初心者DMのキャンペーン顛末記(第2回)

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初心者DMのキャンペーン顛末記(第2回)


前回のあらすじ

 キャラ作成のついでに軽く始めたゴブリンとの遭遇戦。ランダム財宝決定で出目が振るったために破格の報酬を手にしてしまう。これに業を煮やした邪悪なDMは急ぎ次なる敵を用意するのでありました。

 …といっても前回と同じ日の話なんですけどね。

というわけで次の遭遇を考える

 DMは考えました。プレイヤたちはあっさり敵を片付けた自分たちに酔っており、警戒心が薄れているはず。ならばそれを利用して手厳しい遭遇を提供してあげるのがDMの優しさというものでしょう。

 というわけで、オーク5体と1レベルのNPCソーサラーが今回の敵です。ソーサラーはDMGのNPCソーサラーをほぼそのまま引き写します。

≫[DMG:p51]

 ソーサラーが立てた作戦は「オーク4体をルート上の比較的発見しやすいところに配置してPCの注意をひき、自分とオーク1体はインヴィジリティ(不可視化)のポーションを飲んで潜伏し、背後から挟み撃ちを仕掛ける」というもの。

 ……初期キャラクターにはほとんど対策の立てようが無いあたり、DMが採る作戦としてはいささか酷いような気もしますが。そんな些細なことには目をつぶることにします。一応は、連れているウルフが鋭敏嗅覚を持ってるんで、気がつく可能性もありますし。

≫[PHB:p132,p182][MM:p11,200]

オークとの遭遇戦

 予想通りPCたちは4体のオークしか見つけることができず、入念に隠れていた伏兵には気がつきません。DMはPCやオークたちの位置関係を確認したり、風向きをダイスで決めたりします。

 ウルフの配置と風向きがDMに味方したため、戦闘開始時点になっても伏兵はまるで気がつかれません。
 スリープでオークの半数が眠らされたり、クレリックのエンタングル(からみつき)で残るオークが1体からめとられたり、荷馬車を楯にしたローグが的確にクロスボウを打ち込んだりで主力オークが削られるという屈辱に耐えながら、DMは復讐の時を待ちます。

≫[PHB:p190]

 そして運命の瞬間。突如として姿を現したオークの一撃がウルフのhpをあらかた削り、ソーサラーのマジックミサイルがまずウィザードを襲撃。

 「え?」

 それまですっかり勝ちムードに余裕綽綽だったプレイヤたちの顔が少し引きつったようです。さらに蔦にからめとられたオークのジャベリンがローグにクリティカルで命中。一撃で瀕死状態に追い込みます。卓上の空気がみるみる緊張感あるものに変わっていきます。

 「これをあーやって」「いや、それだと不味い」「まずはキュアを……」

 がぜんやる気を出したプレイヤたちを頼もしく見つつ、戦闘を続行。奇跡は二度起きず、やがては全オークが倒されます。ここでNPCソーサラーが降伏を申し入れて戦闘終了。

 ソーサラーはPCたちの詰問に対して「自分はレスター師の弟子だ。今回の襲撃は自分が計画した」と証言。動機は依頼人を師匠が快く思っていないと考えたからだと主張します。
 つまるところ、今回の戦いで高レベルNPCに激しく恨まれるようなことは(まだ)無いよ、ということです。これを聞いてプレイヤたちも一応は安堵した様子。

 かくてPCたちは分不相応な財宝を抱えてホームシティに帰還します。時間も押してきたので収入の使い道などは次回に廻して、小冒険は終了。

 ……今回はキャラ作成だけだったはずなんだけどなぁ。

さいごに

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月刊TRPG.NET 2005年01月号

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