[KATARIBE 31305] [HA06L] チャットログ『修羅場は突然に』

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Date: Mon, 3 Sep 2007 12:59:45 +0900 (JST)
From: Subject: [KATARIBE 31305] [HA06L] チャットログ『修羅場は突然に』
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2007年09月03日:12時59分45秒
Sub:[HA06L]チャットログ『修羅場は突然に』:
From:久志


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チャットログ『修羅場は突然に』
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登場人物
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 御羽貞我(おわ・ていが)
     :通称、オワタ。当時はオワタではなかった様子。
 御羽仁藻(おわ・にも)
     :通称、ニモ。オワタの妹。ツインテールなブラコン妹。
 ママ  :可哀想。
 パパ  :押しの弱い人だったらしい。
 女   :怖い人。

当たり前の休日だったはず
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 今から十年ほど昔のこと。
 御羽貞我こと通称オワタは当時七歳で、苗字ももちろん違っていた頃。

[Hisasi] #夏の日 

 ニモ     :「ママぁ!お兄ちゃんがぁ〜」 

[Hisasi] #ノースリーブわんぴでてこてこと走ってくるちびニモ 

 ママ     :「あらあら、ニモちゃんどうしたの? 
        :貞ちゃん、いじめちゃだめよ」 
 オワタ    :「だって、ニモがー」 
 パパ     :「ほら、ニモおいで」 
 ニモ     :「ぱぱぁ」 

[Hisasi] #わーっと飛びついて 
[Hisasi] #ひょいと抱き上げて膝にのせてもらって 

 ママ     :「そうそう、お昼焼きそばでいい?」 
 オワタ    :「わーい!」 

[Hisasi] #休みの日、父の膝にのってご満悦のニモ、お昼の焼きソバを
     つくってる母、ごろごろと漫画を読んでるオワタ 
[Hisasi] #オワタ、七歳。ニモ、二歳。 
[Hisasi] #そんな当たり前の日が、いとも簡単に壊れてしまうとは思いも
     しなかったのだった。 
[Hisasi] #せわしなく鳴くセミの声、
     じゅーじゅーと焼ける焼きソバのソースの匂い、 

 SE     :ピンポーン 
 ニモ     :「あ」 

[Hisasi] #インターフォンの音 

 ママ     :「あら、どなたかしら?あなた、お願い」 

[Hisasi] #焼きソバを焼く手をとめて 

 パパ     :「ああ、ニモあとでね」 
 ニモ     :「えー」 
 パパ     :「ほら、お兄ちゃん頼むよ」 
 オワタ    :「はぁい」 

[Hisasi] #ぽふんとソファの隣に座ってふくれっつらのニモ
[Hisasi] #とてとてと、玄関に歩いていく父。 

 オワタ    :「やきそばーやきそばー」 

[Hisasi] #足ぷらぷらと 

 ニモ     :「やーきーそーばー」 

[Hisasi] #と、玄関から父の驚きの声が聞こえる 

 パパ     :「な、なんで……キミ、うちに」 
 女の声    :「だって!」 
 ニモ     :「ぱぱ?」 
 オワタ    :「だれ?」 
 ママ     :「どうしたの?」 

[Hisasi] #かち、と。火を止めて 
[Hisasi] #不安げにエプロンで手を拭いてママがでてくる 

 オワタ    :「ママ、今」 
 ママ     :「お兄ちゃんはニモと一緒にいてあげて……
        :あなた、どうしたの?」 

[Hisasi] #ぱたぱたと 

 オワタ    :「……ママ」 
 ニモ     :「お兄ちゃん……なに?誰かきたの?」 

[Hisasi] #なんだかよくわからないけどなんか不穏を察知して兄の手を掴む

 オワタ    :「……わかんない」 
 女の声    :「はじめまして、奥さん。お邪魔しますね」 
 パパ     :「ちょ、キミ、待って、待ちなさい」 
 ママ     :「あの!どなたですか!」 

