TRPGのための政治学的設定の部屋 LOG 007

TRPGのための政治学的設定の部屋の2000年02月09日から2001年11月30日までのログです。


2001年11月30日:13時23分42秒
re:戦国大名て / あきのり
この時代、まず、天皇の「権力」(強制力=暴力に裏づけられた実体的な政治的な統制能力)は、鎌倉幕府〜建武新政〜室町幕府を経過して、完璧に喪失状態です。一方、室町幕府も「応仁の乱」という有力大名間で争われた内乱以降、「戦国時代」と後世の我々が呼ぶ頃には、統一政権としては全く機能しなくなっていました。

そのため、戦国時代においては、戦国大名の支配する領国は、「事実上の」独立国家となっていました。多くの戦国大名が、室町幕府の決め事を無視し、分国法と呼ばれる独自のルールを作って、自分達の領地を治めるようになっていました。すなわち、統一的な「権力」は一切消失し、それぞれ狭い地域で自分勝手に「権力」を作り上げて、振るっていたわけですね。

そう、「天皇」も「将軍」も存在はしているけど、誰もそのいうことは聞かない状態だったわけです。ただし、これらは「権力」は失っていても、「権威」(社会的な地位、役職、血統、カリスマなどに基づく心理的・社会的な圧力の源泉)は、それなりに残っているわけです。事実上は好き勝手やっていても、「名目上は」天皇なり、将軍なりの臣下であることには変わりがない。そして、「朝廷」の「官位」や「幕府」の「官職」は、それなりに、大名の「権力」に「権威」という箔をつける効果がありました。

しかも、頭の切れる大名達の一部は、「権威」から実際的な政治的効果を巧みに引き出しもしました。すなわち、他国に侵略するとか、武力行動を起こすとかの際に、政治的な「正当性」を主張するのに、上手く使えたわけです。まあ、弱肉強食の時代とは言え、「自分達が正義なんだ」っていう理由づけは、無いよりは、あったほうが遥かにマシだと考えられるわけですね。で、ケースを4つほど示すとこんな感じ…

事例1:上杉謙信は越後一国を支配し、北信濃・北関東にも派兵するほどの強国の主でしたが、室町幕府の役職上は、「越後守護代」(越後の国の一国を支配する大名の代理人または補佐役)にしか過ぎませんでした。ところが、幕府の要職である「関東管領」(関東地方一円の大名達を統括する官職)を譲位されました。この結果、関東を巡る、武田信玄、北条氏康との戦いに際して、関東地方の政治秩序を乱す者を討伐する、という大義名分を獲得できました。もっとも、武田信玄は、川中島を中心とする北信濃地方(管領の権限が及ぶ関東地方ではありませんね)を巡っての、謙信との対決にあたり、「信濃守護」(信濃一国を領国として統治する大名)の官職を将軍から得て、「こちらに大義名分はあるぞ」とやり返していますね。

事例2:尾張・美濃の支配を確定させた織田信長は、北伊勢および南近江を電撃的に勢力下に納め、次いで山城の国およびその中心であるところの京都も占領します。その上で、足利幕府の最後の将軍となる足利義昭を、自らの陣営に向かえ入れます。これにより、信長は、「将軍の命によって幕府の威光を回復させる」という大義名分を有して、天下統一への活動を本格化させることになりました。後に、利用されているだけの立場に飽き足らない足利義昭は、信長に対して挙兵しますが、そのころには、信長自身が、圧倒的な権力を有することになっており、ぽい捨てされることになりました。

事例3:足利義昭をぽい捨てにしたあたりから、信長は朝廷の権威をうまく利用し、朝廷における官位を上げさせます。名分上は、最高権力者であるところの天皇の配下、朝廷の一員として天下統一の最終段階にアプローチしていたわけです。そして、最終的には、朝廷の官位の中でも最高位に近い「右大臣」を任ぜられています。しかし、この「右大臣」の官位を、信長は、ごくごく短期間で返上しています。これは、「今までは朝廷の権威を利用させてもらっていたけど、朝廷の威光なんか借りない、武士政権をきっちりとつくるぜ〜」という天皇・朝廷の権威との決別を意思表明することだったとする歴史家もいます。そして、このことを敏感に感じ取って、朝廷が廃止されるのではないかと恐怖した一部の公家が、明智光秀をそそのかしたのだという「本能寺の変=朝廷の謀略説」を唱える歴史家もいますね。

事例4:豊臣秀吉は、武家の中で、血統的に誇れるものは何もありませんでした。下級武士からの成り上がりものであり、能力第一主義の型破りな織田軍団の中にあって、特別に、幕府の官職も得ていたわけではありません。信長の死後、織田家中の敵対者を打倒し、絶対的な権力者にはなってますけど、それを裏打ちする権威を欲しいと考えます。室町幕府は完全に実体を失っていますし、信長の後ろ盾もなくなっています。しかも、下級武士からの成り上がりということは、誰もが知っており、武士としての最高位である「将軍」を譲位するように運動してみたけれど、無理そうだ…。そこで、彼は、「将軍」以外の朝廷の別の官職に目をつけます。そして、高位の公家との形式的な養子縁組を経て、「関白」(朝廷にあって天皇の行政機能を代理執行する官位)を獲得し、日本の政治的支配者であるという形式も整えたわけです。
2001年11月29日:00時15分46秒
戦国大名て / 蓮華
ワールド設定で悩んでいるんですが、日本の戦国時代(信 長とか秀吉の時代)の
大名は一応、「独立国家」だったんでしょぅか?
戦争ふっかけて、領地奪いあったりだから多分そうだと思 うんですけど…
だとしたら、当時の天皇(帝)の権力とかどうだったんだ ろうかと
あと、将軍家だった足利家とか…
なんか、イマイチ良く解らないので詳しく書いてある本と かあれば
教えて欲しいんですが
よろしくお願いします
2001年05月22日:18時51分18秒
Birthrightの紹介 / 宮本 隆志
 簡単にフォローを。
 AD&Amp;Dの背景世界の一つ、Birthrightは、正にあきのりさんの書いたようなことを遊ぶRPGです。
 実は私の作ったBirthrightページというのがあるにはある(http://www.imasy.or.jp/~miyamoto/の下に)んですが、読み直してみると、知らない人に説明するには全然駄目なページなので、簡単にここで説明を。

 PCたちは小国(まぁ日本の戦国武将の領土ぐらい)の国王だったり最高司祭、宮廷魔術師だったりします。当然、騎士団とかが存在しているんで、例えばゴブリンが出た程度の事件は、ちょっと兵士を派遣すればOKなんで、PCたちはもっと国家的なイベントを遊ぶことになります。
 私がDMしたシナリオの例を挙げると、
・PCの着任というか即位式典。外国の賓客が多数参加してるので、粗相があると評判や民忠誠度が下がる。が、当然のように足を引っ張る様々な陰謀が。
・ドワーフの王国から援助要請が。共同でモンスターを撃退した暁には、ドワーフ鉄製品の貿易航路が設定される。
・国内の貴族の派閥争いや国内の宗教問題。あるいはPC以外の人物を国王に据えようと考える集団の扱い。その背後にはそれを煽る他国の勢力や多国籍企業なギルドの存在が...。 なんてのが。
 最終的には、税制や政策や民忠誠度とか国内の貴族の忠誠度みたいなので税収が決まるんで、これらのイベントを無事PCたちはクリアしないといけないわけです。

 という訳で、こういった感じのRPGを遊びたいならば、ルールと市販シナリオを一読されるといいんじゃないかと思います。ご参考までに。
2001年05月21日:21時41分49秒
こんな感じで、シナリオ上の解決を図ったら? / あきのり
 わたしも、こちらは、はじめての書き込みです。
 
