自分をうまくアピールしよう〜コンベンションで良いマスター紹介をするコツ〜

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自分をうまくアピールしよう〜コンベンションで良いマスター紹介をするコツ〜



 コンベンションで一日を楽しく過すには、マスター選びが決め手になります。
 では、自分がマスターをする側なら、どうやって良いマスターだと伝えるのでしょうか。
 そう、マスター紹介がカギなのです。

 どんなマスター紹介をすれば良いのか?
 このNGワードを言わないように気をつけよう。

 こんな感じのポイントをまとめてみました。よろしければ参考にしてみてください。

マスター紹介の必要な内容

 マスター紹介のある程度の型を用意しました。
 これを守っておけば、言うべきことは言っているハズです。
 順番は余り関係ありませんので、サークルで示されたマスター紹介手順があるなら順番はそれに倣いましょう。


 おはようございます、○○(できるだけ本名で)です。
(1) 今日はXX(システム名)を用意してきました。
(2) シナリオはXXです。
(3) シナリオ傾向はXXで、
(4) 要するにXXをします。
(5) マスターの傾向はXX重視です。
(6) LVはXXで、キャラクターは 作成済み/作成から、です。
(7) テーブルトークが初めての方には あまり向かない/でも大丈夫だ、と思います
(8) 人数は4から6名。
☆短く済ませよう。
 最後にもう一度挨拶を。

(1) システム名について。

 最近はシリーズ物も多いので、どのシステムをどこまでを使うのか明確にしましょう。D&Dしかり、セブンフォートレスしかり、東京NOVAしかり。

 普通の例:D&Dの3.0版で日本語のみ。HJ版です。
 悪い例1:D&Dです。 < これでは範囲が広すぎて説明になっていません。
 悪い例2:山ほどルール改造しているのにそれを言わない。
 良い例 :普通の例に自分が選んだ理由を追加すると良いでしょう。
 論外 1:徹夜明けで何も用意してきませんでした。
    2:未完成の自作システムです。
      この2つはマスター選択における代表的なNGワードです。

(2) シナリオについて。

 市販なのか自作なのか。特にルールブック付属シナリオなら事前に言うべきですね。

 普通の例:市販シナリオでタイトルは XX です。内容を知っている方はご遠慮ください。
 悪い例 :ルールブック付属シナリオなど、プレイ済みの可能性が高いのにシナリオ名を言わない。
 良い例 :普通の例に自分が選んだ理由を追加すると良いでしょう。
 論外 1:徹夜明けで何も用意してきませんでした。
    2:エロゲー/エロアニメねたをパクって今からアドリブでやります。
      アドリブを公表するマスターは危険です。マスター選択における代表的なNGワードです。

(3) シナリオの傾向について。

 どんなプレイになるのか言ってもらわないと判断基準になりません。

 普通の例:戦闘中心でオープンダイスです。
 悪い例 :プレイの傾向を言わない。この項目を飛ばしてしまう。
 良い例 :マスター(本人)が望む傾向から外れてもOKな範囲を言うと良いでしょう。選択の幅が見えてくるからです。
 論外 1:とても口外できないようなエロス&暴力を振り回す。その描写が必要になる。
    2:会場の利用規約に反する行為を行う。力の限り絶叫する、危険物の使用など。

(4) シナリオの要約。

 例えば決闘はダンジョンでもシティでも出来ます。情報収集先としてのダンジョンもありえますし、制限のついた戦闘場所としてのシティもありえます。
 要するに何がメインなのかまとめた方が良いでしょう。メインを謎にしておいた方が面白くなるような良いアイデアがあるなら、それは言っておくべきですよね?

