ルールを直ちに適用できない状況については、GMの裁
>        :量にまかされています」
>
> プレイヤー  :「このゲームにはナイフのダメージルールがあります。
>        :ルールの範囲で考えられませんか?」
>
> GM      :「はあ。想像力が豊かなんですね」
>
> プレイヤー  :「ナイフで首を斬っても、現実にはそう簡単に死なない
>        :という話もあるそうですが……」
>
> GM      :「 死 ぬ ん だ よ 」


> ◇3のとおり、事前通告すべきと考えているのでこのような状況にはなりま
>せん。

http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29200/29296.html
> もし上記の対話例が、恣意的な羅列に過ぎない、と思われるならば、
>妥当かつ必然だとみぶろさんが考えるGMとプレイヤーの対話の例をお教え下さい。

お手間かもしれませんが、上記のようにならないと思うのなら「なりません」
の一言ではなく、「こうなる」という例をお示しください。

 また、最初のGMの発言を事前通告だったとしてみましょう。
 ◇2でも触れましたが、事前通告の場合でも「GMの裁量」でどこに
「武器による殺傷行為であるが判定をスルーできる」「即死になる」線引きを
行ったのかプレイヤーに分かるように示さなければ、結局こういうやりとりが
起き得ます。





以上です。



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