ゲームの深層:2001年06月分


目次



ゲームの深層:2001年06月分


ゲームの深層:シナリオ固有の悩みどころをルールで支援したい

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 『ゲームの深層』は、ゲームについてより深く考えたい人、よりゲームを楽
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解説や補足もあり、一般ゲームや人生や創作への応用もきく話題も豊富です。
 本誌はsfこと古谷俊一の個人事業、電網工房・匠が提供しております。

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ちょっと一言

 取りあえず本格運用に入るまで、数号を試験号として作成しています。
 その題材としてはTRPGな一言の前身として、わたしの作成しているTRPG語り
部の今後の考察として書いていた
	http://kataribe.com/ron/
	語り部メモ
 の中の汎用ネタをもとにすることにします。

 ……で二号目がえらく遅れていたわけですが。もう少し無理にならないペー
スを模索してみますね。



カテゴリワード

・ゲームデザイン
・シナリオデザイン
・ミニゲーム
・汎用ルール



考察_002:シナリオ固有の悩みどころをルールで支援したい

初出:日刊TRPG総合メールニュース 語り部日報
	1998/03/25:シナリオ+状況再現ゲームシステムの明示
 の一部をもとに増補改定したものです。


 シナリオにせよルールにせよ、なにを再現・表現したいのかという意図を仕
込むこと、また利用する時には意図を読み取ることが重要ですよね。
 たとえば、音を立てると警戒ポイントが加算されて敵が警戒・戦闘態勢にあ
る可能性が高くなるといったルールがあれば、これは静かに潜入することの重
要性を示すルールであり。システムがプレイヤーに望んでいるのは、どのよう
に静かに潜入するかの工夫をすることである、というのが伝わってきます。

 シナリオのアイデア先行の場合には、プレイヤーの工夫を望んでいる部分は
シナリオごとに異なることが多いわけですが。一般行為判定一本槍のTRPGでシ
ナリオを表現しようとすると、シナリオ中の問題になるジレンマ構造が、わか
りにくいんですよね。かろうじて戦闘については、戦闘固有のジレンマ構造が
あるから、なにが求められる工夫しどころなのかが分かる、というものが多い。

 このようなシナリオごとの葛藤構造・悩みどころ、工夫のしどころを、手軽
にシナリオ別に構築しやすいような仕掛けが用意されていると、真の汎用ルー
ルに一歩近づけるのではないかと思います。それは、シナリオに用意されたミ
ニゲームのようなものを構築するための、メタゲームシステムとも言えるかも
知れませんね。



補足解説:一般行為判定とはなにか

 TRPGを知らないひとにもわかるように、キーワードや概念の解説を加えて、
より一般的なゲームなどに広げて考察してみます。


 TRPGに限らないことですが、プレイヤーがその担当するキャラクターの行動
を考えたとき、まず、その結果や難しさを具体的で適切なルールを探しますよ
ね。このときいくら良い行動案を思い付いたとしても、表現できる適切なルー
ル・適切な選択肢がゲームシステムに用意されていなければ、キャラクターに
その行動を取らせることができません。……TRPGでないゲームでは。
 しかしTRPGでは別の手があります。それが一般行為判定です。

 一般行為判定は、抽象的なキャラクターの能力と、抽象的な行動の難しさか
ら、抽象的な結果を算出するためのルールです。(一般には、結果は成否、つま
り成功するかしないかででるルールが多くなっています)
 この一般行為判定の抽象的な基準に則って、知識と感性によって、判定を行
う担当の人間(ゲームマスター)が「どの能力を利用する判定か」「どの程度の
難しさか」を決定し、ルールに則って結果を判定するのです。

 人間が行動を評価し結果を決定するTRPGだからこそ使えるものですけど、こ
の一般行為判定を利用した行動の解決には、単に人間が結果までずばりと決め
てしまうよりも優れている点がいくつかあります。結果にある程度のランダム
性を導入できること、ルール処理による公正感が得られるなどです。

 総じて一般行為判定はTRPGにおける偉大な発明の一つなのですが、この考察
では、現状の一般行為判定の持つ限界について述べて、打開案の一つを示唆し
ています。……一般行為判定を、より広範な処理ができるようにするアイデア
である、という見方もありますけどね。



