TRPGな一言2001年07月前期分


目次


2001/07/01:導線を考慮したゲームデザイン

ルールブックに参照しなければ遊べないデータが散乱していたり、複数の書籍やシートに別れていたりして。一つの戦闘をしたり一つの行動を判定したりするたびに、探しまわったりあちこちをむ見たりしないといけないようだと、繁雑に感じますよね。

参照する必要のあるデータやの配置が悪いと、遊びにくいというわけです。動線が悪くて散策しにくい店舗や、渋滞の起こる通路のようなもんですね。

改善策としては、必要なものをコピーして使いやすいように配置することでしょうか。もしくはデータや配置を覚えてしまい、作業を身体に覚え込ませてしまえば、問題になりませんね。

この動線を考慮する必要があるというのは、図表や数値などのデータに限らず考えることができますね。記入するシートなんかが典型でしょうけど、プレイを運営するうえで操作する物理的なものの配置が悪いと、やっぱリプレイしにくい。

たとえば本を見てどの数字を今回使うか探して、そこから得られたシートの数字を、また別の本の表に照らし合わせて、サイコロを振って……とやると目線があっち行ったりこっち行ったりするわけですよね。このあたりをスムーズに支線を動かす回数を減らし動線を考慮するのも、遊びやすいデザインという意味では必須のことでしょうね。

2001/07/02:もっと自然な洞窟を

わりとTRPGのセッションで洞窟を出す時には、入り口が地面と同位置にあり、上下には変化がなく、人間がたってあるいて戦うのに向いたサイズのものばかり出してしまうように思います。

しかし実際には、洞窟ってのはなかなか見つけにくいようなものだったり、横の変化と同様に縦も変化が多かったり、腹這いにならないとすすめなかったりするものですよね。

そのあたりを遊びやすい程度にフレーバーとして導入すると、戦場の条件が変化して、多彩な状況を楽しめるようになるんでないかなと思います。

2001/07/03:用語の統一性

遊びやすく覚えやすいTRPGを考えるうえで、ゲームルールの判定の統一性や、ルールのパーツ・データのフォーマットの統一性の重要性については、わりと言われることです。しかし用語の統一性・対称性も重要なんですよね。

たとえ用語がたくさんあったとしても、命名方法が自然で規則性・関連性があれば、用語から内容を推測したり、既に知っている用語から他の用語の意味を類推したりしやすいわけです。

逆にいえば、単語の自然な意味と食い違った用語だと内容が推測したものと異なって混乱してしまいますし、統一性のない命名だと類推が効かないのですべての用語を個別に覚える必要があります。

デザイナーは用語とその意味をしっかりと理解して親しんでいるので、どうしても自分では、用語の統一性が取れているか、単語の示す意味と自然か、判別できなくなりがちです。

デザイン課程で内容がどんどん変化して、だけど用語が旧来のまま遺存するというのは良くあることですから。いっそデザインが完了したあとに、別の人に用語を付けなおしてもらうのもいいのかも知れませんね。

2001/07/04:どうしたらいいんだろうとわいわい相談する楽しさ

困難な状況に置かれて、あれこれ考えて相談しながら打開策を考える。そういう楽しみってのがありますよね

決して安定して楽しめるわけでもないし、一人だけで解決できるプレイヤーが居てしまうとつまんないけど。この、わいわいと相談しながら、ああでもないこうでもないと考える時間ってのはTRPGの大きな魅力の一つでしょう。

この場合には、シナリオってのは「どれだけ魅力的で困難な状況を提供できるのか」ということになるんでしょうね。そのためにモンスターデータや呪文リストを必死こいて眺めて「こんな使い方をすればPCを追い詰められる」とか考えるというのは、マスターの楽しさの一つだと思います。

2001/07/05:評価点としてのヒットポイント

ゲームの巧拙や勝敗を決めるための評価点とでも呼ぶべきものは、基本的にはどのようなゲームにも存在するものだと思います。

TRPGにおいてはゲーム全体の評価点が欠落することは多いのですが、それでも戦闘はゲーム的に構築されて、評価点を持つことが多いようです。その代表例がヒットポイントではないでしょうか。

