TRPG.NET > 月刊TRPG.NET / 2005年09月号 >
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銀行。『暗証番号は他人に知られないように』『カードローンのご案内』などの張り紙がある一角。
キャッシュディスペンサーの前で焦燥した様子の女性、その背後で気遣わしげな様子の少女――
明細処分機「がりがりがり」
充子 「ああもう。また停まっちゃった」
理緒 「銀行員さん、すぐに来てくれるそうですよ」
キャッシュディスペンサーの脇にある機械のパネルを開き、紙屑を取り出す銀行員。
理緒 「ふーん。シュレッダーになっているんですね」
充子 「これ、どうしてこうしょっちゅう故障するわけ?」
銀行員 「利用にあたっての注意事項にも書いてあるんですけど……」
銀行員 「故障の原因になるから、明細表以外のものを入れないで欲しいんですが、気にかけてない人が多くて。伝わってないのかな」
充子 「そ、そんな事で故障するような機械なんか置くなって言う意見も、そっちに伝わっていないじゃないの」
理緒 「ゲームマスタリングの体験を活かすことができれば、大事な注意事項をもれなくきちんと相手に伝えていくことができるようになるわ」
充子と入れ替わってキャッシュディスペンサーを操作しながら、解説を始める理緒。
理緒 「60年の実績がある日シナのマスタリング講座なら、大事な事柄を余すところ無くプレーヤー達に伝達する手順を、親切ていねいに指導してくださるのよ」
充子 「一見簡単な情報ほど、意外に伝えづらいものなのよねえ」
理緒 「バインダー式で扱いやすいテキストと、実用新案のマスタリング練習機は、相手の様子をみながら情報を小出しにしていく練習を、誰にも知られずに自宅で実行できる、画期的なアイテムです」
充子 「相手の理解にペースを合わせて、説明を進めていけるようになるのね」
理緒 「1日20分の練習を続けるだけで、シナリオ検定にも楽々合格。シナリオ1級の合格者の9割以上が、日シナの出身なんですって」
充子 「マスタリングをマスターしている先輩がいっぱいいるのね。心強いわ」
現金を引き出し終えた理緒。
充子 「それにしたって、明細処分機の仕組みにも問題があるように思うわ。どうにかならないのかしら」
理緒 「利用明細って、感熱紙ですよね。熱したローラーに通すとか、紫外線を照射するとかしたらどうかな」
充子 「普通紙に印字してあるタイプもあるわよ」
理緒 「うーん」
突然、振動する明細処分機。
明細処分機「がりがりがり」
理緒 「あ、あれ? また止まっちゃった」
充子 「銀行員さんが、すぐに来てくれるそうよ」
銀行員 「明細表以外のものは入れないで下さい、って言ったばかりなのに」
明細処分機から、細切れになりかけた一万円札を取り出してみせる銀行員。
理緒 「あ、あー。考え事してて間違えちゃった」
充子 「伝えられるほうに問題があったら、処置無しなわけ?」
日シナの理緒ちゃんまとめ。
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