オンラインセッションを利用したリプレイ作成講座「リプレイへの道」

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オンラインセッションを利用したリプレイ作成講座「リプレイへの道」




 オンラインセッションを利用したリプレイの私の作り方を解説したいと思います。

リプレイを作る前に

 何のためのリプレイを書くか明確に決めましょう。
 読み物か、ルール解説用か、システム紹介用か、もちろん、リプレイを書くためにリプレイを書いてもいいです。
 明確にすることによって編集の仕方などを特化できるためです。
 また、GMとリプレイを作る人は同じでも別でもかまいません。別の方が面白い傾向にあります。

セッション

 基本的にメンバーは
・プレイのパターンを把握できる
・PLの場合、明確にPLの役割を分担できる
・プレイの質が安定している
 で選びます。
 そして、面白くないセッションだった場合、そのセッションはなかったことにして、最初からやり直しましょう。

編集の前に

 編集する前に定型を決めないといけません。
 例えば、ダイスを振っているところを表す描写、氏名表示、三点リーダなどの記号などです。読みやすくするためにこれらを統一しなければなりません。

第1次編集

 オンラインセッションの場合はログがのこるので、オフラインと違ってテープ起こしなどをせずに、直接それを編集できます。それがオンラインセッションのつかったリプレイ作成の最大の利点でしょう。
 コマンドや時刻表示の削除、氏名の入れ替えなどを行います。
 これは、テキストエディタの置換機能で行うので、簡単にすぐすみます。

編集前

00:59 <#真夜中の☆お茶会2:MIZUHO> そしてUGN支部のある雑居ビルへ。ここは消費者金融の看板を出しているし、消費者金融なのだが、実はUGN支部なのだ。資金源にもなってる。
01:00 <#真夜中の☆お茶会2:Ayano> #せこいなw
01:00 >#真夜中の☆お茶会2:KOUSUKE< #せこいぞ(笑)
01:00 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> #ああ、楽だな(ぉ
01:00 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> 「? なんだい、朝っぱらから
01:00 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> 」
01:00 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> by職員
01:01 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> 職員「2人とも、学校はどうしたの?」
01:01 <#真夜中の☆お茶会2:MIZUHO> 「瞳っ! 天野瞳のデータっ! てゆーかあんた! 今まであたしを騙してたのっ? そうならただじゃおかないからねっ」
01:01 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> 職員「騙す?」
01:01 <#真夜中の☆お茶会2:MIZUHO> とにかく端末使うわよっ
01:02 <#真夜中の☆お茶会2:Ayano> 「…………相変わらず無意味に元気ね………」
01:02 <#真夜中の☆お茶会2:MIZUHO> そして情報(UGN)を
01:02 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> 職員「ああ」あっけにとられている
01:02 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> どうぞ
01:02 <#真夜中の☆お茶会2:MIZUHO> 3r10
01:02 >#真夜中の☆お茶会2:KOUSUKE< #がいるです
01:02 <#真夜中の☆お茶会2:dice_drag> KOUSUKE:1d10=(9)=9
01:02 <#真夜中の☆お茶会2:MIZUHO> #3r10
01:02 <#真夜中の☆お茶会2:dice_drag> MIZUHO:3r10=(9,8,10)=Critical!!
01:02 <#真夜中の☆お茶会2:dice_drag> MIZUHO:1r10=(7)=7+10=17
01:03 <#真夜中の☆お茶会2:MIZUHO> +1で18
01:03 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> では、聞く。瞳が生きているのとの死んでいるの、君はどっちがいい?
01:03 <#真夜中の☆お茶会2:MIZUHO> それはもう、生きていることにしてください
01:04 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> 別に、不審な点はない
01:04 <#真夜中の☆お茶会2:MIZUHO> 「うそ……生きてる……っていうか、一度も死んだってことになってない……」
01:04 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> 死んだという事実もなければ、隠れていた事実もない
01:05 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> 職員「で、どうだった?」
01:05 <#真夜中の☆お茶会2:Ayano> GM−情報屋に電話してこの付近で死んでいたと思われていた人間が生き返ったとかいう事件が起こってないか調べて良い?
01:05 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> 心配そうに聞く優しい職員
01:05 <#真夜中の☆お茶会2:DXGM> 聞いていいよ

