プレイング研究室 LOG 033

プレイング研究室の1999年11月22日から1999年12月02日までのログです。


1999年12月02日:13時32分47秒
RE 【うまい〜】 手段と目的 / 紙魚砂
 ちょっと不明瞭なので整理します。
 PLの目的はゲーム上直接的な効果はないと思います。が、「心がけ」のレベルで目的を持つのは意味があると思います。(だから、必要ではないが、あった方がいいよとは思います)

>PLに目的が必要だというのは大賛成なんですが、これを持つ事は大変に難しいんではないでしょうか。(LISTさんwrote)

 まず、そのためには「問題意識」を持つことが必要だと思います。同じ楽しむでもいろいろやり方があるので、「今日はいつもとちょっと違うことをしてみよう」とか「前うまくいかなかったから、今回はうまくできるよう工夫しよう」とか目的を持てばいつもと違うスタイルができるようになるし、その経験によってPLの能力も向上すると思います。
 問題意識がなければ、「GMやシナリオが提示した物だけを追いかけるなら単なる 「お使い」 でしかありません」(LISTさんwrote)でも「まあいいや」ってことになってしまうでしょうね。

 その一つの方法として、「PCに(明確な)目的を与えてみる」というのは、そのPCと他のPC/シナリオとの擦りあわせの過程を知る上でいいやり方だと思います。
 ちなみに補足ですが、その前に「周りの状況を見て、それに合わせられる目的を自ら設定する(できるようになる)」という段階が必要だと思います。(ちなみにチャレンジするなら「自分の技量で周りに合わせられるかどうかぎりぎりの危ういキャラクターをやってみる」というやり方もある。)

 また、私はそうやってPCに目的を付けてそれを擦りあわせる過程自体がゲームとして面白いと思うので、「ただ戦うだけでいい」とかに飽きてきたら、やってみるといいんじゃないかと思います。
1999年12月02日:13時03分46秒
【うまい〜】 関連 : システムが目的を提示している例 / LIST
はてさて。
難しいですねで終わったら意味が無いので、システムが目的を出している例を見てみましょう。
目的も無いのに 「命を懸けて戦っていたり」 「宇宙船を所有していたり」 するなんておかしいですから、目的の提示はしてない方がおかしいとは思うんですが…。

TRPGの自由度は、この目的を叶える範囲で 「手段」 が自由というだけで、「好き勝手」 をしていいのではないんですが…
システムの提示する目的に沿わないというのは、ときメモRPG(仮)の最中に金融先物取引ルールを要求するのと同じくらい、間違ってるワケですよね。

トーグ : ポジビリティ戦争への貢献。
この作品では戦争解決に貢献しないキャラのPC使用を禁止しています。

S=Fad : 自陣営の防衛か他陣営への攻撃。
この作品では全世界範囲の安全確保の為の結界の 「陣取り」 が行われています。
が、南北の結界魔法のOSの違い(笑)により、共存できないのです。
現在のところOS互換システム開発のルールが提示されていませんので、争うしかありません。

D&D : この作品のスタート地点の国では、安定した収入を得られる事を証明することが成人の証になります。
この作品でのPCの目的は、成人する事 ( = 金を稼ぐ事) といえます。
時期が来ると家族との縁を強制的に切られますので、職を探し、職能を身につけるしかありません。
この作品でのPCは、その中で冒険者を選んだ人達です。大多数の作品と違い、この作品では冒険者は (少数派なだけで) 一般的な職業なのです。

ルーンクエスト : たくさんあり過ぎてアレですな… ルナーからの侵略に立ち向かうとか、混沌を倒すとか、カルト内で栄達を狙うとか… 名作と呼ばれるだけあって、いろいろです。
トラベラー&トレイダーズ : 借金返済(笑)

返済後も遊べますのでご安心を。航路の開拓とか自由交易とか。

ま、とりあえずこの程度で…
1999年12月02日:10時19分36秒
[うまいプレイヤーへの第一歩]Re:手段と目的 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
@LISTさんWrote (このすぐ前の投稿)
>GMやシナリオが提示した物だけを追いかけるなら単なる 「お使い」 でしかありませんし、それならばコンピュータゲームの方が100倍面白いワケです
 
 うん、そーそー、そーですよね☆
 えーと、あるセッション単体の内では、とりあえず、セッションの課題=もんだい状況を、きちんとPCに把握させる、ってゆーのがPL(プレイヤー)の目的になるかな、と思います。序盤の目的とゆーか。
 
 ここで「PCに把握させる」ってゆーのは、必ずしもキャラプレとか、そーゆー事ではなくって。
 
 TRPGではPLが知ってるいろんな事PCは知りませんので。
 
 えーと「セッションの課題=もんだい状況」は、必ずしも常にNPCからの依頼と一致するものではないです。
 一致することもありますけど。たいてーは、「セッションの課題」⊃「NPCの依頼」となります。
 
 そりゃそーですよね、依頼をするNPCだって状況の一部なんですから。
 
 もちろん、“依頼”とかに常にウラがあるわけではないけれど。
 
 だからと言ってNPCの口から告げられた事情を鵜呑みにしててよいのか?
 
 そんなふーだからPLが目的掴めないのではないのか??
 
 NPCからの依頼受けました、では出発します、とゆーのは、これはやっぱり「単なるお使い 」でしかないですし、それならCRPGのほーが面白い。
 
 別にいつも調べ事してからでないとアクション起こせないってゆーわけでもないです。
 
 とりあえず、関係者に接触しつつ情報「も」集めるって手法もありますし。
1999年12月02日:09時02分26秒
RE 【うまい〜】 手段と目的 / LIST
PLに目的が必要だというのは大賛成なんですが、これを持つ事は大変に難しいんではないでしょうか。
GMやシナリオが提示した物だけを追いかけるなら単なる 「お使い」 でしかありませんし、それならばコンピュータゲームの方が100倍面白いワケですから…
むろん、単純な 「金もうけ」 であったり 「オレより強い奴に会いに行く」 であれば構いませんが、こういった幅の広い目的はPL自身がその日ごとに 「自分の目的とシナリオとのすりあわせ」 をせねばならず、それなりに難しいか、極めて単調になりがちです。
注 : ここでは 「個性」 を口実に 「すりあわせ」をしない思考停止PLはいない事にして下さい。
私の周辺では、 「ゲームブックのような手段の提示がハッキリした物になれてもらってからTRPGを始めてもらうというのはどうだろうか? 」 的な意見が出ておりますが、これも目的という点ではもう一つです。
この辺は、ちょっと深く考えてもいいかなと思います。
1999年11月30日:04時18分15秒
【うまいプレイヤーへの第一歩】手段と目的 / 蒼
 蒼です。
 どうも、反応返していただいてありがとうございます。

 さて、細かくレスをつけたかったのですが。
 私がマスターとして、「プレイヤーになにを求めているか」をさきに解説したいと思います。
 
****99年11月29日:02時04分16秒【うまいプレイヤーへの第一歩】キャラクターの能力把握 / 蒼 から引用***
>01:00 <#TRPG:KAJI> 何処かで得た知識を自分の物として昇華できてないのであろうか…
>01:01 <#TRPG:ao> さて。発想の転換がスムーズに行かない人は難しいと思いますけど。
>01:02 <#TRPG:ao> 知らない人は知らない。という点はさておいて。どこなら可能かというのはプレイヤーではなくキャラクターの知識なので、思いつかないのは仕方ないかなと思います。
>01:02 <#TRPG:sf> んむ
>01:02 <#TRPG:ao> 問題になるのは、その場合キャラクターの知識を使用することができるか? 

 ******ここまで******* 

 プレイヤーの知識がキャラクターの能力を活かしきれない、というのはさほど重要ではありません。
 行動を起こすために必要なものとは、何でしょうか?
 秀でた能力(技術)でしょうか?
 困ったときはキャラクターシートを見ましょう。
 キャラクターの能力は、大概の場合そこにかかれています。
 数値や、暗号のようなデータはどう読むのか?
 ルールブックを活用しましょう。慣れている人に聞くのも有効ですが、自分で調べるほうが、新たな発見が合って良いかもしれません。
 それはさておき、キャラクターの能力はキャラクターシートに書かれている情報に従います。
 つまり、キャラクターの能力に対して、プレイヤーの知識とは無関係に「なにが行えるか(手段)は判る」わけです。
 
 しかし、手段だけでは行動は起こせません。「目的」が必要です。
 
 プレイヤーは「何を求めて(目的)行動をとるのか?」
 の提示を求められます。
 
 情報収集であれば、何を知りたいのか。
 
 「事件の情報を知りたい。」
 場所?、時間?、目的?、被害(者)?、加害者?、手口?
 