[Hisasi] #ずかずかと居間に上がりこんできたのは 
[Hisasi] #大きなお腹のお姉さん 
[Toyolina] #ヒー 

 パパ     :「だから!家にくるなんて!」 
 女      :「何を言ってるのよ!どうして嘘をつくの!」 
 ママ     :「なんです!あなた人のうちにかってに!」 
 ニモ     :(びくっと兄にしがみつく) 
 オワタ    :「……」<よくわかんないけど妹をぎゅっと 
 女      :「はじめまして、私、貞男さんの部下で今度妻になる予定
        :の者です」 

 父の名前、貞男(さだお)

 ママ     :「……っ(絶句)」 
 パパ     :「待て、なんてことをいうんだ!」 
 オワタ    :「…………(えーと)」 
 ニモ     :(うわぁん) 

[Hisasi] #なんかよくわからないけど、すごい不穏。妹びびって泣いてる 

 パパ     :「子供達がいるんだ、妙なことは……」 
 女      :「妙ですって!奥さんと子供とは別れるって言ったじゃ
        :ないですか!」 
 ママ     :「やめて!子供の前なのよ!」 
 ニモ     :「ふ……うわぁぁん」>兄にしがみついて 

[miburo] #超楽しそう 

 普段と違う父、見たこともない女の人、悲鳴をあげる母。

 オワタ    :「ママ……」>妹抱きしめながら困惑 
 ママ     :「貞ちゃん……ニモちゃん」
        :>突然のことで混乱しつつもどうすればいいのやら 
 パパ     :「貞我、ちょっとだけ……ニモをつれてお外にいってて
        :くれ、ね、スグに迎えにいくから」 

[Hisasi] #ポケットから万札とりだしてオワタに握らせて 
[hari] #や、やべえ 

 女      :「……ちゃんとお話をしにきたつもりです」

[Hisasi] #ふん、と。大きなお腹を見せ付けるように 

 不安げに父と母を見て。

 オワタ    :「……パパ」 
 パパ     :「……早くいきなさい」 
 ニモ     :「ぱぱぁ……」 
 パパ     :「はやく!」 
 オワタ    :「……ニモ、いこう」 
 ニモ     :「やだぁ、ぱぱぁ、ままぁ」 
 ママ     :「ニモちゃん、お願い。お兄ちゃんの言うことをきいて」
 ニモ     :「ままぁ」
 オワタ    :「ニモ、ほら」

[Hisasi] #ぐずる妹を連れて 
[Hisasi] #外にでるオワタ 


ぽつねん
--------

 泣きじゃくる妹の手を引いて。

 オワタ    :「…………どうしよう」 
 ニモ     :「う……ふぇ……うわぁぁぁぁぁぁん」 

[Hisasi] #手には万札 
[Hisasi] #びーーーーっと泣き出す妹の手を繋いで途方にくれる、オワタ七歳。

 オワタ    :「ニモ、なんか食べよ、な。お腹すいただろ」 
 ニモ     :「やだぁぁぁ!ママの焼きソバたべるーー」 

[Hisasi] #うわぁぁん 

 オワタ    :「……だって、パパとママ今大変だから……迎えにきてく
        :れるっていってただろ?」 
 ニモ     :「やだぁぁ!ぱぱぁ!ままぁ!」 
 オワタ    :「……泣くなよぉ」 

