オンラインセッション混ぜるな危険!

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オンラインセッション混ぜるな危険!


はじめに

オンラインセッションはまだ生まれて十年ほどしかたっておらず、知識・ノウ ハウの蓄積がとても浅い状況にあります。なんせ、ちっともノウハウの蓄積が はかれてない、あのTRPGと比べても劣ってるほどですからね。

そのため、さまざまな誤解や迷信がオンラインセッション界隈には蔓延ってい るのが現状です。

オンラインセッションとTRPGの関係

なかでも危険性がぶっちぎりで高いのは「オンラインセッションとTRPGがほぼ 同じものである」という根本的な誤解です。そもそもでTRPGのTはTabletalk(卓を囲んで遊ぶ)でしょ、オンラインじゃテーブル囲んでないじゃん。

ともかく、両者を混同して考えると、非常に多くの問題が発生します。

以下にそれを列挙していきましょう。

市販システムでオンラインセッションを楽しもう?

市販のTRPGシステムをオンラインで遊ぼうとする行為は危険です。いや、危険 を通り越して無謀と呼んでも過言ではないかもしれません。とにかく止めれ。

例えば、FEARが製作して富士見書房から出た傑作TRPGに「アリアンロッド」が あります。巷で大人気で、コンベンションでも良く見かけているはずです。

が、これをオンラインで遊ぼうとすれば、そこには数々の悲劇が待ち受けてい ます。というか、オンラインで遊ぼうという発想が土台無理です。

これはほんの一例ですが、オンラインセッションだと、フェイト(ヒーローポ イント)の使いドコロなどが別次元になります。なぜなら進行に時間がかかる オンラインセッションでは戦闘や判定の回数や重みがオフラインセッションと はまったく異ってくるためです。

ぶっちゃけ、オフラインの感覚でバランスを組めば、元がどんなに素晴らしい TRPGシステムであっても、あっという間にクソゲーに成り果てます。

つまり、オンラインセッションで市販のシステムをそのまま遊ぼうとすれば、 それだけでゲームのバランスが土台から崩れてしまうわけです。

これを回避するためには以下の3点に注意するのが良いでしょう。

(1) すべてのルールを使おうとしない。
(2) 使うルール、使わないルールを事前に明言する。
(3) レギュレーションはWebページなどに配置する。

オフラインで使ったシナリオをそのままオンラインセッションで遊ぼう

オフラインで遊んで成功したのに気をよくして、そのシナリオをオンラインセッ ションにそのまま持ち込もうとする人がいます。が、これなんかもとんでもな い危険行為です。球界を永久追放されても文句は言えません。

オンラインセッションは概して相談に時間がかかります。よく「オンラインセッ ションは三倍時間がかかる」と言われています。

中でも、オンラインでは互いの顔色を伺うことのできないため、「相談事」が 特に時間を食う局面になります。

ただでさえ時間を食う(四倍は覚悟)というだけでなく、オフラインで普段の倍 かかる「込み入った相談」は、オンラインだと何故か四倍(当社比)になるとい う、やっかいな傾向があります。

つまり、大きな相談ごとであればあるほど、事態は膠着し、飽きっぽい人が他 のことに気を取られはじめ、ついには寝る奴が続出するわけです。困った事に。

この問題についての対策は、以下の3点です。

(1) 楽しみどころ、考えどころを一つに限定した短いシナリオにする。
(2) シナリオで活躍困難なパラメータのPCが混ざらないよう配慮する。
(3) 状況についてまとめた文章をWebページなどに配置する。

オフラインと同じ気持ちで遊びはじめよう

オンラインセッションを遊ぶにあたっては「TRPGの経験が活かせる」と思うの は禁物です。どんなに「TRPG上級者」であっても、オンラインセッションをろ くに遊んでなければ、初心者なのです。

自称「TRPG上級者」の人も、おとなしくオンラインセッションの経験が深い人 やGMの言うことを聞きましょう。

また同時に、「オンラインセッション上級者」でもオフラインでTRPGをろくに 遊んでなければ、TRPG上級者ではありません。さらに、同じシステムであって もバランスが異なってきますから、システム経験者というのも微妙です。謙虚 にGMをはじめとするほかの参加者の見解に耳を傾けましょう。

どちらのケースであっても、勘違いしてデカイ顔すると良くない烙印を押され てしまいます。気をつけましょう。

これの対策は簡潔です。

・別の遊びだと思って初心に帰る。

おわりに

オンラインセッションは、TRPGの代用品でも従属物でもありません。それ自体 で独立した、とても愉快で面白いホビーのジャンルなのです。そう考えた方が、 勘違いや思い込みから来る齟齬が減って良いでしょう。ちょっと特集と馴染ま ない結論ですけど。

さいごに

感想・執筆宣言は一行掲示板001もしくは irc.trpg.netの #openTRPG へどうぞ。

月刊TRPG.NET 2004年10月号

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