 一連の議論と、これに対する灰色熊さんの書き込みをみて、国家運営のSLG的構造をどうやって、TRPGに盛り込むかを考えたのですが…。
 
 一つの方法として、行政的側面を全く切り離して解決し、政治が力学的側面のコミュニケーションとして、表現してはどうか? と思い至りました。
 
 国家運営の仕組みはもちろん、システム化します。しかし、そのシステム上における結果の知らせ方の問題です。
 
 システムを何から何まで見せて、さぁ、これだけ、その政策の効果はあったぞ…何%国民の支持率はアップだ…と、特にファンタジー系の中世風の世界において、明確に捉えることは可能でしょうか? はい、不可能ですね。
 
 国王が政策の効果を知るのは、ほとんどは、大臣・貴族、その配下の官僚からの報告です。もともと、政策を考案したとしても、その政策は、大臣・貴族、その配下の官僚に命じて執行させますね。ポイント・オブ・ビューの観点からすれば、これが当然です。
 
 政策の企画立案、そして、様々な諸勢力との利害調整、最後に、その政策を実施するか否かの意志決定…それが王様の役目であり、政策の実施は命じられる貴族や大臣達、官僚達…そして、それが上手く言っているか、いないかは、その報告によって分かる…とすれば、そのコミュニケーションのみを、PC達には見せればよろしい、ということになりませんでしょうか?
 
 もちろん、上手く政策が進んでいないならば、もしかすると、貴族・大臣・官僚は、そのことを正しく報告しないかもしれません。上手に事が運んでいないのは、市中をお忍びで視察して、ようやくと分かるかもしれません。あるいは、反乱が勃発して、ようやくと知ることができるかもしれません。
 
 GMは、PC達の考案した政策を、淡々とSLG的に解決します。その結果は、NPCの口を借り、時にはウソなども盛り込みながら伝える。そこにTRPG的な陰謀劇を差し挟んでもよろしいでしょう。
 
 あるいは、考案する段階での利害調整等の意志決定に至る過程までのネゴシエーションを軸に、コミュニケーション型の政治劇をシナリオ化する。そこにも、政策の企画立案がなるまでに、反対する勢力からの様々な陰謀もあり得る…。
 
 SLGにおいて、確立が難しいのは、「プレーヤーは誰の立場なの?」という「ポイント・オブ・ビュー」です。例えば、ウォーゲームにおいても、ノルマンディ上陸作戦の指揮官であるアイゼンハワーとこれに対抗したロンメル元帥が、大隊レベルの部隊の配置や補給については、あれこれ、悩みません。彼らは、上陸軍全体もしくは迎撃軍全体の兵力バランスや全軍に対する補給問題には悩みますけどね。それ以外のことは、下位の指揮官、参謀、そして、それぞれの担当レベルの人員が、総司令官の意志をさらに下位レベルに噛み砕いて、実現しようとするわけです。本気で、アイゼンハワーとロンメルの2人のポイント・オブ・ビューのみで、ノルマンディ上陸作戦のゲームをデザインしようとすれば、相当に抽象化しなければならんでしょうね。
 
 ところが、TRPGにおいては、このポイント・オブ・ビューというのは、イヤでもはっきりしています。誰が、なんと言おうと、PCはPC以上でも、以下でもない。すなわち、PC達に視線に降りること。これが必然的な解決策と思われます。
 
 それでは、政策の企画立案はどうするのか?
 PC達は、様々な利害関係者(NPC)の意見を聞きます。そして、その政策が意味を持つかを判断しなければなりません。政策の実行によって「害」を被りそうな関係者には、説得を試みなければなりません。そうやって利害を調整する必要がどうあっても出てきます。この過程は、興味深いNPCとのネゴシエーションのゲームとして仕立てることができるでしょう。もちろん、説得に応じない関係者を実力を持って除くとか、納得の行かない関係者が国王を除こうとか、と考えるかもしれません。それらは、活劇的な要素として、シナリオに盛り込むことができるでしょう。護衛が目を話した隙に、暗殺者が忍び込んできたら、国王個人でも剣をとって戦わざるをえない…そんな具合に。
 
 そして、政策の実施は、現実には、PC達の手を離れるのじゃないか?
 そうです。それは、行政システム…貴族・大臣・官僚の行政手腕をファクター化して、うまく行くか行かないかを判定します。上手く行かなければ、財政が悪化するとか、支持率が降下するとか…、しかし、その結果をはっきりみせることはしません。その結果に関しては、現実には霧がかかっています。PC達が、その結果を、心から知りたいと思うなら、市中に出なければなりません。そして、現実として上手く行っていないとしたら、貴族・大臣・官僚の誰が悪いのか、責任の所在を調査し処断しなければなりません。あるいは、政策の企画が悪く、責任を問われるのは、国王自身かもしれません。これらの調査の過程にももちろん、個人レベルの活劇的な要素を組み込めるでしょう。あとは、システムと背景設定に即して、「個」としてのPC達がそれらしい行動をしてくれれば…シェイクスピアのような政治劇もあり得れば、暴れん坊将軍や水戸黄門のような世界もあり得る…そう考えますが、どうでしょう?
2000年02月11日:03時47分14秒
政策のルール化について少々 / 灰色熊
はじめまして、皆さん。少しお邪魔させていただきます。一連の議論を眺めていて、政策のルール化について考えたことがあります。

大まかに言って政治には、行政的な側面(領地や軍隊の運営など)と政治力学的な側面(外交や内部での権力闘争など)があると思います。行政的=SLG的、政治力学的=マルチゲーム的と置き換えてもいいかも知れません。

そして行政をゲームで扱おうとすると、どうしてもそれなりの量の情報を処理しなくてはなりません。そうするとどうしてもPCの方がなおざりになってしまうか、PCも国家の中のひとつの駒、のような扱いになってしまうのではないでしょうか。
大臣さん、ジョニィさんのプレイについて感じたことは、プレイヤー>PC>国家運営、という多重構造が処理できず「キャラクタープレイつきのSLG」になってしまったのではないかということです。

(「コスティキャンのゲーム論」でいうところのゲームトークンの問題ですね)

SLGはSLGで楽しいので、SLGモードとRPGモードを分けるのがいいかな、と思います。(もともとそのつもりなのでしょうか?)
あるいは、普通のRPGの延長線上で政治を扱うなら行政の側面はある程度単純化して、その分外交や政争など(マルチゲーム的側面)を扱うとよいのではないでしょうか。政治力学的側面を扱うなら、キャラクターの視点で処理できると思います。
2000年02月11日:03時20分02秒
法制度に疑問を抱く可能性(補足) / DARU
 また、大事なことを忘れていました。
 具体的な例示の内容を書いておりませんでした。
 
 「文明の先進国」:国民に、現在の我々が最先端であるという意識が浸透したとき、
            「そんな古臭い、大昔の慣習なんかに従っていられるか!」
 「国家成立後に大勢の多民族の流入があった国」:元々はA民族の国だったが、
            その後、B民族、C民族が流入し、次第に勢力を増していったとき、
            「何で、国の儀式はA民族だけのやり方でやるんだ!」
 以上のことから、これらの場合に、現行の法制度あるいは太古からの慣習に
 「気にくわない」という理由で疑問を抱く可能性があると考えました。
 失礼しました。
2000年02月11日:02時46分48秒
法制度に疑問を抱く可能性 / DARU
 たびたび、失礼します。
 ちょっと質問させてください。
 
 以前、私は
 >冒険者達が生まれる前から存在していた法制度について疑問を抱くためには、何か特別な理由が必要となります。
 と書き込みました。
 この何か特別な理由については、すでに具体例を挙げましたが、これは現行の体制に対して、非常に強い不満、
 怒り、恐れ等がある場合、と考えています。
 
 この件について、2つの意見が出されました。
 
 >「力を手に入れたから」
 「力を手に入れた」のが現行の法制度によってもたらされた場合、この人物がその法制度を守ろうとするのか、
 それとも疑問を抱くのか、判断に迷うところです。あるいは「もっと、俺のやりやすいように変えてやるぜ!」と
 いうことなのでしょうか。
  
