トラベラー雑談所 LOG 002

トラベラー雑談所の1998年11月14日より1999年10月11日までのログです。


1999年10月11日:10時35分37秒
戦闘アーマーとバトルドレスの違いについて / masaki
 長年の疑問です。 MTプレイヤーズマニュアルを読んでいるとp75の個人防具表でTL12の戦闘アーマー(以下、アーマー)の装甲度が10,TL13のバトルドレス(以下ドレス)の装甲度が同じく10ですが、これはなにかのミスなのでしょうか。
 解釈は2つあると思うのですが 1.誤植でありどこかに正誤が示唆されているが私が知らない。 2.アーマーの上級タイプがドレスではあるけれどもそれは個人能力の向上、フュージョンガン、プラズマガンの使用という部分だけであり、防御力は違いはない。そしてアーマーの防御力はTL13でも変化はなく、よってTL13のドレスも装甲度は10である。 実際、TL14ではアーマーもドレスも装甲度18ですものね。
 しかし、そうするとアーマーとドレスの外見上の違いはどうイメージすれば良いのでしょうか。
 GDWのイラスト(反乱軍ソースブックp88)にアーマーが説明されていますが,内部透視図を見ると筋力強化なども行なわれている様です。
 私は能力上昇機能のついた防具は「軽バトルドレス」と捉え、それに加えてフュージョンガンなどの銃器使用が可能になるものを「重バトルドレス」と考えてみた方が実際的かなとも思っています。
 このヘンの感覚はメタルヘッドにおける、オートプロテクターとコンバットシェル(コンバットシェルは防具というよりも乗り物という気もしますが)ぐらいに捉えればいいと思います。 しかし,マークミラー氏が具体的にバトルドレスのイメージを提示してくれればわかりやすいのですが、私はドレス のイラストを見たことがありません。  
1999年10月07日:22時49分44秒
みんなで世界を持ち寄ってみたら / masaki
 世界観ということであれば、ひとつのテーマを異なるメンバーでそれぞれ創作してみると面白いかしれませんね。
 例えば、「トラベラー世界に適合するモビルスーツを設計しなさい。」とか、「星界の紋章」のアーヴ作成ルールを作りなさい 銀英伝ならば、「イゼルローン要塞を作製しなさい。」などなど。
 料理の鉄人がひとつの材料でさまざまな料理を競い合う様に。
 世界観のずれはレフリーがやりやすいように吸収していけばいいわけでjunnkieさんのいうようにそのほうが多様な発想の設定が出来ますね。それがセンス・オブ・ワンダーを産むもとですよね。
1999年10月02日:00時26分11秒
プレイヤによる世界設定 / Junnkie

 私が属するセッション・グループでも、世界設定や背景設定の一部をプレイヤが担当する、ということがありました。というか、レフェリーが手抜きの一環としていつもそうしていました(笑)。その方が多様な発想の設定にできるし、人によって詳しい分野は様々ですからね。

 ただ、相手の傾向とか世界観を大体把握していないと、とんでもないことになってしまう危険性もあるので、公開型のサークルやコンベンションではなかなかうまくいかないような気もします。特にトラベラーの場合は、システムや背景世界がPCに何をしろと言っているのかがはっきりしないと言う欠点(そこが良いんだけど)がありますから。


1999年09月28日:22時34分37秒
赤いオムレツ / masaki
 はじめまして、Yoriさん。 さて、世界を造ることでいえばレフリーとプレイヤーの掛け合いも大切ですね。
 私がレフりーしたときの話。
 食堂に入ったプレイヤー。
 プレイヤー「オムレツひとつ。」
 レフリー 「へい、オムレツ一丁」
 プレイヤー「どんな、オムレツだい?」
 レフリー 「(う-んどうしよう)、見た目が真っ赤なオム       レツだ。」
 プレイヤー「それは○○星の△△トカゲの卵を使ったの       かい?」
 ということで○○星には△△トカゲが生息していることになりました。黄身が赤い、いや赤身のある卵を産む異星生物が誕生しました。
 
 トラベラーはこんなノリでも世界が造れるのです。 世界作成はレフリーとプレイヤーのひらめきがすり合わされて深みがでてくるんだなぁと思った次第です。
 
1999年09月28日:01時44分45秒
Re:自由という不自由 / Yori
ども 久しぶりの書き込みです(苦笑)
 
>主要な世界以外はレフェリーにお任せ状態。その分楽しいけど
>面倒。プレイヤーもキャラ作るのに一苦労。
  レフェリーだけでなく プレイヤーにも作成させるのも手ですね。 出身世界ぐらい作れよ、とか。
  シナリオもレフェリーに合わせて、というよりもキャラクター/世界に合わせた方が楽だし。 レフェリー・プレイヤー共、やりたいことをやる、 そのためには準備も惜しまないというのが、一番楽に出来るのかも・・・。 事前の打ち合わせは必要だけど。
1999年09月27日:23時23分44秒
研究基地ガンマ売ります。 / kosaku
 >hce02766@nifty.ne.jp
 新品未開封です。
 管理者様、邪魔なら消してください。
1999年09月27日:22時31分46秒
自由という不自由 / Junnkie

 トラベラーには公式な背景世界が一応ありますが、主要な世界以外はレフェリーにお任せ状態。その分楽しいけど面倒。プレイヤーもキャラ作るのに一苦労。
 
 シナリオ作るときも「SF」、まあ「スペースオペラ」というまでで、銀河英雄伝説も銀河乞食軍団もありなので、どんな物を作るかはレフェリーまかせ。あらかじめどんな型のセッションになるのか打ち合わせておかないと、シナリオとPCがとんでもなくちぐはぐになってしまうこともありますよね。海洋世界の冒険なのにだれ一人船舶関連の技能がない、とか(笑)。
 
 好きにできる分、手間も要求されますよね。そこがこのゲームの長所で欠点でもあると思います。CTまでさかのぼるとさすがにルールが大雑把すぎる気もしますが。
1999年09月25日:21時11分35秒
世界のゴッタ煮 / masaki
 台風一過。
 そうなんですよね。「庶民的大宇宙活劇」。イメージピッタシなコピーですね。
 私はトラベラーシリーズはいろいろなSFを包含する寛容性を持つシステムで、どんなSFを再現するかはレフリー次第だと思っています。
 これは今は亡きTACCONに参加した時の話。
 キャラクターの名前を決める時、タイ人の名前を選んだらレフリー不許可。いわく「英米系にして欲しい。」 その後私の偵察局のキャラクターで酒場に入った。
 バーテン(レフリー)   「ご注文は」
 私           「焼酎」
 バーテンではなくレフリー「ちょっと待ってくれ。焼酎              は世界観と違う」
 こんな経験は私だけでしょうか。このあと、レフリーは 気分を害したらしく投げやりなセッションになってしまいました。どうもレフリーは欧米人世界を舞台にするのが正道だと思っていたらしく、アジア系キャラクターをしたかった私の言動が勝手なものに思えたらしいのです。今思えば初対面のレフリーとコミュニケーション不足が一番の原因なのですが、レフリーの方もトラベラーの自分の持っている世界に意固地になっていたような気がするのです。
 トラベラー世界の人々はいったいどんな人間関係の中で生活しているのでしょうか。惑星に貼りついて生活している人々を別にするとまさに「旅人」は多種多様な人々と接しているのでしょう。欧米系アジア系アフリカ系などといった枠はもちろん小さいもので、TLの高い惑星ではサイバーな人々はもちろんクローンやバイオロイドと会うだろうし、ソラリスの海やハイロードといった人類と全く違う知性体、知性化されたイルカやチンパンといった人間が゜手を加えた知性体、バーサーカーなロボットなどにも出会うでしょう。そんな状況を一般庶民が体験する時の「センスオブワンダー」が感じられるのがトラベラーの魅力だなと思います。
 ところで雑多な人種、民族、文化のゴッタ煮といえば 今日泊亜蘭氏の「我が月は緑」が最高。こんな世界を再現したいなぁ。
 
1999年09月24日:03時34分38秒
庶民的大宇宙活劇 / Junnkie

 おっしゃるとおり、庶民的なおっさんやおばはんがやたらとできる点では右に出るシステムはないでしょう(笑)。銃で撃たれりゃすぐ死ぬし、借金取りに追われてひいひい言いながら商売に精を出す。生活そのものがすでに冒険ですな。実生活ではそんな目に遭いたくないけど(笑)。
 