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 できる限り解説などはしているつもりですが、概念的に理解しにくかったり、
知らない用語や前提があるように思えたりすることがあると思います。また、
これこれを解説してくれ、これこれについてどう思うか、などと思われるかた
も出てくるかと思います。
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 10行以内の簡単な質問に、掲載時のペンネームと簡潔な立場(無くてもかま
いません)を添えて、題名に[ゲームの深層読者相談室] と書き、 sf@trpg.net
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 シナリオって台本でないんでしょうか。読んでもさっぱりわかりません。

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ゲームの深層:計画をどこまで立てるべきかの相互了解の必要性

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ちょっと一言

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カテゴリワード

・行為判定
・セッション運営
・マスタリング
・プレイング


考察_003:計画をどこまで立てるべきかの相互了解の必要性

初出:日刊TRPG総合メールニュース 語り部日報
	1998/03/23:リスクと予測可能性
 の一部をもとに増補改定したものです。

 ゲームセッション中における非常に重要な行動に、プレイヤーがの結果を予
測して計画をたて行動するというものがあります。特に問題解決型のシビアな
セッションでは優先されるものです。

 たとえば野営するとしましょう。このとき、PCが野営するときにどのような
危険性があるのか、PCに取れるどのような対策があるのか、どのように対策す
るのかを考えることができると、計画を立てて行動させる楽しみが得られます
よね。

 しかし、いつも遊んでる仲間うちで、いつものゲームシステムを利用して遊
ぶ場合には問題も起きにくいですが。そうでない場合、プレイヤーとしてもど
こまで行動して良いのかわかりませんよね。

・プレイヤーがどの程度計画を行うべきなのか
 ゲームルールやゲームマスターの対応能力によって、単にキャラクターの能
力を使用すると宣言するだけでいいのか、詳細に計画伝える必要があるのか、
などは変わってきますよね。

・敵の計画と行動をゲームマスターがどう決めるのか
 プレイヤーの計画に合わせて恣意的に決定するのであれば、計画する価値は
激減してしまいますよね。

 あたりは、少なくとも分かっていないと辛いと思います。
 そのあたりの勘所がつかめてないと。プレイヤーが「せっかく計画を立てた
のに手応えがない」と不満に感じたり、「そんなとこまで計画立てなきゃいけ
ないのかよ」と愚痴ったりしますし。ゲームマスターとしても「そこまで処理
できないよ」と嫌がったり、逆に「なんでこんなことも考えないんだ」と苛立っ
たりするわけですよね。

 まあ、あらかじめ了解を取ることは難しいので、プレイしながらすりあわせ
ていく、ゲームマスターとゲームシステムの癖をつかんでいく、というのが、
現実的な解でしょうかね。



補足解説:計画の結果をルールでなく人間の知識で処理する

 TRPGを知らないひとにもわかるように、キーワードや概念の解説を加えて、
より一般的なゲームなどに広げて考察してみます。

 これもTRPGの持つ、

・プレイヤーが提案した行動を、人間のゲームマスターという世界管理者が解
 釈し結果を出す。
・共有された想像世界を舞台とすることで、その世界にありそうなモノを存在
 させ、変化させらることができる。

 という手法のもたらす、問題点とその解決策についての話題です。


 固定的な盤面に現状を記録し、一行動ごとに結果が蓄積されて状況が変化し
ていく。将棋やボードゲームに良くある、そういったゲームでは、ルール上で
許された行動とその繰り返しによる盤面の状況を予測して、自分に都合の良い
ように状況を変化させていくために「計画」を立てます。
 これはルール的に明確で、考える価値という意味では極めて優れているわけ
ですが。仮想世界の再現能力という意味では、その一部を切り取ったものでし
かないわけですよね。

 コンピュータシミュレーション技術を利用することで、再現力を極めて精細
にすることもできるようになってきたわけですが、これはこれで「世界の法則
をつかんで人間が予測を行うにはルールが複雑すぎるため計画が立てにくい」
とか「人間に把握できる程度であれば、どのプレイヤーの知識からも中途半端
に思える」という限界があるように思われます。

