TRPGにおける地図

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TRPGにおける地図

地図の必要性

大きな分類として、“キャラクターが必要とする地図”と“プレイヤーが必要とする地図”があります。

前者は、シナリオ中で必要とされる“遺跡への地図”であったり、警護を任された“建物の見取り図”であったり、街の広場に置かれる“街の案内図”であったりします。
これらは、キャラクターが速やかに目的地に移動するための手段であり、その過程の殆どはプレイヤーが詳しく知らない場合が多々あります。

後者は、シナリオ中に既にキャラクターが熟知している“キャラクターが見せられた図”であったり、“キャラクターが辿ってきた道筋”であったり、“所用した時間”であったりします。
これらは、キャラクターの認識とプレイヤーの認識の誤差を埋めるための手段であり、キャラクター自身は再確認を必要としないものである場合が多々あります。

キャラクターが必要とする地図

先に挙げた例のそれぞれについて考察してみましょう。

まずは、“遺跡への地図”です。
これは、完全に場面の移動のためにゲームマスターが用意したショートカットです。
仮に、地図無しで遺跡の場所を探すとしたら、情報収集を始めとして、場所の移動までがひとつの巨大なシナリオと成り果てます。
キャンペーンシナリオにでもしなければ、遺跡の中までシナリオを持ち込むのは難しくなるでしょう。

次に、“建物の見取り図”です。
これも、場所の移動のためにゲームマスターが用意したショートカットですが、複数の選択肢を包括します。
あらかじめ、見取り図に示された部屋をゲームマスターが列挙することにより、キャラクターの行動範囲が広がります。
仮に、地図無しで建物の中を徘徊するならば、順番に部屋を確認するなり住人に聞くなりする事で、建物の情報は手に入るでしょう。

最後に、“街の案内図”です。
これも、場所の移動のためにゲームマスターが用意したショートカットという点では、前者“遺跡への地図”や“建物の見取り図”と変わりません。
“遺跡への地図”との大きな違いは、ショートカットできる場所の数の違いであり、前者が1箇所へのショートカットであるのに対して、“案内図”は複数箇所へのショートカットとなりえます。
“建物の見取り図”との大きな違いは、ショートカットできる場所をゲームマスターのみならず、プレイヤーも提示できる点です。
この“街の案内図”の場合は、目的地をゲームマスターが全く列挙しないか、ゲームマスターが列挙するのは代表的な一部に限られます。

プレイヤーが必要とする地図

先に挙げた例のそれぞれについて考察してみましょう。

まずは、“キャラクターが見せられた図”です。
口頭での描写に限界がある場合に用いられます。
オフラインの場合は“筆記用語一式”があれば事足りますが、オンラインの場合は“画像ファイル”などとなるでしょう。
例に挙げられたものの内、もっとも絵に近いものとなるでしょう。

次に、“キャラクターが辿ってきた道筋”です。
口頭の描写に限界がある場合はあまり無いでしょうが、非常に煩雑になる場合に用いられます。
オフラインの場合は“筆記用語一式”があれば事足りますが、オンラインの場合は“画像ファイル”もしくは“箇条書きにされた文章”となるでしょう。
図に表される単純なマップであれば、円もしくは長方形とそれを繋ぐ円、加えて特記事項…程度の表記でも十分でしょう。

最後に、“所用した時間”です。
概ね、移動には時間経過が伴います。
「あなたたちは、街から200kmの道程を旅しました。 食料を消費してください。」とは、ゲームマスターは言わないでしょう。
「あなたたちは、街から20日の道程を旅しました。 食料を消費してください。」と言われた方が、プレイヤーは食料の消費量が判り易いからです。

仮に「出発する日の朝に目醒めてから食料品店で必要な食料を購入し、その後に街を出発。 途中で2回水を補給しながら村ひとつを経由して未開地へ踏み込み、途中7回の水の補給を経て20日目に未踏の遺跡に到着した。」としましょう。
いつ、水を補給したかを確認する必要が生じた時、キャラクターは旅をしてきたのですから記憶はしています。
ですが、上記の掻い摘んだ説明ではプレイヤーには判りません。
ゲームマスターが詳細をプレイヤーに告げたならば、街や村、目的地の遺跡からどの程度の場所に水場があるかを確認できるでしょう。

地図の作成方法

大きな分類として、“オフラインで用いる地図”と“オンラインで用いる地図”があります。
双方とも、前述の“プレイヤーが必要とする地図”となります。

オフラインで用いる地図

絵地図ならば、“筆記用具一式”を用いて、フリーハンドで描けば問題ありません。
経路図であれば、部屋を長方形や丸で、通路を線で示して、特記事項をそれぞれに添えるのがスマートです。
日程に関しては、メモ程度にタイムテーブルを組むので十分でしょう。

オンラインで用いる地図

絵地図ならば、“画像ファイル”を用意するという手段が考えられます。

HTMLタグが有効なウェブチャットを使用しているならば、<pre>〜</pre>(プレヴュータグ)もしくは<tt>〜</tt>(等幅タグ)および<br>(改行タグ)、加えて“罫線”や“記号”や“単漢字”を駆使して図を表示させる事も考えられます。
“罫線”や“記号”や“単漢字”を駆使せずに、アスキーアートを応用するのも可能でしょう。
経路図も、絵地図の例同様に作成することができます。

日程に関しては、オフライン同様にメモ程度にタイムテーブルを組むので十分でしょう。

さいごに

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月刊TRPG.NET 2004年06月号

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