 雰囲気としては、確かに浦沢作品も相性良さそうですね(「YAWARA」や「HAPPY!」は除く)。「銀河乞食軍団」もそうなんですが、単独の主人公のキャラクターに頼ってぐいぐい話が進むんじゃなくて、いろいろな人の思惑や事情が絡み合って話ができていく、どちらかというと作品世界の味わいで読ませる作品の方がトラベラーっぽい感じがしますよね。トラベラー自体がそうなんだから当然といえば当然なんですが。
 
 「スペースオペラの書き方」の中に「トラベラー・ハンドブック」についての記述を見つけたときには「うおー、なぜ買っておかなかったんだー」と改めて悔しい思いをしました。でも、TRPGのセッションでスペオペみたいなきれいな展開にしようと思うと、レフェリーがかなり恣意的に介入しないといけなくなりがちなので、難しいですよね。
 
 CTの箱絵で一番印象的なのは、やっぱり基本ルールです。「すっげー、SFだよ」ってわくわくしたもんです。
1999年09月20日:21時39分39秒
トラベラーと乞食軍団 / masaki
 秋なのに照りつける日差しでまた日焼けしたmasakiです。
 さて、Junnkieさんの言うとおり乞食軍団の雰囲気は、トラベラーに合うと思うのです。トラベラーの持ち味のひとつはやはり「庶民的なキャラクター」を再現しやすいころにあると思うのです。そして、「ヤングトラべラー」ルールを参考に「オネジっ子」作成ルールを作っているのですが今だ納得できません。またその区分で言えば、漫画家の浦沢直樹氏の作品「パイナップルアーミー」や「マスターキートン」「モンスター」などのスーパーではないヒーローはピタリ!再現しやすいと思うのですがみなさん、どうでしょう。
 ちなみに乞食軍団の著者である野田昌弘氏の「スペースオペラの書き方」という本では「トラベラーハンドブック」がストーリー作りの参考図書として紹介されています。野田氏も「トラベラー」を知っていることに感心しつつ、シナリオを作ってくれたら面白いですね。
 一方で、スーパーなヒーローを再現するためには超能力者やサイバー化で対応してみようかなと考えています。それだけの寛容性がトラベラーには有ると思うのです。SF作品で言えばブルース・スターリングの「スキズ・マトリックス」なんかはピタリです。
 CTのボックスアートは最高ですね。現在、家の中を整理中なのでかさばるトラベラーボックスを処分しなければならないのですが、表紙だけ切取っておきます。特に「宇宙海軍」と「偵察局」がGOODですね。
 
1999年09月20日:01時30分29秒
サイバー化、etc. / Junnkie

 久しぶり(10ヶ月!)の投稿になります。みなさんお久しぶりです。はじめましての方もいらっしゃるようで、よろしくお願いします。ずいぶん前に GURPS:Traveller のやたら長文な感想などを投稿してご迷惑をおかけしてました Junnkie と申します。先月、旧友と久々に『リヴァイアサン』キャンペーンのセッションをすることができました。私たちのグループでは、ここ何年かT4のルールを使っています。GTも買ってはいるんですが、ざっと目を通しただけになっています。

>Phoenixさん

 と言うわけで、作ってらっしゃるサイトのトラベラーのページの充実を期待してます。日本語のGTのWWWページって、この星では唯一なんじゃないでしょうか。それだけでも貴重ですし、なによりも実用的な内容で大変助かります。

>masakiさん

 『トラベラー・ハンドブック』をもってらっしゃるんですか。気づいたときには入手不可能になってて、残念な思いをしたんですよ。タクティクスの連載とかは読んでたんですが。昔は実用的な記事がたくさん載っていたんですよねー。私も歴代ルールのなかで使った回数はMTが一番多いですね。単純に日本語版ではこれが最新版、ということもありますが(苦笑)。TNEも訳して使ってみましたけど、今ひとつ肌に合わなかったなあ、というのが正直な感想でした。

 背景世界として『銀河乞食軍団』というのは私も実は一時期考えたことがあります。妙にトラベラーとぴったりハマッているような感じがするなあ、とよく考えてみたら、加藤直之氏によるイラストであんなに近い感じがするんでは、と気がつきました。CTのボックスアートはイイですよね。

 キャラクターのサイバー化については、TNEのサプリメントに簡単な記述とルールがありました。実際使ってみたことはないんですが。MTには貴族がサイバー化しているのがばれるとスキャンダルになる、みたいな記述もあったような気がしますから、(公式の背景世界では)何らかの文化的禁忌になっていると解釈しているんですが……。確かにGTなら、サイバー化でも、超能力の拡張でも、呪文の使用でも、変身してヒーローになることでも(笑)トラベラーでできなくはない、ということになりますね(それをトラベラーと呼ぶかどうかはまた別問題ですが)。でもおっしゃる通り、サイバー化くらいはしておいた方が今風のSFっぽくて良いとは思います。


 なんでこんなおっさんおばはんばっかりしかできんのじゃ、と疑問に思いつつプレイしてた中学生の頃(10年以上前だよ……)には、超小型通信機は想像できても「ケータイ」なんてものは全く思いもつかなかったもんです。そんで高度なTLの星を管理してるのは巨大な「マザー・コンピューター」(笑)。SFってたいへんだよなあ。

1999年09月16日:23時51分47秒
トラベラーとサイバーパンク / masaki
 トラベラー世界にサイバーパンクの要素は導入出来ないのでしょうか。つまり、もっとサイボーグなキャラクターや頭脳宇宙船をキャラクターにいれるということです。
 私の手元にはトラベラーハンドブックの「続黄昏の峰へ」キャンペーンリプレイのなかで出てくる左腕がサイバー化された女性NPCしか参考になる資料がないのです。
 もちろん、メンテナンスの関係などで高度なサイバーは 低TLの世界などには行けないのかなと考えたりもしますが、傭兵部隊などではサイバー部隊があっても違和感がないと思うのですが。
 私は英文が苦手なため、GURPS TRAVELLERは読んでいませんがうまくいけば、GURPS CYCBERPANKと接続できるということですよね。
 宇宙戦闘機乗りなんかは、ジャックインしていた方が効率的だと思うのですが、
 だれか、実践していませんか?
1999年09月12日:22時05分55秒
トラべラー整理中 / masaki
 またまた、masakiです。 現在、家の都合で書棚のタクティクスとRPGマガジンを整理中です。
 古いバックナンバーのなかには興味深い記事も多い。 例えば、18歳以下のキャラクター作成ルールである「ヤングトラベラー」や「アスラン人」「ダリアン人」「ゾダ―ン人」作成ルール、異星ではなく異性接触ルール、宇宙海軍軍人としての給与やパトロンのヒント、砂漠の超人「イルクラン」作成ルールなどなど非常に多彩な内容か゛ トラベラーの懐の深さを感じさせます。
 また、「トラベラーでSFする」という記事では「夜来たる」や「人間の手が触れない」「歌う船」など海外の異世界SFのヒントを紹介したものでそこで紹介された作品を必死で読んでいたのがなつかしい。ところで、私はずっとトラベラーで日本産SFを再現したいと思ってこつこつ背景データを作成しており、銀河乞食軍団などは結構いい感じで使っていました。もちろん、大臣さんのように銀英伝を再現するのも感心することしきり。
 自分では「クラッシャージョウ」や「敵は海賊」「レモン・トロツキーシリーズ」を作りたいと思っていますが どなたか実際にプレーされた方はいらっしゃらないでしょうか。
 
1999年09月12日:22時05分52秒
トラべラー整理中 / masaki
 またまた、masakiです。 現在、家の都合で書棚のタクティクスとRPGマガジンを整理中です。
 古いバックナンバーのなかには興味深い記事も多い。 例えば、18歳以下のキャラクター作成ルールである「ヤングトラベラー」や「アスラン人」「ダリアン人」「ゾダ―ン人」作成ルール、異星ではなく異性接触ルール、宇宙海軍軍人としての給与やパトロンのヒント、砂漠の超人「イルクラン」作成ルールなどなど非常に多彩な内容か゛ トラベラーの懐の深さを感じさせます。
 また、「トラベラーでSFする」という記事では「夜来たる」や「人間の手が触れない」「歌う船」など海外の異世界SFのヒントを紹介したものでそこで紹介された作品を必死で読んでいたのがなつかしい。ところで、私はずっとトラベラーで日本産SFを再現したいと思ってこつこつ背景データを作成しており、銀河乞食軍団などは結構いい感じで使っていました。もちろん、大臣さんのように銀英伝を再現するのも感心することしきり。
 自分では「クラッシャージョウ」や「敵は海賊」「レモン・トロツキーシリーズ」を作りたいと思っていますが どなたか実際にプレーされた方はいらっしゃらないでしょうか。
 
