TRPGな一言2001年06月後期分


目次


2001/06/21:フォロー役はゲームマスターのみの仕事ではない

他の参加者に気を配り、活躍を配分したり不満が起きないようにしたり、公正さを確保したり、場を盛り上げたり、他の人を鼓舞したり、話がうまく進まないのを動かしたり。

そういったことが「ゲームマスターの役割」であるというような風潮があると思います。しかし、それは間違いではないでしょうか。

確かにゲームマスターはある程度権限がため、それらの他の参加者へのフォローがやりやすいのは確かですが。いつでもゲームマスターに、ゲームマスターだけに要求してしまうというのは、プレイヤーの甘えに他ならないと思います。余裕のある参加者の全員がやれば良いことなわけですからね。

他の参加者へのフォローはゲームマスターの任務であるという風潮が定着しているようでは、未経験者がゲームマスターをやろうという気にならないのも理の当然だろうとは思います。参加者を補助しあって楽しく遊べるようにするというのは、ゲームマスター個人ではなく、参加者全員がそれなりに心掛けるべきですよね。

2001/06/22:技能の多いシステムのキャラクター作成の幅は本当に広いのか

作成できるキャラクターの幅が広いシステムというものがあります。いろんな技能やら能力やらがあり、多彩なキャラクターが作成できるというやつです。

これはプレイヤー的には好きなキャラクターが作れるような気もするわけですが。実際には取れる能力の実用度がモノによって大きく変わってきて、結局は定番のもの、とくに戦闘に役に立つものしか取る意義がないということになりがちなんですよね。

マスターが頑張ってシナリオで使うあてを用意するとしても、あらかじめキャラクターができている時でもないと難しいですし。とくに取っていなくてもそれなりに成功するけど有利になる程度であれば、プレイヤーとしては取らないで戦闘に注ぎ込んだほうがマシ、となりがちなんですよね。

キャラクタ作成時に取るべきものを指定するなどして限定することである程度は対処できますが、それも魅力を削ぐことではあるのが難儀ですね。

2001/06/23:何をやるべきか明確でないときのプレイ方針

マスターに「PCはなにをやるべきなんだろうか」と尋ねても「やりたいようにしろ」としか帰って来ないことがあるかと思います。これでは困るといえば困るわけですが。結局は「私がやらせたいと思うことを見抜いてやれ」ということなわけですよね。

その場合、

あたりが妥当なんでしょうかね。

2001/06/24:間違いが起きることを前提にデザインする

TRPGのゲームデザインにおいては、ゲームルールを人間が運用する以上、ルールをゲームマスターが間違える、プレイヤーが間違える、ことを前提として作ってあるべきなんでしょうね。

一部のゲームルールを間違えたとしても安定して機能するくらいのシステムであるべきで、一つのミスでクラッシュしてしまうシステムは、間違う生き物である人間が判定など処理するTRPGにはまったく向いていないというわけです。

むろん間違いが起きた時に対処しやすい、対処の方法まで含めたデザインとなっていると、よりよいのでしょう。

2001/06/25:モンスターデータ抜き書きで楽をしよう

みんなやって居ることだとは思いますが、モンスターとの戦いの必要なシナリオ作成時には、その紙だけ見て戦闘ができるようにしておくと便利です。

特殊能力などが汎用化されていて、実際に利用する時にはその能力について書かれたをページを参照しないといけないばあいには、その参照先についてもコピーするなりメモを取るなりしておくと。こうすれば、ページをあっちめくりこっちめくりと手間取りながら処理しなくてすむわけです。

ある程度慣れていて、数字や表を必要に応じて参照することがある、程度に訓練されたゲーマーでしたら。はがせる付箋をその日のシナリオの必要にあわせてつけておくくらいでも、十分なんですけどね。

2001/06/26:キャラメイクや判定からデザインしない

TRPGのルールなどを考える時には、ついついキャラクターの数値表現やサイコロ振り方などの判定方法から考えてしまいがちです。むろん、うまい表現方法や判定方法を考えたので、それを活用できるようなゲームをデザインしてみようという時にはそれで良いわけですけど。

ただ、実のところゲーム運営上は、キャラクターの表現方法や判定方法は瑣末な問題なんですよね。そういうのは「どのようなゲームをするのか」先に考えてからでも十分というわけです。

具体的なゲーム進行の流れの「これを提示して、プレイヤーにはこれを決めてもらい、マスターはそれを考慮してなにを決定するのか」とか。プレイヤーが達成すべき(数値的)目標と、そのために取るルール的手段とか。そういったものが明確にならないと、遊べないわけです。

むろんそれらが明確でないままでも、TRPG一般の曖昧な暗黙の遊び方で遊べているわけですが。それだと質的には既存のルールで遊ぶのと大差ないものに終わりやすいわけですよね。

作ることそのものが目的であるとか、全部自前ものもがあると使い勝手が良いからとかいう理由があるなら、それでも十分に目的は果たせるわけですが。新しい遊びを提供したいのであれば、手順や目標構造をきちんと再考してみると、より良いものになるかと思います。

2001/06/27:ルールがフォローしない部分のマスター固有の遊びのタイプ

今のところまあ、シティアドベンチャーで緊張感のある状況や悩みがいのあるゲームが自動的に生成されるようには、システム的にフォローされてないのが普通だと思います。

システムでフォローされていないから、ゲームマスターが個別に、その部分を楽しくするノウハウを磨いたりしているんですよね。結果的に、同じルールであってもゲームマスターによって別の遊びになる原因でしょう。

などなど、いろんな手があるわけですよね。

そのあたりもうすこし、ルールが自動的に補助してくれると楽なのかも知れませんね。

2001/06/28:情報収集判定で進行情報を渡しそこねない方法

情報収集を成否判定で行うと、ゲーム進行に必要な情報が得られずマスターが困るという意見があります。対策としては以下のようなものが、良くある手ですかね。

報として進行情報と分離する

このあたりはゲームシステムごとに使いやすいものは変わりますので、システム的に明確になっていると楽ですね。

2001/06/29:PCと関係した事物でシナリオへの関与を盛り上げる

PCにシナリオ中の登場人物と積極的な関係する動機づけがあり、それをプレイヤーが納得して自発的・積極的に行動すれば、TRPGってのはたいへん盛りあがるわけですよね。それがまあ魅力の一つ。

動機づけの方法としては、それらしい反応できる素材を提示して、セッション中にプレイヤーがそれに食いつくのを待つという方法もありますけど。これはプレイヤーとマスターの資質や能力によっては失敗しやすい傾向があります。どうせなら明示的に、シナリオ中に登場する事物に関れる動機を渡してやるのも良いでしょう。

内輪キャンペーンセッションなんかでは、もっと楽ですね。プレイヤーの提供するキャラの設定にあわせて過去を作成したり、それまでのセッションの展開を利用したりして。関係を構築された事物と絡めたシナリオを作成すればいいわけです。

2001/06/30:最初から仮の目標だけでもプレイヤーに提示する

途中で達成するべき目標や課題、倒すべき敵を発見していくタイプのシナリオというのは、ある程度慣れてくるとやりたくなりがちかも知れません。最近だと最初からそういうシナリオにする人も多いのかな。

しかし、最終的に達成する目標が隠されていて、それを模索するようなシナリオであったとしても、仮の目標があるほうが良いんですよね。

最終目標を得るための行動を行ったり、最終目標を動機づけたりするためには、あらかじめ仮の目標がないと、プレイヤーとしても動きにくいですから。

TRPGな一言:2001年分

2001年分の一覧へ。

TRPGな一言

TRPGな一言の総合情報へ。


連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPG.NET