 >太古からの慣習でさえ、「気にくわない」程度の理由で無視されることもあります。
 この場合、どんな人物が、どんなきっかけでそう思う可能性があるのか、気になります。
 また背景社会はどうなっているのでしょう。「文明の先進国」「国家成立後に大勢の多民族の流入があった国」
 などでしょうか。
 
 どちらも信頼度に影響を及ぼすイベントにできそうなので、よろしくお願いします。
2000年02月11日:01時38分17秒
RE:[政策] 別のアプローチ / DARU
 LISTさん、こんばんは。
 ご指摘ありがとうございます。
 
 >正攻法
 確かに政策をルール化するのは困難で、それよりも政策の引き金となるイベント(自然災害、事件・事故等)を
 リストアップして、それが国家・国政にどんな影響を与えるのか、ということを決める方がはるかに効果的な気
 がしてきました。この部分についてはD&Amp;Dにも発生確率と信頼度への影響ぐらいしか記されていなかったので
 取り組む価値がありそうです。そして、それをどのように対処するか(つまり政策部分)は状況に応じて様々で
 あり、ルール化できない、あるいはルール化しないほうがよいと感じました。
 
 >D&Amp;Dのルール
 参考に、というより模倣に近いかもしれません。
 ただ、いくつか自分なりに不便に感じた部分は変更しました。
 例えば、
 1.人口の計算をヘックス単位から都市単位に変更。
 2.資源を具体化し、個別に資源の価値を設定
 3.支配者は領地の産業面における方針を年初に決めることにして、タイプの合わない資源は価値が減る。
 4.地勢による資源タイプの制限及び人口への影響
 などを考えました。
 あのままでは、少し抽象的ではないかと考えたからです。
2000年02月11日:01時09分30秒
政策決定に関するパラメーター / DARU
 Thalionさん、 LISTさん、はじめまして。
 また、 石頭さん、KNさんには私の意図をご理解いただき、ありがとうございます。

 まず、この議論は、「創作ルールを考える」雑談所に書き込もうとも思ったのですが、まだルールの前段部分ではないかと思い、ここに
 書き込みましたことを申し上げておきます。
 
 >政策のルール化
 やはり、SLGになってしまいますか。
 実は、私はエポック社のウォーゲームから入って、D&Amp;Dの赤い箱に飛びついた人間なので、そういうところが出ていたのかもしれません。
 
 >政策をルール化したファンタジーTRPG
 多分、ないと思います。
 知ってる限りは調べましたから。
 ただ、何らかの政策(PCの行動を含む)を行わなければならないきっかけとなるイベント表みたいなものがD&Amp;Dとバトルテックにありました。
 私は、政治を題材にして遊ぶのに、もっとも適しているのはTRPGではないか、と考えています。
 SLGは、数字に出てこない部分のフォローがされにくい。
 TCGは、制約が多く、行動に限界があることが多い。
 以上の理由から、ぜひTRPGで国家運営、政策のルール化をしようと思ったのです。
  
 >政策立案者の限界
 やっぱり、最後は「判定」ですか。
 そうであれば、この部分は無理にルール化しないほうがいいような気がしました。

 >冒険者の経済効果
 なるほど、ただ冒険者を招き寄せただけでは意味がない、何か金を落としたくなる理由が必要だ、ということですね。

 >経済活性化策
 娯楽、教育、宗教、交通と幅広いですね。
 私は、思いつきませんでした。
 単に交易を推進するだけでなく、何か特色を打ち出せば、さらに効果的ということですか。

 >政策決定に関するパラメーター
 これは、例えば国家の指数みたいなものでいいのでしょうか。
 それならば、私は以下の3つを考えています。
 1.信頼度
   元ネタはもちろん、D&Amp;Dです。
   国民の支配者に対する満足の度合いを表します。
   各種収入をはじめ国家運営全般及び人口の増減率に影響します。
 2.富裕度
   国民の生活水準を表します。
   経済活動等による間接税収入及び信頼度に影響します。
 3.文化レベル
   元ネタは光栄の「チンギスハーン」です。
   国民の文化水準を表します。
   国内の知的資源及び富裕度に影響します。
  
 もし、皆さんの許可が得られるようでしたら、現在作成中のルールの骨格部分を公開して、御意見をいただきたいと思いますが、
 他の雑談所でやるべきでしょうか。もちろん、できるかぎり汎用性の高い部分を抽出しますが。
  
2000年02月11日:00時13分35秒
[政策] 別のアプローチ / LIST
別のアプローチといいますか、正攻法といいますか…
政策はルール化せずに、別の事柄を決めてはどうでしょうか。

国防を重視したい! こんな政策があったとします。
この意見をルール化すると言う事は、城塞の建築費を決める事であり、それは国家予算 (所持金) を決めると言う事であり、また、人材雇用のルール(経費や階級制度や領民から徴兵できる人数などのルール)を決める/求める事にあたりますよね?

ところでD&Dも見られたそうですが、専門家及び傭兵の雇用費や城塞の建築費は決められていませんでしたか?
さらにいえば、土地の資産価値と未開発資源の埋蔵量の決定方法や領地収入や支出、さらには領民からの信頼度決定にいたるまで様々なルールが有ったと思いますが、それらではダメでしょうか?

政策をルール化するという事が、政策を実行する際に必要なるルールを決めると言う事であれば、D&Dには参考になる例が多々あると思われますがいかがでしょうか?
2000年02月10日:19時43分05秒
RE:政策立案者の限界 / KN
 DARUさんが、「政策のルール化」を念頭に置いていたことについては、了承しました。突き詰めると、SLGになる可能性もありますが、意義のある検討課題だと思います。
 一番書きたかったことは、ThalionさんとLISTさんに書かれてしまいましたので、それ以外のことを考えてみます。
 どんな政体であれ、意志決定者は完全に独立した機関ではありません。それが、優秀なブレーン・粗忽な取り巻きのような者から、トランス状態に陥った中での幻覚まで様々な干渉があります。
 そこで、国王・貴族などが、どの程度他者の進言を受け入れるかを、ルール化出来れば、そこに冒険者であるPCの介在余地があるかもしれません。
 冒険者の社会的な利点の一つには、間違いなく見聞の広さがあるはずですから。江戸時代初期の三浦按針や、(意味合いは異なりますが)明治のお雇い外国人はその例でしょう。
 
 経済活性化策自体は、世界観・ルール面の裏打ちが出来ない以上、金融・交易については妥当です(民間の参入は阻害しない方がいいでしょう)。冒険については、世界によるので何ともいえませんが、タックスヘイブンにして(この時点で、累進課税性の所得税が成立する必要があります)、冒険者の落とすお金に期待するという手もあります。
 あとは、学術・宗教ですが、後者は世界観によっては、劇薬であったり、誘致が不可能であったりします。前者は、ワールドによって異なるでしょう。
 
>現代のユダヤ人が世界経済に及ぼす効果
 彼らは、毀誉褒貶(悪い方が多いとは思います)が多いのですが、少なくとも自民族の地位確保のためには、投資を惜しみません(アメリカでの献金、影響力を誇示するための活動、テルアビブの整備など)。彼らに対する好悪を度外視すれば、そのことを認めないわけにはいかないでしょう(その手段・結果には、問題が多々ありますが、それは別問題です)。
 しかし、冒険者にはそれだけの金銭を消費する理由がありません。立身出世を目指していれば、話は別ですが。ですから、その国に止まり、ある程度の資金投下を行う理由を冒険者に与えるようにしてはいかがでしょうか。
 税が安い・風光明媚・成り上がりやすいなどの理由もありますが、魔法や装備品を、実害をもたらさない限り自由に、使用・所持できるというのも、効果があるかもしれません。
 