1999年09月06日:21時59分28秒
メガ虎しました。 / masaki
 はじめまして、masakiと言います。
 スタークエストを購入して「こりゃ、わからん」と思ってトラベラーを買い直して早、14年。それ以来、日本語訳で出たシリーズは、「第5次辺境戦争」以外全て購入してきました。(コピーでも欲しい)
 先月、パソコンを買ってトラベラーで検索してみたら、 このページを発見。皆さんのメールを見て、トラベラーの息の長さに感動している所存です。
 さて、先日実に5年ぶりにレフリーしました。システムはメガ虎。プレイヤーは知り合いの高校生。シナリオは銀河乞食軍団風のNPCに、「魔王子シリーズ」と「人間の手がまだ触れない」をミックスしたものでコミカルな内容になりました。若い者にも受けたみたいです。
 次はいつできるかわからないけれども年一ぐらいはしたいなぁ。
 また、暇見て書きます。
1999年07月30日:19時17分28秒
また、銀河の歴史が・・・ / 大臣
こんにちは。調子に乗って、また、リプレイ乗せます。
 Phoenix殿、貴重な情報ありがとう御座います。
 癸殿、うちはまともな船名つけないんです・・・(Hit&Get号とか。これって、殴って奪う号?)

 帝国暦1110年、人類は未だ戦乱の渦中にある。

帝国海軍第543艦隊旗艦クリシュナの艦橋で指揮官用CRTを見ていたウエーデル・バイヤー大将は自席で溜息をついた。
「なにか、問題でも?」気安く、総参謀長が声を掛ける。
「今から8時間後に我々はライスンにジャンプアウトする。敵艦隊が4パーセク以内に5個以上居ると考えられると云う君の意見に嘆息せずに居られないのだよ。」
「これは異な事を。我々参謀は指揮官に考えられる全てを示す事で給金を頂いております。小官の見る処、機能は完全かと。」手を後ろに組んできちんとした姿勢で総参謀長は答えた。
「いや、貴官等を不満と云っているのではなく、我々が直面する未来についてだ。」
「既にループ星系を出立する際に艦隊連絡艦に拠って、ジュエル星系陥落の報が在りました。この事からも今週迄でジュエル星域全土はゾダーン連邦の支配下となっていると推察できます。何しろ、我軍のジュエル星系に配備されている3個艦隊が敗走した訳ですから、あの星域にジャンプ可能な兵力は在りません。」 
 総参謀長は一呼吸置くと、眼鏡を外して拭きながら、上官を見た。尤も焦点が合っていない様子だが。
「それで彼等は満足しないで、リジャイナ方面に殺到すると?何とも強欲な連中だな。」
「彼等の戦略意図は明確です。つまり…」
「我々がもう参った、許してくれと言出すまで大兵力を集中運用し、艦隊決戦も辞さず、降伏しない星系へは降下作戦も辞さない、我々に対し有利な外交条件を持って交渉の席に着かせる事と我が軍の兵力を可能な限り暫減し、経戦能力を減少させる事…であろう?」
「その通りです。但し、彼等の攻勢限界点までですが。」と云いながら総参謀長は眼鏡を掛けた。
「そうして我々は暫減される兵力と云う役回りか?」バイヤーは眉をひそめながら、天井を仰いだ。
「いえ、少しでも攻勢限界に近づけるという役でしょう。」苦笑しながら総参謀長は答えた。
「何れにしても、ライスンに到着して報告を受け次第、敵艦隊の動向を予測して、決戦をする。それにライスンに敵が居る可能性が尤も大きい。交戦準備を念入りに頼むよ。ああ、前の泊地で指示済みだったな。」と、バイヤー大将は嘆息して、モニターに視線を移した。
「我が艦隊は実質正規艦隊5個相当の特別編成艦隊です。司令部の機能が万全ならば問題無いかと。」
「君が見た処どうかね。」今のは自分に対する挑戦かなと考えながら問うと、
「強いて云えば、指揮官が心配性で十分、お休みになっていないのが問題ではないでしょうか。ジャンプ中に何が出来る訳でも在りません。」
「…君は全く得がたい参謀だよ。助言通り、少し休むとしよう。」
その後、予定時刻に艦隊はライスンにジャンプアウトし、過ぎる50時間後に艦隊決戦の火蓋が切って落とされる。
結果、双方合わせて、120万もの死傷者を生産し、事実上、辺境での戦乱に終止符が打たれるのであった。
 Ende
1999年07月30日:13時35分23秒
On-Line TRAVELLER NEWS SERVICE / phoenix@fa2.so-net.ne.jp
 スティーブジャクソンゲーム社のページに掲載されている
 「オンライン版トラベラーニュースサービス」 の日本語訳を作成しています。
 興味のある方はご覧ください。 トラベラーニュースサービス日本語版 です。
1999年07月26日:12時40分08秒
汚職官僚ばっかし / 癸
とりあえず、MTでキャラクターを作って遊んでます。
なんか、私が官僚を作ると、必ず退職金(除隊一時金)もらえないんですけど(3回ふって3回とも−)。
しかも〈贈賄〉とか〈交渉〉のレベルが3になったてたりして……(ついでに〈コンピュータ〉もよく習得 します。きっと証拠隠滅とか裏帳簿作りに使ってたんだ)。
そういえば、私の友人Yは30人キャラを作って一人も大学を卒業できなかったと言っていた…(半数は入 学できなかった)。
それはそうと、「放蕩息子」って良いネーミングセンスですね。>大臣さん
1999年07月25日:16時05分02秒
銀河の歴史が・・・ / 大臣
また、リプレイ乗せます。御意見、御感想、御待ちしています。
 
 帝国暦1107年、人類は未だ戦乱の渦中にある。
「船長、ランス星系内ジャンプアウトまで1000秒です。」 半ば緊張した声が、航法コンソルのジョンソンからあがる。
 ここはA2型自由貿易船「放蕩息子」号のブリッジだ。
「そりゃ、モニター見てりゃ判るぜ、若いの。」
 その隣の操舵席のアキームが茶々を入れるのに、私は「先任、ジョンソンは未だ47回目のジャンプなんだ。訓練と思って、付き合ってやってくれ。」と嗜めると、ジョンソンは「49回目です!それに僕はわかいのって名前じゃありません!」と抗議する。
 「そんな事、言ってやがるから、ヒヨッコだってんだよ。早く、船内アナウンスでカウントしろ。客がジャンプアウトで心臓麻痺したら、うちは破産だぞ。」
 「りょ、了解。船内の皆様にお知らせ致します。これより、本船はランス星系へジャンプアウト致します。所定の御席について、御待ちください。繰返します...」
 ブリッジの雰囲気が俄かに慌しくなり、3人は自席のコンソルでジャンプアウト作業に没頭した。
 ジョンソンのカウントダウンが終了し、無事ジャンプアウトした我船のレーダーモニターには、凡そ考えられない数の光点があった。
 「コチラハ、ソードワールズ連合海軍 第2機動艦隊デス。貴船ハ我々ノ管理下二アリ
 マス。速ヤカニ動力ヲ停止シ指示二従イナサイ。コチラハ...」
 私は指示の通り、通常ドライブをアイドルにするよう指示を出す。すると、アキームが
 「船長、今ならばまだ逃げられますぜ。GGに入り込めりゃあ、奴等だって...」
 「もう既に艦載機群が近接軌道に遷移している。あの6G加速と俺達の2Gじゃあ、勝負にならない。」
「アキームさんの腕で回避して、積んでいる3連架レーザーで応戦すれば、逃げ切れるんじゃぁ...」
「俺様の腕は問題ねえが、坊やの射撃の腕に頼るわきゃいかねえな。それにお前、10機編隊ってこたあ、10門斉射って事だぜ。」
 「そう云うことだ、残念だが、囚われの身とならざる得まい。」と二人に返答しながら、考えた。
 いよいよ、戦争ってわけだ。これで大きく儲けることは出来なくなったが、せめて借金元の銀行が爆撃でもされて、なくならねえかな、いやいや、連中に協力して儲けられるかも、と。
 
 Ende
1999年07月15日:17時36分54秒
とりあえず、ご挨拶でも / 癸
はじめまして、癸(みずのと;葵ではありません)と申します。
MTほぼ未経験者で、今、ルールブックと格闘中です。
わかりやすい所はきわめてわかりやすいんですが、そうじゃないところは極めてわかりにくい ような気がします。
でも、MTってルールブック読んでるだけでワクワクしますよね。
その内、質問しに来るかも知れませが、その時はよろしくお願いします。



