[KATARIBE 24290] [KR03P] 『勇気あるつわものを求む!』

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Date: Tue, 16 Apr 2002 14:34:18 +0900 (JST)
From: ごんべ  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24290] [KR03P] 『勇気あるつわものを求む!』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200204160534.OAA09045@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 24290

2002年04月16日:14時34分17秒
Sub:[KR03P] 『勇気あるつわものを求む!』:
From:ごんべ


 ごんべです。

 一成氏の名前の読みを間違えていたのを修正。(^^;A


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エピソード『勇気あるつわものを求む!』
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登場人物
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林守一成 (はやしもり・いっせい):
    異世界からハイランドに飛ばされてきてしまった、生粋の侍。
    言葉遣いがござるでござる。
ステイシア・リーフノート:
    ハイランド王都で宿屋『ホワイトリーズ』を経営する、名だたる槍士。
    槍ばかりか精霊魔法にも長けるが、ともに都では気付かれていない。
シーナ・デ・パルマ:
    遠い町から来た流れ者で、実は金に汚い女スリ。鉛を操る魔法も使う。
    結構間抜けなお調子者。


同志を求めて
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  勇気あるつわもの求む!

   昨今、ハイランド国に出没する赤竜を退治する仲間を求めている。
   勇気のある者は当宿屋宿泊の林守一成を訪ねたし。

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 一成     :「すまぬが店主殿。これを張らせて下さらぬか?」
 ステイシア  :「はい? ……(読み中)……はい、構いませんよー」
 一成     :「かたじけない。ところで店主殿」
 ステイシア  :「なんでしょうか?」
 一成     :「拙者、字の読み書きが出来ぬのだが、これにはなんと書
        :いておるのだ?」
 ステイシア  :「え?」
 一成     :「いや、知己に頼んで書いてもらったのだが、一応確認し
        :ておこうと思っただけでござる」
 ステイシア  :「ああ、それなら大丈夫ですよ。ちゃんと赤竜退治の仲
        :間募集、と書かれてます」
 一成     :「それはよかった。では、ここに張らせて頂く」
 ステイシア  :「はい、どうぞー♪(仕事に戻る)」


新客登場と店主の思惑
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 一成の張り紙が出されてしばらくの後。

 シーナ    :「ふいぃぃ……やばかっ……じゃなくて。疲れたぁ……」

 宿の戸口に現れたのは、少しは上等な旅装に身を包んだ一人の娘。

 ステイシア  :「いらっしゃいませ〜♪」
 シーナ    :「あ、お姉さん、とりあえず水〜」
 ステイシア  :「はいはい、すぐお持ちしますよ。(持ってきて)はい、ど
        :うぞ」
 シーナ    :「ありがとー(ごくごくごくっ) はひー、生き返るぅ」
 ステイシア  :「お嬢さんは……旅の途中のようですね、フフフ」
 シーナ    :「そうだよ。でもしばらくは都にいるかなあ」

 一番稼げるだろうし、とまでは口には出さない。

 ステイシア  :「そうですか……あ、まだ宿が決まって無いようでしたら
        :ここにお泊りになりませんか?(ニコニコ)」
 シーナ    :「ほんとに? いくらになります?」
 ステイシア  :「ふふ、王都で一番安いのが自慢なんです。あ、だからと
        :いってご飯が不味いとか雨漏りがするとか突然人が消失す
        :るなんてことは絶対にありませんよ。(料金表の彫られた
        :木の板を持ってくる)はい、どうぞ。これが料金表です。
        :あ、あとお支払い方法は自由です。まとめて払われても、
        :一日ごとに払われても結構ですよ」
 シーナ    :「へー……じゃ、朝飯付きで、しばらく。支払いは毎夕で」
 ステイシア  :「はい、かしこまりました」
 シーナ    :「ところで……お姉さん、あの人だかりは?」
 ステイシア  :「お姉さんと言ってくれるのは嬉しいんですかねー、ここ
        :では店主さんとか女将って言ってくれると嬉しいです、フ
        :フフ……あ、それであの張り紙なんですけど、あれはうち
        :のお客さんが貼った張り紙なんですよ。あのドラゴンを倒
        :すための仲間をお探しだとか……」
 シーナ    :「ドラゴン?! へええ、すごいねえ」
 ステイシア  :「そうですね……できれば私も加わりたいところです」
 シーナ    :「えっ?」
 ステイシア  :「ああ、いえいえ。なんでもありませんよ……そうそう、
        :この宿帳に署名を御願いしますね」


女スリ、宿泊
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 シーナ    :「はいはーい。……うー……ぬー……むー……はいっ」

 意味不明の呻り声とともに記入されたのは、意味不明の曲線と記号の羅列。

 ステイシア  :「…………はい??」
 シーナ    :「これが書けるのは私だけだから、これが私のマーク」

 自分の名前、というか、サインのつもりだったらしい。
 (註……技能値「学問:7」なんざあ、こんなもん)

 ちなみに、彼女本人しか書けないと言うことは本名を書くよりも本人特定に
有利だと言うことは、犯罪者である彼女自身は気付いてはいない(ぉぃ)。
 まあ、彼女を追う者が両方の関連を知ってこそ、ではある。

 ステイシア  :「はあ……わかりました。じゃあ、これが部屋の鍵です。
        :今日はお一人でお使い下さい」(部屋番号札付き鍵を渡す)
 シーナ    :「ラッキー! ありがと〜」(受け取り)

 かくして、一名様ご案内。


同志?
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 またしばらくして。
 酒場の方で酒を飲んでいる林守一成。

