ダンジョンズ&ドラゴンズであれこれ:君の名は

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ダンジョンズ&ドラゴンズであれこれ:君の名は




 少し古い話をしよう。僕がAD&D2ndに夢中だった頃、とあるキャンペーンで 僕はローフル・グッドのクレリックをやっていた。
 とあるダンジョンに潜っていたときのことである。いろいろあって僕のキャ ラクタは死んだ。死ぬこと自体はしょっちゅうあるし別段驚くことでもない。 お金払えば復活するし。
 しかし、僕が死んだのはダンジョンの半ばでまだまだ戦闘が激化するのはこ れから。パーティの皆もクレリックを必要としているし、何よりプレイヤの僕 が暇だ。それを憂いた優しいとあるプレイヤの人が、頑張って僕を直ぐに復活 させる算段をしてくれた。

 ところでAD&Dには二種類のリーンカーネーション呪文がある。片方はメイジ リンカと呼ばれているもので人間やエルフ、オーガ、ミノタウロスなどに転生 する。もう片方はドルイドリンカと呼ばれるもので人間やエルフ、熊、狼、鹿 などに転生する。
 通常リンカといえば、冒険者の間ではメイジリンカの事を言う。なぜならメ イジリンカの行き先は所詮悪くてもオーガ程度なので冒険を続けるのは容易だ からだ。流石に鹿じゃあダンジョンには行けない。

 で、復活する算段をしてくれた。方法はリンカだった。僕は「よし、頑張っ て人間とかエルフとかドワーフに転生できるように神に祈ろう」と思ってダイ スを振った。値はいくつだったか忘れたがマスタに告げると、こう言われた。

「じゃあ、鹿」

 僕は鹿になった。
 その後は破れかぶれで哀れな子羊ならぬ子鹿のままダンジョンに潜り、何故 か扉をくぐったら星界に飛ばされドラゴンがいたのでチャージしたらまた死ん だ。でまた頑張ってくれたプレイヤがいて、リンカした。今度こそは「人間か エルフかドワーフ!」と強く念じてダイスを振って、マスタに告げた。

「じゃあ、熊」

 僕は熊になった。
 そのあと、ダンジョンの最後で「デック・オブ・メニィシング」というアー ティファクトを発見した。これは要するにタロットで、引くと絵柄によって良 い物から悪い物まで激しい効果があるという物だ。中には「魂の牢獄に囚われ、 如何なる方法でも救出できない」とか書かれているものもある。
 どうせ僕の余生は熊なので、何があっても怖くはない。勢い勇んでデックを 引いた。すると、

「これはアライメントチェンジだね。あなたはケオティック・イビルになりま した」

 僕はケオティック・イビルの熊になった。
 もうこれはモンスターである完全無欠に言い訳の余地無く。目が血走って暴 れ回る熊がいたら倒すだろうみんな? 僕もそう思う。

 結局、アライメントは呪文で直したけれどまだ僕のクレリックは熊のままだ。


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死せる詩人さんの「Dead Poet Society」


さいごに

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月刊TRPG.NET 2003年01月号

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