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いいえ、コンベンションGMはそれだけでは不十分です。以下に、そのことを
表す顕著なエピソードをご紹介します。
「ええ、当日の準備は万端でした。ルールや世界観を説明するためシート類や
スピーチの原稿も用意していましたし、シナリオはシステム初心者の人にもわ
かりやすい、アクションに次ぐアクションのテンポが良く派手めのものを用意
してたんです。すでに3回プレイしてるやつで。
これだけ準備したんだから、トラブルなんておきるはずがない。TRPGを遊ん
だことさえあれば、絶対に楽しんでもらえるはずだ。そう思ってましたよ。で
も、卓決めが終わってテーブルについたプレイヤーさんたちを見て、そんな自
信はあっけなく砕けちまいましたさ。
だって、プレイヤーに殴米人の方がいるんですよ!!
……なんでもフランスの方で、日本にきたばかり。会話は普通にできるが、
漢字はあまり得意じゃないっていうじゃありませんか。おかげで用意したシー
ト類ははやくも封印が決定ですよ。なにしろ最初にやった作業はキャラクター
シートにルビを振ることでしたからね。とてもシートにルビをふってる時間は
ないわけで。
そうそう、彼の知ってるゲームを聞き出して、その用語を使ったりもしまし
たね。だから《夢と希望》(*1)はゲーム中ずっと「カルマ」(*2)と呼んでまし
たよ(笑)
もちろん、きっちり遊んで卓の人全員に楽しんでもらいましたよ。非常にし
んどかったですけど、今となっては良い経験でした。日本のTRPGのこと知りた
がってたんで、ちょうど間近に迫っていたJGCのこと教えてあげました」
このケースは準備をしたものの、それが上手く機能しなかった好例ですね。
このケースから引き出せる教訓は以下の3つ。
・準備をすることは大切だが、当日の面子に合わせて取捨選択しよう
・面子のゲーム歴やプレイ傾向を聞き出してセッションに活かそう
・多少つらくても、終ってしまえば笑い話で済む
余談ですけど、SNEのJGCレポートにそれらしい人の話が出てますね。
その他のイベント&トピックス
*1 「ブルーローズ」でのヒーローポイントのようなもの。
*2 「シャドウラン」でのヒーローポイントのようなもの。
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