TRPGな一言2001年07月後期分


目次


2001/07/21:はじめの一冊に向いたものが欲しい

TRPGをはじめるうえで「ここさえ教えれば大丈夫」「これからはじめれば、全部そろう」という商品がないのは困りますよね。

いろいろなことができたり、いろいろなサポートがあったりするのは、遊びこなしていくとたいへん便利で必要なことではあるんですが。はじめてとりあえず遊んでみるという時には、「ああやっても、こうやってもいい」ってのがたくさんあっても、困ることがあるんですよね。

初めてのひとには、今入手が容易でサポートされている中では、ソードワールドが一番すすめるには無難ではあるんですが、ルールとシナリオと入門やマスタリング案内を一冊で提供できないのが、難儀なところではあります。そのあたりソードワールドカードRPGには期待したいですね。

2001/07/22:殴るだけが最善にならないように

TRPG(に限らずコンピュータのRPGでも同様ですが)の戦闘では、結局のところ「一番強い武器で、一番強い能力で、ぶん殴る」ことを繰り返すだけになってしまう危険がありますよね。まあ、それはそれでランダム性・ギャンブル性を入れれば、それだけで楽しいのも確かなんですが。

支援能力や特殊攻撃が用意されていても、結局は回復に回したほうがポイント的に得だとか、とりあえず有利になるもの全てプラスして一撃する以外は無意味だとか。

いろんな戦闘行動を楽しめるTRPGをデザインするなら、そのあたり多様な行動をとる必然があるようにバランス取っとくか、多様な行動が取れる必然を用意しておくように、気をつけるべきでしょうね。

2001/07/23:細かい違いに確実な差異をつけたほうが喜ばれる

武器や防具、能力の細かい違いの影響というものは、実際には確率的な影響で、確実に結果が変化するというわけではありませんよね。

しかし、プレイヤーはその違いを生かした行動を行った時には、どうしても

「自分がこう行動したことが結果に目に見えて生かされて欲しい」と感じてしまいがちではないかと思います。

そのあたりを心理的に考慮すると、現実性よりも派手に差異をつけないと、プレイヤーにとっての体感的な不満が生じるんでしょうかね。

2001/07/24:状況による判定修正の方法を複数用意するか

ゲームシステム的に定義された状況による判定への修正の加え方にいくつもの個性ある方法があると、慣れていれば一番向いた手段を使えるので便利ですし表現力が増すのは確かですよね。悩みがいもありやすくなる。

しかし、初めてマスターをする時や、マスターとプレイヤーの間でどのように状況がルール的に表現されるかが共有できていない場合には。判定への修正の加え方が統一されていてただ一種類しかないほうが、プレイしやすいわけで。そのあたり、難儀ですね。

2001/07/25:全て自キャラでまかなおうとしない

役割分担が弱い技能系のシステムにおいては、とりあえずどんな行動でもこなせる、便利なキャラクターを作れることがあります。どんな時にもPCを活躍させたいプレイヤーは、わりとやりがちな気もします。

しかし、どんな状況でも対応でき、戦闘以外では自分だけで片づけられるようなPCを持つプレイヤーが、全て自キャラでまかなおうとしてしまうと。他のプレイヤーは戦闘以外ではなにもできなくなりかねないわけですよね。

まあ、それでも楽しいという人ばかりならいいんですが、なんでもできるPCを作った場合には、他の人の得意な能力については見せ場を意識的に譲るようにしないと、不満をもたれかねないので注意するべきでしょうね。

2001/07/26:ゲーム制作にも役に立つ実務能力を身につけよう

「TRPGで、あるいはゲーム業界で仕事をしたい。だから私はゲームを作る・書く・描く技術を磨いているのだ」といった考えの人はそれなりに居るようです。

しかし。実際に仕事をしたいのであれば「ゲームについての技術」だけでは辛いんですよね。ゲームで仕事がしたいなら、ゲーム制作で役に立つ能力というものは「あってあたりまえ」ではありますが、それだけしかないクリエーターばかりでは仕事はできないんですよね。

なんでもいいけど、「TRPGについての仕事をする」の"にも"役に立つ技量で、一般的な仕事に役に立つ能力が十分にあるくらいでないと、他の人と差別化できないわけです。

たとえば簿記会計や税務、ビジネス契約・法務能力とか、セールスマンとしての実務能力とか、編集・DTP とか、テープ起こしとか、校正能力とか、頼まれたものを期日までに書き上げる能力とか、資料を読み混んで要約整理する能力とか、「議論をうまく取りまとめる」能力とか、学問的基礎を持つ数理的分析能力とか。

そういったゲーム以外で食うに十分な技量を養わないで、直接ゲームに関係する技量ばかりに目が行っているようでは、使えないなあ、と思う今日このごろです。

2001/07/27:状況と行動からの行為判定にPC能力が反映されなくても良い

プレイヤーの技量と考えたことが適切に結果に反映されるという意味では、べつに行動判定にPCの能力を関係させなくてもいいんですよね。

そう考えてますと、いっそ「PC能力の関係しない」システムというのも、一つの手だよなあと思いました。状況と行動によって汎用の表を引いて、それだけで結果が出るようなやつね。実際まあ昔のシステムではよくあったとは思いますが。

最近はすべての行動が特殊能力的に処理されて、PCがその行動を行う能力を持ってないとその行動ができない・やっても意味がないということになりがちだと思いますが。その逆ですね。

2001/07/28:どう機能させたいのかを明確にして評価を依頼しよう

もしゲームをデザインして上手くいっているか評価して欲しいなら、個別の機能が「理想的にどう機能することが想定されているのか」とか「具体的な展開の流れのサンプル」を明確に書きだして置いたほうがいいですよね。

まあ要求仕様書とかユースケースみたいなもんですかね。

どうしたいのかを明確にしてあれば、上手くいかないように工夫して穴を見つけることができますし。やりたいことと実装の乖離を見つけるにあたって、なにを実現したいのかを探るので労力の大半を費やしてしまうのは疲れますからね。

2001/07/29:感情のボーナスルール化

感情のボーナスルール化は最近流行のような気もしますが、「感情にそった行動や演技演出をするとボーナスポイントがもらえる」が多いような気がします。

しかしまあ、他にも色々と感情のボーナス化の手法は考えられますよね。

などなど。

他にも色々考えられると思います。

2001/07/30:プレイヤー経験点という呼称

マスター経験点やプレイヤー経験点のあるシステムが、勝利得点として勝利条件を明示して、目標を明確にするために用いているのでしたら。それはやはり、経験点という名前を使うこと自体が間違いなんでしょうね。

名前はイメージを左右しますから。

まあ、経験点と書いてあるから成長に使うものだと見てわかる、それが探す時便利、というのもまあ事実なんですが。

2001/07/31:目標と考えず立場の明示と考える

TRPGにおいて「このゲームはPCが○○するゲームです」と書かれていたとして。それが「PCによってルール的に可能な達成すべき目標」であるとは限らないんですよね。「PCが日常を守るゲームです」とか「PCが冒険者をするゲームです」とかね。

PCとしてゲームが、シナリオが成立するための「PCとして機能するための前提としての立場」であることだってあるわけです。むしろ多いのかもしれない。

これを「達成すべき目標」と勘違いすると、目標を達成するためのルール的手段が無いとか、目標が具体的でも明確でもないとか、不満に思ってしまうわけですが。「シナリオを作りやすくするためにPCの立場を明確にしている」とか「PCの立場でなくなる条件を明示している」と考えれば、幸せに遊びやすくなるような気がします。

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