1999年06月17日:04時06分03秒
おもろすぎる!! / POPPO
 ニフティを解約してから、めっきりこのへんの情報から うとかったのですが、再び見つけ感動のいたりでございます。友人とは4年前に"Hard Times"をしてから以来、プレイしてません。マスターオンリーの人生でした。プレイヤーとして、ふたたび、「トラベラー世界」の住人になりたいです。会社やめているので、いつでも誘ってください。 大阪市内に住んでます。poppo@yo.rim.or.jp
1999年05月13日:13時51分49秒
なつかしいー / Hotta
皆様はじめまして。何となく、トラベラーと検索したら、このサイトに行き当たりました。 ゾダーン人なんて懐かしい響きでしょう!しかも、まだ、熱く語っている方々がいるとは!僕にとって、トラベラーは、中学の青春でした。 友人達と昼休み、放課後に没頭していました。 また、訪ねてみます
1999年05月05日:23時49分35秒
機械について / 大臣
こんにちは、皆さん。 いやあ、DAAさんやDjinnyさんの様に、趣味が私と似ている(失礼!)方がいらっしゃるものですねえ。 スクータですか。ウリの機能(特殊装備品)とかはなにかありますか?ライセンス買取ありでしょうか? それと得てして高価になると思いますが、何か対策等在りましたら、御教えくださいませ。
1999年05月02日:02時40分42秒
宇宙的社会派問題? / 大臣
こんにちは。素朴な疑問なのですが、トラベラー世界では、人種問題ってどうなっているのでしょう?ダリアン人とソードワールド人とか、ドロイン人とかヴァルグル人とかで差別されちゃったりするんでしょうかねえ?>そういう点でのシビアな社会派シナリオやった事ないんで皆さんの御意見を御聞かせ願えたら幸いです。>ちなみに私達の処は無いです。
1999年04月29日:07時52分38秒
RE:私共のトラベラーキャンペーン / Djinny
 Djinnyといいます。こちらでははじめまして。
 はあ。MTの輸送機器ですか。
 私は取り敢えずMS-Excelの助けを借りて、戦艦からスクーターまで一応作りました。
 
 そうそう、私はどちらかと言えば「ハードタイムズ」的な切羽詰まった小市民の話が好きなもので(またあれだと奇天烈なモノを作りたくなりますし)ストレフォン暗殺以後と言うと衰退していく世界で必死にもがく話の方が好みですな。
1999年04月29日:05時42分08秒
私共のトラベラーキャンペーン / 大臣
皆様、御無沙汰(と言うより直接書込みは初めて)しております。ジョニィ氏のグループでのGMであります。 現在、我々は未だキャンペーンを実施しております。 内容としては、「第五次辺境戦争時の提督から凱旋後に栄達し、更にはMTの如く、デュリナーの皇帝暗殺事件、帝国分裂を経て一勢力の提督となり、帝国の再統合に望む」に到っており、セッション数は数年に及びます。 使用される陸戦兵器や宇宙船、輸送機器は各種をMTにて自作しました。 トラベラーはとにかく大規模で派手な事ができるのでGMをやっていても楽しいのですが、設定に凝り出すと際限無いのが難しい。(といっても楽しい。バイクや4輪トラックを数種類、ルールに従って作成する様な暇な者は私ぐらい?)派手さを追求した為に第五次辺境戦争の艦隊構成(特に艦船数)等はサプリメントを大きく逸脱してしまいました。しかし、各PCである提督や貴族がいつも「金が無い。船が無い。資源が無い。」と云っているのはなぜ?ああ、自由貿易商人でも貧乏で、貴族でも金が足りないとは!
1999年03月27日:07時45分02秒
まさかなあ……。 / ZIN
初めまして。13〜4年前にトラベラーを楽しんでいたものです。 ちょっとヒマだったので、ふとその頃を思い出して「イフェイト」 で検索を掛けてみたら、ここが引っかかりました(笑)。 いや、なつかしいなあ。イフェイトを舞台に暴れ回ったあの頃が(爆)。 あはは、ガンマでは苦労したっけ……。 また、顔を出します(⌒-⌒)
1999年02月16日:19時24分07秒
GTについて / みょ
こんにちは 検索エンジンでサーチしてて、まさかTravellerのBBSがあろうとは・・・。驚きました。 GURPS Travellerの書き込みが少ないようなので書いてみます。 1,2章についてはMegaTravellerの帝国百科と一緒(笑) 3章から本番です。基本的には100cpでテンプレートを選択して、余りと不利な特徴で個性を出してくださいってものです。ここには「このテンプレートから能力差っぴくと同業の仲間に無能呼ばわりされるぞ」ともかかれています。 4章はGURPS ULTRA-TECH1,2とTravellerとの技術の違いが延々と書かれています。 武器もここに上げられているのですが、MTの頃が比較にならないぐらい凶悪になっています(特に磁気ライフル)。 また強化型バトルドレスなんてものもあります。 5章は宇宙船と交易ですが、CT/MTの方がましだという水準です。 付録については戦闘機乗りにはうれしい内容です(MTより強力になった)。 サプリとしてAlian Races1、Behind Craw、StarMercが発売になっているはずです。
1999年02月03日:23時47分03秒
Re:設計アイデア / DAA
こんにちは。

>「自分はこんな機械を作った」等といった情報がありましたら、御願い致します。

あんまり奇想天外ではないんですけど、CTのロボットルールでこんなの作ってました。
■密輸ロボット-----
見た目は太った万能型アシスタントロボット。
閉鎖ボディの中に空きスペースを設け、隠しトランクとする。

治安レベルの高い星に武器を持ち込むために、パーティーの能力が結集した愛すべきロボット。
しかし、星のTLが高いとバレる危険性が大きくあったため、小心ものには・・・。
1998年12月17日:21時08分35秒
設計アイデア / 大臣(ジョニィ代筆)
 
 皆さん、今日は。
 初めて書かせて頂きます、大臣です。
 前にジョニイが私の拙文リプレイを本掲示板に掲載しましたが、如何でありましたでしょうか。
 感想など頂けると幸いです。
 
 さて、皆さんの書込みを拝見して少し質問したいと思います。
 トラベラーはMT、CTを問わず、要塞から三輪車まで設計可能なルールがありますが、(チョット大袈裟?)皆さんはどの様に使っていますか?また、「自分はこんな機械を作った」等といった情報がありましたら、御願い致します。
 
 出来れば、奇想天外な愉快なアイデアがありましたら宜しくお願い致します。
1998年11月30日:00時30分36秒
私達の所の帝国貴族っていったい... / ジョニィ
 
 皆さん御久しぶりです、ジョニィです。
 今回は「銀英伝の様でした」はお休みです(笑)。
 その代わり?帝国貴族のお話です。
 
 
 帝国暦1106年
 
 帝国侯爵アレックス・ド・コーラルシェの朝はいつも爽やかな鈴の音で始まる。
 「御館様、おはよう御座います。御召し物の準備が整っております。」メイドの声が目を覚ますと同時に聞こえる。
 寝室の隣りには10m四方程度の小さな衣装部屋と付属の衛生設備があり、そこで午前中の身支度を整えるのだ。
 身支度をメイド達に整えて貰うとすぐに朝食室に向かう。
 朝食室で今日の予定を執事長から確認しつつ、朝食を摂る。
 今日の最大の予定は主催した舞踏会だ。特に現在、滞在中のデュバリュー公爵夫人が主賓である。
 彼女は帝国広しといえども有数の華美な婦人で、帝室にも発言力を持つ。ここは一つ、彼女の影響力で...
 