 TRPGでは、参加者の持つ知識をすりあわせることで、上手くいけば「計画を
立てるかいがある」という感触を得やすいようになっているとは思いますが、
これはこれで確実性に欠けるんですよね。

 ルールのあいまいであったり、参加者の知識に膨大なルールが埋もれている
ような場合には、世界モデルを厳密な数理処理に載せにくいので。TRPG的な手
法を部分的にでも採用するというのは、良い手だと思います。
 実際まあ、ロールプレイング手法を利用した訓練とか、古典的図上演習など
では、規定されたルールの枠を越えた計画の提案は、管理担当の人間との合議
によって決定されるのは、良くあることのようです。



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ゲームの深層:イメージから戦場を組み立てる

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ちょっと一言

 取りあえず本格運用に入るまで、数号を試験号として作成しています。
 その題材としてはTRPGな一言の前身として、わたしの作成しているTRPG語り
部の今後の考察として書いていた
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 の中の汎用ネタをもとにしてみています。

 毎日やると、他のことが辛いですね。
 本格発行時に元ネタとするべき「TRPGな一言」は、千件以上溜まっているわ
けで、これを消化し続けるには毎日書けると良いわけですが……。どうしたも
のかな。
 あとまあ、初期のTRPGな一言は、現在よりもゲームデザインに偏っていると
いうのもありますし。短いものも多いし。まんべんなくいろんなカテゴリの話
題を展開できるように、てきとうに選びつつまとめるというのもテかも知れま
せんね。



カテゴリワード

・ゲームデザイン


考察_004:イメージから戦場を組み立てる

初出:日刊TRPG総合メールニュース 語り部日報
	1998/05/04:戦場を組み立てる
 の一部をもとに増補改定したものです。


 TRPGはプレイヤーが共有世界にPCを介して関与する遊びであると考えると、
現在のルールシステムではまだまだ不十分な部分は多いんでしょうね。
 むろんキャラクターの能力とか相互干渉の明確化については、昔から共有可
能な形でルール的に表現されてきています。キャラクターの作成ルールと戦闘
ルールは、そのための道具であるとも言えます。

 しかし、戦場にせよシーンにせよ、ただいま現在プレイヤーがPCを用いて干
渉できる場を表現すルールについてはバリエーションが少ないわけです。戦場
を表現するルールを持つといっても、せいぜいヘクスなりクスエアなりを使用
して移動の自由度とコストを表現することで、戦術を組み立てることが可能な
ようにする程度ですしね。それすら無かったり。

 もっと別の方法で、戦場なりシーンなりをルール的に内部構造を持つ存在と
して組み立てて、参加者の間で明確に共有可能なものとする方法があると面白
いのかも知れませんね。文章的・イメージ的に共有されていた状況や戦場を、
ルールによって記述された制御可能な場としても利用できるようにするわけで
す。

 このような戦場の構成要素の効能をルール的に表現できるようにして、実際
のシナリオ作成やプレイ中に戦場を作成・構築して判断基準を提供することが
できるようなルールを提供できると。戦場以外にもシナリオ構造そのものまで
を表現できるような面白いものができるのかも知れません。



補足解説:状態変化の把握と制御

 TRPGを知らないひとにもわかるように、キーワードや概念の解説を加えて、
より一般的なゲームなどに広げて考察してみます。

 コンピュータはさまざまな状態変化を記録して、行動の結果算出に利用する
のが大の得意です。しかし、人間が管理できる状態の数などがそれほど多くは
ないわけですよね。マス目も駒数も多かった古い将棋が廃れて、現在の形式の
将棋になったように、人間の手ごろに処理できて意味のあるデータ量には限界
があります。
 しかし現状のTRPGにおいては、盤面さえも利用せずに、知識と記憶力で複雑
な仮想世界の現状や登場人物の行動計画などを管理し、結果を算出するという
作業をゲームマスターに要求しています。これをある程度軽減し、かつルール
的に明確化して操作しやすくすることで楽しみを増そう、というアイデアです
ね。