戦闘後のヒットポイントの残量は、次回の戦闘における有利さに直結します。これは、いかにうまく戦闘をこなしたかを評価するものだと言えると思います。

元々のヒットポイントの差があるのに評価点として正しいのか、ということについていえば、戦闘能力の違いによるハンデなどと考えることもできるでしょう。

問題はまあ成長ルールで、強いものがとことん強くなるということですね。評価点的には「強いキャラクターを利用するのは、プレイヤーの技量が低いことにたいするハンデである」べきなのでしょうが、そうはなっていないのが現状で。それがいろいろな問題に繋がってるんですよね。

2001/07/06:別にTRPGならではだけにこだわる必要はない

TRPGならではの魅力というやつは、いろいろといわれていますし、これまでも書いてきたような気はします。しかし実際のプレイの現場では、それ以外の部分も含めて楽しんでるわけですよね。

ギャンブル性とか会話とか感情移入とか、ちょっとしたプレイヤーの失敗とか、一緒に何かをした達成感とか。他でも得られるものだけど、それをTRPGで得て純粋に楽しめてるわけですよね。

そのあたりを忘れて、TRPGならではの部分だけしか考えないでゲームをデザインしたりシナリオを作成したりすると、遊んで詰まらないものができあがったりする危険性があるのかも知れませんね。

2001/07/07:郷土史シナリオはネタの宝庫かも

思うところがあって地元の二上山近辺についてちょっと検索してみますと。

旧石器時代の石器工場、石棺材料の採掘、竹取りの翁、葛城一族、大津皇子、蛇神信仰と日没観測、役行者の初期の道場、石窟寺院、當麻曼荼羅と中将姫、浄土宗の祖で往生要集を書いた恵心僧都、幼少期の司馬遼太郎まで。他にもいろいろとネタになりそうな過去がありました。

奈良県だから多目なのはあるとは思いますが、地元ネタってのは、新興住宅地以外では、けっこうたくさん転がってるものなのでしょうね。キーワードを考えて検索したり、図書館の郷土資料を漁ってみるのも楽しいかも知れません。

2001/07/08:書き込みすぎない地図

セッション時にはじめてプレイヤーに見せる地図は、あまり描き込みすぎていると、理解してもらうのに時間がかかる危険性があるんですよね。行動を考えたり状況を理解してもらううえでは、あまり書き込みが多すぎるのも考え物なのかも知れません。

そういう意味で、現代物で市販の地図をそのまま使うのも、いまいち問題があることはありますよね。白地図に必要なランドマークを色つきで示したりしてる程度のほうが、わかりやすいのかも。

2001/07/09:日常的なことからシナリオを引きだす

たとえ日常的なできごとや行動であっても、アクシデントが起きるととたんに非日常、解決すべきできごとのある特別な時間にかわるものですよね。

例えばまあ、友人の家に遊びに出かけるとして、途中で事故にあったり、若者諸君に絡まれたり、人が落ちてきたり、妖怪に食われそうになったり。人によっては日常茶飯のモノもあるかも知れませんが、オカルトやなんか混ぜてやれば、日常から離れて行きますよね。

別にやるべきことは日常的であっても、アクシデントや障害を用意して、それを解決する動機づけができれば、シナリオになりうるんですよね。

2001/07/10:飲み物必須

喉の渇く季節の到来であります。

TRPGのセッションってのは拘束時間も長いし、良くしゃべるので、飲み物だけは用意しとかないと辛いんですよね。うっかり忘れると地獄になります。とくにゲームマスターは良くしゃべる必要があるし。

甘い飲み物は口がもちゃもちゃするしまた喉が渇くので、茶のたぐいかスポーツドリンクなんか良いのかな、と思います。甘いものとさっぱりするのが両方あるのも良いのかな。

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