TRPGな一言2001年09月前期分


目次


2001/09/01:シナリオの初見分析で品質をあげてみよう

プログラムの品質をあげる手法のひとつに、書いた人間とはまったく別の人間が、初見で詳細に分析批評して改善点を指摘するというものがあります。これは、ゲームデザインやシナリオデザインにおいても有用な方法ですよね。

とくにゲームシナリオにおいては、やるとしても実際にプレイしてから改善するに留まることは多いと思います。しかしプレイヤーを予定しない誰か信頼できる友人一人、できればプレイ環境の近しくない相手に見せて、抜けている考慮点などを指摘してもらうというのは、便利な手だと思います。

現在ではインターネットを介して、実プレイには参加できないゲーマーの知り合いと言うものは作りやすいと思いますから、試してみてはいかがでしょうか。

2001/09/02:略奪しても気の滅入らない敵を用意する

死のリスクをかけて戦って宝物を奪う。これが楽しいのは確かなんだよね。

しかしこう、奪う相手を人間にすると意識としてこう、引っ掛かることもあるわけで。いかにして「倒し略奪することをプレイヤーの意識的に正当化するか」が、ワールドデザインの腕の見せ所なのかも知れませんね。

アンデッドや敵対的なだけのモンスター、魔法的・機械的な敵なんかは、そのあたり気軽になるのかな。良くあるような古代の遺跡ってのも、所有権がないからという気軽さを出してるんでしょうね。

2001/09/03:恥ずかしい失敗をしたところから進歩がある

手ひどい失敗ってのは恥ずかしいし、あまり公表したくないものではありますが。読んでためになる、身につくという意味では、失敗とそのあとの対処ってのは有用なんですよね。

まあ、自分で恥ずかしい思いをしたのに比べれば、他人の失敗を自分にあてはめて自分を改善するのは難しいとは思いますが。

2001/09/04:いっそシナリオの前半をプレイヤーに渡してはどうか

最近のストーリーをなぞるタイプのシナリオをつらつらと見ていて思ったのですが。あそこまで固めてしまうなら、いっそプレイヤーにもシナリオの前半だけでも、台本のように渡してしまったほうが楽なのかも知れませんね。

シナリオでPCがどのような行動を期待されているのかを推測しながらうまくいかないようなことがなくなりますし、スムーズに話の流れに入って行けるのではないかという気もします。

2001/09/05:過去の創作の影響は甚大だ

地道に民族伝承やら史実やらに立ち戻って設定を考えていると痛感するのですが。昨今の設定ってのは、過去の創作の強い影響下にあるもんですね。意識してるのか無意識なのかはわかりませんが。

精霊に関する観念、神の奇跡のコンビニ化、魔法のインスタント性、などなど。確かに便利で扱いやすいし、むしろ最近の作品で育っているとそうでないものを理解しにくかったりもするようですが。

こんな現況ですと、ちょっと史実や学問的知識からネタをひろうだけでオリジナリティになってしまいそうですね。

2001/09/06:薬の副作用というリスク

ヒーリングポーションや医療用ナノマシンなどの強力な回復薬のようなものがある設定というものは多いわけですが。薬はすべからく量を間違えると毒薬になるというわけで、副作用なんかがあっても面白いですよね。

ヒーリングポーションの飲み過ぎで、再生能力が過剰になりガンなどの病気になるとか、食欲が増進しすぎたり直すのにエネルギーが必要で食費がたいへん上がってしまうとか、老化が進むとか。

ナノマシンにしても実際には便利で万能なものではないわけで、熱汚染で問題が起きたり、複製エラーで癌化したり。

便利で万能なだけの道具というのは、それはそれでゲーム的処理としては手ごろで遊びやすいわけですけど。原理的な限界や、効果のもたらす副作用などによるリスクがあるのも面白いかも知れません。

2001/09/07:推理モノで正解を出せなくても良いじゃないか

どうしても推理モノだと、推理小説の影響なのか「プレイヤーが謎を解いて犯人をみつけ問題を解決できること」をラストに置いて。それを目指して誘導したり、情報を小出しにしたりということをやってしまうわけですが。

推理を楽しむのであれば、最終的な決断を行い「実は推理は間違っていました」という結末で終わってもよいようにしてしまうというのも手なのかも知れませんね。戦闘で負けて終わるセッションと同様に、出した回答が間違って敗北するセッションがあってもいいんだと思います。

ただまあ、考えるに価する、ひっかけのたくさんあり、しかも確実に一つの答え応えに終息するような謎を提示するのは、かなり難しいわけですけど。

2001/09/08:特記事項をメモしやすいキャラクターシート

キャラクターシートを自作するときに、わりとよくやってしまうミスとして、訂正・変更の余地のないシートにしてしまうというものがあります。ヒットポイントに代表される可変なポイントについては、きちんと変更の余白を作るでしょうけど、それ以外の静的と思える部分については、ついついきちきちに詰め込んでしまいがちなんですよね。

たとえば武器について、失ったり魔法がかけられたり錆びたりしたときに、メモ用紙に書くしかなくなったりとか。補足説明や追加の修正、状況として変化した事項のメモとかはできたほうが便利なんですよね。そのあたりについても、あらかじめ検討しておくと使いやすくなるかと思います。

2001/09/09:夢と現実の錯綜で混乱しすぎないために

夢ネタを扱うなら、現実との境目がわからなくなる恐怖ってのが楽しげだとは思うわけですが。マスターが思うほどプレイヤーは状況を把握して居なかったりするわけですから、現状認識がそもそもとれずに夢との境界など意識できないというのは、あるのかも知れませんね。

ルール的にシーンわけしたり、夢の影響をルール処理したり、といった手順をはさめると、比較的意識しやすいのかな。現在の場面でできることが明確に図示されたりカード化されたりしていても、把握しやすいんでしょうね。

2001/09/10:呪いをPCにかけてホットスタートする時の配慮

PCに変な呪いがかかり、それをなんとかするために冒険をするというのは、上手くいけば楽しい物ではありますが。ルールにもよりますが、へまをするとPCを作った価値がなくなってしまったりするわけですね。

やはりプレイヤーでひどい目にあうのを楽しんで遊ぶ人をみつけるとか、PCの役割分担上の能力を阻害しないようにするとか、工夫が必要なんだとは思います。鳥にされてしまって色々できなくなるけど飛べるというプラスもあるとするとか、そんなのも。

ルール的にも、ファイティングファンタジーくらいのシンプルなシステムだと、色々とむちゃくちゃな呪いをかけても、うまく楽しみやすいのかな。かっちり数値配分するタイプのルールで作り込んで、さあ遊ぼうという時に、呪いで能力潰されると、萎えちゃいかねませんしね。

TRPGな一言:2001年分

2001年分の一覧へ。

TRPGな一言

TRPGな一言の総合情報へ。


連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPG.NET