 いずれにせよ、政策決定に干渉するパラメーターを確定することが必要です。そうすれば、それを改良してゆけば望みのものができあがるかもしれません。
2000年02月10日:19時39分22秒
[政策] どのように効果が出るか。受け手の問題 / LIST
どもです。
政策のルール化という事ですが、政策を受けて変化が出る対象はどのようになっているのでしょうか?
何であれ行動をルール化する以上は、受け手も設定されていなければなりません。

先にあがった例では、財源以外は貧窮した国家のようですが、ぶっちゃけた話し正常な状態がルール化(データ化)されていなければ、ルール化された/してしまった政策をゲームとして運用する事は出来ません。
私としては、政策をルール化する話しをするならば、どのようなパラメタがないと困るか/どのようなパラメタを使いたいかを考えるべきだと思います。
ではです〜
2000年02月10日:18時43分02秒
RE:経済の活性化 / Thalion
状況だけ聞くと、なんかこれ、「ふるさと創世○○金」を貰った、田舎の地方自治体みたいですが。村おこしですね(笑)

それはともかく

基本的には、こうした事柄というのは、周囲の状況や過去の経緯を抜きにしては考えにくいのですが、そこを取りあえず置いといて、一般論で考えてみると...

やはり、いかにして他の都市にない特徴を出すか、という「差別化」が鍵になるでしょう。●●都市、と呼ばれるような。そしてその差別化を行うために、国策としての銀行や、あるいはそうでなくても、助成金などのシステムを作った上で,,,,

ラスベガス式:ありあまる資金を利用して宿泊設備つき一大娯楽都市を造る。これと同時に、引退した裕福な冒険者や商人が老後を楽しく暮らせるような介護施設を作る。娯楽を求めて来る観光客、引退した金持ちの子供たちが、親の顔を見にくるついでに遊びに来る。そこで金が落ちる。人が多く来れば、辺ぴな場所でも街道が出来る。

学園都市/シリコンバレー式:まずは高度な教育を行える設備を建てる、金にものを言わせて高名な学者や魔法使いを講師として集め、英才教育を施す学校を造る。学校に落とされる資金を利用して、更に町作りをすすめ、学園都市とする。やがてその卒業生などの人脈を頼って様々な商売が広まり、主に高度技術を中心とした技術集団が形成される。こうした連中に対する税制を優遇する。

ベネチア式:もし、地の利がある場所なら、交易を自由化し、それをサポートするためのサービスを充実させる。資金を使って交通網を充実させる。

ラサ/秘跡式:新興/伝統宗教の権威を勧請し、聖地となる。あるいは、資金力にものを言わせて「奇跡」を演出し、聖地化を目指す。あまり高度な成長は望めないかも知れないが、巡礼がやってくる関係上、一定ランクの成長は見込める。聖地なら、かなり辺ぴな方がいい(笑)。無論、住人の殆どは僧侶か、あるいはそれをサポートする人々ということになるけれども。

とりあえず考えてみました。うーん、雑かな〜。


2000年02月10日:18時20分43秒
RE:政策立案者の限界 / Thalion
とどのつまり、これは「その事を思い付けるかどうかの判定」という奴にたどり着いちゃう気がします。


「僕の野生児PCアシカ君(仮名)のINTは3しかないんだけど、あいつをこれこれこういう方法で、トラップ仕掛けてだまし討ちにしようと思うんだ。マスター、これって僕に出来るのかな?」

あるいは


「僕のPCはINTが18もある超絶天才アルカンタラ(仮名)だけど、プレイヤーの僕にはこの状況を打開するアイデアは思い付かない。でもPCなら絶対何かを考え付いてる筈なんだけどな。何とかならない?」

っていうアレです。


2000年02月10日:18時10分41秒
【冒険者許可証】 悪い制度だった場合のシナリオフック / YAN
 
 「冒険者許可証制度」が、冒険者にとってはあまりメリットが無いことを
 逆手にとって、ヘビーな世界観やシナリオのネタにする手もありますね。
 
 制度に反対するレジスタンスのリーダー格として、PCたちが選ばれるとか。
 あるいは、そういう圧政を強いる「帝国」的な国家組織に対抗すること自体、
 その世界における冒険者の目的の一つになっているとか…。
 
 あるいは、欠陥に気が付かないままに、制度を施行してしまったおかげで
 国家が衰退していく様を見せつけるとか。
 
# PCの立場がそれぞれ違ったりすると面白いですね。
# 「流れ者」、「一般市民」、「警備兵」、「国家の重鎮」…。 
# 色んなドラマが生れそうです。 
  
 また、そういう制度がありながらも、したたかに影をすり抜けていく冒険者、
 というのもカッコ良さげです。(サイバーパンクみたいなノリですね(笑))
 
# でも、ファンタジーでは装備がかさ張るのと、住居の確保が難しいからなぁ。
# 都市にスラム街があるといいかもしれないですね。または古代遺跡を改修
# して作った都市なので、未開発地域だとモンスターも出現する無法地帯に
# なっているとか(笑)。それなら許可証制度があってもおかしくないですし
2000年02月10日:18時04分04秒
「政策のルール化」 / 石頭
個人的には「政策のルール化」は不可能だとは思いません。しかし、それをルール化した場合、TRPGよりもSLG的要素が大きくなるのではないか、と愚考します。
(TRPG,SLGの定義にもよりますが)

また、現行のファンタジーTRPGシステムに「政策ルール」を付加した場合、そのファンタジーTRPGシステムが内包しているデザインコンセプトを大きく変化させ、結果として付加する前のファンタジーTRPGシステムよりも遊びずらくなるのではないか、と個人的には考えます。

ですので、付加するよりも、「政策ルール」を最初から備えたオリジナルTRPGシステムを構築するのがよろしいかと存じます。

以上です。
#「政策」をルール化するのに成功したファンタジーTRPGってあるのだろうか(^^;
2000年02月10日:18時01分48秒
【経済の活性化】政策立案者の限界 / DARU
もう一つ、大事なことを忘れていました。
政策立案者の限界ということです。
これはPC&NPCの政治に関する技能レベル、あるいは知識・教養に関する能力値で
制限することができると思いますが、
例えば、元は地方の地主階級の貴族・大臣と元は都市部での交易仲介人の貴族・大臣では
明らかに政策の方向性が違うはずです。
私の【経済の活性化】に対する政策は、明らかに後者が優先的に考えるものであり、普通
ならば、前者がこのような政策を提案する可能性は低いものと思います。
しかし、この部分をルール的に決めることはできるのでしょうか。
また、それはするべきでしょうか、それとも、するべきではないのでしょうか。
2000年02月10日:17時31分36秒
新たな提案及び前回までの考察に関するお詫び / DARU

皆さん、はじめまして。
現在、私が意図していたことと違う方向に議論が流れそうなので、ここで述べさせてください。

まず、私が既に一旦終了した設定を議論の題材として、復活させたのは国家運営のルールを
作成していて、行き詰まったからなのです。
それは「政策のルール化」ということです。
D&Dをはじめ、いくつか調べましたが政策に関しては、ルールはありませんでした。
そこで、なければ作ろうと思い、作業を始めたのですが...とても難しいのです。
まず、しっかりとした土台となるルールを作り、その後に一般的な政策をリストアップして、
それがどのような効果をもたらすのか、そして発案者の環境、能力、性格及び国勢の状況等が
政策の立案に対して、どのような影響を及ぼすのかを考えなければならないからです。
(もっとも、それをPCにあてはめるかどうかは、別の話ですが...)
そこで、何か政策について議論されているところはないかと思い、ここにやってきました。
もっとも、過去に議論されているのは「冒険許可証」制度のみであり、それすらもはっきりと
した結論が出ていないと思ったのです。

