TRPG.NET > 月刊TRPG.NET / 2005年10月号 >
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オンラインセッションはオフラインでのセッションと比べて時間がかかるといわれます。やりとりがチャットやBBSを介して行われるために、情報が文字に限定されてしまいます。
そのため、他のPLの状態の確認がしにくい、マップを用意できない、あるいは用意できたとしてもオフラインほど手軽に修正ができないなどといった問題が発生します。また、オフラインだったらPLにちょっと見せてもらうことができるキャラクターシートなども、 オンラインでは、メモ帳にでも書いていたとしても参照が結構面倒になります。こうした情報伝達のちょっとした手間が積み重なって、プレイ時間という有限のリソースを浪費しているのだと思います。
時間がかかる事がなぜ問題になるのでしょう?時間がかかりすぎてセッションが1日で終わらず、中断したのはいいけれどメンバーが集まらずにそのままセッションが立ち消えになったという話もよく耳にします。これを避けるために軽めのシナリオをプレイするというのもよく聞きます。ですが、それは時間がかかるという問題を回避するための妥協策でしかありません。
オンラインセッションとオフラインのTRPGは違う物であり、オンラインセッションに適した遊び方をするというのが一般的な考え方でしょうか。ですが、時間がかかる、あるいはそれによってプレイの密度が下がるという理由でオンラインセッションを敬遠する人も少なくないのも現実です。もっと手軽に遊ぶ事は出来ないのでしょうか?オンラインに適した情報伝達手段とは一体どんな物なのでしょう?
プレゼンテーションなどの例を見てもわかる通り、短時間でイメージや情報を伝えようとする場合、文字による伝達に比べ、画像や映像などの視覚による表現のほうが、情報伝達手段として優れているというのは間違いありません。ならば、オンラインセッションの情報伝達手段として、画像や映像を使う事は出来ないのでしょうか?
画像を作成してアップローダーなどにアップするという手段は現在も使われています。ですがこの方法では、画像の作成、画像のアップロード、ブラウザのリロードと、情報が伝わるまでに手間がかかり、結果として言葉で伝えるのとの大差ない時間がかかってしまいます。これでは画像を使って情報を伝えることの意味が半減してしまいます。
こうした手間を軽減するために、いくつかの専用ツールも作られています。それらはマップを使うシステムのオンセでScreenMonkyなどのマップを共有するためのツールが使われているなどで、こうしたケースではある程度の成功を収めている様に見えます。
しかし、こうしたツールはそれぞれに個性があり、ユーザーにもそれぞれに好みがあるために、好みに合うツールがないと言う理由でツールをあまり使わないという話も良く聞かれます。
では、これからのオンラインセッション用ツールは、どのようなものを目指したら良いのでしょうか?
TRPGに唯一これというシステムが存在しないように、全てのニーズを満たす唯一のツールという物は存在し得ないように思えます。
様々なツールが存在し、その中からユーザーが好みの物を選択出来れば、多くのニーズを満たす事が出来るでしょう。しかし、現時点でオンラインセッション用のツールは数えるほどしかなく、またその多くが海外製でメニューやマニュアルが英語であったりするというのもユーザーを遠ざける一因となっているように思えます。
オンラインセッションを支援するツールがもっと増える事で、オンラインセッションはもっと手軽に遊べるようになるのではないのでしょうか?
こうした現状で、オンラインセッション用ツールが増える事はそれなりに価値のある事だと思います。様々な選択肢があれば、使ってみようと言う人もいるでしょう。唯一無二の素晴らしい物でなくてもいい、ユーザーが選ぶ事の出来る環境が大切なのです。
そこのあなた、オンラインセッション補助用のツールを自作していたりしませんか?それを公開してあなたが作ったそのちょっとした便利さを他の人にも譲ってあげませんか?あなたのツールがもしかしたら誰かのTRPGライフに革命をもたらすかもしれません。
かくいう私も、未熟ながらオンラインセッション用ツールを作っています。まだ未完成ですが、irc.trpg.netの#TRPG支援ツールを作るというチャンネルや、2ちゃんねるの卓上ゲーム板のTRPG支援ツールを作るスレなどで、数人の制作者の方々と一緒にのんびりとやっています。
もし制作に参加してみたい、制作中のツールを触ってみたい、あるいはオンラインセッションの不便を解消したいなど、興味のある方はいつでも大歓迎ですので、立ち寄ってみて下さい。
感想・執筆宣言は一行掲示板001もしくは irc.trpg.netの #openTRPG へどうぞ。
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