 「デュバリュー公爵夫人、御到着!」出迎えの使用人が声高らかに来訪者の名と身分を会場に伝える。
 それに応じたざわめきと視線が来訪者への関心の高さを示すものであった。
 
 「これはデュバリュー夫人、今夜は貴女に御目に懸り、生涯忘れ得ぬ日となりましょう。」
 「お招き預かり、光栄ですわ。観光にも飽きて、退屈して居りましたの。あまり楽しゅう御座いませんでしたわ。それに御食事の単調な事!宿の料理長は1200種類のメニューしか作れないんですのよ!3晩で尽きてしまいましてよ!」
 「何分、辺境の地ゆえ、帝都と比べて些か刺激に乏しゅう処が御座いましょうが。」
 「ただ、領民の暮らしぶりは興味がありましてよ。たしか、北の鉱物採掘所の方々など。」
 「彼等は我領地の主要産業のタングステンを採掘しています。」
 「あの方達を観ているとまるで、そう!砂漠の砂虫の様で楽しゅう御座いましたわ。一体土の中で生涯を送るのはどんな感じなのでしょう、侯爵?」
 「彼等は我領地に貢献し、延いては帝室に貢献していると申せましょう。」
 「でも、領地の経済に応じて負担が増える事を考えると、小さい領地の方が宜しゅう御座いましてよ。分けても当家の様に年間2000億帝国クレジットも納税するのは、考え物ですわ!」
 
 貴族達の宴は未だ始まったばかりだ...
 
 これは続きません(笑)。
 
 追記:Junnkieさん、GTの感想、英語の読めない私にとってとても嬉しい物でした。ありがとうございます。
 トラベラーもルールは変わっても世界は死なず、という所でしょうか。やっぱり良いゲームですよね。
1998年11月29日:17時47分13秒
生まれは上方じゃないんですが / Junnkie

 あまおかさん、みなさん、こんばんは。

>アレンジもなく、コラム的な笑いをてきとーにつなげたのが見え見えだったので、落胆したのです。
>システムも習熟していなかったよーで、判定はてけとーでした。うむむ。

 トラベラーがどうこうという以前の問題だったわけですね(汗)。コンベンションは卓によって当たりはずれが大きいと良く聞くんですが、トラベラーみたいに存在自体が稀少な物(苦笑)だとあまり選択の余地がなかったりするんでしょうかね、やっぱり。

>いや、まだ極寒惑星探検か、官僚機構のたらい回しに身を任せたほーがよろしかったかも。

 太古種族の遺跡で金貨探し、というのはいかがでしょうか(笑)。

 しかし、自分で投稿しておいていうのもなんですが、下の私のGT感想文は長すぎでしたねぇ。前後編に分けるとかするべきでした。読みにくくてごめんなさい。


1998年11月29日:17時22分43秒
GURPS:Traveller 感想 / Junnkie

 先日、生まれて初めての国際電脳網経由海外通販で、GURPS:Traveller を入手しました。 日曜日にスティーヴ・ジャクソン・ゲームズのWWW頁で名前や住所などを記入して発注したものが木曜日にはテキサス州から空を飛んで届いてしまうんですから、便利な時代になったもんです。

 本体が22ドル95セント、送料が9ドル18セント、WWWで注文したので1ドル割引してくれて、合計31ドル13セント。今の為替相場なら4千円未満で済むはずなので、やはり国内の輸入品を扱う店に入ってから買うよりは安いのでしょうか。小渕政権には経済政策をしっかりやってもらって、急に円が下がったりしないようにしてもらいたいものです(笑)。

 表紙がクラシック・トラベラー(1977年に出た初代のルール)とほとんど同じ(上にGURPS,下に STEVE JACKSON GAMES の文字が入っただけ)なのが古くからのトラベラー・ファンを泣かせます。

 その表紙には、真っ黒な背景に白い文字で

「こちら自由貿易船ベイオウルフ、
 誰か応答して下さい……
 メイデイ、メイデイ……我々は攻撃されています……
 メインドライブは消失……
 第一砲塔反応無し……
 メイデイ……船内気圧急速に低下……
 誰か応答して下さい……助けて下さい……
 こちら自由貿易船ベイオウルフ……
 メイデイ……」

 という悲痛な電文が書いてあって、後はトラベラーのロゴが入っているだけという単純で印象的な意匠なんですが(こうして改めて訳してみると原版は結構怖い表紙だったんですね。日本語版のCTの表紙にはこの電文は入ってません)、今回の裏表紙を見ると一番上に大きな文字で

「がんばってくれ、ベイオウルフ。今救助に向かっている……」

 このあたり上手いですねえ、SJG(笑)。出版社がつぶれてしまい、このままトラベラーは(公式な出版物としては)無くなってしまうのかも、という不安を抱えているであろうファンの気持ちをとらえてます。宇宙の藻屑となる寸前のトラベラーをGURPSが助けに来たってわけですか。

 全176頁が6章に分けられていて、1章がトラベラー宇宙の概説、2章が辞典形式の設定解説(MTでの「帝國百科」、いわゆるライブラリ・データです)、3章がキャラクター作成で、4章が装備品、5章が交易と通商、6章が他のトラベラーのシステムからのキャラクター変換ルールになっています。そして、付録Aが宇宙船リスト、付録Bが宇宙船作成簡易システム、Cが宇宙戦闘ルール。ありゃ、地上戦闘ルールはどこに行ったんだ? と一瞬思ってから、これがGURPS用の背景世界設定サプリメントであることを思い出しました(笑)。

 なにせ英文なもので、まだ内容をじっくり読んだわけではないのですが、ぱっと見た印象では「挿絵がまともだ」ということ。これはあくまで過去のトラベラーと比べての話なので、GURPSとしては平均なのかもしれません。ククリー人とかヴェガ人とか、非人間型の異星人が挿絵画家の創作意欲を刺激したようで、割と目に付きました。特にヴェガ人(ソロマニ・リム宙域で自治区を作っている小種族です)については、これでどんな姿なのか初めて具体的に分かりました(文書で姿形の説明を読んでも今ひとつはっきりしなかったんです)。簡単に言うと「一つ目ET、手が触手」って感じで、異星人らしくかなり不気味な姿ですが、よく見ると愛嬌が無くもないかもしれません。イイ感じです。

 背景世界については基本的なことは分かっているので取りあえず後回しにして(いろいろと新しい設定もあるらしいんですが)、早速キャラクター作成の方を見てみると、当然基本的に全てGURPS式になっています。全員が同じCPを使ってキャラクターを組み上げるGURPSと「人生は不公平かつままならぬもの」というトラベラーのキャラクター作成は基本思想からして相容れないので、当たり前ですが。

 もっとも、CT/MT/TNE/T4で作ったキャラクターをGT用に変換するルールにもわざわざ1章を割いてあるので「人生の悲哀を理解せぬ技能も能力値も全てポイント割り振り制のシステムなど認めん!」という人でも一応大丈夫なようにはなっています。でも、そういう人はGURPSのシステム自体使わないと思うんですが(笑)。

 キャラクター作成時に使用可能なCPは100。トラベラーですから、こんなもんでしょう。 もし50とかだったらどうしようかと思ってたんですけど(笑)。そして、経歴部門に当たる、弁護士から海軍航空兵まで38種類のテンプレートがあって、それぞれになるのに必要なCPと、能力値・取るべき特徴・技能の種類とCPが書いてあり、さらに余ったCPの使い方のガイドも付いています。

 これだけ豊富なテンプレートがあるので、ほとんどの場合その中から選んでいくことで充分対応できます。過去のトラベラー・シリーズに登場した経歴部門は網羅してあるようです。テンプレートといっても、あくまでPC作成の指針を具体的に書いたもので、あまり細かい点まで決まっているわけではないので、同じテンプレートでPCを何人か作る場合(例えば全員が商人とか)でも同じ様な奴が何人も……というようなことは、あえて意図しない限り起きません。もちろん、俺はお仕着せのテンプレートなんか使わん、一から自分でPC組み上げるんだ、ということもできます。

 GURPSのシステムだとキャラクター作成が余りにも自由で、つくりたいPCのイメージを決めておかないと途方に暮れてしまったりする事もありますが(これまでのサプリメントにも「こんなキャラはこんな感じで作るといいでしょう」くらいの指針は書いてあったようですが)、その点このテンプレートというのは便利だなあと思っていたら、どうやらGURPSのごく最近のサプリメントから導入された新しい方式のようです。どうしても時間がかかってしまうGURPSのキャラ作成を多少でも短縮するには良い案ではないでしょうか。

 キャラクター作成以外でも、トラベラーとGURPSのシステムの違いでどう処理するのかいくつか気になっていたことがあるんですが、まずは度量衡の単位系。原版のGURPSはインペリアル・スタイル、いわゆるヤード・ポンド法に基づいてデザインされていて、ドイツ語版、スペイン語版、日本語版などではそれをメートル法に変換しています。このGTは英語版なので当然ヤード・ポンド法になっています。尺貫法からおフランスなメートル法に乗り換えて以来すっかりそれに慣れた我々日本人にはちょっと辛いか。まあ、簡単な変換表は付いてるんですけどね。