 どの情報を知りたいのか判れば、キャラクターはその能力に応じて手段を挙げることができます。(どこまでできるかは別として)

 何を知りたいのか、目的をハッキリと持たなければ、手段はきまりません。
 プレイヤーが手段を明確に知らなくても。それは重要な問題にはなりません。
 その能力が活用できなければ、ルールブックを参照したり、他のプレイヤーやマスターに質問するというのも、良いでしょう。
 しかし、目的はプレイヤーにしか決められません。
 「何をしたいのか?」
 その積み重ねが大切なのではないでしょうか。

#今回はプレイヤーサイドとしての話を進めていきたいと思います。
#マスターのフォローの範囲は有限ですし、プレイヤーのほうが多いのですから。
#マスターがフォローするなということではありません。
#プレイヤーが自発的にレベルアップをするというのが、今回の主旨です。
1999年11月29日:14時45分11秒
[キャラプレTips【理論】]まとめ:なぜ、行動原理、価値尺度から構想するか / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 [キャラプレTips]では、PCの仮構のにんげん性を構想する際の基本になる考え方とノウハウをとりあえず、ザッと説明してみました。
 行動原理と価値尺度の複合を、キャラシーの記載事項との関わりで発想し、構想し、キャラクター・プランとして練って行く考え方や段取りですね。
 当掲示板過去LOGにある、asukaさんのアンケートをきっかけにはじめた[キャラプレTips]でした(先週末から、アタシの環境から過去LOGに繋がらないんです。でレファランスが書けません:困)。
 
 アンケートに応えた人(確かアタシも含めて13人でした)のカナリの人が、行動原理、とかポリシーとかを設定してプレイするって事でした。
 
 聞くところによると、キャラプレを自称する人の内で、漠然としたイメージとか、性格とか、背景設定とか、を設定する人も少なくないようです。
 これらのやり方は、実際にセッションでプレイしようとするとそれぞれに欠点があります。
 
 漠然としたイメージですと、一貫性/多面性の推測可能性が不確実になる事が多いと思います(何しろバク然としてるわけですから:笑)。
 
 性格や背景設定は、それらから動機づけがうまく構想できればセッションでのプレイに役立てる事もできるでしょう。
 
 しかし、性格設定は曖昧ですし、Personalな領域に集中しすぎているのが難点です。表現も比較的難易度高いですし。
 
 背景の設定は、それなりのコツを掴めばある程度効果的に用いることもできます(この件はいずれ機会があったらまた書きたいと思っています)。それでも、シナリオに予定された条件とのバッティング、または、まったく関われないなどが置き易いのは難点です。
 
 行動原理は、PCの職業設定との関わりで考える事もできます。
 GMさんや、他プレイヤーさんも、職業についての理解はワールド設定から持てるはずです。
 
 職業倫理のようなものの構想は、ワールド設定の部分に対するプレイヤーの解釈になるのです。
 解釈には妥当な解釈から突飛な解釈までありますけれど。
 とりあえず、どれだけ説得力あるプレゼンテーションができるかは、プレイヤーの発想力・構想力やプレイイング能力と相関します。
 
 ですから、「行動原理」の構想は、基本的には「漠然としたイメージ」や「性格設定」より他の人から推測し易いはずです。
 あなたがどういう解釈を持っているのかが推測され易いわけですね。100%理解されるとは限りませんけど、推測はし易いはずです。
この辺の事は蒼さんがはじめられた「[うまいプレイヤーへの第一歩]キャラクターの能力把握」とも関連してくる事でしょう。
 
 価値尺度に関しては、行動原理より、プレイヤーの解釈の幅は広くなると思います。
 したがって、他の人の推測も比較的むずかしくなる事は覚悟する必要があるでしょう。
 
 しかし、価値尺度の方も、「性格設定」よりは、推測可能性が高いです。
 
 とゆーか、例えば「怒りっぽい」とか、「いいかげん」とかいった「性格設定」を、掘り下げて「どんな事があると怒るのか?」、「何が疎ましくていいかげんなのか?」etc、と言うように、より明確化するのが「価値尺度」なわけです。
 
 単に「怒りっぽい」とかの性格設定を決めても、怒る対象が恣意的では、推測可能性もありませんし、キャラプレ的にももっともらしさが欠けるはずです。
 
 また「価値尺度」もPCの職業や、立場(“善い”妖怪@「妖魔夜行」だとか、“ストーム・ナイト”@「TORG」だとか)の解釈として、構想する事ができます。
 そのように構想すれば、「行動原理」同様、GMさんや他のプレイヤーさんにあなたの解釈を推測してもらい易くなるわけです。
 
 この投稿で書いた事は「性格設定」や「(キャラの)イメージの設定」を否定するものではありません。 キャラクター・プランの構成として「行動原理」や「価値尺度」とキャラシーの関わりを中核において、イメージなども構想してすゆくとハンドリングし易いとゆー話です。
 構想の段取り上も、「行動原理」や「価値尺度」をはっきりさせながら全体的なイメージを調整してゆくと効果的です。
 
 「[キャラプレTips【事例】]無邪気な暗殺者チャーリーのアレンジ」 (当掲示板,カンナ記,99年11月25日:08時26分06秒) 、で紹介しましたように。「行動原理」や「価値尺度」は一度、連想をして、それから、キャラクターシート記載事項との関連で構想を整理してゆくようにするのが、コツです。
1999年11月29日:12時50分29秒
【うまいプレイヤーへの第一歩】GMの使ってるフレーバーテキストを読む / PALM-12
●【うまいプレイヤーへの第一歩】RE:キャラクターの能力把握 / はしざきさん
>で、一度プレイしたシナリオをプレイヤーに読んでもらう、とかすると、より少ないコストで「うまいプレイヤー」が誕生するんじゃないかと思うんですが、どーでしょう?
 
 ういっす、良いと思います。
 人の書いたシナリオを読むことは、GM的にもゲーム的にも勉強になることは多いと思いますし、、
 
 あと、サークルや友達同士でセッションしているなど状況が許せば、”GMの使っている”フレーバーテキスト(映画や小説など)をみんなで見るというのもいいと思います。 例えば、サイバーパンクなら映画「ブレード・ランナー」の上映会を開き、終わったあとの感想で判らないところがあれば、詳しい人間がガジェットに対する説明なんかをして行くとかですね。
 そうすれば、次のセッションでは知識量も増える上に「質問できる環境」が出来やすいかなと思います。
 
 ではでは
1999年11月29日:10時19分31秒
【うまいプレイヤーへの第一歩】RE:キャラクターの能力把握 / OTE / 第100匿名希望
99年11月29日:02時04分16秒 【うまいプレイヤーへの第一歩】キャラクターの能力把握 / 蒼
> うまいプレイヤーには何が必要でしょうか?
> さまざまな要素がありますが、そのひとつとして「キャラクターの能力把握」をあげたいと思います。
> キャラクターを動かすための情報は、キャラクターシートに載っている情報だけではありません。そこから
>何が可能か、何ができないかを読み取り推察する必要があります。
> キャラクターの立場、権利、能力、コネ、などを把握し、それを活用できる人はうまいプレイヤーと言える
>のではないでしょうか。