私が皆さんとの議論で得た「冒険許可証」制度の政策的見地における結論は
「制度として設けることは可能であるが、多くの場合、有効性を持たせるのは困難であり、かつ
政情、社会の不安を招く危険性のある政策である」ということです。
したがって、
「標準的なTRPG世界観の中で、水準以上の力量を持つ為政者が発案する可能性は極めて
小さい」と認識しました。

ここで確認しておきたいことがあります。
私は「冒険許可証」という制度の有効性は求めていません。そのことは前回までの書き込み
で明らかと思います。つまり、私が「オリジナル設定の論理的な裏付けを求めている」のは、
この「冒険許可証」という制度ではなく、「政策のルール化」にあります。
したがって、そのことをご理解いただければ幸いです。
また、このことを先に明記しなかった点については、謝罪いたします。
さらに、この考察を、さも一般論のように結論づけようとしたことは反省しております。
申し訳ありませんでした。

皆さんのご指摘は、そのとおりだと思います。
ありがとうございます。
また、「政策のルール化」についても個々のルール・世界観が影響すること
には変わりないと思いますので、早晩「ワースブレイド」へ移動したいと
思います。もう少しだけ、お付き合いください。

そこで、勝手なお願いですが、
「冒険許可証」は具体例としては、まずかったと思いましたので、新しい提案をさせてください。

「痩せた土地」「資源がない」「交易もあまり盛んではない」国家において、
何らかの理由により、国庫だけが潤沢で、これを基に経済活動の活性化を図ろうとした場合、
どのような政策が効果的でしょうか。(特定の世界観によるものでも、一般論でも構いません。)
  
私は、国営の銀行を設立して、民間から優秀な商人、銀行家、両替商等を登用し、交易活動への
助成を行う、また冒険活動を奨励・優遇し、冒険者を多く招き寄せて、経済を活性化させる等を
考えました。
しかし...これが限界です。

冒険者のもたらす経済効果について、私は現代のユダヤ人が世界経済に及ぼす効果と同一視して
いました。つまり、少数だが、経済のバランスを崩すほどの大金持ちと読んでいたわけです。
したがって、局地的にはインフレを引き起こしますが、全体的には経済の活性化につながるので
はないか、と思ったのです。

「冒険許可証」については、勉強して、過去に多くの方に批判されていた「冒険許可証」制度を
政策として使えるように改良できたと思っていたのですが、随分、穴だらけだったようです。
改めて、私の力量不足を痛感しました。

やっぱり「政策のルール化」は無理なのでしょうか。


2000年02月10日:15時24分17秒
【冒険者許可証】モデル / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
@石頭さんWrote
>どこが発行元(管理元)なのかによっていろいろ変わりそうな気もします。国なのか、地方自治体なのか、個人なのか、宗教組織なのか、犯罪組織なのか。その元によって、冒険許可書のデメリット、メリットも決まってきそうな気も。
 
 そうですね。
 
 特にシステムを限定しないで、バク然と、ファンタジーモノTRPGって構想してみます。
 かつ、YANさんが、言ってられるような、「冒険者が他国に出て行かないようにすること」 に重点を置いて考えるなら。
 
 例えば、マンガ『スプリガン』のトライデントとかをモデルに、いろいろ変更してみてはどうでしょう。
 『スプリガン』をTRPGで再現するのではなく、どんどん変更しちゃうんです。
 
 まず、冒険の内容ですけど、トレジャー・ハンティング、トレジャーのゲットに限定されます。
 モンスターとの戦闘及び、捕獲などは副次的な「冒険」、とゆうことで
 
 えーと、『スプリガン』では、主人公の属する「アーカム財団」も、「アーカム」に敵対する「トライデント」も多国籍組織でしたけど。
 トライデントの下部組織が国家ごとに独立しているような感じではどうでしょうか。
 
 と、言っても、冒険者管理局が、緩く冒険者を管理しているような感じで。
 
 うーんと、国家に登録された冒険者が、自国領土内の遺産を他国の冒険者より先にゲットする。場合によっては、非公式に国家に支援されて他国領土や、領土権空白地帯から宝や捕獲モンスターを持ち帰る。
 
 ライト・ファンタジー風の自由な冒険者って類型からはアレかもしれませんけど。
 自由に拘るんなら、登録制度なんかに従うなよ、ってアレもありますし(笑)。
 
冒険者にとってのメリット:情報・物資・支援などを国家から公式・非公式に受けられる。
 入手した宝や捕獲モンスターの換金は保証されている。
冒険者にとってのデメリット:ある程度国家の管理を受け入れざるを得ない。割といつも監視されてるとかの設定があった方が自然かもしれない。
 大物になると家族が目立たないように人質になってる(表向きは王室に内勤など)とか、あるかもしれない。
 
国家にとってのメリット:とりあえず、失われた魔法技術の確保・研究促進とかって感じで。
国家のとってのリスク:デメリットとゆうほどではない(?)ですけど。冒険者をどこまで信用できるか(笑)。覆面・内部査察官みたいな冒険者を用意したり。二国家間をまたにかける、二重冒険者とか。
 
 なんか、ファンタジー世界で007をやるみたいな感じになりそうですが(苦笑)。『スパイのライセンス(許可証)』(←大昔のTVドラマ)って感じですね(笑)。
 おそまつ様でした。もとのアイディアとはダイブずれちゃってますね。しっつれーしました☆
2000年02月10日:14時49分20秒
【冒険許可証】発行元(管理元)は? / 石頭
どこが発行元(管理元)なのかによっていろいろ変わりそうな気もします。国なのか、地方自治体なのか、個人なのか、宗教組織なのか、犯罪組織なのか。その元によって、冒険許可書のデメリット、メリットも決まってきそうな気も。

あるいは、冒険許可書が発行されるのに必要な社会条件を考えるか。
2000年02月10日:13時58分34秒
【冒険許可証】冒険者の選別 / Thalion
その社会として残って欲しいのは、多分、その社会にとって「良い」冒険者だけの筈なので、それを選別出来るような仕組みも欲しいですね。

その存在によって、地元が潤う、治安を乱さない(より積極的には、治安が保たれ易いようなものならなお良し)、外敵に対する抑止力として働きうる、技術開発に貢献する etc...

そういう冒険者と、いわゆるヤクザ者とは、やっぱ区別したいところですし。流れ者ばっかりが居てくれても、治安やら衛生やらの面で、あまりメリットないですもんね。


2000年02月10日:13時00分59秒
【冒険許可証】 冒険者にメリットが大きく、デメリットの小さい制度を考える / YAN
 
 うーん。細かいところは違うけど、基本的には過去ログLOG1辺りの議論と変らないかなぁ。
 (及びソードワールド雑談所 LOG 016ね)

  つまり、「メリットが小さく、デメリットが大きい」ので、当初の目的である
 
> 「冒険者が他国に出て行かないようにすること」
 
 という目的が果たせなくなる、と。というわけで、ここで一度、
 
 冒険者にとってメリットが大きく、デメリットの小さい制度を考えてみては如何でしょう?
 