 TRPGにおいてゲームマスターが管理する情報は、遊び方やゲームルール、プ
レイ環境によっても大きく異なりますが。人間の行動の連鎖からなるストーリー
として現状を把握しているからこそ、比較的膨大な状況や設定を管理できてい
るというのはあると思います。人間は物語としてものごとを認識し記憶するの
は得意なんですよね。
 このメリットを生かしつつ、かつコントロールの意外性や多様性を確保する
というのは、まだまだ研究の余地のあるものなのではないかと思います。

 むろんストーリーのなかに状況の推移が埋め込まれているからこその把握の
容易さというものは、TRPG以外のゲームなどでも活用できる概念です。純粋な
数理的概念に人間味をもったキャラクターやストーリーをつけることで、把握
しやすくするなどというのは、良く使われていますよね。

 なお、1998年時点では少なかったものの、2001年時点では、このあたりを考
慮しルール化したTRPGは、増えてきているように思います。ビーストバインド
のドミニオンルールあたりが典型ですね。



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ゲームの深層:妨害役がPCであるときのゲーム資源の内部損耗

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カテゴリワード

・ゲームデザイン
・消耗コスト
・協力型ゲーム


考察_005:妨害役がPCであるときのゲーム資源の内部損耗

初出:日刊TRPG総合メールニュース 語り部日報
	1998/05/29:内訌によるゲームバランスの変化
 の一部をもとに増補改定したものです。


 物語の進行上の目的や方向性、主人公たちの達成すべき目標への行動を妨害
する、別の主役格がいる話は良くありますよね。しかし協力型のストーリーゲー
ムにおいて、妨害役をPC(プレイヤーの操作する人物)するのには色々と難しい
問題があります。その一つが、プレイヤーたちの持つ全体としてのゲーム資源
を、内部で消費してしまい、最終目的の達成につかえなくなってしまうという
ものです。

 最後まで敵対しつづけて決着はどちらが勝つかで決まる、というような純然
たる対立型に限定されていれば、ゲームを組み立てる込みたてるのはむしろ容
易でしょう。対立と協力のバランスを取りながら勝利を得ようとプレイヤーが
競うのは、多人数ゲームの基本ですから。
 しかし、協力して対処する必要のある敵、協力して解決するべき課題、あた
りに処理しつつ目標に向かうタイプのゲーム(TRPGなど)の場合。途中までは妨
害役だが途中で転向するなど、妨害と対話によりキャラクターを演出したり話
に深みをつけたりするために、PCも妨害役となりうるようにしているわけです。
そのため、なんらかの手段によって妨害役を転向させ、目的を達成する方向に
持っていく必要があります。説得するとか、鼓舞するとか、お願いするとか、
報酬で釣るとかですね。

 このような妨害者にもなりうるPCというのは、PCでありながらPC集団の解決
すべき進行上の障害として働いていると考えることが可能です。PCという障害
を解決するためにゲーム上の資源、例えば資金やヒットポイント、魔法の使用
回数やなどを消費する場合には、パーティ(PCたち)全体のリソースから算出さ
れるゲームバランスに狂いが生じるんですよね。
 例えばまあ、PCの能力値や装備などから敵の強さのポイントを導いて、その
範囲内で敵やダンジョンを用意するようなシステムがありますが。PCが別のPC
をなだめたり止めたりするので、マジックポイントなりヒットポイントなりが
減ってしまうと、生存確率が落ちると。

 現在のところは、ゲーム資源を消費しない方法で解決する、つまり口頭での
やりとりだけとかで処理することで、問題が顕在しないことが多いのかも知れ
ませんが。どんな判定にもゲーム資源の消耗を関与させたりすると、内部対立
の演出・利用には色々と配慮する必要があるというわけです。



補足解説:ゲームの構造を無視してシステムを流用しない

 TRPGを知らないひとにもわかるように、キーワードや概念の解説を加えて、
より一般的なゲームなどに広げて考察してみます。

 TRPGは典型的な協力して課題を解決するタイプのゲームです。

 どんなゲームでもそうですが、いろんな要素を盛り込もうとしてしまうと、
成立させる前提を壊す危険があります。
 協力と対立を絡めながら単独勝利を目ざすゲームと、協力して課題を解決す
ることが前提のゲームでは、前提となる構造が違うんですよね。そのあたりを
理解しないでゲームシステムを流用したりすると、遊戯者が努力してうまく機
能するように配慮しないと遊べなくなったりするわけです。