 これについては「トラベラー・シリーズではメートル法になっていましたが、GURPSの他のサプリメントとの互換性を保つためにここでもヤード・ポンド法を使います。科学っぽい感じを出したい人はメートル法に直してね」という注意書きがあります。アメリカ人にとってはメートル法って科学っぽい感じがするんですなあ。三尺三寸と言うよりは1mという方が科学っぽい気がするのと同じですかね(←ちょっと違うと思うぞ)。

 それからTLの違い。これも単位系と同じく他のサプリメントとの互換性を保つためという理由でGURPS式になっています。トラベラーでは0からG(16)に分かれていたテクノロジー・レベルをGURPSでは1から13に分けているので、数値が微妙に違っています。これはちょっと混乱しそう。でも、ライブラリ・データなどのUWP(各惑星のデータ)の表記ではTLもトラベラー式のままになっているんです。この辺はどうするのか、まだ良く分かりません。違いを覚えて読み替えるか、あるいはいちいち変換表見るしかないんですかね。

 そして、これがある意味で最大の違いかもしれない背景世界設定。年代設定としてはMTと同じ年代を扱います。この年代は皇帝暗殺から<帝国>の分裂、そして崩壊へといういわゆる「ハード・タイムス」から、コンピュータ・ウイルスによる文明の全面的壊滅に至るわけですが、このGTの方では皇帝の暗殺は未遂に終わります。その時点でこれまでのトラベラー・シリーズとは時間線が分岐して<帝国>は存続し、それなりの秩序が保たれています。ようするに、CTの設定の延長になっているわけですね。

 ともかく、サプリメントとして良くできているようなので、T4などほかのルールを使う場合でも背景設定資料として役立つことは確かです。そういう面では、この次に出たスピンワード・マーチ宙域設定資料サプリメントがさらに有用です。ゾダーンとヴァルグルを扱うサプリメントももう出ていて、異星人に関する資料も充実していくようです。さらにその次にはCTの『傭兵部隊』みたいな軍事物のサプリメントも控えているとか。SJGでは2ヶ月に一冊ずつGTのサプリメントを出版する予定なんだそうで、今後の展開にも期待できそうですね。サプリメントの感想についてはまた改めて。

 長文失礼いたしました。
 インペリアル・サンバーストよ永遠なれ。


1998年11月25日:19時28分50秒
御一緒にしませんか?に追加です。 / ジョニィ
  
 セッションにご参加にならない方でも、メールを下さった方にはもれなく「帝国貴族法(抜粋)」と「ルカン&マーガレット声明文」をお送りします(笑)。
 「帝国貴族法(抜粋)」と「ルカン&マーガレット声明文」共私達の所で使用されているオリジナル版です(笑)。
 尚、要らない方はメールを送られる際にどこかに明記しておいて下さい。
1998年11月24日:19時37分40秒
銀英伝のようでした4 / ジョニィ
 
 私ことジョニィは現在ソードワールド雑談所の方に主張中です(笑)。
 
 だんだん国家運営についてのような話になってきております(笑)。
 ご興味のある方は行ってみて下さい。
 
 この様な理由で誠に申し訳ありませんが、ちょっとの間こちらへの書き込みが少なくなるかもしれません。
 が、毎日見に来てますのでご質問などは常時受け付けています(笑)。
 尚、自分達のセッションへの参加者もまだまだ募集するつもりなので、皆さんお待ちしております(宣伝宣伝)。
 
 では、いつものようにリプレイの続きです。
 
 人類の歴史は戦いの歴史といっても異議を称える者はそう多くはないだろう。
 帝国暦1107年、人類は、また新たな戦いに突入していた。
 
 帝国海軍中将カール・ベンディッツはイフェイト防衛戦の第315艦隊所属、戦艦フォーマルハウトに分岐艦隊司令として搭乗していた。
 
 彼は全軍の左翼を担当し、中央部をリジャイナ公爵とノイマン中将、右翼をフランケル中将が配置されていた。
 総数実に補助艦艇を含み、3000隻を数えた。
 
 索敵士官:「敵艦隊、ジャンプアウト!20万t級戦艦120隻余、10万t級重巡400隻超を主力とする総数9000隻余を確認!現在集結中!」
 通信士官:「総旗艦ペルセウスより入電!全艦、第1戦速で加速、ケースAによる艦隊運動をせよとの指示です!」
 管制士官:「大型GG上の空母ペルセポーネより、敵艦隊への迎撃許可を求めています!」
 ベンディッツ:「機動艦隊へ打電、敵艦載機群の動向を掴み次第、迎撃を許可、それまで我慢させろ。」
 副官:「我方の布陣は如何なさいます?」
 ベンディッツ:「敵戦力は我軍のほぼ2倍強、3倍弱、これに砲戦を挑みたいのか?」
 副官:「いえ...ですが、現状のままでは...」
 ベンディッツ:「彼等にはジャミングと大型GGと主星、或いは主戦力の我々の内、どれかを攻撃する選択権がある。大型GGに全力で向かえば、その分、百数十時間かそこら稼ぐ事が出来る。主星系ならば降下戦闘で少なくとも300時間程度、その分、ひどい有り様になるだろうが。要するに我々は最低百時間踏み止まって、アラミス方面かランス方面の援軍、それも大規模な、を待てば、この戦争は我々の勝利だ。」
 副官:「つまり、我々主力艦隊は最大戦速より遅く加速しか出来ない、囮だと思わせる訳ですね。」
 ベンディッツ:「そう、そして奴等が我々の位置を発見した時に援軍が到着すれば、歴史に残る大勝利。昇進間違いなし。給料も上がって女房も喜ぶという訳だ。」
 副官:「しかし、敵艦隊が主星系に直接砲撃した場合は?」
 ベンディッツ:「貴官は金塊を拾ったら、迷わず燃やしてしまうかね?」
 副官:「いえ...」
 ベンディッツ:「此れほど発達した大人口を扶養できる処は金塊より貴重だ。もし燃やしたら、引分け、いや、その後、降伏する星系が激減することを考慮すると我々の勝ちだな。」
 副官:「なるほど...」
 ベンディッツ:「ところで、貴官は本当に帝国士官か?私の副官ならば、せめて、尻の殻が取れてからにしろ!指揮官の無能は有害だぞ!」
 副官:「も、申し訳ありません...」
 
 それから、艦橋に6G加速より重苦しい空気が流れたのは言うまでもない。
 艦橋要員の殆どがそういった事情で3倍の敵との絶望的な砲撃戦の早期実現を心待ちにしたのであった。
 
 つづく・・・
 
 疑問:このリプレイを楽しみにしている人って居るのでしょうか?(^^;
 
 追記:あまおかさん、メールの返事をお送りしました、届いているでしょうか?
1998年11月24日:14時10分20秒
元は上方の人間なもんで / あまおか
いや、今は東京都民ですが。


>予定しているシナリオですが、以下の2つの内の1つを皆さんの意向をお聞きした上で決定しようと思っております。
どっちも捨てがたいですなあ。どっちかといえば、政治的に
貴族領でしょーか。これはのちほどメールで。


>コンベンションでのトラベラーがどんな物なのかは興味があるので、教えていただければ幸いです。
たしか記憶では自由商人として仕事を頼まれていたと思います。
で、聞いたことのあるネタとゆーのは、エアラフトにタンクをくくりつけてラクダを降ろしたり、
TL0だったかTL1出身の船医だとか。元ネタを知らなければ問題なかったかもしれませんが、
アレンジもなく、コラム的な笑いをてきとーにつなげたのが見え見えだったので、落胆したのです。
システムも習熟していなかったよーで、判定はてけとーでした。うむむ。
じぇんじぇん参考にならんですね(笑)。

いや、まだ極寒惑星探検か、官僚機構のたらい回しに身を任せたほーがよろしかったかも。


1998年11月22日:08時53分47秒
Re:わたしゃ上方の人間なもんで。 / ジョニィ
 
 皆さん、おはようございます。ジョニィです。
 
 Junnkieさんは今の状態では私達のセッションにご参加頂く事は出来そうにありませんね、残念です。
 しかし、何かの理由でこちらに御出でになる事があれば、ぜひご連絡下さい。
 
 それとJunnkieさんのおっしゃる様にセッションに参加できなくても、興味のある方には情報をメールでお伝えする事が出来るかもしれません
 (うちのマスターと相談しなければなりませんが・・・)。
 本当は私達のセッションに参加して頂くのがもっとも良いのですが(ちょっと掲示板やメールでは伝えきれない物があるので・・・)。
 
 ところで、現在一通もメールが来ていません(涙)。なぜ?あぁ、誰かお手紙下さい(笑)。
 皆さんこういうセッションはお嫌いなんですかぁ(涙)?
1998年11月22日:00時12分09秒
わたしゃ上方の人間なもんで。 / Junnkie

 みなさん、こんばんは。

 ジョニィさんは関東の方なんですね。私は遙か西の方に住んでおりますのでセッション参加は不可能ですが、ここを読んでるだけの方も含めて、もし大規模な軍事物のキャンペーンに関心のある方がいらっしゃったら問い合わせてみてはいかがでしょう。都合がつかなくて参加はできなくても、シナリオを見せてもらうとかができれば何かと参考になるのでは。

>どこかで聞いた話(雑誌などで)をつなぎ合わせた、笑えない話だった気がします。

 あまおかさん、これは具体的にはどういうことになってたんでしょうか? コンベンションでのトラベラーがどんな物なのかは興味があるので、教えていただければ幸いです。


1998年11月20日:19時41分47秒
御一緒にしませんか? / ジョニィ
 
 Junnkieさん、ずずずさん、あまおかさん、皆さん、こんばんは(?)
 