[Hisasi] #泣きたいのは俺だよう 

 鼻先まで涙がこみ上げてくるのを必死に堪えながら、泣いている妹を抱き上
げて背中を撫でる。

 ニモ     :「パパ! ママ! わぁぁぁん!」
 オワタ    :「ほら、泣くなよ、な? 兄ちゃんついてるから、な?」
 ニモ     :「ふえぇ」

[Hisasi] #びーびー泣く妹をおんぶしてなだめたりすかしたりしつつ 
[Hisasi] #近所の公園のベンチに座って 

 オワタ    :「ここで待ってろ、アイス買ってきてやるから、な?」
 ニモ     :「……ひっく」
 オワタ    :「大人しく待ってるんだぞ」

 妹の頭を撫でて、近くのコンビニへ向かって走りながら。

 オワタ    :「……パパ」 

[Hisasi] #あの女の人だれ 
[Hisasi] #ぐしっと目をこすって 

 本当は泣き出したかった、早く家に帰りたかった。
 迎えに来てくれる、その言葉を信じて泣きじゃくる妹を宥めながらひたすら
待っていた。

[Hisasi] #結局、ママが二人を探して公園に来てくれたのはまるまる四時間
     以上後のことだった。 


それっきり
----------

 嵐の過ぎた家にて。
 いつもの食卓は、澱んだ空気が渦巻いていた。

 ニモ     :「ひぃっく、えぐっ」 
 オワタ    :「……」 

[Hisasi] #食卓にはママとオワタとニモの三人 
[Hisasi] #ママ、目真っ赤 

 ママ     :「…………貞我、仁藻」 
 オワタ    :「ママ、泣いてるの?」 
 ニモ     :「ままぁ、パパは?」 
 ママ     :「…………」 

[Hisasi] #きゅっと唇を噛んで 

 ママ     :「パパは、ね。ちょっとお出かけしなければいけないの」
 オワタ    :「お出かけ、って……」 
 ママ     :「貞我、仁藻、ママのこと好き?」 
 ニモ     :「だいすき」 
 オワタ    :「好き」 
 ママ     :「……ママが一緒よ、ずっと。ママといてくれるわよね」

[Hisasi] #手にしたハンカチがくしゃくしゃになってる 

 オワタ    :「ママ、パパは……」 
 ママ     :「ママと一緒よね、約束して」 
 オワタ    :「ママ……」 

[Hisasi] #なんかすごく不穏、怖い 

 ニモ     :「パパ……パパは? パパいつ帰ってくるの?」 
 ママ     :「……ニモちゃん、お願い。パパはね……もうお家に帰っ
        :てこないの、ママはずっと一緒よ」 
 ニモ     :「イヤ! ママとパパがいなきゃイヤ! なんでパパまだ
        :帰ってこないの?!」 

 二つに結んだ髪を振り乱してばたばたと両手を振り回す。

 ママ     :「……」<じわ、と涙が浮かんできた 
 オワタ    :「ニモ!」 

[Hisasi] #ぢたばた暴れるニモを抱えて 

 ママ     :「…………ねえ、貞我とニモちゃんはママと一緒にいてく
        :れるって約束して」 

 母の頬を涙が 伝って落ちた。

 オワタ    :「……ママ」 
 ニモ     :「ままぁ……」<うえぇぇ 

 パパはどうして帰ってこないのか。
 その言葉の意味を知ったのはオワタがもう少し大人になってからのこと。

[Hisasi] #それっきり、父親と再び会うことはなかった。 


へヴィな事情
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[Hisasi] オワタ、何気にへヴぃな家庭の事情 
[Toyolina] ヘヴィですよ 
[Hisasi] この後、しばらく泣いてむずがる妹に父の代わりに絵本を読んであ
    げた兄でした 

 一人で寂しがって泣く妹の頭を撫でて。

 オワタ    :「ほら、プーさん読んでやるからもう寝ような?」 
 ニモ     :「……うっ、えぐっ……ふえぇぇ」 
 オワタ    :「ほら、プーさんだぞプーさん、な?」 

 母が仕事で遅い日は、夕飯はレンジ食と母の作りおきを温めて食べさせ、
毎日の保育園のお迎えはランドセルを背負ったまま直行し、母のいない休日は
妹を連れて遊びに行き、寝る前には絵本を読んであげる。そんな生活。

[Hisasi] #がんばった、オワタ 
[Toyolina] がんばってるオワタ 


父とのつながり
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 家族三人の生活になってすぐの頃。

 オワタ@ちび :「……」>きょろきょろ 

[Hisasi] #小銭の入ったお財布片手に、ボックスの公衆電話にはいってゆく
[Hisasi] #ちゃりちゃりちゃり 

 オワタ    :(ぴぽぱぴ) 

