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Date: Sun, 9 Mar 2008 23:42:38 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 31576] [HA06L] チャットログ『実は幼馴染』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <20080309144238.2655B49DB03@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 31576
Web: http://kataribe.com/HA/06/L/
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/31500/31576.html
2008年03月09日:23時42分37秒
Sub:[HA06L]チャットログ『実は幼馴染』:
From:久志
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チャットログ『実は幼馴染』
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登場人物
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御羽貞我(おわ・ていが)
:通称、オワタ。苦労人な高校生。両親が離婚する前は葉島貞我。
須臣賢吾(すおみ・けんご)
:あだ名はケンケン。北高生徒会長(2007年)オワタとは小中高と同じ。
雨梟なぎさ(うきょう・-)
:猛禽五傑の一人。北高会長の私的秘書。会長ファンクラブ筆頭。
過去の出来事
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[Hisasi] #今から10年程前、
[Hisasi] #夏休み前の小学校
先生 :「はい、みんな!明日から夏休みです、ちゃんと宿題を
:やってくださいね!!」
子供達 :「はーい!」<返事だけ
[Hisasi] #わーわーぎゃーぎゃーと、騒ぐ子供達
[Hisasi] #ばたばたと声を掛け合ってかえろーぜーと騒ぐ男子
男子 :「かえろーぜ、ケンケン、ティガ」
須臣 :「うん」
オワタ@葉島 :「おう」
[Hisasi] #当時、葉島貞我。あだ名は当時放映してたウルトラマンティガから
[Toyolina] #けんけん
須臣 :「明日、プール行く?」
オワタ :「あ、ごめん、明日は父さんがニモと一緒にプール連れ
:てってくれるから」
須臣 :「そう、じゃあ今度行くとき電話するよ」
男子 :「ウチでスーファミやろうぜ」
オワタ :「うん!じゃあ今日はマリカな!」
[Hisasi] #元気に笑う姿
[Hisasi] #どこんでもいるような、お子さん
先生 :「遊ぶのもいいけど、宿題も忘れちゃだめよー」
オワタ :「はーい、せんせーさよならっ」
須臣 :「じゃあ、先生」
[Hisasi] #ぱたぱた手を振って
[Hisasi] #ケンケンが知るところの、葉島貞我の最後の姿だった。
この間にこの出来事があった。
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/31300/31305.html
[Hisasi] #それから数日
[Hisasi] #週末に
須臣 :(受話器片手にぴぽぱ)
[Hisasi] #とるるるる
[Hisasi] #呼び出し音数回
[Hisasi] #しかし、すぐには出ない
須臣 :「……いないのかな?」
[Hisasi] #暫くして、
SE :ガチャ
オワタ :「……はい」
須臣 :「ああ、ティガ?僕、ケンケン。明日のプールのこと
:……ティガ?」
オワタ :「……あ、ケンケン」
[Hisasi] #声がちょっと遠い
須臣 :「うん、約束でしょ……どしたの?」
[Hisasi] #なんか様子がおかしいなあ、とは
オワタ :「……ケンケン、ごめん。俺、明日プールいけない」
須臣 :「そう?じゃあ、みんなに伝えとくよ。風邪でもひいた?」
オワタ :「……ううん、多分……当分プールいけないと思う、
:ごめん」
須臣 :「……ティガ?」
オワタ :「…………ごめん」
[Hisasi] #なんか様子が違う
須臣 :「……そうなんだ。うん、わかった」
[Hisasi] #どうしたの?とは聞いちゃいけない空気を感じつつ
オワタ :「ごめん、ケンケン」
[Hisasi] #なんか電話の向こうで、疲れきったような声で
[Toyolina] #まだ二年か三年くらいなのに
須臣 :「……ううん、いいよ。じゃあ」
[Hisasi] #電話を切って
須臣 :「……どうしたのかな」
[Hisasi] #想像もつきませんがな。
[Hisasi] #その後、親の噂話でおぼろげに
[Hisasi] #オワタの両親が離婚をしたらしいという話と
[Hisasi] #オワタ母が子供二人を連れて今の家から近所の公営住宅へ引っ越
したという話を
[Hisasi] #耳にするケンケンだった。
[Hisasi] #あの日から、オワタは一緒にプールに来ることも無く。
[Hisasi] #夏休み明けのホームルームで
先生 :「えーと、みんなにお知らせがあります」
[Hisasi] #ちょっとこわばった顔の担任が
先生 :「知ってる人もいると思いますが、葉島貞我くんは御羽貞
:我くんという苗字に変わりました」
先生 :「みんなすぐに御羽くんに馴染めるように、仲良くしま
:しょうね」
[Hisasi] #ざわざわと
[Hisasi] #ちらちらとオワタのほうを見る目(興味深げに)