同意します。
ただ、プレイヤーがやりたい事をそのまま、PCの能力を考えずに投影させ、実行させようとするプレイヤーと
それをそのままノリや話の美しさ(?)に任せて、PCの能力などを考えずにノーチェックで成功させるマスター
が大手を振ってまかり通っている状況では、取り敢えず付帯する状況まで伸ばさずに。キャラクターシートに
書かれてある事から長所・短所について理解していただく事の方が先ではないかと思うのですが(^^;。
#コンベンションとかにいってみて、「おい、キャラクターシート見てるのか?」みたいに思う事が多いです。
#おい、頼むから迫真の演技をしたから成功させろと泣いて講義するのは勘弁してくれよ(^^;。
#魅力が低くて交渉系技能もないし、交渉内容も大した事なかったんだから、どこにプラス修正の要素がある
#んだ(^^;。
1999年11月29日:07時56分41秒
前書き込み補足 / OTE
 あー、散漫な書き込みになっているので、補足します。
 前提:TRPGは、趣味であり、ホビーである。上手くなる努力は認めるが、それを他人に強いる事はできない。
 欲求:でも、遊ぶからには良いプレイヤーと遊びたい
 現実:しかし、なかなかおらぬ
 目標:では育てよう
 行動:上手に育てるには、まず、餌を撒くのが肝要。そうして意欲を引き出すのだ。
 てな、意図で書き込んでみました。(箇条書きって便利ですな)
1999年11月29日:07時41分09秒
【うまいプレイヤーへの第一歩】RE:キャラクターの能力把握 / OTE
 ちょっとした突込みですが。
 ***引用開始***
 00:55 <#TRPG:ao> いあ、どーも想像力の範囲外なのではないかと思う。
 00:56 <#TRPG:ao> ハッキング。といわれても何をハッキングしたら良いのかという時点で思考が止まる傾向がある。
 00:56 <#TRPG:sf> ふむ
 00:56 <#TRPG:KAJI> むー
 00:56 <#TRPG:sf> どうする、がルールで示されていても、なにを、が思いつかない。
 00:57 <#TRPG:sf> どこをハッキングすればよいのか、ハッキングでなにを得たいのか。
 00:57 <#TRPG:sf> それがわかんないわけですな。
 00:58 <#TRPG:ao> とりあえず、FBIとか発想がとぶので。困ることありますな。>情報収集の対象
 00:59 <#TRPG:KAJI> うあ
 00:59 <#TRPG:ao> それは無理であーというとそこで止まるのだよん。
 00:59 <#TRPG:sf> ふむ。
 ***引用終了***

 この場合、aoさんと、思いつかないプレイヤーには、知織と技術の格差があるわけです。では、プレイヤーに対して、どのよーに接するかが、問題となるわけです。この場合プレイヤーが提示したFBIという例は良く無いのですが、思いつき行動した、という点についてはaoさんはもっと積極的に評価した方が良いと思います。
 そして、この場合、aoさんも、プレイヤーキャラクターの特性を活かして上げるべきでしょう。
 私なら、「君のキャラクターはプロだから判るけど、(明確にロールの必要もないと言っても良いかも)FBIは無理でも***辺りなら適当な難易度で、手軽に情報を得られるかもね。他にもこういう手がある…」
 くらいの誘導はするでしょう。こういう積み重ねで、プレイヤーも発想の例を得る事ができ、成長に結びつく筈です。否定だけを示すのは簡単ですが、それでは成長の芽を摘んでしまうと思います。
 
 上手いプレイヤーになって欲しいのであれば(蒼さんにはそういう願望があるのですよね)マスターや、周りのプレイヤーも積極的に育てる姿勢が必要になると思います。
1999年11月29日:06時55分33秒
【うまいプレイヤーへの第一歩】RE:キャラクターの能力把握 / はしざき
99年11月29日:02時04分16秒
【うまいプレイヤーへの第一歩】キャラクターの能力把握 / 蒼  キャラクターの立場、権利、能力、コネ、などを把握し、それを活用できる人はうまいプレイヤーと言えるのではないでしょうか。

はい。わたしもそう思います。

ところで、ルールブックを隅から隅まで読んでも「立場、権力、能力、コネ」については通りいっぺんの説明しかないことが多く、具体的にどうやってそれを活用すればよいかをなかなか把握できないのは、まぁ無理がない気もします。

ところが、マスターは情報収集のセオリーみたいなものをちゃんと把握していたりして、どこで差がつくんだろうと考えてみたところ、実は「シナリオ」を読むか読まないかの差じゃないかと思い付きました。

マスターは実際にプレイしない場合でも手に入る限りのシナリオを読むでしょうから、情報収集の豊富な具体例に触れることができますが、プレイヤーは一般に「シナリオを読んではいけない」とされてるので、実際に行われたセッションの上手なプレイヤーの様子を参考にするとか、よいリプレイ/小説を読むとか、かなり間接的な方法でしか情報収集のセオリーを学ぶことができません。

で、一度プレイしたシナリオをプレイヤーに読んでもらう、とかすると、より少ないコストで「うまいプレイヤー」が誕生するんじゃないかと思うんですが、どーでしょう?

#参考にするほどシナリオが無い、って場合が多いか :-)


1999年11月29日:02時04分16秒
【うまいプレイヤーへの第一歩】キャラクターの能力把握 / 蒼
 

「うまいプレイヤーへの第一歩」の話題を始めたいと思います。
 が、少々抽象的なテーマですから、しばらくは「キャラクターの能力把握」とその実際例として「情報収集」を取り上げて話しを進めたいと思います。


 うまいプレイヤーには何が必要でしょうか?
 さまざまな要素がありますが、そのひとつとして「キャラクターの能力把握」をあげたいと思います。
 キャラクターを動かすための情報は、キャラクターシートに載っている情報だけではありません。そこから何が可能か、何ができないかを読み取り推察する必要があります。
 キャラクターの立場、権利、能力、コネ、などを把握し、それを活用できる人はうまいプレイヤーと言えるのではないでしょうか。

 #下にありますのは、IRC(サーバTRPG.NET)チャンネル#TRPGにて行われた、「キャラクターの能力把握」に関連したやりとりを抜書きしたものです。 
 #(関連が薄いと判断した発言は引用されていません。)

