TRPGな一言2001年08月前期分


目次


2001/08/01:無茶な環境に放り込んで原因を探させるシナリオ

SF探検もののシナリオの作り方のひとつを抽象的にまとめてみました。

まず「なにかの基本原理や仮説や初期状況の操作」を利用して「突拍子もない環境」を作り出す。そして「突拍子もない環境」による困難を作成し、PCにぷつける。

PCは困難を排し脱出し利益を得るためには、「なんかの基本原理や仮説や初期状況の操作」を見いだして障害を排除しなければならないとし、そのための補助情報や手がかりを用意しておく。

妖怪による怪異を解決するシナリオのバリエーションかも。

2001/08/02:状況と行動だけで結果が決まるシステム

人間の能力の差違は微妙であり大きな違いはないのである、と考えると。基本的に状況と行動だけで結果が規定され、能力による変化は若干の結果シフトや、派生する副次的効果程度に留めるというシステムもありですよね。

これだとプレイヤー技量、プレイヤーの判断が大きく反映されるシステムになりやすいでしょうけど。

たとえば交渉では条件や相手の状況によって結果は決まり、多少のおまけや、交渉の結果としての感情の変化などが個人の能力で左右できるに過ぎないとか。現実的にはわりとそんなもんかも知れませんね。

2001/08/03:強敵の倒しかたが隠されていることは周知せよ

強敵を倒す方法を隠す場合には、隠された倒す手段があることくらいは明確に伝えておくべきだと思います。

そのままでは倒せない、だから特殊な武器や解決方法を隠しておいて、それを手に入れて勝つようにシナリオを組もう。そう考えることはあるんでないかと思います。竜を倒すために竜殺しの剣を用意するとか。

しかしここで注意しておきたいのは、プレイヤーは「そのままでは敵が倒せないから、敵を倒す手段をまず見つけなければならない」ということを知らないということです。

プレイヤーにたいして直接マスターが明言してしまう方法もありますし。シナリオ中の設定やNPCのセリフ、などで解決しても良いわけですが。

いずれにしても、なんらかの方法で「そのままでは敵が倒せないから、敵を倒す手段をまず見つけなければならない」シナリオであることを伝えないと、うまく機能せずに失敗する危険があるわけですね。

2001/08/04:欲しいと明言するものは欲しいものではないことが多い

欲しいと明文化できるものが、ほんとに欲しいものであるとは限らないのは世の習いというものです。いや、たいていの場合には本当に欲しいものがらずれているのが普通のようです。

実際まあ、欲しいといっているものが昔あった時にも、また今あったとしても、理由をつけて買わないひとは大勢いるわけですし。

やはり実際のプレイを観察することで、本当に欲しいものはなんなのかを把握して、なにを提供すれば買われるのか考える必要があるんでしょうかね。うちのコンテンツなんかも。

2001/08/05:特定の結果を想定しすぎていないかチェックしよう

シナリオを作成していて、選択肢や対立、成否判定を行う場面を用意するのでしたら。それをリストして「特定の結果を望んでいないか」「失敗したらどうするか」をきちんと考えておくと、シナリオの運用時に楽になりますよね。

プレイヤーが特定の行動を行う、特定の行動を成功させることを前提としてシナリオを組むと、そうしてくれなかった時に悪戦苦闘する羽目になるわけですね。

無意識のうちに特定の結果になると決め込んでしまうというのは人間のしかたない特性ではありますが、だいじな部分だけでもチェックしておくと安心してセツションに望めると思います。

2001/08/06:不満があるなら動いてみたら

業界が激変期にある、必要とされているものが足りない。

これはまあビジネスチャンスであるわけでして。TRPG関係の商売に手を出したくて、かつ不満に思っていることがあるのなら、やはり実際に動くのが一番なんでしようね。

2001/08/07:矛盾はアレンジの素材

設定に空白や矛盾があったら、不満に思ったり制作者を難詰・軽蔑したり、ついついしてしまいたくなります。しかしまあ、それはあまり建設的とは言えないわけで。

そこで空白や矛盾を見つけたら、それはアレンジのしがいがある、アレンジのしどころである、と考えてみてはいかがでしょうか。そう考えて積極的に、シナリオのネタなんかにしてしまうと、精神衛生上もよいし効率的ですからね。

矛盾はアイデアの宝庫。矛盾点を解決するべく頭を悩ませて、うまい手段を見つけた時の快感ってのは大きいもんですよね。ぜひ試してみてください。

2001/08/08:バランスを動的に変化させうるゲーム

武器や魔法、特殊能力などがたくさんあるゲームにおいては。手ひどく強力でゲームバランスを崩してしまうような用法があとから見つかることがあります。

このように時に、追加の雑誌的なサプリメントでどんどん利用コストや条件を変化させバランスを動的に変化させることを前提として、多少崩れていてもそれは「今現在は強いが、次の時期にはどうなるかわからない」ということにするという手もあるんじゃないでしょうかね。

神々の戦いや技術の進歩、資源の開発や枯渇などが定期的に反映されて、使用コストや効果や性能が変化するというわけです。ルールブックと能力リストは別になっていて、年数回くらい能力リストが増補改定されるとか。

よく考えると、バトルテックなんか、そういうことしてたのかな。

2001/08/09:参入者には洗練よりも新しさを望みたい

同じような遊び方をより高度に提供するのであれば、既存ゲームの新バージョンでもないとなかなか手が出ないのはあると思います。

やはりこう新規参入するなら、品質やなんかは多少劣っていたとしても、あたらしい遊び方や新しい顧客層、新しい利用機会を開拓して欲しいものですね。そういった新しい代物に手を出す、新しいサービスを展開するのは。いま成功している企業・団体にとっては、顧客の指示を失いかねないのでやりにくいんですしね。

これはゲームシステムに限らず、TRPGに関するサービスの提供についてもいえるわけで、うちではやりづらい、やれないことを展開してみるところが出てくることを期待していたりします。

2001/08/10:公式シナリオの続編シナリオ

続編というものは、純然たる創作においてはテーマ性やらなんやらで作りにくくなることもありますが。TRPGのシナリオのような、エンターテイメントで深みを特別に要求されにくい性質のモノでは、続編は溜まった設定や過去の行動を元にすれば手間が省けてどんどん楽になるので、便利です。

でまあ、キャンペーンシナリオでキャラも世界も継続しているのであれば楽なんですが、そうもいかない環境もあるわけです。

そこで、公式シナリオの続編シナリオを作成するというしゅ段を考えてみるのはいかがでしょうか。この後なにが起きるのだろう、これが解決されても対立として残るものがあるのではないか、上手く解決できなかったらどういう事態が起きるだろうか、などと考えるわけです。

公式シナリオをそのまま遊べない相手であれば、既知の過去設定として利用できますし、シナリオのパーツや登場人物、敵やなんかも流用がききますよね。

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