 普通の例:ダンジョンにもぐります/シティものをやります。
 悪い例 :要約しない。シナリオ把握が甘く要約できない。この項目を飛ばしてしまう。
 良い例 :普通の例に理由を追加します。証拠を求めて――。
 論外  :吟遊詩人マスターの一本道シナリオだ。俺の言うことを聞け。という内容だがそれを言わない。

(5) マスターとしての傾向を述べる。

 普通の例:ルール重視/ロール重視などを述べる。
 悪い例 :プレイヤーに合わせます。必ずしも悪くありませんが、これではあなたがどんな傾向が好きなのか上手いのか、何も伝わりません。情報を与えないのと同じです。
 良い例 :普通の例に加えて、傾向が違う人とどのようにすり合わせるか述べると良いでしょう。
 論外  :XX重視 イコール YY軽視であるかのように振舞う。ルール ←→ ロールなど。

(6) LVなどについて。LVが無い場合はゲームごとの目安を言います。

 普通の例:3LV+5%です。この5%でアイテムを作れます(D&Dの場合)。
 悪い例 :プレイヤーの希望を聞きます。これは一概に悪いとは言えませんが、シナリオ内容がLV(など)と無関係なのは余りよくないです。
「オレ様天才マスター、現場調整は任せとけ」というタイプが実際に現場調整が得意である可能性は低いです。なぜなら調整が得意なら最初の時点でLVに合わせた最適なモンスターや罠や謎を用意するはずですし、せっかく最適な障害を用意したらそれを使ってもらいたがるはずです。
 代替案でもベストと同じように楽しませられるというほどの天才がそうそう実在するでしょうか?
 善意で 「どんなLVでも受け入れ可能にしよう」 と考えていても、マスター紹介を聞く人には善意からなのか自信過剰なだけなのか、区別はつきません。
 良い例 :悪い例の逆で、なぜそのレベルを選んだのか、理由をつけると良いでしょう。
 論外 1:何も言わない。
    2:プレイ時間中に把握しきれないような高度なキャラクタを要求する。CPが非常に多いガープス、経験値が非常に多いNOVA、LVが高くサプリの範囲が広すぎるD&D…
 要するに「自分は出来るから他の人も大丈夫だ」と思っている場合は論外ですね。

(7) 参加者のプレイ経験について。

 普通の例:システム初体験はという人は大丈夫だと思いますが、テーブルトーク初体験の人には難しいと思います。
 悪い例 :簡単なので誰でも大丈夫です。
 良い例 :このゲームのサマリ(参照用の資料)を用意してきましたので、高レベルでも負担は少ない/初心者でも理解しやすいしょう。このように具体的な資料を提示できると良いでしょう。
 論外  :簡単なので誰でも大丈夫です。このセリフを聞いたら絶対に選んではいけません。コンベンションにおける最悪のNGワードです。

(8) 人数に関して。

 普通はシステム名と人数に関して書き出していると思いますが、自分の口で言うのも重要でしょう。

 普通の例:4人から5人が良いです。
 悪い例 :何人でも大丈夫です。
 良い例 :普通の場合に加えて、数が合わない場合の調整方法を加えると良いでしょう。
 論外  :何人でも大丈夫です。1人でも10人でもOK。
 人数が多くなれば行動宣言だけでも時間がかかり、全体の行動をまとめるにも一苦労です。人間同士の位置関係も遠くなり、聞き取りにくさの問題も出てきます。多すぎるのは論外です。
 人数が極端に少ないのも問題です。コンベンション会場に設置できる卓の数には限度があるわけですから、マンツーマンというのは会場からみて負担になることがあります。
 というか、会場の負担以前に、個人レベル(二人とか)で遊ぶならわざわざコンベに来る意味無いです。当日は別のゲームやって少人数で集まればいいじゃないですか。

☆とにかく短く。そして最後に挨拶を。

 先日教わったのですが、マスター紹介を聞いている参加者は「バーゲンに挑む主婦の心境」なワケです。手始めに、短くまとめる腕前を披露しましょう。

 普通の例:以上です、ご質問があリましたらどうぞ。(質問など無ければ)では、ありがとうございました。
 悪い例 :声が小さすぎる、モゴモゴしゃべって聞き取れない、などのようにプレイに差し障りがあるようなアピールをしてしまう。
 良い例 :短いほうが良いですが、必要なことを省かないように気をつけましょう。必要な事を言うための長さは、聞く方としても長いとは感じられないので大丈夫です。
 論外 1:サークルの定めたマスター紹介時間を超える。
    2:なぜか説教を始めたり、ロールプレイに関する自説を演説したりする。

最後に。

 マスター紹介は、要するに自分を売り込むわけです。
 出来るだけ多くの人が来てくれるように、自分自身をうまくアピールしましょう。

さいごに

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月刊TRPG.NET 2005年02月号

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