 00:38 <#TRPG:ao> その世界(ルール)でできることを知るというのが第一歩かな?
 00:39 <#TRPG:sf> ふむ。何ができてなにができないのか。それがわかんないと、たしかにね。
 00:39 <#TRPG:ao> 世界観的なルール=常識とか知るのが早い人っていますから。
 00:39 <#TRPG:sf> そういう意味で特殊なロールを持ってるルールは、把握しにくいというデメリットがあるという言い方もできるのかも知れない。
 00:41 <#TRPG:ao> %システムはその行為が確率的にどの程度成功するかわかりやすいという点で偉大ですねえ。
 00:40 <#TRPG:ao> 次にキャラクターとして、その世界での立場と可能なことを知ること。
 00:45 <#TRPG:ao> キャラクターの能力把握の例として、情報収集での差が目立つ傾向がありますね。
 00:46 <#TRPG:sf> 情報収集になにがつかえるか、どこに行けば良いか、どう聞きだせば良いか。
 00:46 <#TRPG:sf> そしてそれ以前の問題として「なにを聞きだそうとすれば良いのか」
 00:46 <#TRPG:ao> 世界観的、能力的、想像力、全てかかわりますから。
 00:46 <#TRPG:sf> 特に最後のは、プレイヤーの技量として重要なものだと思いますけど。
 00:48 <#TRPG:ao> 想像力ですかねー、とりあえず他のはあとから補強できますから。
 00:48 <#TRPG:sf> なかなか難しいですよね〜。「適切な疑問を思いつく」ようなもんだから。
 00:48 <#TRPG:ao> 何が必要かわからないでいるというんはよくあることですけどね。
 00:49 <#TRPG:ao> それができる人がうまいプレイヤーということですかね。>「適切な疑問を思いつく」
 00:49 <#TRPG:sf> たぶん。
 00:50 <#TRPG:sf> まあ、適切な疑問をいつでもきちんと思いつくような人は、社会でひっぱりだこで忙しいかも(おい)
 00:50 <#TRPG:ao> コンベンションではメガテンのマスター多いですけど、PCの能力を使い切れていない人って多いですね。
 00:50 <#TRPG:sf> ふむ
 00:51 <#TRPG:ao> COMP技能はデジタルデビル召喚のツールとしか思ってない人とか。自衛隊のコネとかを武器購入のためとしてしか使ってない人とか
 00:51 <#TRPG:sf> ふむふむ
 00:52 <#TRPG:ao> 実際には、COMP技能は情報収集系として有用ですし、自衛隊のコネなどはアンダーグラウンドな情報を得るのに有効です。
 00:52 <#TRPG:sf> ルールに書かれていることいじょうに使わない?
 00:52 <#TRPG:sf> それで情報収集ができるということが想像できない?
 00:53 <#TRPG:ao> ルールに書いてある事も使い切れていません。といいきってしまいましょか。
 00:54 <#TRPG:ao> 特技欄にあるハッキングというものはなんだねとか。COMP技能だけにあるソフトウェア管理シートはなんであると思うかねとか。
 00:54 <#TRPG:sf> ふむふむ。
 00:54 <#TRPG:sf> 自分のキャラクターの「長所」を把握できてないと。
 00:54 <#TRPG:ao> そーですね。
 00:55 <#TRPG:KAJI> 質問する事ができない?
 00:55 <#TRPG:KAJI> のかな?
 00:55 <#TRPG:ao> いあ、どーも想像力の範囲外なのではないかと思う。
 00:56 <#TRPG:ao> ハッキング。といわれても何をハッキングしたら良いのかという時点で思考が止まる傾向がある。
 00:56 <#TRPG:sf> ふむ
 00:56 <#TRPG:KAJI> むー
 00:56 <#TRPG:sf> どうする、がルールで示されていても、なにを、が思いつかない。
 00:57 <#TRPG:sf> どこをハッキングすればよいのか、ハッキングでなにを得たいのか。
 00:57 <#TRPG:sf> それがわかんないわけですな。
 00:58 <#TRPG:ao> とりあえず、FBIとか発想がとぶので。困ることありますな。>情報収集の対象
 00:59 <#TRPG:KAJI> うあ
 00:59 <#TRPG:ao> それは無理であーというとそこで止まるのだよん。
 00:59 <#TRPG:sf> ふむ。
 01:00 <#TRPG:KAJI> 何処かで得た知識を自分の物として昇華できてないのであろうか…
 01:01 <#TRPG:ao> さて。発想の転換がスムーズに行かない人は難しいと思いますけど。
 01:02 <#TRPG:ao> 知らない人は知らない。という点はさておいて。どこなら可能かというのはプレイヤーではなくキャラクターの知識なので、思いつかないのは仕方ないかなと思います。
 01:02 <#TRPG:sf> んむ
 01:02 <#TRPG:ao> 問題になるのは、その場合キャラクターの知識を使用することができるか? 
 01:03 <#TRPG:sf> ほんとはルールにある程度の情報の集め方についてのプレイヤー向けか異説が欲しい。
 01:03 <#TRPG:sf> そもそもプレイヤー向けのプレイングガイド、どのTRPGにもないに等しいからなあ。
 01:03 <#TRPG:KAJI> ルールブックに行動例みたいなもの載せるって事?
 01:04 <#TRPG:sf> いあ、ゲームの進行方法とか、プレイヤーは何をするべきなのかとか、どのように情報を集め行動を計画するかとか
 01:04 <#TRPG:sf> そのための具体的な情報。
 01:04 <#TRPG:sf> 情報収集であれば、ハッキングで情報を集めるためのアクセス先について
 01:06 <#TRPG:sf> どんな時にでも使える公開情報を得るもの、専門情報を得るもの、情報の得かたを得るもの、シナリオに応じた個別情報の探りかたの指針(事件関係者の知り合いを探してあたるとか)とかね。
 01:06 <#TRPG:ao> うーむ。とりあえずメガテンの書きたいなあ。
 01:07 <#TRPG:sf> このあたりは、ほんとはルールで書いてあってもいいと思うんだよなぁ。
1999年11月29日:02時03分33秒
[キャラプレTips【事例】]無邪気な暗殺者達の演出例検討 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 「[キャラプレTips【事例】]無邪気な暗殺者の演出例検討」 (「[キャラプレTips【事例】]無邪気な暗殺者達の演出例」,当掲示板,カンナ記,99年11月27日:02時24分32秒)、で紹介したキャラプレの演出例を評価してみます。
 
無邪気な暗殺者チャックル
 無邪気さが、子っぽさ、とゆー感じで終始する演出になりました。
 行動原理「技量についてのプライド」をPCの言動の彩りとして使えているとは思います。
 
 暗殺者である事が一貫性に、子供っぽさが一応多面性になっているとも思います。
 実際のセッションでは、もう少し子供っぽさを強調できうるでしょう。そうすれば、暗殺者でもある事と少年っぽさとの違和感(多面性)も、もっと強調できるでしょう。
 
 ちなみに、能力値との関係やゲーム展開によっては、「中盤」のセリフ例とか、こんなに余裕こいてられないと思います(笑)。
 
無邪気な暗殺者チャーミー
 チャックルに比べると、少しは無邪気な感じが出せてる様に思いますが。いかがでしょうか?
 10〜13歳相当にしては、少し大人びてるかもしれません。
 まぁ、同い年でしたら少女の方が少年より大人びている事はめずらしくはない気がします(プレイヤーであるアタシの趣味かもしれませんケド:苦笑)。
 
 実際のセッションでは、大人びて感じられる面と無邪気さとのズレを多面性として演出してゆくことが課題となります。
 
 仕事は仕事、それ以外の社会モラルに関しては理解してないわけではない、とゆー一貫性/多面性の演出です。
 「手前勝手な理屈に従っていて、PC自信ははその手前勝手さを意識していない、って人間性」の演出でもあります。
 この演出には、もちろん間接話法・直接話法・混交の手法が適しています。
 
 GMさんなどに、そこを突いてもらえれば、もっと面白い多面性や「葛藤」を演出する事も可能でしょう。
 「葛藤」は、セッションではオプションと思いますので、GMさんが、そこを突かなくてはいけない、と言っているわけではありません。
 
無邪気な暗殺者ジャッキー
 これは、あまり無邪気とは思ってもらえないかもしれません。
 年齢設定もあって、キャラクター紹介のところから、「柔和な暗殺者」としました。
 
 邪心・悪意が無い、という感じは演出できているとは思いますが。
 ビジネス・ライクな行動原理が強く演出されていて、「悪意が無い」の方の演出意図は陰に隠れてしまっている感があります。
 このキャラの場合は、前半である程度暗殺者らしさをアピールした方が、「邪心・悪意が無い」との間で意外性を演出できるはずです。
 
総評
 全体として、どの演出例も、殺人に罪の意識を抱いていない/なぜか抱けない職業的殺人者、という人間性の演出にはなってます。
 
 これは、「職業的殺人者」+「無邪気さ」という取り合わせのアタシ的解釈にすぎません。
 他のプレイヤーさんにはまた別の解釈を導き出す事でしょう。
 
 GMさん「殺人に罪の意識を抱いていない/なぜか抱けない職業的殺人者」ってポイントを突いてもらえれば、もしくは、PCに対立関係があるシナリオでしたら、他プレイヤーさんにそこをついてもらえれば、「罪の意識ってなぁに?」的問い返しを演出してゆく事も可能です。
 
 もちろんGMさん、またはプレイヤーさんは、キャラの人間性のポイントをついて、ゲーム的難易度を上げても構わないのです。
 
 紹介した無邪気な暗殺者達の演出例では、一貫性は主に職業倫理に、多面性は主に無邪気さに依っています。
 「葛藤」も職業暗殺者としての職業倫理と無邪気さとの間で構築されれば比較的無理が無いと思われます。
 例えば、PCが、職業的暗殺者を続けていけなくなったときに、彼/彼女が無邪気でいれなくなるような機会を待ち構えながら演出・プレイしてゆくとよいでしょう。
 チャンスが来たときすかざずキャッチ・アップできれば、キャラプレ的に面白くなるかと思います。
 
 繰り返しになりますが、仮構の人間性の「葛藤」は、物語展開に沿くして、無理が無い型で打ち出せれば、セッションがより面白くなるオプションだと思います。
 無理押しで持ち出すわけでなく、きっかけがあったらあやまたずキャッチ・アップする、とゆーのがコツですし、基本の考え方でしょう。(この考え方はプレイヤーからの「誘導」を否定するものではありません)
1999年11月27日:02時24分32秒
[キャラプレTips【事例】]無邪気な暗殺者達の演出例 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 「セッションのスタンダードな展開モデルに応じた、PC演出の指針〔Vr.1.1.0.〕」 (当掲示板,カンナ記,99年11月27日:01時45分08秒)、を踏まえて、成功し易いキャラクター・プレイの演出について、事例を伴って考え方を紹介してみます。
 