編集後

瑞穂 :そしてUGN支部のある雑居ビルへ。ここは消費者金融の看板を出しているし、消費者金融なのだが、実はUGN支部なのだ。資金源にもなってる。
綾乃 :#せこいなw
浩介 :#せこいぞ(笑)
GM  :#ああ、楽だな(ぉ
GM  :「? なんだい、朝っぱらから
GM  :」
GM  :by職員
GM  :職員「2人とも、学校はどうしたの?」
瑞穂 :「瞳っ! 天野瞳のデータっ! てゆーかあんた! 今まであたしを騙してたのっ? そうならただじゃおかないからねっ」
GM  :職員「騙す?」
瑞穂 :とにかく端末使うわよっ
綾乃 :「…………相変わらず無意味に元気ね………」
瑞穂 :そして情報(UGN)を
GM  :職員「ああ」あっけにとられている
GM  :どうぞ
瑞穂 :3r10
浩介 :#がいるです
dice_drag> KOUSUKE:1d10=(9)=9
瑞穂 :#3r10
dice_drag> MIZUHO:3r10=(9,8,10)=Critical!!
dice_drag> MIZUHO:1r10=(7)=7+10=17
瑞穂 :+1で18
GM  :では、聞く。瞳が生きているのとの死んでいるの、君はどっちがいい?
瑞穂 :それはもう、生きていることにしてください
GM  :別に、不審な点はない
瑞穂 :「うそ……生きてる……っていうか、一度も死んだってことになってない……」
GM  :死んだという事実もなければ、隠れていた事実もない
GM  :職員「で、どうだった?」
綾乃 :GM−情報屋に電話してこの付近で死んでいたと思われていた人間が生き返ったとかいう事件が起こってないか調べて良い?
GM  :心配そうに聞く優しい職員
GM  :聞いていいよ

第2次編集

 文章の前後の入れ替えや、誤字訂正、ダイスをふる描写、複数行における氏名表示の訂正などを行います。
 テキストエディタで1行1行読みながら修正していきます。
 この段階を終えると、だいたい読めるような状況になります。

第2次編集後

瑞穂 :そしてUGN支部のある雑居ビルへ。ここは消費者金融の看板を出しているし、消費者金融なのだが、実はUGN支部なのだ。資金源にもなってる。
綾乃 :せこいな(笑)
浩介 :せこいぞ(笑)
GM  :ああ、楽だな(笑)

    職員「? なんだい、朝っぱらから」

    職員「2人とも、学校はどうしたの?」
瑞穂 :「瞳っ! 天野瞳のデータっ! てゆーかあんた! 今まであたしを騙してたのっ? そうならただじゃおかないからねっ」
GM  :職員「騙す?」
瑞穂 :とにかく端末使うわよっ
綾乃 :「…………相変わらず無意味に元気ね………」
GM  :職員「ああ」あっけにとられている
瑞穂 :そして情報(UGN)を


 さいころころころ

瑞穂 :+1で18
GM  :では、聞く。瞳が生きているのとの死んでいるの、君はどっちがいい?
瑞穂 :それはもう、生きていることにしてください
GM  :別に、不審な点はない
瑞穂 :「うそ……生きてる……っていうか、一度も死んだってことになってない……」
GM  :死んだという事実もなければ、隠れていた事実もない

    職員「で、どうだった?」心配そうに聞く優しい職員
綾乃 :GM−情報屋に電話してこの付近で死んでいたと思われていた人間が生き返ったとかいう事件が起こってないか調べて良い?
GM  :聞いていいよ

校正

 この段階で、全文を一度印刷します。そこで、赤ペンを使い校正をかけます。
 印刷するのは、紙で読んだ方が全体を把握でき、誤字等を発見しやすいためです。

第3次編集

 校正の結果をテキストの方に反映させます。

第4次編集

 オンラインの場合、タイピングの関係上、描写が大雑把だったり、略語をよく使います。
 ですから、なるべく、いろんな人にわかるように描写を細かくします。その際、なるべく、そのPLの言葉で元の文をいかしつつ修正します。

編集前

綾乃 :まずハンドレットガンズ

    で、オウガシューティングね

編集後

綾乃 :まずハンドレットガンズで銃を作り出す。で、オウガバトル+シューティングシステムで、それを撃つね


 また、分かりづらい用語に対しては注釈をつけます。

注釈例

▽ワークスとカヴァー
 ワークスとは、その人本来の職業という意味で、能力に直接関係します。
 カヴァーとは、その人の見た目の職業で、能力には直接には関係しません。
 例えば、ワークスが探偵で、カヴァーが小学生なら、あの“見た目は子供、頭脳は大人その名は名探偵……”ができます。

最後に

 これで校正を行えば、リプレイの完成です。
 今回のリプレイの編集時間は、約10時間です。
 セッション時間が打ち合わせの時間も合わせて、約10時間ですので、たった20時間でリプレイを作れるのです。
 どうですか? リプレイを作ってみませんか?

さいごに

感想・執筆宣言は一行掲示板001へどうぞ。

月刊TRPG.NET 2003年10月号

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