司のシナリオ作成講座おまけ〜いーかげんGM司の致命的失敗例〜

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司のシナリオ作成講座おまけ〜いーかげんGM司の致命的失敗例〜



 これは、【司の無責任なシナリオ作成講座〜シナリオはキャラクターから作れ!】と対応しています。
 読者の皆様は、まずそちらから目を通しておくことを、お勧めいたします。


 さて、司は、敵キャラクターから作ればシナリオは面白くなる、と語りましたが……それでも問題というものは出てくるものです。
 そこで、今まで実際に起こったことを例にあげてみましょう。
 きっと皆様もこういう失敗に遭遇したことがある……もしくは、これからするはずです(涙)

〜司の失敗例〜

 

▼オープニングで食いつかなかった。

 困ってしまいます(涙)。因縁をスルーされる、事件から逃げ出す、興味がない、などなど。
 基本的に「自分は一匹狼」「他人に興味はない」という立ち位置のPCだと、こーいうことが発生する場合があります。
 そのPC個人の目的を用意して、それと敵勢力との関わりを表にだすと、大抵は上手くいくのですが……それでも単独行動で、他のPCと決してかかわろうとしない、ということがあるんですよね。
 偶然的な遭遇、をGMは演出してあげましょう。その後のシーンでは。

▼戦闘がイヤ。

 えーと、こういう人が以前いました。参加してきました。
 私はそーいうかたはお引取り願いたいのですが、戦闘行動を回避するために頭つかって策略練るかたも、それはそれで面白いかな?
 ……とおもったら、戦闘すること事態に文句をいわれました。なんで襲い掛かってくるんだ、すぐに戦闘行動に出ようとするのは無理がある。と。
 ここは日本じゃありません。平和な日本国憲法に守られた人たちと基準を一緒にしないでください(涙)
 ファンタジーでこんな注釈をすることになった私、な、なんだかなぁ(汗)

▼みんな仲良し。

 失敗例ではないかも。敵をみんな改心させ、ラスボスすらも仲間にしてしまうPCが存在しました。
 戦闘すら必要なかったこともたびたび、愛はすべてを救う、とGMのほうが教わった、熱いキャラクターでした。
 ……しかし、そーいう人一人にまかせて、ほかの人がヒマに、なんてことが発生しないよう、GMは注意しましょう(涙)、上手いPLに任せきりに……というのは、結構おこる事態みたいなのです。


 これらは、司が講座で語った内容をふまえ、プレイして尚且つ発生した失敗例です。

 さて、司が別の手法でプレイした場合……どんな失敗が起こったか?
 それを発表してみましょう。

〜司の講座外GM例その1:メモを取ってみよう〜

 GMをする前に、シナリオを完全に作り、その内容をメモにまとめておきました。

 ゲーム開始……メモに書いてあるシナリオを見ながら、イベントを起こす。とてもわかりやすい。
 ところが、PCは生き物。デジタルキャラクターではありません……当然、GMが想定する他の動きをはじめます。
 こうなったら大変、GMはそれをなんとか本来のシナリオの筋に引っ張り戻そうと苦闘します。
 しかし、一度わき道にそれたシナリオを戻すのは困難です、それどころか、GMが無理に本筋に戻そうとしたため、ホントに無理矢理な強制イベントが発生したり、PCの希望を却下したりと、盛り下がる展開が続出。後味の悪いセッションとなってしまいました……
 一本道なシナリオの筋に戻すよりも、脱線したその先を作ることが重要。思い知らされるました。

・結論。シナリオの型枠完全に作るときは、それが破られた上でその先を展開するように心がけましょう。

〜司の講座外GM例その2:PCの自主性を尊重(と表向き言ってみる)〜

 あくまで表向きです。

 この時は、GMとしての司のモチベーションが低かったこともあったのですが。シナリオの流れをPCの会話だけで決めてしまおう……などと、シナリオの筋全く考えずに、完全アドリブ状態でシナリオを始めてみました。

 いやぁ……PCが発言しなければ、とまってしまいますよね、これじゃ(笑)
 いえ笑いごとじゃないんですけど。

 私はもともとアドリブが多いGMなのですが、それでも、やりすぎは毒だと思い知らされました。
 ……ほ、ほんとはもっとお叱りを受けるべきなんでしょうが……ああああああ、二度としません(血涙)

・結論。どんなシナリオでも、GMはあくまで、シナリオの目的など軸となるものは必ず用意しておくように。

〜司の講座外GM例その3:戦いのエスカレート、そしてワンパターン〜

 これは、実は手法は関係ありません。
 よく司が指摘されるコト、問題点を挙げてみました。
 曰く……敵が強すぎる。敵の基準がエスカレートしすぎる、ボスの通常攻撃一撃で沈む。
 最後のは流石に大問題ですが(汗)

 私は戦いをある程度物語の中心に据えてシナリオを考えます。
 ボスとの戦い、ラスボスとの決戦、その中で起こるかけあい、邂逅、そして苦悩や決意など。
 どれも、司の血を熱くさせてくれます。

 ところがところが、ボス=強い、というイメージがエスカレートしてしまうと。並の手段ではPC達は歯が立たない、なのでシナリオの中で強力な技、武器、魔法を手に入れ、さらに次に出てきたときボスがパワーアップして……

 これを繰り返していくと、某少年漫画のごとく、天井のない強さのエスカレート状態。
 普通の能力や装備をもつPCでは、手が出せない世界の話になってしまいます。

 当然、派手でいいじゃないか、と絶賛する人もいますが、そーいうのが「何だかなぁ」と白ける人も……
 一度ならまだいいでしょうが、こーいうことばかり繰り返していれば、流石にだれてきます。

 今挙げたのは例ですが、シナリオの展開がワンパターンになる、というのは、どんなGMでも懸念すべき問題です。
 同じPLに対して、何度も何度も、だれるまで繰り返して同じようなイベント、展開を繰り返す……ということが、無意識にでも行われていないか、それだけは注意しておきましょう。

・結論。ワンパターンはせず、違う展開で進行するイベントを作ってあげれば、新鮮さを感じてくれるはずです。

〜まとめ〜

 まだあるのでしょうが、司が今までGMをして感じた「失敗」は、大まかにこんなものです。
 違うGMがシナリオを行えば、上手くできる手法も多いとき思いますが……
 この中で、自分は「ああ、こうなってるかもしれない」と心当たりがございましたら、一度考えてみてください。

 ……一番深刻なのは、失敗に自分が気付いていない、という状態でGMを続けている間のことですから(笑)

さいごに

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月刊TRPG.NET 2003年12月号

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