「[キャラプレTips【事例】]無邪気な暗殺者のアレンジ」 (当掲示板,カンナ記,99年11月26日:00時28分33秒)、で構想した無邪気な暗殺者達三例を使う事にします。
 以下の事例で、各構成パートごとに、三つのキャラの演出例を併記してあるのは、比較の為です。
 同一セッションでの併存を意識しているわけではありません。
 どのキャラも「PCの仮構の人間性を構想して、それを、PCの言動に反映してゆく方針」を念頭に置いています。
 無邪気な暗殺者チャックルは、「PCの個性化をルールで規定される役割分担の彩り程度に押さえる方針」にやや近いと思います。
 
○セッション前
 無邪気な暗殺者チャックル
 「名前はチャックル。無邪気な少年暗殺者です」
 
 無邪気な暗殺者チャーミー
 「名前はチャーミー。無邪気な少女暗殺者です」
 
 無邪気な暗殺者ジャッキー
 「名前はジャッキーー。柔和な暗殺者です」
 
◎導入部 :PCの立場確認と行動原理を印象づける演出が期待される
 無邪気な暗殺者チャックル
 「特に仕事がなければ、公園で野良犬相手に遊んでます」
 
 無邪気な暗殺者チャーミー
 「あたしは普段の仕事をしています。大通りで風船売り」
 
 無邪気な暗殺者ジャッキー
 「そーですねー。仕事が終わったばかりと言うことで、花の手入れでもしています」
 
#職業的殺人者のPeraonalな側面を強調する演出例になっています。
 
◎序盤:PCの役割分担が仮構の人間性と関わりながら構築されてゆく演出が期待される
 無邪気な暗殺者チャックル
 「今度は何すればいいんだい?」「あぁボクのテクニックが必要なんだね」
 
 無邪気な暗殺者チャーミー
 「むずかしいお話はいいわ」「アタシで役に立つならやってあげる」
 
 無邪気な暗殺者ジャッキー
 「はぁ、なるほど、で、わたしに何をしろとおっしゃるのですか?」「目立つ仕事は避けたいんですが」
 
#職業的殺人者としての個性をアピールする演出になっています。同時に、キャラの多面性をアピールする伏線でもあります。
 
◎中盤:「PCの役割分担が仮構の人間性の多面性と関わりながら遂行されてゆく演出が期待される」
 無邪気な暗殺者チャックル
 ニコニコしながら被害者に言います「もっと遊んであげたいけど、仕事だからしょーがないんだ」
 
 無邪気な暗殺者チャーミー
 心配そうに被害者に言います「苦しいの?今、楽にしてあげるわね」
 
 無邪気な暗殺者ジャッキー
 ぼーっとした表情のまま被害者を暗殺します「はじめまして」「失礼します」
 
#引き続き、仮構の人間性の一貫性(この場合職業)との関連で多面性の方をアピールしています
 
●山場:PCの役割分担と仮構の人間性の葛藤が演出されてもよい
 無邪気な暗殺者チャックル
 「かたき?ボクが??」、困惑した様子で「ボクがやらなくても誰かがやったと思うケドな」
 
 無邪気な暗殺者チャーミー
 「敵討ちすれば気がはれるの?」、すまなそうに「でも、お仕事でないのに殺しあいする気はないの」
 
 無邪気な暗殺者ジャッキー
 「はぁ、なるほど」首を振りながら言います「依頼の内容はお話しかねるんですが」「ところでわたしの事、どこで聞かれました?」
 
#「職業的殺人者としての職業倫理」と「無邪気さ」の間で軽い「葛藤」(というほどでもないものもありますが)が演出されています。
 
◎クライマックス〜エンディング:セッションの課題の解決などへの取り組み方に、PCらしい価値判断が了解される演出が期待される
 無邪気な暗殺者チャックル
 「ちぇぇッ、アッタマ来ちゃうなぁ子供だからって甘くみられちゃ」「みんな、ボクのテクニック見たいよね?(笑)」
 
 無邪気な暗殺者チャーミー
 「あたしたちの事裏切ったわけよね」「約束破っちゃダメって教えてあげなくっちゃ」
 
 無邪気な暗殺者ジャッキー
「さてさてこれは依頼人の契約違反ですね」「あまり目立つ事はしたくないのですが」」「できるだけ目立たないように処理しましょうか」
 
#職業的殺人者としての個性をアピールする演出です。同時に、すでにアピールされた多面性も活用しています。
 
◎エピローグ:セッションの成果について、PCの行為責任に関して仮構のPC観点からの自己評価が演出される事が期待される
 無邪気な暗殺者チャックル
 「別に憎くて殺したわけじゃ無いんだケド」舌打ちして「ここには長くいすぎたかな」
 
 無邪気な暗殺者チャーミー
 「もう直には会わないわよね」「敵討ちなら、腕の立つ人やとわないとダメよ」
 
 無邪気な暗殺者ジャッキー
 「あなたの敵討ちに協力したわけではないんです」「あなたにはわかる必要はありませんが」「あなたがわたしを仇と狙うなら止めはません」
 
#単に、職業的な達成度だけではなく、PCのにんげん性も含めた観点からの自己評価を暗示する演出です。
 
コメント:
 全体としてちょっと御都合主義的発想が目立ちます(苦笑)。
 演出の発想例ですのでご勘弁をいただければと思います。
 
 一応、職業的に暗殺者をしてるにんげんは、普通のにんげんとは価値尺度が違う方が自然だ、って線の演出を狙いました。
 
 人が創ったシナリオを、GMさんや他プレイヤーsとの対面コミュニケーションで処理するのでないと、自分のキャライメージに沿った発想に偏ってしまうのかもしれません。
 
 アタシ的には、世界設定に関する、メンバーごとの異なる視線が交叉したり絡んだりすることもあるからTRPGは面白い、とか思っているのですが。
 やはりNPCとかも構想して演出例を考えた方がよかったかもしれません。
 
 キャラクター性の差違もあまりはっきりとは打ち出せなかったかしれません。これも、実際のセッションでPC・NPCとの絡みをキャッチ・アップしてゆくと、もっとキャラクター性を明瞭に打ち出してゆけると思います。
 
 各演出の、もう少し詳しい検討を別投稿でしてみたいと思います。
1999年11月27日:01時45分08秒
[キャラクターの演出]セッション展開モデルとPC演出指針(構成改訂) / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
「セッションのスタンダードな展開モデルに応じた、PC演出の指針〔Vr.1.1.0.〕」
 この投稿では、セッションに貢献するキャラプレのノウハウを整理してゆくためのモデルを提出します。
 過去LOGで何度か改訂しましたけれど、とりあえずはこのバージョンで使えるのではないかと思います。
 
 正確に言うと、PCの物語的演出を主軸にしたセッション展開のモデルです。
#ゲーム展開を主軸にしたモデルはまた別のモデルと思います。
 
 文芸批評的な観方を借りれば、PCごとのサブ・プロット(ストーリー・ライン)のスタンダードな展開をモデル化したものです。
 
 場合によっては同一セッション内で、PC事に展開のタイミングがズレたり、展開の順序が違っていたり、といった事も多いにあり得ます。あくまで検討の基本にすえると、話しが整理し易いモデルを提出しているだけです。
 
・モデルの各構成単位では、以下の三つのキャラクター・ハンドリング方針の基本的な演出の考え方を比較検討しています。
 
 a「PCの個性化をルールで規定される役割分担の彩り程度に押さえる方針」
 b「プレイヤー本人がPCの立場だったらどう考え、どう行動するかでPCの言動に一貫性と多面性を保証する方針」
 c「PCの仮構の人間性を構想して、それを、PCの言動に反映してゆく方針」
 
・各構成単位「導入部」とか、「中盤」とかで、a〜cに期待される演出を列挙したのは、これは別に同一セッションでの併存を意識しての事ではありません。単に比較検討の便宜の為です。同一セッションで異なる演出方針が併存する為ののモデルは、また別の検討になります。
 
◎導入部
 a「PCの立場の確認ができる演出が期待される」
 b「PCの立場確認とプレイヤーの人間性の印象づける演出が期待される」
 c「PCの立場確認と行動原理を印象づける演出が期待される」
 