# 「フォーチューンクエスト」の冒険者ギルドがそんな感じだったと思いますけど。
 
 で、両者の要素をいろんなパターンで取り混ぜれば、色々面白い制度が出来上がるんではないでしょうか?
2000年02月10日:09時17分29秒
お礼:「冒険者許可書」制度 / 石頭
なるほど。どうもありがとうございました、よくわかりました。>DARU殿、各位。個人的考えですが、「ルナル・サーガ」なら上手く働きそうな気がします(^^;。>冒険者制度。(個別世界の考察になってしまいますが)
2000年02月10日:05時50分38秒
【冒険許可証】2:個別の感想 / KN
 DARUさんの個別の記述に対しまして、思ったことを書く前に。「前提」と「結論あるいは必然」を取り違えないでください。仮に設定した事項である「前提」を、必然的なものとして考えると、それ以降の話題の内容が、一般論ではなく特定の事象に対するものになります。例えば、先の私の文章は、現実世界の規範が「前提」であることが、明示的ではないにせよ読みとれます。この程度でしたら、一般論ともいえますが、別世界である各ワールドから見れば、既に「前提」に拘束された論となります。
>冒険者達のもたらす経済効果は侮れないものがあります
 既に、これが「前提」です。私は、プレイヤーとしては、その日の生活にも困る冒険が多かったので、より「前提」であると感じます(しかも、D&Dでした)。
>治安面においては、冒険者が減少したことにより、ある程度回復するかに見えます
 治安が、あくまで犯罪問題に限定され、人間及び同類の知的種族しか存在しない世界であれば、可能性はあります。ですが、他の粗暴な知的種族(システムにもよりますが、ゴブリン、オーガー、トロールなど)や、数体で社会的驚異となりうるモンスター(例えば、ドラゴン、強力なアンデッド、暴走するエレメンタル)が存在するならば(特に前者)、自ら防衛力を放棄するような愚か者に配慮するいわれはありませんから、たちまち治安は悪化するでしょう。
 都市の犯罪に限っても、吸血鬼やドッペルゲンガーの跳梁は止められないと思います。
>人材を確保するためには「いくつもの検問・通行料支払所」「国外旅行の禁止令」等
 アジア的な価値観であれば、成功する可能性はあります(明・清の海禁策)。ですが、「帰ってこれなくともしかたがない」と思われた時点で、この方針は崩壊します。また、明・清は国内を行脚するだけでも一生を費やしかねない大版図を有していたことを忘れるべきではありません。
 現実の確保策は、混沌太郎さんの発言の通りであると考えます。
>本来の目的
 この目的が達成されるなら冒険者とはいえないでしょう。せいぜい用心棒とか、学者とか・・・。これを脇に置くとしても、定住する理由がどこにもありません。
>軍事指導者クラスの人物
 勝手に「結論」にしていますが、これは「前提」です。このような案を軍事指導者以外から発案できない理由がありませんし、発案者の地位・能力にも幅があるでしょう。
 
>経済活動の基盤を交易等(無形資源)から農業・鉱工業(有形資源)に
 まず、こういうときは第X次産業といってください。また、中世的世界観であれば、工業は商業よりの性格が強くなります(直販するわけですから)。
 さらに、交易と農林水産業・工業では要求される要因が異なりますし、鉱物資源は新発見がない限り、減少するだけなので、短期においては人員・規模は変動しません。
 よって、冒険を抑圧した程度では、産業構造は変われません。無理に変動させようとすれば、社会不安を招くだけで、経済的な利点はありません。
 
>軍隊以外の武装を解除する
 ファンタジーでしたら、これは自殺行為です。衆には衆の、個には個の戦場と戦い方があります。特に、個人が強力になりがちなファンタジーでは、なおさらです。軍隊以外が相手になる可能性を、考慮すべきでしょう。
 また、魔法はどうするのですか。危険性は、武装に勝るとも劣りませんが、行使プロセスによっては規制できないものもあります(例:SWのシャーマン)し、単身で一軍を相手にする(例:D&Dのマジックユーザー)術者も存在するかもしれません。
 治安強化よりも、暴力独占の観点からであれば、国家・警察・軍隊が冒険者を排除したいと考えるのは妥当です。この場合には、国家公務員として冒険者を戦闘部隊に編成するか、国内から排除するしかありません。
 もっとも、こんな事を考えれば(純粋な行政措置ではなく、人治によるものですから)、一部の過激なグループは、とりあえず「暗殺」を試みるでしょう。証拠を残さない手は、現実にもありますし、ファンタジーなら危険なモンスターを誘導する・クーデターを起こさせる(頭数と支持があれば自力でも可)・毒殺(下手人がわからないだけでもよいが、他の容疑者を作る・医者を抱き込む/医者として紛れ込むなど)程度の手段でも通用するでしょう。
 
>おそらく、事の真相は、
 これも「前提」です。シナリオの設定であれば、構いませんが、一般論としては無意味です(政治的・世界的な背景設定は、個別の考察事項ですから)。
 シナリオの設定とするのであれば、冒険者達の多く(出来れば70%以上)が、旧政府を支持し、クーデター派に組みしなかった理由を考えるのが先です。シナリオ雑談所の方が適しているかもしれません。
 
>その状態をしばらく放置
 警察=軍でしたら構いませんが、やるべきことは取り締まりなので、人員・体制の増強はともかく、戦力増強には直接つながりません。戦争をやるには、別種の訓練・装備が必要です。
 
>2.−1と−3
 冒険者の1回あたりの収入が、一般家庭の年収と同程度になるような世界を想定されているのでしたら、この程度は特典の内に入りません。
 税の免除に意味があるほど税率が高ければ、一般家庭だって、「逃散」します。家族である冒険者の手助けがあれば、ふつうの家庭よりも容易なはずです。
 
>2.−2
 これは、制度を設ける以上は必須でしょう。なお、実は日本でも現行犯逮捕は、警官でなくとも出来ます(警察がきたら引き渡すのが条件ですが)、出来なきゃ万引きは捕まりません。
 制度がないときに比べると、無茶が可能ですが、法が正義に優越するのであれば、冒険者は仕掛ける側に回らず、襲撃されたときのみ正当防衛(過剰防衛を含む)で片を付け、仕掛けるべき相手は官憲に任せると考えられます。 
 官憲自体が悪の温床なら、官憲が敵なので特権は無関係です。
 よって、実利は薄いと見る冒険者は必ず出てくると考えられます。
 
>2.−4
 まず、ルール的な恩典は、不可能でしょう。自分の(ルール的な)レベルを把握している世界観もありますので、レベルに対する言及はよろしいのですが、このような方法で安易にレベルがあがる世界観であれば、PCのレベルはそれ以上であることが望ましいと思います。
 何回も生死の狭間をくぐり抜けてきた(時には、向こう側に落ちた)冒険者と、内輪で鍛練を積んだだけのNPCの兵あるいは騎士が同程度では、プレイヤーの士気に影響しますし、その程度の冒険者を危険視する理由は小さくなります。
 また、訓練とは決して確実なものではないことと、「AをBだけやればレベルがあがる」という価値観を持ちうる世界観は、それだけで極めて特殊であることを言及しておきます。
 
>強制力
 太古からの慣習でさえ、「気にくわない」程度の理由で無視されることもあります。暴力を独占的に機能させるための措置なので、暴力による圧迫はあり得ますが、現代のように軍と一般人との間に致命的な差があるならいざ知らず、大量に駐屯している地域以外では、強制力も限られます。また、直轄部隊でもなければ、為政者の思うとおりの反応をしてくれる保証はありません。
 思想統制? 小説ネタとしてはともかく、これも戦闘力の差異が小さいことが響きます。望んで統制される宗教的な集団でもなければ、人材流出・怠業・反乱の元です。
 
>冒険者は法制度を含めた社会規範とその「強制力」の枠内に存在していると考えられ
 そのような前提が成立するとは限りません。冒険者が何を規範とするのかは、人それぞれです。単に、その結果が枠内にあることが多いのは事実でしょうが。
 
>制度を拒否あるいは無視した場合
 まず、このような制度が突然決まるような社会制度では、法ではなく布告で決められるでしょう。冒険者を相手に特殊な規制を押しつけるのですから、法としての用件を整える間なぞありません。
 逆に、法として決めるのであれば、その間に何らかのアクションが見込まれる(逃亡・買収・暗殺など)ので、その結果次第で状況は変わります。
 違反者については、混沌太郎さんと全く同じです。
 「悪法もまた法なり」は、順法精神にあふれた者・体制側・盲従者の態度であり、本来は悪法が悪法でなくなるようにするのが、法制定者、ひいては有権者の取るべき立場です。
 標的とされた者にとっては、「泣く子と地頭には勝てぬ」とか、「盗人にも三分の理」というべきところです。
 