 ネットワークRPGなどでのPK(プレイヤーの操作するキャラクターを殺すこと)
などは、それがシステムに折り込み済みの競技性であれば楽しみになるのでしょ
うが。用意された課題を協力して解決するゲームシステムとの相性はあまり良
くないかも知れません。色々できる場を用意してあって、そのなかで好き勝手
に自分なりの目標に向けて行動するタイプのゲームでは、各プレイヤーにとっ
ての障害の一つとして機能するわけですけどね。



○○な一言のご紹介

 元ネタである「TRPGな一言」とその姉妹企画「文芸創作な一言」の情報を紹
介します。興味をもたれましたら、「日刊TRPG総合メールニュース 語り部日
報」と「文芸広報」もどうぞ。

	http://www.trpg.net/ron/thought/2001/03A.html
	TRPGな一言:2001年03月前期分

 TRPGに関する気楽な問題提起やノウハウなどを書いておりますTRPGな一言に
TRPGな一言:2001年03月前期分を掲載しました。

2001/03/01:ハンデで技量差を吸収しにくい
2001/03/03:キャラメイク後の行動選択肢の少なさ
2001/03/04:出してみたいキャラクターからシナリオを考える
2001/03/05:ヒーローポイントによるカタルシス感の減殺
2001/03/06:地図ってわくわくする
2001/03/07:失っているものを中心にして個性を組み立てる
2001/03/08:感想戦のススメ
2001/03/09:世界をつくるあまたの人々
2001/03/10:なにも作らず遊べるシナリオセット



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これこれを解説してくれ、これこれについてどう思うか、などと思われるかた
も出てくるかと思います。
 そこで本誌では、読者相談室と題しまして、読者からのメールとその返事を
掲載する欄を儲けようと考えています。
 10行以内の簡単な質問に、掲載時のペンネームと簡潔な立場(無くてもかま
いません)を添えて、題名に[ゲームの深層読者相談室] と書き、 sf@trpg.net
へとメールでお願いいたします。

** 例 **
ペンネーム:foo
立場:TRPGってなんですかな演劇人
質問内容:
 シナリオって台本でないんでしょうか。読んでもさっぱりわかりません。

ペンネーム:bar
立場:小学校教師
質問内容:
 ゲームを道徳教育に生かせる部分は何かあるのか教えて欲しい。

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> 姉妹誌紹介                     物語を読みたい、だから ** 文芸広報 **
> 文芸創作な一言連載中
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企画・制作: 電網工房・匠 (sfこと古谷俊一)<URL:http://www.koubou.com>
発行者連絡先: sfこと古谷俊一 <URL:mailto:sf@trpg.net> ICQUIN: 6549565
有料日報サービス:  http://www.trpg.net/service/SharewareMagazine.html
文書フォーマット: setext 準拠 <URL:http://www.age.ne.jp/x/sf/SETEXT/>
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ゲームの深層:共同創作の補助ツールとしてのゲームシステム

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> 毎日、TRPG汎用の各種情報提供を行うと同時に、創作TRPG語り部についての
> サポートを提供します。(TRPG.NET提供)                      姉妹誌案内
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 『ゲームの深層』は、ゲームについてより深く考えたい人、よりゲームを楽
しみたい人、行き詰まりを感じている人など向けに、TRPG (会話による架空世
界の活劇ゲーム)を題材にした考察を提供します。 TRPGを知らないかた向けの
解説や補足もあり、一般ゲームや人生や創作への応用もきく話題も豊富です。
 本誌はsfこと古谷俊一の個人事業、電網工房・匠が提供しております。

案内・ログ・配信の追加・削除: http://www.trpg.net/magazine/DeepGaming/


ちょっと一言

 取りあえず本格運用に入るまで、数号を試験号として作成しています。
 その題材としてはTRPGな一言の前身として、わたしの作成しているTRPG語り
部の今後の考察として書いていた
	http://kataribe.com/ron/
	語り部メモ
 の中の汎用ネタをもとにしています。