◎序盤:「導入部」に続き、PCの一貫性が優先的に印象づけられる事が好ましい.他のキャラ(PC・NPC)との関わりあいでの演出も重要.
 a「PCの役割分担が円滑に機能する演出が期待される」
 b「PCの役割分担がプレイヤーの人間性と関わりながら構築されてゆく演出が期待される」
 c「PCの役割分担が仮構の人間性と関わりながら構築されてゆく演出が期待される」
  
◎中盤
 a「PCの役割分担が円滑に遂行されるる演出が期待される」
 b「PCの役割分担がプレイヤーの人間性の多面性と関わりながら遂行されてゆく演出が期待される」
 c「PCの役割分担が仮構の人間性の多面性と関わりながら遂行されてゆく演出が期待される」
 
◎クライマックス〜エンディング
 a「セッションの課題の解決などに効率よく取り組むことができる演出が期待される」
 b「セッション課題の解決などへの取り組み方に、プレイヤーらしい価値判断が了解される演出が期待される」
 c「セッションの課題の解決などへの取り組み方に、PCらしい価値判断が了解される演出が期待される」
 
◎エピローグ
 a「セッションの成果について、PCの行為責任に関する役割分担からの自己評価が演出される事が期待される」
 b「セッションの成果について、PCの行為責任に関してプレイヤー観点からの自己評価が演出される事が期待される」
 c「セッションの成果について、PCの行為責任に関して仮構のPC観点からの自己評価が演出される事が期待される」
 
●山場:山場での「葛藤」はセッション展開において、あった方が物語的に面白いが必須ではない
 a「プレイヤーの意思決定の葛藤が演出されてももよい」
 b「PCの役割分担の遂行とプレイヤーの人間性の葛藤が演出されてもよい」
 c「PCの役割分担と仮構の人間性の葛藤が演出されてもよい」
 
・各項目での「役割分担」は、必ずしも「パーティーの役割分担」だけを意味していません。「シナリオの狙い」に応じて、「PC同士が殺しあい、いかに生き延びようとするか」が役割であるようなケースも含めて考えたいと思います。
 
・構成単位「山場」に関しては、セッション展開によって生じたり生じなかったりします。
 「山場」がセッション展開のどこに入るかは、PCによってかなり違ってくる事もあります。
 ただ、「山場」での「葛藤」に至る前に、PCの多面性が了解される演出が充分になされている事が望ましい、とは言えます。
 
関連投稿:
#「[キャラクターの演出]セッションの展開と演出」 (プレイング研究室 LOG 032,カンナ記,99年11月16日:21時49分11秒)
#「[キャラクターの演出] 補足:セッションの展開と演出」 (プレイング研究室 LOG 032,カンナ記,99年11月16日:22時00分29秒)
#「[キャラクターの演出]Re:セッションの展開と演出」 (プレイング研究室 LOG 032,PALM-12さん記,99年11月17日:12時48分10秒)
#「[キャラクターの演出]効率と意思決定」 (プレイング研究室 LOG 032,カンナ記,99年11月17日:14時04分45秒)
#「[キャラクターの演出]Re:効率と意思決定(PCの演出指針)」 (プレイング研究室 LOG 032,PALM-12さん記,99年11月17日:16時23分56秒)
#「[キャラクターの演出]「セッション展開モデルとPC演出指針」部分改訂」 (プレイング研究室 LOG 032,カンナ記,99年11月18日:13時30分28秒)
1999年11月26日:00時28分33秒
[キャラプレTips【事例】]無邪気な暗殺者のアレンジ / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 引き続き、成功し易いキャラクター・プレイの考え方、ノウハウを事例を伴って紹介してゆこうと思います。
 今回は、キャラクター・プランのディテール・アップです。例によってはしざきさんの「無邪気な暗殺者チャーリー」のアイディアを借用したうえで、アレンジを加えさせていただいてます。
 
 「少数の価値尺度・行動原理の複合」を中核にして、PCの仮構の人間性を構想してゆく方針です。
 PCの言動の一貫性と多面性を演出し、同卓メンバー(GMとプレイヤーs)の推測可能性を維持しつつ、キャラの実在感を高めてゆくのが目的です。
 
■考え方
・自分のプレイ能力,システム・ワールドとの適性を考えつつ,「少数の行動原理・価値尺度複合」を考える.
・キャラクター・シート記載事項と「少数の行動原理・価値尺度複合」の関連でキャラの人物像の構想をディテール・アップする.
 
■狙い
 キャラクターの言動の、一貫性と多面性をそれぞれ発想し易くする、基盤を考えます。
 同時に、行動原理・価値尺度複合は、職業倫理や社会関係に多角的な視点を導入する基盤になります。
 一貫性は、キャラの言動の推測可能性の根拠になります。
 多面性と多角的視点は、キャラの言動の意外性や葛藤の根拠になります。
 
■「少数の行動原理・価値尺度複合」のマッチング
 この辺からキャラプレは個人芸になってゆきます(笑)。
 自分のプレイ能力を考慮に入れた方がよいからです。
 もちろん、個人芸でも、基本になる考え方やノウハウはあるって話しです。
 
 アタシの場合ですと、戦闘センスがなく、戦闘がヘタです。その代わり交渉とかそーゆーのはそれなりに得意と思いますが。
 
 で、先に「無邪気な暗殺者チャーリーのアレンジ」で構想した三つのアレンジを評価してみます。
#「[キャラプレTips【事例】]無邪気な暗殺者チャーリーのアレンジ」 (当掲示板,カンナ記,99年11月25日:08時26分06秒)
 
●基本能力値とのマッチング
 もちろん能力値の意味もシステムによって違いますが。
 アタシなら体力やヒットポイントよりも、敏捷性、器用さ、観察力などの効果が高い場合、暗殺者をプレイする事を考えます。
 できれば、知力も高い方がよいのですが。
 IQやINTと別にSOCのような能力値がある場合でしたら、アタシならSOCの方をIQ・INTより優先する事を考えます。
 
●キャラクター・プラン検討
 方針a.事例:「無邪気な」を,三つの「価値尺度・行動原理」複合にする.
 無邪気な(悪意を持た無い・世間的地位、名声を重視しない・無償の親切を好む)暗殺者
 
 方針b.事例:「暗殺者」に,らしい「価値尺度・行動原理」複合を付与する.
 無邪気な暗殺者(平凡な言動、ノンポリ、ビジネス・ライク)
 
 方針c.事例:「暗殺者」としての職業倫理を,三つの「価値尺度・行動原理」複合にする.
 無邪気な暗殺者(依頼への責任感・依頼についての守秘義務・技量についてのプライド)

 アタシでしたら、「方針a」、「方針b」は自分に馴染みのあるシステムで、「方針c」は自分に馴染みの無いシステムで使用する事を考えます。
 
 アタシの場合、女性キャラを扱う方が、いろいろな発想が出易いんですね。これもアタシのプレイ能力の内です。
 方針aは少女で、方針bは青年男子で、方針cは少年で考えます。
 
 方針cは、比較的軽いキャラプレになると思います。
 暗殺者とゆう職種があるワールドや、盗賊のクラスの変種で扱えるなら「ルールで規定される役割分担の彩り程度に押さえる方針」 としてもプレイ可能な構想かと思われます。
 ですので、アタシでしたら馴染みの無いシステムで、「方針c」を少年で試みます。
 
 本来のアタシのプレイ傾向でしたら、「方針c」も女性−−無邪気さとの関連で少女でやりたいところですが。
 少女の暗殺者、というだけで「目立つ存在」と捉えられるかもしれません、ですので少年で考えます。
 方針cを少女でやる場合ですと、アタシの持ちネタだとちょっと暗い感じの目付きが鋭い不良っぽい下町少女でやるのが楽なんです。ちょっと、「無邪気」との兼ね合いが悪い、とかの個人芸的事情もあったりします。
 
 「方針a」と「方針b」を比較すると、実は、「b」の方がキャラプレ的にはチャレンジングです。
 行動原理に「平凡な言動」が入っていますので。「平凡な言動」で気の効いた演出を考えてゆくのはチャレンジングです。
 
 実際には、他にも、技能とか年齢とかを相関させて考えてゆくはずですが、システムを特定しないで考え方を紹介するとしたら、この辺が基本かと思います。
 
■無邪気な殺人者のアレンジ
 以上の検討を総合して、アタシがやる場合のキャラクター・プランをまとめてみます。
 アタシのプレイ能力、プレイ体験に左右されるところ大です(←この辺が個人芸)ので、根拠不明の個所もあるかもしれません。
 一応難易度が軽いと思われる方から列挙します。

無邪気な暗殺者チャックル(方針c)
 ♂少年:現代の10〜13歳相当.
 職業:暗殺者.
 行動原理:依頼への責任感・依頼についての守秘義務・技量についてのプライド,他・暗殺者らしい行動原理.
 価値尺度(性格)無邪気(邪気・邪心・悪意が無い).
 一人称:ボク.
 二人称:おじさん・おばさん・おにいさん,etc.
 語尾:〜だよ.
 口調:快活・楽しげ.
 普段の暮らし(ワールドによる)ストリート・チャイルドまがい,気が向くとバイトで過ごす.
 セリフの傾向:「今度は何すればいいんだい?」,「ふーん、やったげてもいいよ」.
 その他:動物好き,とか.獲物はダガーや毒薬など(技能とも関連).
 