 一成     :「うーむむむ、思うように仲間が集まらぬなぁ……やはり、
        :言い回しが古すぎたのでござろうか……?」
 ステイシア  :「ああ、そういえば興味深そうに見ていたお客さんがいま
        :したよ」
 一成     :「それはまことでござるか!?」
 ステイシア  :「ええ。参加するつもりなのか、物珍しかっただけなのか
        :は判りませんけど」
 一成     :「ふむ、一度声をかけておこうか。店主殿、その方が酒場
        :のほうに出てこられたら教えてくだされ」
 ステイシア  :「はい、わかりました」

 さくっと日は替わり、翌日のお昼時。

 シーナ    :「ただいまー」

 どこかに出かけていたらしいシーナが帰ってくる。
 片手には、何やら布の包みを抱えている。
 (行動申請・買い物「頑丈な革ベルト(シーナ謹製鉛塊付)」を参照)

 ステイシア  :「おかえりなさーい」
        :(シーナの部屋の鍵を取りながら、林守氏に目配せ)
        :「林守さん、あの方ですよ」
 一成     :「ほう?」
 シーナ    :「……ほえ?」

 急に注目を集めたらしいと気付いたシーナは、話の展開がわからず間抜けな
声をもらしてきょとんとしている。

 一成     :「失礼、娘さん。実は店主殿から、拙者の貼り紙にそなた
        :が興味を持っておられたと聞いたのだが……」
 シーナ    :「貼り紙?」

 ……貼り紙ではなく、群がっていた野次馬どもの懐の方に興味があったとい
うのはヒミツである(w

 ステイシア  :「あの、ドラゴン退治の貼り紙ですよ」(鍵を渡す)
 シーナ    :「あ……あ、ああ、あの貼り紙!」
        :(鍵を受け取りながら、内心冷や汗)
        :「じゃ、じゃああなたが募集をかけた人だったんだ?」
 一成     :「その通りでござる」
 シーナ    :「そーなんだあ! すごいわねえ。頑張ってね(^_^)」

 …………おい(汗)

 ステイシア  :「……(汗)」
 一成     :「あ、いや…………いや、拙者はてっきり、そなたもドラ
        :ゴン退治を志しておられるのであろうと」
 シーナ    :「ほへ?!」
 一成     :「……違ったのでござるか?」
 シーナ    :「とっ! とんでもない! 逃げ足なら負けないだろうけ
        :ど、そんな恐ろしい魔物と戦うなんて、とてもとても……」


思わず引いた切り札(笑)
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 あわてて大げさに固辞するシーナの態度を見て、やはりとばかりにがっくり
と肩を落とす。

 一成     :「そうでござるか、そうでござるなぁ……なかなかドラゴ
        :ンと戦おうとする者などおりはせんものでござるな……
        :とほほでござる」
 シーナ    :「(う……あんまりきつく言い過ぎたかな……(汗))」

 仕方がない、と気を取り直して。

 一成     :「ではシーナ殿、せめて一つ頼みたいことがござる。今後、
        :ドラゴンと戦う志を持ったつわものを見かけることがあれ
        :ば、それを拙者に知らせてほしいのでござるが……」

 そして社交辞令としてあわてて一言付け加えるが。

 一成     :「もちろん、無償でとは言いませぬ」
 シーナ    :(きらーん☆)「……へえ?」

 ……これが、彼女相手の場合、どうもクリーンヒットとなった模様。(w

 一成     :「知らせていただければ心ばかりとは言え、相応のお礼は
        :いたす。一つ頼まれて下さらぬか?」
 シーナ    :「お、おっけー。まかせといて。それなりに心当たりはあ
        :る、かも」

 あるのか?(ぉぃ)
 というか、手のひらを返すとはまさにこの(以下略)


かくして布石は打たれた
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 一成     :「頼まれて下さるか、かたじけない」<深々と頭を下げる
 シーナ    :(どきどき)>お礼

 以下、シーナの内心の様子。

 シーナ    :「(そ、そうよね、退治ってくらいだから、ドラゴンの
        :お宝も手に入るんだろうし、結構太っ腹なのかも……それ
        :に、必要経費とか言えば旅費だって出してくれそうだし…
        :…ああっ、でもドラゴンのお宝が手にはいるんならあんな
        :に固く断らなきゃよかったっ!)」

 どうもろくなことを考えていないらしい(ぉ
 と言うのはおくびにも出さず。

 シーナ    :「もちろん、こんなことで力になれるんなら協力するわよ」
        :(内心で)「(くー、惜しいことしたかも(T_T))」

 かくして、ドラゴンの退治仲間、とまでは行かないものの、その壮大な目標
に向けての布石が着実に打たれたのであった。

 ステイシア  :「お客さん、あまり気を落とさないでくださいね。きっと
        :シーナさんが見つけてくださいますよ」
 一成     :「そうでござるな。世界は広い。拙者の志に賛同してくれ
        :る者は、きっといるはずでござる」
 シーナ    :「…………」(遠い目)

 と言うか、成り行きで参画することになった者、一名。
 まあがんばれ(w


解説
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 ハイランドの赤竜を倒すため、王都の宿「ホワイトリーズ」に集う同志たち。
 ……にはほど遠いながらも、ドラゴンを倒すため、着実に人脈が広がり始め
たようです。


時系列
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 イベント『騎士団全滅』以降、イベント『疫病発生』以前。

http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/23900/23908.html
情報(イベント)『騎士団全滅』
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/23900/23901.html
イベント『疫病発生』


参考
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http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/23900/23912.html
[KR03] ホワイトリーズの構造 (ML #23912)


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 以上です(^^;

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ごんべ
gombe@gombe.org


    

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