オワタ :「…………」
須臣 :「…………(ちらり)」
[Hisasi] #知ってる子は知っている
[Hisasi] #女子のほうがませてる分
女子1 :(ひそひそ)「知ってる?」
女子2 :(ひそひそ)「知ってる知ってる、ママゆってた」
[Hisasi] #浮気相手の女が大きなお腹で家に怒鳴り込んできたらしいよ
[Hisasi] #ティガくんのお母さん、ティガくんと妹さんつれてひとりで育て
るんだって
[Hisasi] #ママゆってた、大変よねーって
[Toyolina] #すっかり女子に知れ渡って
[Hisasi] #変にませてる分
須臣 :「班分けの紙書き直さないとね、御羽くん」
:>ことさら回りに聞かせるような声で
オワタ :「……あ、うん」
女子達 :(ぴた)
須臣 :「あと、下駄箱のシールとかも」
[Hisasi] #ちらっと女子を一瞥して
女子達 :(しーん)
オワタ :「ありがと、ケンケン」
[Hisasi] #笑った顔は
[Hisasi] #子供らしいというよりは、なんだか無理に貼り付けたような笑顔
にも見えて
須臣 :「…………」
[Hisasi] #何かが変わってしまったように見えた
[Hisasi] #それから
[Hisasi] #クラスでも仲間内でも
[Hisasi] #一見、昔と変わらず遊びつつ、勉強もしつつ、先生に変に心配を
かけないように目立たぬように
オワタ :「……じゃあ、ごめん。今日ニモの迎えにいくから」
須臣 :「そう、じゃあ」
オワタ :「迎えいったら、遊びいくから」
須臣 :「うん、マリカーやろう」
[Hisasi] #ランドセル背負って、駆け足で走ってゆくオワタ
須臣 :「…………」
[Hisasi] #変わってしまったオワタ。
[Hisasi] #それ以降、ずっと。
回想終わり
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[Hisasi] #北高にて
須臣 :「……かくして、自ら子供であることを捨て、歩き出した」
[Hisasi] #ぱちん、と扇を閉じて。
雨梟 :「どうされました、会長?」
須臣 :「……いや、彼は取り戻せるのかな、とね」
雨梟 :「御羽くんのこと、ですか」
須臣 :「うん、多分ね……素人目だけど、波乱があるんじゃない
:かなぁ」
雨梟 :「……彼にとっての?」
須臣 :「彼自身が、いい子の御羽くんであることから抜け出しつ
:つある。そして、母親との関係も変わりつつある」
雨梟 :「彼にとっての大きな波乱が?」
須臣 :「波乱の予兆は前からあったんじゃないかな、彼は気づい
:てた」
雨梟 :「以前、話していたという……男性の?」
須臣 :「……そう、家族で互いに支えあっているならよかった、
:家族の中だけで完結するものならなんら問題なかった」
雨梟 :「今は」
須臣 :「彼にとっての彼女、母親にとっての男性……内輪だけで
:完結できないことが、大きな波になるんじゃないかな」
雨梟 :「……心なしか、会長は楽しそうにお見受けします」
須臣 :「そう?……まあ、そうかもね」
[Hisasi] #ぱん、と扇を開いて口元を隠して
[Toyolina] #なんというオワタウォッチャー
須臣 :「いいんじゃないかなあ、親と意見が合わなくても、
:ケンカになっても……それは当たり前のことだと」
[Hisasi] #くすくすと
須臣 :「不満の出所の無さが、きっと彼を疲弊させている一番の
:原因だから」
雨梟 :「……人が悪いですね」
須臣 :「嫌いかい?」
雨梟 :「……いいえ」
須臣 :「それはよかった」
[Hisasi] #生暖かくウォッチャーすることにしました
[Toyolina] 雨梟さんの趣味もよくわからんところだがw
[Hisasi] もう秘書と社長というか、そんな関係にしか
この後のオワタ
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[Toyolina] このペェスだとホワイトデー当日になんかなりそうな予感
[Hisasi] それだ。
[Hisasi] ホワイトデーに練習試合→りまこさんくる→
一緒に帰りつつプレゼントを渡して→
りまこさん送って家に帰る途中、母と坂本さんが一緒に歩いてる
のを……
[Hisasi] 家で母を問い詰める→何で言わないんだよ、俺反対なんかしない
のに→なんかそのまま色々溜め込んだものをだーっと→
家を飛び出す
[Hisasi] とりあえずイメーぢ
[Toyolina] 冷たい雨が
[Toyolina] とりあえずイメージ
[Hisasi] なんか、今まで母を気遣ういい子でいすぎて
[Hisasi] 不満の一つも言わなかったのに
[Hisasi] どうして、坂本さんのことを話してくれないのか
[Hisasi] 雨が降ってくる
[Hisasi] 謝らなきゃいけない、けど、帰りたくない。。。
[Toyolina] ざーざー
[Hisasi] そこで、りまりまと
[Hisasi] 何かあったと聞かれても、なかなか言いづらくて
[Hisasi] 今日、帰りたくないんだ
[Hisasi] (つづく。)
[Toyolina] きゃ
時系列と舞台
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2008年3月初め。
解説
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北高会長。ふと、幼馴染の過去と現状を思う。
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以上
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