TRPG.NET > 月刊TRPG.NET / 2003年10月号 >
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どうも、死せる詩人です。10月号はオンラインセッション特集。しかし残念なことに、僕はオンラインセッションの経験が殆どありません。そこで今回は、D&Dのオンラインセッションについて造詣の深い僕の大先輩であるゲイリィ・ムーア・スキップ・クック・K・グリーンウッド先生にお話を伺いました。
オンラインセッションというのはD&D3Eには向かないプレイ形態だと考えている。3Eの醍醐味は、タクティカルな戦闘であるし、オンラインでのセッションはタクティカルな戦闘に向かない。更に言うならば、強く20面体を握りしめ裂帛の気合いを込めて振ることも出来ず、丹精込めて塗装したメタルフィギュアを喜色満面に配置することも能わないのである。
斯様な状態で3Eを楽しむことは、赤子の手を捻るよりも遙かに難しい。しかしそんなオンラインセッションでも、やむにやまれぬ理由でしなければいけない場合も色々とあるだろう。やんごとなき事情で以前一緒にプレイした友人と離ればなれになってしまった、休日が不定期に訪れる仕事に就いている、唖者である、友人がいない、警察に追われている、貧乏でサイコロが買えない等、数え上げれば6つしかない。
百戦錬磨の愚生から、そんな諸君達に、3Eをオンラインでプレイする上で欠かさざるべきトリビアルな事柄を紹介しよう。
何にもまして必要不可欠な存在と言えよう。何しろ彼等彼女等が揃ってくれないことには、折角のオンラインセッション計画も諸君らの脳内妄想として繰り広げる事しか出来ない。よしんば妄想セッションが完遂できたにしても、精々それをリプレイに仕立て上げ自分のサイトの看板コンテンツにする程度で終わってしまう。
オンラインセッションは、通常のそれに比ぶれば遙かに所要時間が要る。であるが故に、参加者の人数は通常よりも少人数とし、最適な数は8〜10人となる。
参加者が揃ったならば、次にシナリオが必要になろう。これは妄想セッションをするに当たっても必須故に心して準備しなければいけない。オンラインセッションに向いたシナリオのアーキテクチャが明確に存在するので、そういった事について言及されたサイトを研究し、複雑怪奇で戦闘が多く大学ノート1冊分に及ぶ迷宮シナリオを作ると良い。
オフィシャルシナリオは、戦闘を主眼に置いた物が多いため、こういった場合にはお勧めはしない。そんな中でも、お勧めできるはつい先頃日本語版も発売された『夢でささやく者/The Speacker in Dreams』だろう。このシナリオは、シティシナリオでありながら、まるでダンジョンを進んでいるかの如く次々に戦闘が発生する。そのエキサイティングな展開にプレイヤは血湧き肉躍り、潰れんばかりの握力で20面体を握りしめ、合気道の達人もかくやというすざまじい気合いでサイコロを振ることだろう。
何度も言うがオンラインセッションは時間がかかる。なかんずくキャラクタ作成は、太陽が5°も昇る程長い時間を要する。
であるからして、実際にセッションに取り組む前に、参加者全員で何処か一カ所に集まり顔を突き合わせながら、あらゆる事前準備をすませなければならない。例え参加者の中に、スケジュール調整が困難な者、海外に住んでいる者、唖者、椅子などが居ても絶対に全員で一度に集まるのだ。
此処まで終えてしまえば、後は問題は少ない。当日素早くルールを確認する為に、ありとあらゆるルールサマリを作成し、連絡用のサイトを用意し、適切なチャットソフトを選び、オンラインセッション用の自作CGIを完成させるだけなのだ。
では諸君、良いセッションを。
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