[Hisasi] #とるるるる 

 オワタ    :「…………」 

[Hisasi] #とるるるる 
[Hisasi] #しばしなった後に 

 SE     :ガチャ 
 声      :「…………はい」 
 オワタ    :「……パパ」 
 パパ     :『!……(声を潜めて)貞我か』 
 オワタ    :「パパ……」 
 パパ     :『……ごめんな、貞我……全部、パパが悪いんだ……』
 オワタ    :「パパ、帰ってこないの? ニモ泣いてるよ?」 
 パパ     :『…………ごめんな、もっと、ちゃんと……ごめんな、
        :ダメなパパで』 
 オワタ    :「パパ!」 
 パパ     :『(声を潜めてあたりを見て)……メモして、今からいう
        :番号を。次はこっちの番号にかけるんだ、この番号にかけ
        :ちゃいけない、いいね?』 
 オワタ    :「……え」 
 パパ     :「……見つかったらまずいんだ、だから……ちゃんと説明
        :する、だから今は番号をメモしたら切るんだ、いいね」 
 オワタ    :「……うん」 

[Hisasi] #番号メモって電話をきる。 
[Hisasi] #細々と続く、父息子に電話のやり取りのはじめだった 
[Hisasi] #浮気相手の女、超嫉妬深い。 
[Toyolina] #ヒィー 
[Hisasi] #私とこの子を捨てるなら、貴方の子供に火をつけるわよ。と 
[Hisasi] #ある意味あくてぃぶ系貞子 
[hari] #あなたを殺して私も死んでやる。 
[hari] #でも、その前に原因も殺すわ 
[hari] #だってあなたが捨てるから悪いのよ、当然でしょう 
[hari] #的な感じですか? 
[Hisasi] #きっと父は人がよくて断れない典型的な押しの弱いダメ男だった 
[Hisasi] #押し切られて不倫関係になり、ずるずると 

 父、どんどんダメ化していくことに。


強い子です
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[Hisasi] しかし、こんな泥沼経験してて割りと普通なオワタは案外強い子だ
[Toyolina] ですね 
[hari] #つよいこだ 
[Hisasi] 妹はかなりひきずってるようだが 
[Hisasi] お兄ちゃん依存がかなり 
[Toyolina] 妹ガクブル 
[hari] お兄ちゃんを捕まえてないと、またぞろ女に家族を持ってかれる 

 にも     :「……オワタのばか、ばかばかっ」
        :<ぼすぼすぼすぼすとクッションをぽこぽこに 

[Hisasi] くそう、あたしもオワタを唸らせるオムライスをつくってやるん
     だから! 
[Hisasi] 対抗意識めらめら 
[Toyolina] 研究されそう 

 にも     :「まけないんだからっ!」>お料理本を手繰りつつ 

[Toyolina] お母さんが二日ほど家を空けるとかになったらカレー対決 
[Hisasi] #ごめんね、研修で指導しなきゃいけないから 
[Hisasi] #一週間いないとかだと 
[Toyolina] #1Week 
[Hisasi] #オワタ家にランダム小隊を呼んでとか 
[Hisasi] 妹と二人だと無用心だろうといらぬ気をきかせる兄 
[Toyolina] いらぬ気w 
[hari] ご飯大勢の方がおいしい 
[Toyolina] 日替わり料理対決 
[Hisasi] 超気合いれるニモ 
[Hisasi] オムライスでりまりまに負け、イタリアンでさっちに負ける 
[Hisasi] エッセには勝てそうな気がした 
[Toyolina] 全開のリサーチでは 
[Toyolina] 前回 
[Toyolina] オワタと同等と見ましたエッセ 
[Hisasi] イージー 
[Hisasi] 塩コショウで焼く、うまい 
[Hisasi] うまいけどね 
[Toyolina] 上手いけどね 
[Toyolina] こうやってワインで味付けると美味しいっス 
[Hisasi] にも:「わいん!?」 
[Hisasi] #がーん、そんな考え及びもつかなかった、、とか 
[Toyolina] タマネギを一緒に炒めるとお肉が柔らかくなるっス 
[Luna_] 肉汁とか吸ってたまねぎもおいしいっす 


時系列と舞台
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 十年程まえの出来事。オワタ家にて。
解説
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 ふって湧いた修羅場。
 オワタのディープな過去が明らかに。妹がブラコンになった理由でもあり。
 http://kataribe.com/IRC/KA-02/2007/08/20070830.html#230000
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以上


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