 Junnkieさん、アドバイス大変参考になりました。ありがとうございました。
 
 >「戦火に逃げまどう一般市民を助ける商人」
 Junnkieさん、「戦火に脅える一般市民を守る為に奔走する帝国貴族」というのはどうでしょう?
 
 >やっぱ、戦闘とか、かつかつですか?
 ずずずさん、かつかつかどうかは、ご一緒にプレイするまで秘密です(笑)。
 
 >時代の激動にもろに流されてみたい気分。
 あまおかさん、激流の中を流される事になっても責任は取りませんよ(笑)
 
 改めて、以下の情報を書き込みます。
 開催場所は東京都又は神奈川県近辺(多分もう少し広いと思います)という事になりますが、コンベンションではないので詳しい事はこちらに確認して頂いた方が良いでしょう。
 開催日時については、メールにて調整を行うつもりです。
 予定しているシナリオですが、以下の2つの内の1つを皆さんの意向をお聞きした上で決定しようと思っております。
  1.帝国貴族領を統治する。(時期は分裂前〜分裂後)
  2.基幹艦隊を指揮して分裂後の戦乱を生きる。(これはほぼ1宙域分の艦隊戦力を率いる事になります)
  
 この条件で、私達のセッションでプレイヤーをして頂ける方、又はこの事についてご質問のある方はメールを下さい。
 
 メールアドレスは、harutaka@pop17.odn.ne.jp ですので、皆さんお待ちしております。
1998年11月19日:15時51分55秒
コンベンションでのトラベラー / あまおか
数年前のことですが、2、3度みたことがあります(名古屋)。
といっても珍しがっていただけのようで、卓に参加したときは
どこかで聞いた話(雑誌などで)をつなぎ合わせた、笑えない
話だった気がします。
それはたしかトラベラーの最初のやつだった気が。
で、それからコンベンションには行ってない(笑)ので、現在は
わかりません。


>トラベラーで戦争シナリオをやるとしたら、どんなキャラクターが良いですか?
やってみたいキャラ…ですか。帝国貴族か、退役海軍人ですね。時代の激動に
もろに流されてみたい気分。


1998年11月19日:12時53分59秒
やりたいもの / ずずず
御無沙汰してます。
GTがなかなか手に入らない(涙)。
新宿の黄色い潜水艦は3回いって3回とも売り切れ(涙)。
ともあれ、ジョニィさんの御質問のやりたいキャラですけど。
1.民間商船副長(笑)
2.現役海軍人
3.帝国貴族
4.超能力者

・・・馬鹿ばっか。
ゾダーン人はあんまりやりたくないかな。
どっちかってーと異星人ならドロイン人かな?
ってとこです。
軍人シナリオをされている方が多いようですけど。
私はやったことありません。
やっぱ、戦闘とか、かつかつですか?

1998年11月18日:23時50分36秒
星と兵隊 / Junnkie

 みなさん、こんばんは。

 ジョニィさんは基本的にトラベラーを軍隊RPGとしてプレイしてらっしゃるんですね。CTの『傭兵部隊』とか、トラベラーにはそういう面もありますから、経歴部門でも軍隊は重要な物になってますもんね。私自身は経歴部門から除隊してから冒険に出るという基本様式でしかプレイしたことがないので、PCが兵役中という状況はやったことがないんですが、軍隊生活という様式は結構使われているようです。トラベラーではPCの成長はあってもごくわずかなものですが、軍隊なら功績による昇進という具体的な報酬ができますし、キャンペーンが文字通り「一連の軍事行動」として組めたりするのも良い点かも。

 戦争物のシナリオでやるなら「戦火に逃げまどう一般市民を助ける商人」かな。あ、そうそう戦時下の『銀河乞食軍団』みたいなやつね(笑)。

> どなたか私達のやっているトラベラーをご一緒にやりませんか?

 ジョニィさん達のセッションの開催場所とか日時とか、具体的な情報を出していただいた方がみなさん応えやすいと思いますよ。連絡先のEメール・アドレスとかもあったらいいかもしれません。

 あまおかさん、コンベンションでトラベラーのセッションを見たことあるんですか。私はコンベンションというものにとんと縁がないのですが、やっぱりああいう場では既成のPCをプレイヤーに割り振る形になるんでしょうかね。PC作成やってたらそれだけで終わってしまうと思うんですが。あまおかさんがごらんになったときはどんな風でした?

 作りかけのT4の防具表を作ってしまわねば……。

1998年11月18日:22時13分49秒
やってみたいキャラクター / ジョニィ
 
 この掲示板をご覧になっている皆さんにお聞きしたいのですが、トラベラーで戦争シナリオをやるとしたら、どんなキャラクターが良いですか?
 
 例えば、艦隊司令官、戦闘機パイロット、地上戦の兵士、帝国貴族、艦船の艦長、etc...
1998年11月17日:21時57分20秒
銀英伝の様でした3 / ジョニィ
 
 ジョニィです。また書き込んじゃいます(笑)。
 
 人類の歴史は戦いの歴史といっても異議を称える者はそう多くはないだろう。
 帝国暦1107年、人類は、また新たな戦いに突入していた。
 
 帝国海軍第315艦隊分岐艦隊A独立機動艦隊所属シルビア・アーダルベルト中尉はイフェイト防衛戦に参加する為、イフェイト系大型GG軌道上の艦隊空母ペルセポーネの発艦デッキ内、愛機50t級戦闘機操縦席で発艦合図を待っていた。
 
 気密及び生存環境維持システム良し。
 巡航用主副機関良し。
 高機動用バーニヤ作動良し。
 正副通信機関作動良し。
 能動、受動探知システム良し。
 火器管制システム良し。
 各制御システム全て良し。
 
 彼女がここに座った時から数分の間に幾度となく同じ確認が、彼女の指に依って繰返された。
 彼女は音声に依る入出力が嫌いだった。処理速度の低下も一因だが何より戦闘機械を喋らせる事を酷く偽善的に感じているからだった。
 
 「ヘイ!レイディ!準備はどうだい?」管制官の声がレシーバーにこだまする。
 管制官は確か、着任の際に彼女に名前とファーストネームをいった筈だが、彼女は聞いた端から忘れていったのだった。
 「発進準備良し。」彼女の声は愛想こそ無かったが、彼女の従来の美しさを隠すものではない。
 「相変わらず冷たいなぁ。海軍飛行学校1105年主席は。幾ら撃墜天使といっても、墜とすのは敵だけにしてくれよ。」
 「発艦指示は?」
 「お待ちどう様。第1飛行中隊に発進許可をする。」
 彼女は通常ドライブをアイドルからMAXに。
 全長20mの単座戦闘機は電磁カタパルトの支援を持って、一気に1000m/sを突破し、漆黒の虚空へ打出された。
 
 彼女が上下感覚を失ったのは、ほんの数瞬だった。
 その間も愛機の戦術電子演算機は乱数加速を実施し続けた。
 彼女のCRTには進むべき空間、或いは殺すべき敵が情報として、光点となって表示されている。
 彼女は愛機とそれに従う9機の部下に進路を伝えた。
 
 進む先では既に敵味方の壮絶な戦闘が開始されていた。
 艦載機は大型艦の様な一撃での破壊力こそないが、その回避性能で大型艦の戦闘能力を減衰できる。これを防ぐにはやはり艦載機の迎撃が最も費用対効果があるのだ。
 しかし、それに参加する者の人生にそんな事は関係ない。撃落とすか落されるかである。
 
