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著:LIST
D&Dの3.0以降ではおおむね次のように考えることができます。
以下の行動や条件は戦闘時のゲーム時間進行でなくとも変わりません。
前提条件
・首ナイフの被害者側はルールで決められた「無防備状態」になっているものとする。
・「無防備状態」にする方法は沢山あるが、縛るだけ条件を満たせる。
・首ナイフに相当する「止めを刺す攻撃」には、武器を使わなければならない(モンクの素手はOK)。
ゲーム処理
・「止めを刺す攻撃」は、手番の全てを使う全力行動の一種である。
・首ナイフで主に使われる状況の、「動いたら止めを刺すぞ」という宣言は待機行動である。
・全力攻撃は待機行動では行えない。
以上のことから、D&D3.x版では普通のやり方では首ナイフが成立しません。
では、どうすれば良いでしょうか。
次の二つの方法が考えられます。
・特技の中には「止めを刺す攻撃」を全力行動から標準行動に下げる物があるので、この特技を習得する(未訳)。
・何とかして丸々1ラウンド分の行動を確保する。
では、以上の条件をどうにかクリアして「止めを刺す攻撃」を行った場合、どのように被害が出るのかを見てみましょう。
・命中判定は不要で自動的に命中。
・クリティカル判定は不要で自動的にクリティカル発生。
・被害者は受けたダメージ+10を目標値に頑健STを行い、失敗すると死亡する。
・当然、HPが-10以下になっても死亡する。
見ての通り、適切な武器を選択すれば一般人はほぼ確実に死亡します。
しかし、逆に言えば強力な戦闘系のPCであれば生き残る可能性があるわけです。
ここまでを振り返って欲しいのですが、見ての通りD&Dでは首ナイフを行っても即死するわけではありません。
・条件を整えなければ、そもそも実行する事ができません。
・ナイフだからダメージが小さくて死なないというコトも起こります。
・人質がタフであれば、死なない場合も有り得ます。
このように、実行と結果において、する方にもされる方にもキャラクターの能力が影響するので、感情的にも不満が起こりにくくなっているワケです。
即死と言う結果だけを、それこそ何の判定もなしに“通達”されるのとは違うのです。
このくらい手間が掛かるのであれば、感情はもちろん、逆用して悪用するのも抑えられるでしょう。なにしろ「無防備状態」に出来るくらいならさっさと倒してしまえばよいからです。
スライドは位置をずらす呪文です。1〜2LV呪文なので現実的といえるでしょう。
仲間同士で位置を入れ替える呪文です。人質と強力なファイターを入れ替えましょう。
なんとこれも1LV呪文です。
敵と味方の位置を入れ替える呪文です。
人質を取っている敵を、自分たちのど真ん中に引きずり込みましょう。
敵にSTの余地があるので相手を選ぶ必要があります。
注:接触から近距離に変える手段があります。スペクトラル・ハンドでも可能。
人質を「クリティカルに対して完全耐性がある」ようにする。
クリティカルに耐性があれば「とどめの一撃」は成立しなくなります。
植物に変えることは(ほかに比べれば)難しくありません。
特に石化はPCの手番を取らないで済む場合が多いので、可能ならば有効でしょう。
一般的には不可能ですが… 人質が異形種族であれば不可能ではありません。
武器破壊ルールを適用します。
交渉スキルで50以上を出せば不可能ではありません。
交渉に特化したキャラクターならば6LVで+40できます。
達成値50で得られる友好的な状態は「危険を冒してでも助ける」です。
せっかくの人質を捨てるという危険を冒してくれるでしょう。
3.0では生き返りは非常に安価です。高い武器(800gp)よりも安い(500gp)です。
3.5では非常に高価ですが、やはり不可能ではありません。
意味不明っぽいですが、これは非常に重要です。
人質を取られていう事を聞かされるから問題なのです。
逃げて、フリーハンドを得てしまえば何の問題も無いのです。狙撃でも奇襲でも何でもありですよね。
魔法の使用はタイミング的に危険ですが、敵が特技を習得していない限り全ラウンドアクションよりも標準アクションの方が早いですし、仮に特技を習得していても早撃ち勝負なワケですから、それ以前より状況が悪いとはいえないでしょう。
D&D赤箱では、スリープの呪文に次のような記述があります。
(前略)眠っている生物はその耐久度に関係なく、刃の付いた武器の一撃で殺す事ができる。
なるほど、当時の人も同じ事に悩まされていたんですね。
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