カテゴリワード

・共同創作
・架空世界



考察_006:共同創作の補助ツールとしてのゲームシステム

初出:日刊TRPG総合メールニュース 語り部日報
	1998/07/07:ゲームシステムの物語的意味
 の一部をもとに増補改定したものです。


 TRPGのゲームシステム(ゲームルールと世界設定やデータなどの全体)にはい
ろいろな機能がありますが、その内の一つとして「架空世界を利用者の間で共
有する」というものがあります。
 このため、TRPGのゲームシステムを架空世界を共有しての創作の補助ツール
として利用することもできます。実際、そういう経緯で作られ世に出た小説は、
海外でも日本でもいくつもあるようです。

 TRPGのゲームシステムを創作のツールとして利用する場合には、ゲームシス
テムは最初のうちは「補助輪」のようなものです。ゲーム世界の認識を助け、
どのように行動をすればなにが起きるのか、現実に存在しないような能力の制
約と可能なことなどをゲームシステムが明確にすることにより、世界の手ざわ
りを理解することができるわけです。



補足解説:コミュニケーションのツールとしてのゲーム

 TRPGを知らないひとにもわかるように、キーワードや概念の解説を加えて、
より一般的なゲームなどに広げて考察してみます。


 ゲームたるもの遊ぶことで楽しむだけで良いと言えば良いわけですが。コン
シューマゲームなどでも「ゲームの話題で会話する」「同じゲームを遊ぶこと
による親近感」など、ゲームがコミュニティの道具として機能しているという
のは、良くあることのようです。
 TRPGでは共有された架空の世界を舞台として、プレイヤー一人一人が個人と
してのキャラクターを扱うという性質上、ゲームを介した話題の共有がより強
くあらわれる傾向があります。とくにキャンペーンと呼ばれる、同じキャラク
ターを継続的に利用していく遊び方では、プレイヤーの決断が世界の状況を変
化させ、それが蓄積されていくため、より共有感が高まります。

 そのため、TRPGを遊んでいるひとには、その結果を元にするなどして、創作
活動を平行して行う人間の比率が高いようです。実際、昔からTRPG関連サイト
の数は、プレイ人口の割には多いんですよね。
 むろんTRPGのもたらす共有感は、強いものの私的かつ限定された集団内での
ものであるため、伝達しにくいのもあります。数百万の人間が同一の物語を同
様のプロセスで追体験するコンピュータのRPGに比べると、広い交流の道具と
しては弱いのは事実ですね。



○○な一言のご紹介

 元ネタである「TRPGな一言」とその姉妹企画「文芸創作な一言」の情報を紹
介します。興味をもたれましたら、「日刊TRPG総合メールニュース 語り部日
報」と「文芸広報」もどうぞ。

** TRPGな一言 **

2001/06/08:その場で設定を作るに足る参考資料
2001/06/09:君たちはダンジョンの前に居る
2001/06/10:ゲームブック+TRPGの利点解説
2001/06/11:対立からシナリオを考える
2001/06/12:課題はシンプルかつ明確に伝えたほうが楽
2001/06/13:現代物の動機づけの弱さ
2001/06/14:戦闘が面白くなる舞台の要件

** 文芸創作な一言 **

2001/05/18:批判的な批評を安易に行わない
2001/05/22:書く前に考えず書くことで考えよう
2001/05/25:動機は殺人だけにつくものではない



読者相談室のご案内


 できる限り解説などはしているつもりですが、概念的に理解しにくかったり、
知らない用語や前提があるように思えたりすることがあると思います。また、
これこれを解説してくれ、これこれについてどう思うか、などと思われるかた
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いません)を添えて、題名に[ゲームの深層読者相談室] と書き、 sf@trpg.net
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ゲームの深層:メールマガジン新報創刊

 『ゲームの深層』は、ゲームについてより深く考えたい人、よりゲームを楽
しみたい人、行き詰まりを感じている人など向けに、TRPG (会話による架空世
界の活劇ゲーム)を題材にした考察を提供します。 TRPGを知らないかた向けの
解説や補足もあり、一般ゲームや人生や創作への応用もきく話題も豊富です。
 本誌はsfこと古谷俊一の個人事業、電網工房・匠が提供しております。
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 本号は電網工房・匠よりの案内告知号外です。


