TRPGのルールブックや解説、シナリオなどは、どうしても文章だけで書いてあると分かりにくい内容になりがちです。延々とだらしない日本語で書かれているだけだと、把握する気にもならないことはあります。
そういう時には、箇条書きや図表を活用して欲しいものです。また、理解の作業として自分なりに、箇条書きや図表(フローチャートや真理値表など)を書き起こしてみるというのも手です。
そもそも普通の文章は、場合分け(条件分岐)や並置が頻出する、作業手順や分析の記述には向いていないんですよね。プログラミング言語の記述を日常語に変換しようとしてみれば、良くわかりますけど。
シナリオ作成・運用時にわりと勘違いしがちな事として。プレイヤーのゴール(達成目標)と、シナリオのゴール(対立葛藤の頂点)を同一視してしまうということがあるのではないかとと思います。
プレイヤーのゴールが、シナリオのゴールでの対決で良い結果を得ることであるとすると。ストーリーを基盤に置くシナリオの運用上も楽で、かつ勝っても負けても良いという事になるわけです。
しかし、プレイヤーのゴールとしての勝利をシナリオのゴールであると勘違いすると、勝たせるためのシナリオを作ってしまい、最後の対決の意味を無くしてしまうことがあるんではないかと思うわけです。
どんなシナリオやシステムでも言えることではないかも知れませんが、プレイヤーの目ざすべき結果と、シナリオ運営上の「こういう状況になるように動いてくれないとシナリオが成立しない」というゴールとの違いは、意識していると便利だと思います。
ゲームルールでも世界設定でも、他人への説明しやすさを検証する一つの道具として「外国語で説明できるか」と考えるのは、便利な方法かも知れません。
母語であれば知識があるぶん冗長になりやすいのですが、少ない語彙や簡素な文構造で説明するためには、内容を整理しないとできないわけで。いかに無駄が多かったのか痛感できることと思います。
アメリカの出版業界の構造を紹介し、日本の出版業界の改革と再生を求めるという『出版再生 アメリカの出版ビジネスから何が見えるか』という本を読みました。
アメリカの出版人の給料の安さだとか、色々と驚いたことがあったのですが。一番驚いたのは、印刷費が本の定価に占める割合が、6%ってことです。
これはふつうの商材の流通について関った人ならば当然に思える製造費率だとは思いますけど、日本の書籍業界の常識からみれば破格です。なんせ日本では、製版印刷費は(初版では)定価の30パーセントが常識とされていたと聞いていましたから。 (同人誌しか知らない人には、日本の事例でさえ印刷費の率が少なく見えるかも知れませんけどね)
アメリカのTRPG出版社を作ろう的な記事を読んだ時には、印刷費の15倍の定価をつけようということが書かれていて、驚いた記憶がありますが。あちらの感覚からすればあたりまえのことだったんですね。
しかしまあ、これでは日本の出版とその流通が苦しいわけですね。
キャラクターらしい行動をさせることが大切なプレイスタイル、楽しみ方、ゲームシステムなども、あることはあります。
でまあ小説などの考え方を援用すると、キャラクター表現のためには、キャラクターらしさを刺激するための舞台や状況や事件が必要となります。
そのため、もしキャラクターの個性の表現を要求したいのであれば。
のどちらかが、あるいはどちらも必要になるんですよね。
……キャラクターらしい行動というと、演技演出だけかと思うかも知れませんが。役割分担を刺激し機能させるってのも、この範疇ですね。
ちょっと検索してコナミの2001年03月期の決算についての記事を見て。遊戯王などのカードゲーム間連事業の売上高が605億円、営業利益が306億円だと知り驚きました。出荷元の一つがこれだから、業界全体の規模はもっとでっかいわけですよね、末端まで合わせると。おそらく、いまのTRPG業界の総売上とは少なくとも二桁、利益は三桁は違うんじゃないかなあ。
まあ、こうして考えますと、トレーディングカードゲームもしくはコレクタブルカードゲームと、TRPGを、商売において比較すること自体が間違いなんでしょうね。東京都で売れるものが地方都市で商売にならないとか、初版刷りきりの文庫が三大新聞ほどの商売にならないとか、そんな文句と同列の感じ。
だからまあ、TCGとは市場規模が桁違いに違う以上、価格帯やコンポーネント、サポート、人材への金のかけかたなどについて、同程度の物を期待するのは、無茶というものですよね。
ゲーム資源の配分をあれこれと工夫するといった資源配分のゲームを楽しむには、やはり何度も失敗しながら繰り返し試し、上手くいくまであれこれと悩み試すプロセスが大切なのではないかと思います。TRPGは、同じシナリオをなんども繰り返すわけではないので、資源配分のゲームをシナリオに生かすというのは、あまり生かしにくいんじゃないでしょうか。
対立型でも多人数競争型でもない以上、構造的にシンプルで最適解が読みやすすぎるというのもありますしね。
生かすとすれば、資源配分の結果がPCに与える影響を楽しみ、与える問題を解決しようと努力するとか。そんなあたりになるのかも知れません。
いままでの○○に不満はありませんか? 私の提供するこれこれは、その不満を解決します。というのを明記するのは、売り込みの基本なわけです。そして、ルールブックには、まだまだ解決できる不満、提供できる機能ってのはあるはずなんですよね。
検索しやすい構成、戦闘シミュレート機能、キャラクター作成支援、入力データのルールとの数値整合性検証、図表の拡大・縮小・抽出・並替、リストして比較検討などなど。
創作ルールはインターネット上に多々あれど、いままでのルールブックの不満点を解決する電子ルールブックってのは、記憶に無いんですよね。まだまだ、やれるはずなんですが。
自家用車お断りなコンベンションは多々あるわけですが。いっそ、自動車以外おことわりなコンベンションってのもあっても良いのかも。
まあ、コンベンションに頻繁に行けるのは学生で、それだと行けないひとが増えちゃうような気もしますが。
そこまで極端でなくても、自動車推奨、自動車で行きやすいコンベンションってのは、もっとあっても良いですよね。
小道具を駆使したセッションってのは、はじめての人を引き込みたいなら、ふだんよりも重視してしかるべきものなんじゃないかな。少なくとも見栄えがするし、雰囲気がでるし、楽しい感じを演出する効果があるわけで。
マップやフィギュア、カードやチット、イラストなどなど。
逆にいえば、こういうものが完備したシナリオセットがあれば、初めて遊ぶ人にを安心して誘える、安心して勧められるんですけどね。
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