[KATARIBE 31179] [BZ01P]エピソード『大々小の黒翼』

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Date: Thu, 28 Jun 2007 12:07:57 +0900
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ども、ナギィです。
『大小の黒翼』の続きを投下。
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エピソード『大々小の黒翼』
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登場人物
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鬼島歓子(きじま・かんこ):悪名高き閑古鳥。ボイン。
永瀬香(ながせ・かおり):居合い少女。ペッタン。
セーラーキラー:女子高生ばかりを狙った切り裂き魔。今回の獲物。

新たな力
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 だから。苦手なのだ、とても。

 歓子     :「んー、きっちいなあこの服」
 香      :「すみません、私のしかなくて」
 歓子     :「いやいいんだけどよ。息苦しいな畜生」

 ぶつぶつ文句を言う歓子の服装は、いつものラフなものではない。
 白いセーラー。プリーツスカート。
 普段の『閑古鳥』を知れば仰天するだろう。だが、これも作戦なのだ。
 今回、二人が狙うのは、女子高生ばかりを狙う切り裂き魔。
 巷でセーラーキラーとも呼ばれる彼は、多額の賞金をかけられた怨主だ。
 そして前と同じく、香は義憤の為、歓子は金につられ仕事を請けたのだが。

 歓子     :「うー。やっぱこの作戦やめとくかな。動きにくい」
 香      :「あ、そうします?」
 歓子     :「いや、やっぱやっとこ。確実性は欲しいし」

 出来れば、止めて欲しい。
 そう切に願うのは、香が貸した制服が、危機的状況にあるからである。
 元より、二人の体格は違う。背も歓子の方が高く、そして。

 歓子     :「なあ香、これちょっと胸キツすぎね?」
 香      :「そ、そうですかね」

 とっさに縁具を召還しそうになるのを必死に押さえ、香は硬く笑う。
 この制服はオーダーメイドでも何でもない。香にはぴったりだ、香には。
 だが、服の規格を越えた歓子の爆乳が、制服のボタンに限界を与えている。
 早く仕事を終えて、制服を返してもらいたい。そう思いつつ、香は振り返り。
 目の前に立つ男が、突如、手を振り上げた。

 セーラーキラー:「ィイヤァッハァ!」
 香      :「え、うそ」

 男の手に握られたハンマー。それが、体勢の整わない香の頭上に落とされ。
 覚悟した瞬間、男の身体が背後へと吹き飛ばされた。

 香      :「え?」
 歓子     :「香、縁具を出せ!」
 香      :「あ、は、はい!」

 ドスの効いた声に導かれるまま、香は契印から白刃を抜き放つ。
 男は既に起き上がっている。しかし、白い光が男の足を封じる。
 黒翼ではない? 訝しげに振り返った香が見たのは、構えを取った歓子の姿。

 歓子     :「へへ、新しい縁具も良いもんだな」
 香      :「黒のジャケット……それが?」
 歓子     :「おう、気脈を操る縁具だよ」

 ニヤリと笑った歓子の身体の周りに、白い光の筋が出来る。
 その筋は、一点に吸い込まれていく。制服に包まれた、歓子の胸に。
 まさか。香の感じた嫌な予感。それは、次の瞬間に現実へと変わった。

 SE     :ぱちーん!

 香      :「ああああああああああ!」
 歓子     :「おおっと、やっちまった」

 アゴが外れんばかりの香に、歓子はてへへと軽く笑うだけ。
 その胸のボタンは全て弾け飛び、素肌の胸元を覗かせていた。
 沈黙。ふつふつと沸いて来るのは、理不尽な怒り。それを向ける先は。

 セイラーキラー:「イェア!」

 男が再びハンマーを振り下ろした先。そこに、香は居なかった。
 瞬間。香の姿は男の背後にある。香の黒翼は、誰よりも早く駆ける力。
 振り返る男よりも早く。香の刃が、走った。

 SE     :キィン!

 セイラーキラー:「ガッ」

 SE     :キャン! ギャン! キィィィィン!

 セイラーキラー:「うげ……」

 男の身体に走る刀の筋は、一つや二つでは納まらない。
 倒れた男へ更に斬撃を加える香。少し涙が出てきた。その想いも乗せ、斬る。
 歓子はその姿を遠目で見つつ、頭をぽりぽりとかいていた。

 歓子     :「制服、そんな大事だったのか。まずいなあ」

 歓子は気づいていない。彼女自身の存在が、香にとって逆鱗なのを。
 全ての理不尽を剣に託し、香は斬る、斬る、斬る斬る斬る斬る斬る。

 香      :「ぺったんで、何が悪いんだあああああああ!」

 その日。逮捕されたセイラーキラーは、即刻病院送りとなったのだった。

時系列と舞台
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『大小の黒翼』http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/31100/31144.html 後。
 夕方。中州の路地裏。
解説
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 再び組む事になった香と歓子。新たな縁具が、香に火を付ける。
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……何かこう、シリーズ化になりそうな予感。
かおりん、がんばだ!(ぉぃ
てことで、Kisitoさん台詞チェックお願いしますー。 

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