報酬に関する与太話

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報酬に関する与太話



 プレイヤー(この場合はPCか?)やGMはセッションにおいて「報酬」を求めるものである。今そう決めた。わざわざ結構な時間を割いて徒労感を味わいに来る変わった性癖をお持ちの方に関しては今回は言及しない。というか、専門外だ。

 報酬という物を大別すると「物質的なもの」「精神的なもの」「社会的なもの」とおよそ三種に別れるのではないかと考える。一つ目に関して言えば金銭や宝物、二つ目に関してはNPCからの好意であったり思い出であったり、三つ目に関しては名誉やコネになるのだろうか。ほとんどの場合、一つ目のタイプの報酬に残り二つのどちらか(ないしは両方)が付随してくるのが一般的な報酬の形態になってくるだろう。当然、シナリオにて定められた目的を達成出来なかった場合、その報酬は得られなくなる。

 それでいいのだろうか。確かに報酬であるからして、与えられた仕事を果たせない者に対しては払われる必要のないものだ。だがこれはゲームである。現実ってのは非情なもので、仕事と報酬の関係が正常に維持されていない事の方が多い。そして正常に機能したところで、仕事を為さなければ得る物などない。これは当たり前の事ながら、冷徹なシステムだ。

 だったらせめてTRPGでくらいは何らかの形で得るものが欲しくはないか。私は欲しい。世知辛い現実の仕組みが幻想の世界にまで容赦なく侵蝕してくるなんて悲しすぎないか。私は悲しい。ガス抜きのゲームをガス室で行うようなものではないか。

 何も失敗のほろ苦さは要らないと言っている訳ではない。そのほろ苦さの中に、何かしらの得る物があってもいいと思う。小さな物でも、冒険の証として持ち帰れる報酬があれば。きっと温かい思い出になるはずだ。


(N◎VAのセッション後。アクトシートを片手に唾飛ばしながら)
「ですから、このほろ苦い経験を活かして今後は精進いたしますので。今回はどうか、この経験点可否チェックを通してはもらえないかと」
「ダメなものはダメ」
「ぐふっ」

記:a2_c

さいごに

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月刊TRPG.NET 2004年12月号

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