D&Dであれこれ:自然洞窟という名の敵

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D&Dであれこれ:自然洞窟という名の敵

 DMをする事の多い僕は、自然洞窟が嫌いです。逆に人工のダンジョンは大好きなのです。そこで今回は世の生けとし生ける全てのDMに向けて、自然洞窟の邪悪さ、そして人工ダンジョンの素晴しさを伝道しようと思います。

何故、自然洞窟は駄目なのか

 理由は至極簡単、自然洞窟内部には90°及び45°以外の角度が大量に存在するから、です。

 何故、90°及び45°以外の角度が大量に存在してはいけないのでしょうか。理由は簡単です。僕の持っているフロアタイルはFM企画から発売されている『AC01フロアタイル』な訳です。そしてこれを適当な大きさに切り離して使っています。つまり、これを並べてダンジョンを構成する限り原則的に90°の角度しか表現できないのです。30°とか60°とか比較的実現しやすい角度ならまだしも、自然洞窟にはそんな人工的な角度が存在する筈もなく、僕の直線に区切られたタイルでは表現できない憎々しいスロープばかりなのです!! 全く困ったものだ。

 何もこれは僕の我儘ではありません。多くのDMは、それぞれの線が直交するグリッドの描かれたフロアタイルを使用しているのです。そんな道具を使っている我々にとって、蛇の胴体のように捻じ曲った通路などというのは敵に他ならないと断言できましょう。

ジーク、人工ダンジョン

 自然洞窟の悪い点が分かった今、人工ダンジョンの良さは一目瞭然です。

 兎にも角にも90°や45°というフロアタイルで表現し易い角度が満ちている事。これは何もDMだけが喜ぶ訳ではありません。マッパの役目を仰せ遣っているプレイヤにも恩恵があるのです。僕のキャンペーンではダンジョンが自然洞窟から人工ダンジョンに変わる度にマッパのプレイヤは涙を流して喜んだものです。

 これ以外にも人工ダンジョンには良い点があります。それは人工であるが故に、様々なトラップを仕掛易い事です。例えば自然洞窟で「200ポンド以上の重量を感知するや否や四方に厚さ10インチもあるアダマンタイン製のシャッタが降り、それと同時に空間はクラウドキルで満たされる」なんてトラップがあったら、それは不自然洞窟になってしまいますが、これが人工のダンジョンであれば、なんら不思議な事では無い訳です。

やっぱり嬉しくない自然洞窟

 実は自然洞窟はプレイヤにとっても好ましく無い存在なのです。

 何となれば、自然洞窟の住人の多くは動物やら植物やらな訳です。コイツらは基本的に財宝を持っていません。当然です。その割に戦ってみると動物は肉弾戦闘能力が高いし、植物は変な特殊能力を持っている事が多く簡単に倒せる訳でもないのです。ハイリスク・ノーリターンで喜ぶプレイヤなんていません。存在するとしたら、その人はマゾなんでしょう。

 逆に人工ダンジョンであれば、文明化された生物が住んでいる可能性が高く、またそういう連中は何らかの形で財宝を所持しています。場合によっては話し合いをする事も可能なのです。

 しかし、そんな自然洞窟にもDMにとって1つだけ嬉しい点があります。それは全世界に存在するDMが愛してやまない存在――ドラゴンの住居である、という点です。さて、来月のセッションの為に、自然洞窟を準備するとしますか。(愛すべきドラゴンの巣へ続く)

さいごに

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月刊TRPG.NET 2004年06月号

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