メールマガジン新報:創刊にあたって

 これまでの発行の実績を踏まえ、新たな姉妹紙が誕生します。
 メールマガジン情報誌の決定版を目ざします。休刊曜日を持たない初の完全
日刊紙を創刊して五年の超古参発行者が、業界ニュース、論考、批評、ノウハ
ウ、マーケティング利用法、海外事情、未来への提言などをお届けします。

 考察内容を本誌でも実践・再利用して行きたいと思います。
 案内・過去ログ・配信の追加・削除は
	http://www.koubou.com/mailmag/MN/
 より行えます。よろしくお願いいたします。



概要

題名:メールマガジン新報
案内ページ: http://www.koubou.com/mailmag/MN/
発行周期:週一のコラム+ニュース紹介随時
紹介文:
 メールマガジン情報誌の決定版を目ざします。休刊曜日を持たない初の完全
日刊紙を創刊して五年の超古参発行者が、業界ニュース、論考、批評、ノウハ
ウ、マーケティング利用法、海外事情、未来への提言などをお届けします。


発行開始の動機

 まぐまぐもメールマガジンという言葉もなかった五年前に発行を開始した、
電子雑誌「日刊TRPG総合メールニュース語り部日報」が、ついに五周年を迎え
ました。それを記念し、「メールマガジン新報」を創刊することにしました。

 irc.trpg.net の #もの書き でも色々と考察してきましたし、メールマガジ
ン関係の調査や考察のメモが溜まっています。また最盛期を過ぎた現状に不安
や危機感を抱いているのも確かです。



五年の歳月

 五年間、時に挫折しつつもメールマガジンの発行を続けてきました。その母
体となり、それ以前から電子雑誌などを手がけた、パソコン通信時代からの共
有世界を利用する創作活動コミュニティは、もうじき八年になります。
 当時活躍していたサイト・メールマガジン・企画・コミュニティのほとんど
は消滅し、あるいは屍と化しています。それでも続けてくることができたのは、
やはり個人の仕事とし、ながく採算が取れなくても継続してきたからでしょう
か。


メールマガジンの今

 手軽な電子出版・電子メディアとして人気を呼んできたメールマガジンも、
ものめずらしさも薄れためか、出せば読者のつく時代は遠いものとなりました。
 昨今は広告売上依存体質の限界などから、業界も激動の時代に突入。電子メー
ルマーケッティングがもてはやされるものの、飽和状態にあることには変わり
ないでしょう。

 電子メールを媒体として成果をあげるツールとすること自体は、これからも
多用されることでしょう。しかし、メールマガジン単独で何かをなせた時代は
終わりつつあるようです。インターネット利用のメディアの一つにすぎないも
のとして、複合的にとして利用していかないと駄目でしょうね。
 ……まあ、もともとそうだったのですが。



メールマガジン新報の役割

 コラムにおいては、メールマガジンがこれからどのように活用できるのか、
メールマガジンの優位性はどこにあるのか、メールマガジンを活用してなにを
するべきか、などを考えていきたいと思います。利益なくして継続なし、の合
言葉のもと、いかにして採算をとれるようにするかも検討します。
 ニュースでは、ニュースサイトやプレスリリースを紹介し、それに考察を加
える予定です。

 他にも、現状ではペースなどは未決ですが、サイト紹介や書籍紹介なども織
り交ぜていきます。



予定コラム

・転送メールで登録することの不安定性
・商品案内コンテンツ型広告のススメ
・お手軽プッシュメディアとしてのメールマガジン
・販売会社のコンテンツ広告
・販売会社メディアのコンテンツの二次提供
・Newsletterとezine
・乱立するメールマガジン発行サイトに明日はあるか
・執筆コストを押さえる読者参加型メールマガジン

 読んでみたい記事などありましたら、メールやIRCなどでご連絡ください。


奥付

創刊: 2001年05月05日
前回の発行部数: まぐまぐ:573部 + melma!:136部 + 有料日報サービス:38部
企画・制作: 電網工房・匠 (sfこと古谷俊一)<URL:http://www.koubou.com>
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ゲームの深層:任務失敗時の再挑戦の可能性は明示しよう

