TRPGな一言2001年06月中期分


目次


2001/06/11:対立からシナリオを考える

シナリオアイデアを考えるための基本的なノウハウのひとつに、世界設定から対立の構図を探す、というものがありますよね。

TRPGのシナリオにおいては、おおむねPCが対処しなければならない問題が必要ですが。

などなど対立構造があれば、やるべきことを作りやすいんですよね。

2001/06/12:課題はシンプルかつ明確に伝えたほうが楽

シナリオの核になる部分は、○○を倒せとか、○○を取ってこいとか、そういった課題であることが多いかと思います。

ここで、わりと慣れてきたゲームマスターは、プレイヤーに課題を探している場面からはじめさせるとか、課題の明確化そのものをプレイヤーがPCに行なわせないとだめだとかったシナリオにしてしまいやすいように思います。

しかしこう言ったものは、判断が難しく、時間を食いやすいんですよね。右往左往して、迷って、なにを求められているのかプレイヤーがわからなくなりがちです。特にオンラインセッションではこれは致命的でしょう。

内輪で長時間用意してある時などであれば、課題をあれこれ選んだり悩んだり裏をとったりするのも楽しいものですが。時間が限られていたり、ゲームマスターがプレイヤーになにを求めているかをプレイヤーが理解しているような環境でないのでしたら、さっくり「課題を明確にしてスタートする」のも良いかと思います。

2001/06/13:現代物の動機づけの弱さ

公式世界として維持継続したり、世界を共有したりする場合には、どうしても世界を壊さないように維持しつづけないといけないんですけど。現代の現実世界を舞台にすると、その制約がよりキツくなるんですよね。

現実の平穏な社会を維持するとなると。PCが決死の活動をするだけの対立構造とかモチベーションを提供するのが難しくなるわけです。どうせ壊れないようにできてるなら、自分がやらなくても良いじゃないかとかね。

そうすると、ふりかかる火の粉を払うだけになったりとか、せいぜい世界が壊れそうになるのを治す修理屋さん程度の活動になるので、達成感が薄くなりがちなわけです。

オカルト色を加えることによって「現実の組織などは対処できないから、自分たち専門家・特殊能力者がなんとかしなければならない」というのは、わりと良い解決策ですが。その場合には、極めて希少な存在としないと、ありふれた存在ではやはり「自分がやらなくても良いじゃないか」という気分になり、動機づけが弱くなりがちなので注意する必要がありますね。

2001/06/14:戦闘が面白くなる舞台の要件

戦闘を(より)面白くするような、舞台設定の条件を抽象的に考えてみました。

酒場であれば、テーブルや椅子やその他があるか明確で、テーブルを使えば盾にできる・移動を阻害できるなどがルール的に規定されていて、テーブルは倒せばその場所で視界が遮られるなどの変化が起き……といった感じですね。

2001/06/15:データ変造対策

コンピュータゲームのほうでは改造や変造データで遊ぶという人も居ますが。同様のことは人間がデータを管理し処理するTRPGにおいては、極めて容易にできてしまうんですよね。

まあゲームのバランスが崩れて詰まらなくなるのは、遊んでる当人ではありますが。個人で遊ぶものならつまらないという不利益は本人だけが被ればいいものの、多人数で遊ぶ遊びにおいては問題ですよねえ。

複雑でデータをつくりがいのあるシステムほど、不正の混入を検査しやすいツールや、変造しにくい工夫は必要ですね。

人間が処理するということを考えれば、システム的に変造する意味がない、変造してもすぐに分かってしまう、くらいになってるほうが良いのかも知れません。

2001/06/16:ポイント割り振りキャラメイクはマスターが大変

ポイント割り振り方式は、キャラクター作成をプレイヤーがあれこれ考えて楽しめるという意味で秀逸な方法です。

しかし取れる幅が広いとなりますと、プレイヤーとその考えかたによって、強さの程度が格段に変わったり、対処できる状況が偏ったりしてしまうんですよね。そのため、ゲームマスターの難易度の調整の負担がたいへん大きくなるわけです。シナリオがあらかじめ用意されていて、かつPCがあらかじめどんなキャラクターかが分かっていない場合には、なおさらですね。

ポイント振り分け性のシステムを作成する時には、

など(他にも色々あるでしょうけど)、マスターがシナリオを作りやすいようにする工夫を忘れないようにしないといけませんね。

2001/06/17:一般アイテムのバリエーションが欲しい

魔法でないアイテムが、もっといろいろなバリエーション出せてると面白いのかもしれないなあ、などと思う。わりとこう、数値のちょっとした違い以上の機能差のようなものが一般道具類に出ているシステムって少ないような気がしまして。

むろん、ゲームシステムの細かさや数値単位にみあった表現力の限界とか、ゲームシステム内でのアイテム類の持ちうる機能とかがありますから。通常の道具類のバリエーションには限界はあるのも分かるんですけどね。

2001/06/18:プレイヤーはPCがなにをするべきか考えよう

ミッション型でないシナリオにおいて、PCが事件や環境にどう関与するかがゲームマスターから提示されない場合があります。「PCはなにをするべきなのか」が与えられないわけです。

これはゲームマスター的にはプレイヤーの提案に基づいて組み立てられる自由な場を用意してるつもりなわけですし、そういうのが好きなプレイヤー、向いているプレイヤーが居るのは確かなのですが。プレイヤーとしては「やりたいことをやる」のが思いつかないとどうしても、「何をしたら良いのかさっぱりわからない」となるようです。

万人向きのシナリオ・セッションとしては、PCに動機を与えるようなネタをたくさん用意して提供していくのが無難なのかも知れませんね。もしくは、最近も書きましたけど「最初から動機はプレイヤーが考えること」とするとかね。

どちらもマスターが用意してくれていなければ、プレイヤーは努力してシナリオに関与していくべきでしょうし。いかにシナリオに絡めて設定を追加したり、動機を考えたり、行動計画をたてたりするかが、プレイングテクニックというものなんでしょうね。

2001/06/19:プレイヤー発言に限定して相談してもらう

キャラクターとしての会話発言を中心としていると、複雑な作戦の討議や、解消すべき対立をうまく処理するなど、手間取ることがあるかと思います。プレイヤーとしての発言を使えば簡単に片づくこうしてほしいという意図の伝達が、PCとしての発言にするとうまく伝わりにくかったりするんですよね。

このような場合にはゲームマスターが「これからプレイヤー発言に限定して相談しましょう」と宣言してしまうという手もあるようです。

2001/06/20:弱いけどずるがしこい敵

直接戦闘能力自体は弱いけど、数が居て罠や仕掛けや作戦を駆使するようなずるがしこい敵ってのは、楽しいですよね。

あまり強すぎなければ追い込まれても次のプレイヤー側作戦を真剣に考える余地が残りますから、プレイヤーに考える価値を見いだしてもらうのにも向いているのかも知れません。

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