無邪気な暗殺者チャーミー(方針a)
 ♀少女:現代の10〜13歳相当.
 職業:暗殺者.
 行動原理:暗殺者らしい行動.
 価値尺度:無邪気≫悪意を持た無い・世間的地位,名声を重視しない・無償の親切を好む.
 一人称:あたし.
 二人称:おじさん・おばさん・おにいさん,etc.
 語尾:〜だわ,〜なのよ.
 口調:快活・天真爛漫.
 普段の暮らし(ワールドによる)大道商人,風船などの小物売りとか.
 セリフの傾向:「むずかしいお話はわかんないわ」,「いいわよやってあげる」.
 その他:小道具として風船.獲物は,針やダガー毒薬など(技能とも関連).お菓子に目が無い,とか.
 
無邪気な暗殺者ジャッキー(方針b)
 ♂青年:現代の15〜20歳相当.
 職業:暗殺者.
 行動原理:平凡な言動,ノンポリ,ビジネス・ライク,他・暗殺者らしい行動原理.
 価値尺度(性格)無邪気(邪気・邪心・悪意が無い). 
 一人称:わたし.
 二人称:あなた.
 語尾:〜です,〜ですね.
 口調:のんびり,軽やか,柔和.
 普段の暮らし(ワールドによる)地味,場末の小さな下宿でひっそり暮らし,図書館通い,花の世話が好き.
 セリフの傾向:「はぁ、そうですねぇ」,「よろしいですよ」.
 その他:小道具として,花,本.獲物は,ダガー,毒薬,ワイヤーなど(技能とも関連).
1999年11月25日:08時26分06秒
[キャラプレTips【事例】]無邪気な暗殺者チャーリーのアレンジ / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 はしざきさんの「無邪気な暗殺者チャーリー」のアイディアを借用して、「少数の価値尺度・行動原理の複合」を考案する手順を紹介しましょう。事例を伴って考案の手順、考え方を紹介します。
 
 はしざきさんの意図とは違いますが、「仮構のPCの人間性」を構想する手順、考え方の紹介となります。
 
考え方:
・キーワード「無邪気な」+「暗殺者」それぞれの連想語をたくさん用意する.
・たくさん用意された連想語の組み合わせでキャラの人物像を考える.
・自分がプレイし易い組み合わせ、ワールドや、能力値などとマッチングのよい組み合わせを採用する.
 
ステップ1:キーワードの連想語が偏らない様に、まずキーワードの言い換えをいくつか(3〜5程度)用意する.
 「無邪気な」の言い換え≫無邪気な≒邪気の無い≒邪心の無い≒悪意の無い
 「暗殺者」の言い換え≫暗殺者≒職業的殺人者≒殺人請負人
 
 言い換え語複数のまとまりを元にして、連想を考えてゆくと、偏りが少なくなります。
 
 具体的ノウハウとしては、ハガキサイズのカードの中央に、まず「複数の言い換え語」を書く。
 周囲の余白に連想語を思いつくままに書いてゆく、といった練習がお勧めです。
 
 このとき、筆記具はボールペン、フェルトペンなど、消しゴムで消えないものを使用。
 連想の最中に一度書いたワードを取り消すときは、取り消し線で消すようにするとよいでしょう。
 
 もちろん、コンベンションでのキャラ・メークではこんな練習とかやっているヒマありませんけど(笑)。何度かこの連想法をやってみると「少数の価値尺度・行動原理の複合」を考案するコツが掴めてくると思います。
 
ステップ2:「少数の価値尺度・行動原理」の元になる連想語をたくさん用意する.まず行動原理とかに拘らず、思いつくままに書く.
 「無邪気な≒邪気の無い≒邪心の無い≒悪意の無い」からの連想.
 笑みを絶やさない・いつもニコニコ・冷笑ではない・空ろな笑みかもしれない
 柔和・怒らない(悪意がないから)
 他人を妬まない
 嫉妬心とか理解できない
 物欲・名声欲が薄い
 他愛無いささやかな欲望を持つ
 快・不快に敏感
 他人に親切・無償の親切
 罪悪感が無い
 
 「暗殺者≒職業的殺人者≒殺人請負人」からの連想.
 依頼への責任感
 依頼についての守秘義務
 依頼人の事情には深入りしない
 ノンポリ(政治的中立)
 ビジネス・ライク
 技量についてのプライド
 保身への配慮
 目立たない・平凡に見える
 手掛かりは残さない
 冷酷・冷静・無感情・取り乱さない
 
ステップ3:「少数の価値尺度・行動原理」を構想する
 構想の方針はいくつかあります。
 自分がプレイし易い方針、ワールドや能力値などとのマッチングがよい方針を選ぶとよいです。
 
方針a.「無邪気な」を,三つの「価値尺度・行動原理」複合にする.
方針b.「暗殺者」に,らしい「価値尺度・行動原理」複合を付与する.
方針c.「暗殺者」としての職業倫理を,三つの「価値尺度・行動原理」複合にする.

 
方針a.事例:「無邪気な」を,三つの「価値尺度・行動原理」複合にする.
 無邪気な(悪意を持た無い・世間的地位、名声を重視しない・無償の親切を好む)暗殺者
 
方針b.事例:「暗殺者」に,らしい「価値尺度・行動原理」複合を付与する.
 無邪気な暗殺者(平凡な言動、ノンポリ、ビジネス・ライク)
 
方針c.事例:「暗殺者」としての職業倫理を,三つの「価値尺度・行動原理」複合にする.
 無邪気な暗殺者(依頼への責任感・依頼についての守秘義務・技量についてのプライド)
 
 連想ワードの内使えそうなものはさらに変形して、行動原理・価値尺度らしくしてゆくのがコツです。
 
 「無邪気」についての複合、「暗殺者」についての複合、それぞれの内では、あまり矛盾を孕まないように考えた方がよいでしょう。
 行動原理・価値尺度複合の内の矛盾を孕んだ要素は、PCの言動の多面性を保証します。
 しかし「無邪気」+「暗殺者」の組み合わせは、すでにそれなりの矛盾を孕んでいますので。さらに矛盾の要素を増やすのは避けた方がよいでしょう。

補足:小ネタ
 「価値尺度・行動原理」複合に採用しなかったワードの内、使えそうなものは、小ネタとして使うとよいでしょう。
 柔和な口調、とか、いつも笑みを絶やさない、とか口癖とか、行動原理や価値尺度に至らない彩りとして利用すると、それなりにキャラ・イメージのまとまりを演出します。
 
補足:背景未決
 キャラ・メークのときに、キャラの背景や来歴についての具体的詳細を決めてゆくやり方があります。
 例えば、「無邪気な暗殺者」だったら、「暗殺者になったきっかけは」とか、「暗殺者なのに無邪気でいられるのはなぜか」だとかの根拠を過去の事件(来歴)に求めようと具体的なことまで設定するやり方ですね。 
 このやり方は、まったくダメというわけではないのですが、あまり得策ではありません。
 
 シナリオに予定されているイベントと絡みが薄い、バッティングするなども起こり易いからです。
 逆に、バッティングが起きそうに思えない背景は、設定されておいた方がよいと思います。
 普段はどんなところで、どんなふうに暮らしているか、とかは、GMの許諾を得つつ決めておいた方がよいでしょう。
 