>政策は、同じようなものであっても発案者のタイプによって性格が大きく変わります。
>また、発案者のタイプによって違う政策がでてくるのは当然のことです。
 これは、すばらしい発想です。次回以降に、期待が持てます。
 
 tomyさん
>冒険許可証制度はDARU氏発案ではありませんが…
 制度の名称は同じものですが、DARUさんのものは、LOG5までの許可証制度論議とは、異質なものです。いまのところ、オリジナル設定の論理的な裏付けを求めているように見受けております。
 また、LOG5までの論議の対象は、
>ジョニィ氏や大臣氏らのグループがプレイ中に使った政策設定
 と、そこから発展した議論が主体ですから(SWの方は、現在確認していません)、今回の論議とはやや異なると考えています。
 大変な長文になってしまいましたが、ご容赦下さい。
2000年02月10日:05時11分53秒
冒険許可証制度はDARU氏発案ではありませんが… / tomy
もしかして勘違いされている方がおられるかも知れないので念のため。
冒険許可証制度は過去ログ001〜005あたりで述べられている通り、ジョニィ氏や大臣氏らのグループがプレイ中に使った政策設定です。
しかもPC自ら作った政策らしいですね。
場所はフォーセリアのラムリアースだそうです。
2000年02月10日:03時41分15秒
【冒険許可証】1:入境と装備 / KN
 DARUさん、はじめまして。まず最初に述べておきますが、ワースブレイドに限定されるのでしたら、ワースブレイド雑談所を使用するべきです。特に、「冒険許可証」のように、PCの行動にルールに規定されない枠を(たとえ、シナリオソースとして用いるにしても)設けるのであれば、個々のルール・世界観が影響を及ぼすことは避けられないと考えます。
 逆に、限定されないのでしたら、想定された世界観においては、通用しない話になる可能性がありますことを、ご承知いただいた方がよろしいかと思います。。
 また、個人の設定が元になる話でしたら、その旨を明言してください。一般解を求めようとする行為と、シナリオソースにするための弥縫策とでは、対処も異なります。
 
 冒険や装備購入に許可証が必要。この時点で、冒険・装備についての定義が必要になります。ですが、装備はまだしも冒険の定義は困難です。現実に行われている管理は、進入禁止地区を設定して、入山料のような利用にまつわる料金を徴収する形態となっていますが、これは冒険の対象となる地域が予め判明している(ヒマラヤの高山が好例です)ゆえに可能なことです。
 また、人物の移動が把握できなければ、実効性は高くありません。とはいっても、一般人は道路を使用するので、関所のような検問を行う施設を設けることで可能になります。
 SFで惑星単位の管理を行うなら、軌道上に現れた宇宙船全てに通告を行い、臨検を強化することで対処することになるでしょう。
 しかし、政府運営として行うのであれば、費用対効果の視点を欠くことはできません。ゆえに、罰則を設けて、心理的な枷をはめる(事後的に罰を適用できても、入境管理の目的自体は失敗しています)。目的によって、入境時の扱いに差を付ける(冒険ではありませんが、観光・就労・学習などのビザの扱いがこれに当たります)ことで、管理能力を傾斜配分する。といった手法があります(他にもあるでしょうが、本論ではないのでこの程度で)。
 ファンタジー世界では、人力以外の力をどれだけ動員できるかにかかりますが、正規の経路を使用して進入するもの以外にも制約を課すのであれば、地域の広さにもよりますが膨大な人員が必要になります。単純に考えても、1チーム9名(昼夜交代として、前方・左右・リーダーを2組に統括者)が最低必要で、条件を非常に甘く(遮蔽物が少なく、各要員の視力が非常によく、軽装で騎乗している)見ても1チームあたり5キロ四方が限界でしょう。更に、その地域自体に冒険者が必要とされるような危険があれば、守備できる面積は狭隘になり、冒険者と交戦することも考慮すれば、倍以上の人員が必要になります。
 で、このような部隊を軍から割いて維持できるかというのが問題になります。維持できるなら、問題はありませんが、おそらく維持できないと思われます。なぜなら、維持できるほど少ない・狭いということであれば、そもそも冒険の舞台としては適当ではなく、他国に冒険を求めるのが自然な行動となります(時折、オフィシャルな設定ですら、世界観・ルール・ミリタリーバランスに大きく反する自己満足な設定があるため、勘違いしている人も多いのですが)。
 出国を管理する? それは無理です。ルートに沿って移動し、順法精神に乗っ取って手順を踏んで出国してくれるのは、そのことによるメリットが存在するからにすぎません。国にいることによる不利益よりも、不法出国によって得られる結果が良好と判断すれば、ごくふつうの人間ですら流出します。ましてや、対象は冒険者です。まともなルートで出国してくれる可能性は、ほとんどないと見るべきです。食料を規制する? 人口の何%を管理に割くつもりでしょうか。最悪の場合、飢饉によって国自体が崩壊する可能性があります。
 場所が無理なら、業種(配達・護衛など)は? となります。これは、制度として構築することは可能です。しかし、今度は管理すべき対象が膨大になってしまいます。現代のように、データベースと照合すれば、遠からず結果が出るというものではありませんから、偽造証明書が横行するのは当然の成り行きです。これでは、管理の実効性があがらず、誠実なものほど損をすることになり、行政側の手間も馬鹿には出来ません。
 装備も、技術レベルによっては問題が生じます。現代の日本でも、個人用の銃器の密造は可能です。しかし、製造手段自体に網をかけることは、実務・経済の両面から否定されます。ゆえに、所持・販売・使用の段階で網をかけることになります。SFでも、この線ははずせません。ファンタジーを考えるなら、移動手段と武具が規制対象になるでしょうが、実効があるのは、製作期間が長期に渡る鎧だけです。武器は、ファンタジー世界は危険なため、完全に所持を禁ずることは出来ません。ましてや、日用金属製品の生産と製造に要するものが等しいため、密造・隠蔽を防ぐことも不可能です。ミリタリーフォークや仕込み杖のように、それとわからない可能性のある武器や、日用品ともいえる弓・杖、即製可能な棍棒などもあります。
 移動手段は、完全に規制しても徒歩という最終手段が有効となるため、完全ではありません(徒歩には、無料・目立たない・静粛といった利点もあります)。そして、移動手段がある限り、入境の問題はついて回ります。
 当然、DARUさんも多寡はあれども、このようなことについては自問なさったのでしょうから、
>冒険で得られることのない報酬をもたらす
>「強制力」を働かせる
 という、発想に至ったと考えます。
 しかし、これらが有効に機能するか否かは、本来は世界観の問題です。
 そもそも、冒険による収入はどの程度のものであるのか。収入の把握は出来るのか。冒険者はどのような存在なのか。社会の管理システムは、いかなるものか。
 少しあげてみただけですが、これらが異なるだけでも、対処と有効性は異なります。故に、2.と3.についての一般解はあり得ません。
 よって、世界観とルールを規定して参考意見を募ることが良策であると思います。それによって、書き込み場所が変わる可能性がありますが、より妥当な意見が得られる可能性が高くなります。
2000年02月10日:03時23分42秒
DARU氏の「冒険許可証」制度について / 混沌太郎
何だか演繹的に出した結論のように書かれていますが、これはあなたの作った特定の設定(キャンペーンセッティング)の話ですよね?
話の持っていき方がやや変な気がします。
しかしまあ、とりあえずそれは置いといて、幾つか思ったことなど。

まず、2000年02月09日:02時11分09秒の方。
>世界観にもよりますが、冒険者達のもたらす経済効果は侮れないものがあります。
どちらかというと経済を破壊する効果が大きいような。
別に何かを生産しているわけでもないのに結構な大金を抱えているわけですから、インフレの種です。
いなくなって清々する人のほうが多いかもしれません。

