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Date: Mon, 03 Oct 2005 23:14:26 +0900
From: "Hikaru.Y" <hukira@blue.ocn.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29308] [HA06N]小説『猫が踊る』(修正)
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200510031414.AA00067@hikaru-h8akl379.blue.ocn.ne.jp>
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Web: http://kataribe.com/HA/06/N/
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ふきらです。
[HA06N]小説『猫が踊る』http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29300/29305.html
に色々と不備があったので、その修正版です。
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小説『猫が踊る』
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登場人物
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津久見神羅(つくみ・から):http://kataribe.com/HA/06/C/0077/
研究室にこもり気味な大学院生。
本文
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見上げれば満月。今宵は影がよく映える。
研究室を出た時刻は午後十時。大学の構内は昼間の喧噪などなかったかのよ
うにひっそりと静まりかえっていた。
月の光は青白く、周囲の景色から色を奪い去り、まるでモノクロームの世界
に迷い込んだような錯覚に陥る。
吹いてくる風は秋の気配が色濃く、少し冷たくて、神羅は顔をしかめた。
「ん?」
商店街から少し離れた、小さな店が点在する通りにさしかかったときに、
視界の隅に何か動くものを認めて、足を止めた。
ちょうど影になった部分に何かがいる。神羅はじっとそこを見つめた。
やがて影の一部が盛りあがり、猫の形を取ると大きくのびをしてこちらを見
た。
目に輝きはない。というよりは、目や口などが見あたらない。猫のシルエッ
トが立体になったというようなものである。
その猫は大きくのびをして、一つ跳躍をすると影から光の当たる部分に飛び
出した。
影なのに消えない。周りが明るくて、逆にその部分だけ切り取られたように
見える。
猫は神羅の方を見ると、くるり、くるりと誘うように円を描き、再び影へと
飛び込んだ。
神羅は飛び込んだ先を凝視するが、もはやそこには猫の姿はなく、ただの影
しかない。
「まあ、そんなこともあるやろうね」
そして再び足を進める。
見上げれば満月。今宵は影がよく映える。
時系列
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2005年ある秋の満月の夜。
解説
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この街では多少不思議なことが起きても、問題ないのです。
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