 「少数の行動原理・価値尺度複合」の考え方は、PCの人間性構想の中核として、ここしばらくの「行動原理・価値尺度」はどんなものか、を定めておくものです。
 背景・来歴の具体的な内容は詰めずに余白をあけておくわけですね。
 背景・来歴については、ゲーム中、GMや他のPLの許諾を得ながら設定していってもよいと思います。
1999年11月23日:21時25分05秒
[キャラクターの演出]展開例: 無邪気な暗殺者チャーリー / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 はしざきさんの「[キャラクターの演出]例: 無邪気な暗殺者チャーリー」を踏まえて、演出展開の応用を考えてみましょう。
 応用例を例示してゆきます。応用の考え方については最後に説明します。
#「[キャラクターの演出]例: 無邪気な暗殺者チャーリー」 (プレイング研究室 LOG 032,はしざきさん記,99年11月22日:16時28分14秒)
 
 はしざきさんの意図を尊重して、「間接話法に形容詞を付けるだけという手軽さで、周囲になんらかのイメージを想起させることができる」線を狙ってみましょう。
 
●例:はしざきさんの例に便宜上に番号をふってみます.
1.「名前はチャーリー。無邪気な暗殺者です」(キャラクター紹介のとき)
2.「無邪気な笑顔で挨拶します」
3.「その話には耳を傾けず、無邪気に食事を続けています」
4.「無邪気に階段を昇っていきます」
5.「無邪気にナイフを研いでいます」
6.「無邪気な顔でとぼけながら、周囲の様子をうかがいます」
7.「無邪気に苦悩します」
8.「じゃあ、拷問して情報を聞き出そう。まず、右手の小指を無邪気に切断します」
9.「その話を聞いて無邪気に泣き出します」
 
●「例」の検討
 「4」、「7」には表現としては、一瞬「?」と感じられるひっかかりが、他の事例より強く感じられるはずと思われます。

 「6」は、「とぼける」が入る事で、「チャーリーの無邪気さは、表面上装われたものなのか?」という連想「も」聞き手の脳裏を過ぎるはずと思われます。
 ここでのもんだいは、それが、プレイヤーのPCハンドリング・演出方針と大きく乖離するかどうか、です。
 #もし、「PCに仮構の人間性を構想して演出してゆく方針」 でしたら、構想と表現の受け止められ方の乖離には、より注意が必要になります。
 
 「9」の場合は、「無邪気」「泣く」とのイメージ上の結びつきが他の事例より強いのが特徴です。
 チャーリーのキャラクター性に関して、プレイヤーが意図しない期待を抱かれてしまうかもしれません。

●展開例:言語の連想を基本にした展開例を例示します.
4.「無邪気に階段を昇っていきます」の展開
 「無邪気に階段を昇る」は他の事例に比べやや抽象度が高いです。比較的連想の幅が広い。それらの連想の内には内容上乖離しかねないものも含まれる。
 この場合、まず、連想内容を限定する方針が考えられます。それから、やや高度な演出として、「多様な連想の内容が決定不可能な状態」を演出する方針も考えられます。
 
 「無意味にニコニコして階段を昇ってゆきます」
 「白痴的な笑みを浮かべたまま階段を〜」
 「楽しくてしょうがないって表情で〜」
 
 「無邪気」⇔「笑み(を絶やさない)」という連想ですが、まだまだ、無数の展開があり得ます。

7.「無邪気に苦悩します」の展開
 「無邪気」/「苦悩」のとりあわせが、やや破調を生じています。
 この種の唐突感は他PLのタイプによっては、注目を呼びます。場合によっては、キャラクター性にいろいろ深読を招く事もあります。
 「少し困惑した表情で小首をかしげます」
 「膝を抱えて座り込みます、ボーッとした表情で考え込んでます」
 「口をとがらせて、爪先で地面をけります。軽く何度もけってます」
 
 この場合「チャーリーの基調ワード」である、「無邪気」さを優先して大事にすべきです。「無邪気」との関連で「苦悩」の表現を展開していった方がよいです。
 
6.「無邪気な顔でとぼけながら、周囲の様子をうかがいます」の展開
 「ニコニコしながら周囲を見ています。様子をうかがってるんですけどね」
 「特に緊張した様子も無く、周囲を見てます。一応、様子をうかがってる」
 「とぼけた表情で漠然と周囲を見てます。一応、様子をうかがってる」
 
 「無邪気」と「とぼけながら」の結びつきを弱めることが狙いです。

 9.「その話を聞いて無邪気に泣き出します」、に関しては、アタシのようなタイプですと、これは直接話法(セリフ)を織り交ぜて考えた方が楽、なんんです。
 いろんなアイディアが浮かびすぎちゃいます。(笑)。かえって、「間接話法」オンリーの展開はうまく考えられませんでした(苦笑)。
 
●考え方:連想展開をコントロールしてくときの考え方.
 はしざきさんいわく「『反復』と『対比』が演出的な技法とでもいうべきものだ」
 
 「反復」の意味は明瞭です。
 「対比」、これはまず、同セッション内の他のキャラ(PC・NPC)との対比があります。
 それから「暗殺者」と聞いて、同卓メンバー達に連想される様々なキャラクター類型の対比、も重要です。
 
@YANさんWrote (「[キャラクターの演出]RE:例: 大食い戦士ボブ」,プレイング研究室 LOG 031,99年11月16日:12時53分18秒)
>>むやみに繰り返すよりはタイミングを考えて
 
>これが大切なんですが、そのタイミングを掴むのが難しいんですよね(;^^)。
>あっさり過ぎず、それでいてしつこくないと良いんですけどネ…。
 
 反復をさせながら、途中に、展開例で示したような、「連想による展開例」を差し挟んでゆくとよいでしょう。
 こつは、基調イメージを大事にすること。
 あまり飛躍の多い連想は導入しないこと。
 
●ノウハウ:連想力を豊かにするためのノウハウ.基本的には語彙とその用法を増やしてゆく為のノウハウです.
 連想力を伸ばすノウハウ、連想の間の飛躍の大小を判断する言語センスを磨くノウハウ。
 これもイロイロあるのですが。
 アタシが「TRPGのための言語技術の部屋」に投稿してあります、「辞書を読むノウハウ」の関連(後述)が、基本的ノウハウとしてオススメできます。

 こちらも、ポイントは、いくつかあります。
 「自然言語の多義性」と、「文脈依存性」についてのセンスを磨いてゆく。
 
 ある表現が、文脈・状況に依存し、どれだけの連想を含みえるか、を整理してゆく。
 飛躍の多い連想と、より自然な連想の自分なりの整理をしてゆく。
 、、などがとっかかりでしょう。

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「[語彙を豊富にするノウハウ【実践】]辞書の読み方の習熟法」 (TRPGのための言語技術の部屋,カンナ記,99年10月17日:08時52分38秒)
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1999年11月23日:02時02分16秒
RE: RE: TRPGセッションでの発話形式(大訂正) / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 不注意な、コピー&ペーストによる、ボンミスです。面目無い、大失態。
 
×:「演劇的セリフ」は、一時的にせよ「PC-PC間、または、PC-NPC間会話」を排除する話法、とこう整理するとスッキリするのではないか、と思います。

◎: 「演劇的セリフ」は、一時的にせよ「PL-PL間、または、PL-GM間会話」を排除する話法、とこう整理するとスッキリするのではないか、と思います。
 
 、、です。
 あまりに大きなミスは見落とすって、失敗(滅)。
 あーみっともない(冷汗)。
1999年11月23日:00時58分33秒
RE: TRPGセッションでの発話形式 / はしざき
99年11月22日:10時32分06秒
TRPGセッションでの発話形式 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 先に挙げた、「(セッション)局外からの説明」は、一時的にせよ「PC-PC間、及び、PC-NPC間会話」を排除しようとする話法。
 「演劇的セリフ」は、一時的にせよ「PC-PC間、または、PC-NPC間会話」を排除する話法、とこう整理するとスッキリするのではないか、と思います。

ごめん。すっきりしないです(笑)

なんとなく、『「演劇的セリフ」は、』以降の文章がおかしい気がするんですが、どーでしょう?


1999年11月22日:17時31分59秒
プレイング研究室 LOG 032 / sf
 プレイング研究室 LOG 032として1999年11月16日から1999年11月22日までのログを切り出しました。

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