>治安面
ご指摘の通り、治安が悪化するのは間違いないでしょう。一部は冒険者自身によるものかもしれません。

>人材を確保するためには「いくつもの検問・通行料支払所」「国外旅行の禁止令」等
高給を用意して雇うのが最も普通だと思うんですけど。
当然給料に見合うだけの高い能力を持った冒険者のことを想定してますよね?「人材」というのは。

>本来の目的に対して
本来の目的が「冒険者が他国に出て行かないようにすること」というのは、そもそも最初から成立してません。だって何の優遇措置もないんですから。

>おそらく〜以降
これは推論ではなく設定でしょう。考えられる可能性の中の一つです。

>経済活動の基盤を交易等(無形資源)から農業・鉱工業(有形資源)に移行させる
冒険者ってそんなに大勢いるんですか? 産業構造が変化するほど。

>冒険者を国民にすることで、税収が増し、軍隊以外の武装を解除することができる。
軍備を増強する余裕があるなら、当然、戦闘力を持つ冒険者に対しては、それを取りこもうとするはずです。
彼らに畑を耕させるよりはるかに有効ではないでしょうか。
軍隊以外の武装勢力を減らしたがる点は、権力者の傾向として合っていると思います。

次に、2000年02月10日:01時14分37秒の方
>その状態をしばらく放置すると思われます。冒険者が違反しても手出ししないでしょう。ただし、
>内心はほくそ笑んでいるにちがいありません。そして、その間に軍備の増強を図っているはずです。
冒険者の存在って、軍備増強の口実としては弱くないですか?
それに、別に放置しなくても、片っ端から取り締まれば良いじゃないですか。

>「魅力」を持たせる
この場合、制度を施行する側(宮廷とか、政府とか)のメリットは何ですか?
登録制にすることによって、勝手放題はじめた時に取り締まりやすくなることでしょうか。
でもそれだと2番を認めちゃまずいような気がするし…

>冒険者達が生まれる前から存在していた法制度について疑問を抱くためには、何か特別な理由が必要となります。
「力を手に入れたから」というのは、駄目ですか(^_^;

>法制度に違反した者として、軍隊や警察その他の保安機関によって手配されることとなります。
違反者が手配される、というのは良いと思います。
ただし、それがある程度以上有効に働くほど治安が良い社会では、冒険者など、法で規制せずとも、そもそも存在していない可能性があります。

>政策は、同じようなものであっても発案者のタイプによって性格が大きく変わります。
>また、発案者のタイプによって違う政策がでてくるのは当然のことです。
>この次は、ここをもう少し突き詰めて行きたいと思います。
その方向性は面白そうです。楽しみにしています。

2000年02月10日:01時14分37秒
「冒険許可証」制度の有効性について / DARU
  石頭さん、はじめまして。
  この「冒険許可証」制度の有効性については、それを施行する国家の状況により、大きく変動するものと思われます。

  1.前回、仮定した国家の場合
    冒険者達がこの「冒険許可証」制度に反発するのは当然です。ある者は無視し、ある者は拒否するでしょう。
    そして、発案者側(政府あるいは大臣)は、それを狙っているのです。
    おそらく、彼(=発案者)は、その状態をしばらく放置すると思われます。冒険者が違反しても手出ししないでしょう。
    ただし、内心はほくそ笑んでいるにちがいありません。そして、その間に軍備の増強を図っているはずです。
    この場合のポイントは、彼にとって、この「冒険許可証」制度が成功する必要はないのです。
    ただ、違反した冒険者やそれに関係した者、さらに無関係な冒険者達をも巻き込んで一掃する口実にしようとしているだけなのです。
    したがって、この場合には、「強制力」や「魅力」は存在しません。わざと冒険者達が「冒険許可証」を持ちたがらないような制度にして
    いるのです。

  2.この「冒険許可証」制度が有効に機能するためには?
    この制度に「魅力」を持たせるなら、冒険で得られることのない報酬をもたらす、というのはどうでしょうか?
    例えば、ここにA国という国があります。
    A国では、国内の冒険者に対し「冒険許可証/1年間有効」を一定の金額を支払うことにより発行し、冒険活動により得た財宝の
    10%を国庫へ徴収します。また3ヶ月に1度、公証人の署名入りの「冒険活動報告書」の提出を義務付け、提出されない場合は
    「冒険許可証」は失効します。
    さらに「冒険許可証」を保有している場合、以下の事項が適用されます。
    1.A国内に居住している両親及び兄弟姉妹に対する全ての課税を免除する。
    2.警察その他保安機関に属する者がいない場合における警察行為(緊急時の逮捕権を含む)を代行する権限を持つ。
    3.A国の公共施設の利用が無料になる。(公営闘技場での観戦、公営浴場の利用等)
    4.優れた射出術で知られるA国の弓術訓練学校で訓練を受けることができる。
     (通常は入校に際し、様々な審査を受けなければならない。)
      訓練(長弓、短弓、弩弓、攻城弓に分かれる。)を6ヶ月行うと対応する武器のレベルが1上がる。
      10レベル以上の者が1年訓練すると、その武器を使用した際の全ての判定に+1有利な修正値を得る。
    いかがでしょうか。いずれの恩恵も冒険では得られない性格のものです。
    これで少しは「魅力」が出てきたのではないでしょうか。

    それでは、次にこの制度に「強制力」を働かせる場合はどうしましょうか?
    まず、前提としてTRPG世界における法制度には何らかの「強制力」が存在すると考えます。
    例として「古くからの慣習」「軍隊等の暴力」「思想・情報の統制」などが挙げられます。
    そして冒険者は法制度を含めた社会規範とその「強制力」の枠内に存在していると考えられ、
    その点において野盗などの犯罪者、無法者と決定的に違います。
    ですから、例えば冒険者達が生まれる前から存在していた法制度について疑問を抱くためには、何か特別な
    理由が必要となります。
    (例:父が無実の罪で処断された。愛する人を王の後宮に奪われた。小さい頃、冒険者や商人達に囲まれ、
    外国の情報をたくさん聞いた。等)

    つまり、結論としては政策(この「冒険許可証」制度を含む)に付随する「魅力」や「強制力」はいくらでも設けることが
    できる、ということです。    

  3.制度を拒否あるいは無視した場合。
    支配者が施行した法制度を「我々に不利な内容なので拒否(無視)する」といって、それを実行した場合、当然、
    法制度に違反した者として、軍隊や警察その他の保安機関によって手配されることとなります。
    繰り返すようですが、どんなにひどい悪法であっても、それが成立してしまえば法としての効力を有するのです。

  4.さて、ここが本題です。
    政治の設定として、ここで着目すべきなのは「冒険許可証」という制度の有効性ではなく、このような政策を発案
    した発案者の人物像についてではないでしょうか。(もちろんPC&NPCというレベルです。)
    私は、前回、仮定した国家におけるこの制度の発案者は軍人あるいは元軍人であり、しかも軍事的には優秀な
    人物であったと推測しています。そして、この制度の裏側に見える意図から、発案者は軍隊至上主義ないし階級
    主義を信奉し、冒険者という存在を敵視している人物ではないでしょうか。したがって、このような人物が政権の
    中枢に入ったら、「冒険許可証」のような制度を提案することは十分あると思われます。
    
    政策は、同じようなものであっても発案者のタイプによって性格が大きく変わります。
    また、発案者のタイプによって違う政策がでてくるのは当然のことです。
    この次は、ここをもう少し突き詰めて行きたいと思います。

    また長文になってしまいました。
    
2000年02月09日:03時58分36秒
TRPGのための政治学的設定の部屋 LOG 006 / sf
 TRPGのための政治学的設定の部屋 LOG 006として1998年12月28日から2000年02月09日までのログを切り出しました。

TRPGのための政治学的設定の部屋ログ / TRPG.NETホームページ / Web管理者連絡先