 シルビア・アーダルベルト中尉は、その清楚な愛らしさと戦績で撃墜天使という渾名を持つ。
 彼女はこの10分間に於いて渾名に相応しいスコアを記録し、神の下に4機の犠牲者を捧げた。
 最も彼女はこの時代に於ける20代半ばと同様に無神論者である。
 しかし、今、彼女の目前の敵は今までと異なっていた。
 通常、熟練した操縦者は火器管制センサーよりも高速に狙点を定めるし、能動受動センサーより高速に回避動作を決定するが、彼女の相手は更にそれを上回る高速で回避し、攻撃を行なった。
 彼女が得意とする相互縦ロール時の射撃もスパイラルロールでの回避も全て通用しなかった。
 本来、3400億立方kmでの双方合計1万機を超える戦闘は一瞬の内に勝敗がつくが、既に二人は敵味方の攻撃を躱しつつ、幾度も砲火を交えていた。
 
 戦闘開始から20分後、戦闘は収束し、そこには光速の10%を超える終速度の破片と死骸が残された。
 それに自尊心の傷ついた美しい年少の撃墜王。
 「今度遭ったら、必ず...」
 「ヘイ!レイデイ!何か言ったか?愛しの我家は何とか無事だぜ。最もオンボロになっちまったが...第1飛行中隊各機着艦を許可する。」
 
 つづく・・・
 
 
 Junnkieさん、あまおかさん、皆さん、また長い文章で済みません(^^;。
 
 ところで、どなたか私達のやっているトラベラーをご一緒にやりませんか?
 
 この書き込みへのご意見、ご感想(面白くないから書き込みを止めろ等・・・)をお待ちしております。
1998年11月17日:20時04分22秒
ゾダーンは中国だったのかぁ? / あまおか
そーいえば、オリエンタルな帝国って感じかもしれません。

こんにちわ >Junnkieさん
最近、東京に移ってきたので少しは選択肢がありそうですね
それまではコンベンションでもたまに見かけるぐらいでしたし、
なかなかトラベラーで遊ぼうという知り合いもいなかったのです。

そんなわけで、読んでばっかりとゆー。プレイ経験も一桁です、たぶん。(笑)


1998年11月17日:00時29分35秒
ゾダーンってロシアだったのかあ。 / Junnkie

 あまおかさん、はじめまして。ジョニィさん、他のみなさん、こんばんは。

 トラベラーは背景世界が売りという面がありますから、設定資料を読み物として楽しんだという方も多いんじゃないですかね(私もそうです)。もちろん、それを元にして数多くのセッションを、というのが理想ですが。あまおかさんは今はセッションを開くまたは参加される機会はないんでしょうか?

 第5次辺境戦争はトラベラー・シリーズ最初の歴史的大事件でもありますから、そのあたりを舞台にしてらっしゃった方がやはり多いんでしょうか。長期に渡って継続的にCTをやってて年代が進んでいけば、否応なく巻き込まれる事にはなるんですが……。

 私は85年頃にちょろっとCTをやって、92年になってからMTを始めて、それからTNE、T4とやってきたので、第5次辺境戦争のあたりは抜けてるんです。戦時下のスピンワード・マーチ宙域っていうのもやってみたかったんですが、いきなり皇帝陛下が暗殺されちゃってから、どんどんエライ事になっていく<帝国>に目を奪われてしまいました(笑)。でも実際には帝国歴1115年ごろのスピンワード・マーチ宙域を舞台にキャンベーンを始めていたので、いつも帝国の崩壊の影響を受ける前に終わってしまってたんですけどね。でも、そうするとPCにとっての状況としては第5次辺境戦争で若干国境線が変わっただけでCTとほぼ同じなので、CT用のシナリオが再利用できるのが便利でした(笑)。

 ゾダーンに関してはみなさんロシア的な印象を持ってらっしゃるようですね。私はターバン(?)を巻いたゾダーン人の挿絵と、彼らが超能力を使うあたりから「西洋から見たわけの分からない東洋的な存在」と思っていたので少し意外でした。しかし考えてみれば、<帝国>がある程度アメリカ合衆国を反映している事にはあまり異論はないと思いますから、その敵役として設定されている星間国家がソヴィエト連邦(もはや歴史用語か……)をある程度反映しているのも確かでしょう。東西の冷戦(これも歴史用語か……)の最中に作られた設定でもありますしね。

 しかし、よく考えてみたら私はゾダーン人をセッションに登場させたことがほとんどありません。超能力ってNPCのものでも何かとやっかいじゃないですか。PCが超能力を持ったりするとさらに始末に負えないので、超能力ネタをほとんど使わなかったせいもあるかもしれません。私たちは超能力をバンバン使ってたぞ、という方もいらっしゃるんですかね。

 ジョニィさんの「銀英伝様2」を読んでサプリメント『第5次辺境戦争』を読み返したくなりました。また引っぱり出してみるかな。


1998年11月17日:00時05分05秒
Re:わが青春のとらべら / ジョニィ
 
 >ロシア色の濃いゾダーン
 
 あまおかさん、私の友人にこの事を伝えた所、「みんなそう言う(笑)」と言っていました。
 
 「銀英伝の様でした」をご覧の皆さん、まだまだ感想お待ちしておりまーす(笑)。
1998年11月16日:16時16分16秒
わが青春のとらべら / あまおか
はじめまして。あまりのなつかしさに書き込んでしまいました。

小学生当時、シミュレーションゲームと間違えて買った『宇宙海軍』が
RPGをはじめるきっかけでした。田舎だったので、シリーズを揃えて
読むぐらいだったのですが(笑)。

そこそこにやったのは第五次辺境戦争ぐらいでしょうか。ニューエラまで
買ったんですけどねぇ。サプリとかも。


>まるで銀英伝の様でした2

平民がこんなに反抗的でいいので? とか思ったりして。

ロシア色の濃いゾダーンが、銀河核探査をやってることを知ったときは
『ああ、計画経済とかでないと長長期計画はむりやろな。』
と思ったりしました。


1998年11月14日:14時41分59秒
まるで銀英伝の様でした2 / ジョニィ

 これは、第5時辺境戦争プレイ時に、プレイヤーの1人が降下兵をやってみたいと言った事から行われたシナリオのリプレイです。
 
 
 人類の歴史は戦いの歴史といっても異議を唱える者は、そう多くはないであろう。
 帝国暦1107年、人類は、また新たな戦いに突入していた。
 
 ゾダーン海軍カテゴリーA 強化機動歩兵師団第2大隊第3中隊第2小隊指揮官カラシニコフ 中尉は大隊と共に、ここ帝国領リジャナ星域イフェイト第2都市ベックポリスに軌道上か ら降下殻で強襲上陸を行なった。
 
 大隊は降下時点で8%の損耗を受けたが、彼の小隊の被害は45名中2名が即死、残りは完全 装備というものだった。
 戦術目的は、敵戦力の都市部での殲滅である。ここを守備していたのは、イフェイト侯爵 領第2師団であったが、火力は強化装甲兵ほど強力でなかった。その為、戦線各処で降下部隊が機動戦闘を実施し、結果、ゾダーン降下部隊の思う様に分断されてしまった。
 
 「中尉、あの建物に帝国主義者30名程が固守しています。如何いたします?」
 ジェルジェンスキー小隊附軍政士官が士官専用通信回線で尋ねてきた時、カラシニコフは 思わずプラズマライフルを放り出したくなった。
 こいつは低脳だけではなく、有害だ、陣地攻撃は強化歩兵の任務じゃない。
 年若の軍政士官は続けてこう言った。「その考えは中央の方針に反しています。攻撃を敢行しなさい。」
 なんてこった!こいつが訓練されたテレパスなのを忘れちまうとは!カラシニコフは自分 を罵ると、この思いもこいつに読まれていると直感して慄然とした。
 
 まあ、他の部隊にいる、エムパシーで無理遣り「その気にさせる」軍政士官と比べたら、ましな方だと漠然と考えた。
 「分かりました、同志」カラシニコフはそう答えると、自分の小隊に無益な命令を出すべ く、小隊専用回線を開いた。
 「各分隊指揮官へ、目標、左正面の10階建て建造物、A分隊、バーニヤ跳躍用意!」
 
 つづく・・・
 
 皆さんの感想を聞かせて頂ければ、うれしいです。
1998年11月14日:12時16分17秒
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