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ちょっと一言

 取りあえず本格運用に入るまで、数号を試験号として作成しています。
 その題材としてはTRPGな一言の前身として、わたしの作成しているTRPG語り
部の今後の考察として書いていた
	http://kataribe.com/ron/
	語り部メモ
 の中の汎用ネタをもとにしていました。
 これで一応、試験号は完了として、ペースを再考して本格発行に移行する予
定です。



カテゴリワード

・シナリオ作成
・マスタリング


考察_007:任務失敗時の再挑戦の可能性は明示しよう

初出:日刊TRPG総合メールニュース 語り部日報
	1998/07/22:誘拐阻止もの
 の一部をもとに増補改定したものです。


 誘拐阻止もののシナリオ構成を考えてみましょう。ゲーム展開を柔軟にする
ためには、たとえば「護衛していた誘拐の阻止に失敗した」ときにも、失敗か
らのリカバリーができる必要があります。

・誘拐後の追跡と再奪取
・人質の一次保管場所への襲撃
・輸送時の襲撃
・身代金交渉中の処理

 など、色々と考えられますよね。
 再挑戦時の制限としては、場所を突き止めるのに時間制限、わかるように
行動・準備するバレて迎撃されたり人質の死亡などの失敗の可能性が高まる、
などがあるでしょうね。

 この時、失敗からの回復可能性の程度について明確でないと、誘拐されそう
になった時点でプレイヤーがむちゃをしてでも成功させようとして、死亡させ
たり暴走したりと難儀なことになったりするんですよね。失敗した時に撤退で
きるには、プレイヤー感情的に、再挑戦が可能であることが明確に理解できな
いと辛いわけです。
 ついつい成功させることを前提としたシナリオというのは作りがちですが、
きちんと任務に失敗した時のことを考えてシナリオは作り、またあらかじめ再
挑戦の可能性は明示しておいたほうが、楽に遊べるんでしょうね。



補足解説:一度きりのシナリオ

 TRPGを知らないひとにもわかるように、キーワードや概念の解説を加えて、
より一般的なゲームなどに広げて考察してみます。


 TRPGではシナリオへの挑戦は一回きりであるのが普通です。ほとんどのコン
ピュータゲームのような、失敗したら状況をリセットしてやり直して何度も同
じシナリオに挑戦するということは、行なわないんですね。これは、ゲーム中
の架空世界を、より現実に近い一回性の体験として捉えているからだろうと思
います。
 おそらくコンピュータのゲームでも、一回性を提供することによって、没入
感や思い入れを増進させることは可能ではないかと思います。UGのような環境
提供型のネットワークのRPGなんかは、かなりそんなとこがありますよね。

 ただまあ、ゲーム的には、状況を初期状態に戻して繰り返し同じものを遊ん
ばないと上達しにくいとは思います。一回性はTRPGの弱点でもあるわけですね。



○○な一言のご紹介

 元ネタである「TRPGな一言」とその姉妹企画「文芸創作な一言」の情報を紹
介します。興味をもたれましたら、「日刊TRPG総合メールニュース 語り部日
報」と「文芸広報」もどうぞ。


	http://www.trpg.net/ron/thought/2001/03B.html
	TRPGな一言:2001年03月中期分
 TRPGに関する気楽な問題提起やノウハウなどを書いておりますTRPGな一言に
TRPGな一言:2001年03月中期分を掲載しました。

2001/03/11:データが多いと悩んでしまう
2001/03/12:典型的村とかのデータは欲しいね
2001/03/13:あたりまえのものを欠いてみる
2001/03/14:プレイヤーの自主性の抑圧
2001/03/15:作家性と市場の細分化
2001/03/16:馬鹿をやっても自尊心を傷つけにくいプレロールド
2001/03/17:ゲームにつかえる小道具も売っていて欲しい
2001/03/18:地味なシナリオを楽しめるかどうか
2001/03/19:欲しいものが売っていないから作るでは辛い
2001/03/20:丁々発止を誰にでも期待できるわけではない



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