TRPGな一言2001年05月中期分


目次


2001/05/11:シナリオへの自発的関与の動機をプレイヤーに考えてもらう

シナリオで達成するべき目的を用意して、それにどうやってPCを関与させるかには、いくつかの方法があります。良く利用されているのが、依頼型関与と巻き込まれ型関与とでも言うべきですか。

しかし、他にも自発的とかいうものもあるかと思います。

ようなものですね。

たとえば、宝探しにしても。「君たちのPCは宝を得たいと熱烈に思っており、宝のありかについての情報を得て目的地にたどりついたところからはじめる。理由は各自考えてくれ」とかやればいいわけですね。

むろんまあ、結局はシナリオの目的に関与することが前提なわけですが。PCが依頼された仕事だから目的に向かうというのと、PC自身の動機をプレイヤーが考えて目的に向かうというのでは、納得感や違いますよね。

PCの動機は自分で考えたものだから、それがプレイヤー自身の動機と重なりやすく、自発的に目的を達成しようという気が盛り上げやすいから、楽しみやすいわけです。

2001/05/12:解決方法を納得できずにごり押しする危険性

ゲームマスターも人間である以上。プレイヤーに期待していた行動以外の解決方法を提示されたときに、常にそれを公正に受け入れられるものでもありませんよね。

納得するまで時間がかかったり、納得できなかったりしてむりやり失敗させてしまおうとアドリブで無理をしたりするというのは、よくある情景かと思います。

これはまた、プレイヤーの行動でも同様に合って。引かないタイプの人が二人居たりすると、なかなかたいへんですよね。自分の意見を押し通そうとしてプレイヤーやマスターが激論や知識合戦やごねあいになったあげく、脱退・分裂・崩壊・消滅に至るというのは、オフラインでも良くあるようですし、オンラインではなおよくあると思います。

まあ人間だからしかたないんですが、自分がそうならないように常に気をつけておくというのは、大切でしょうね。

2001/05/13:中庭中心の構造として建物を読み解く

明るいランプの存在する現代人は忘れがちで、私も知ってるくせに忘れがちだったことですが。むかしの建物は採光の都合もあり、広いものであっても中庭を多数持つ同心円・ロの字型の構造物の集合体なんですよね。

現代の目で城や遺跡の平面図なんかを見ると、ついついすべての壁のあいだは天井があるような気がしてしまうのですが。実際には、広い部屋のようにみえるのは、天上のない中庭なんですよね、基本的には。

そのことにはたと気がつくと、遺跡地図の構造と使われ方が、するすると読み解けてきて。なかなか面白いものでした。

2001/05/14:聞き出すことの大切さ

ゲームマスターが準備なりセッション運営なりをする時にも「相手が何をやりたいのか」を聞き出すことは、極めて大切なことですよね。

ゲームの選定でも、キャラクターの作成のアドバイスでも、行動宣言でも、相手の発言を思い込みで解釈して確認しなかったりすると、

「こんなはずじゃなかったのに」

「マスターわがままー」

「やりがいがないなー」

「つまんない」

などとなるんでしょうね。マスター側は気がついてないけど、これが起きているというのは、自覚している以上に良くあることなんですよね。

復唱確認や、これで良いのかという確認など、ちょっと心掛けるだけでずいぶん相互理解ってものは向上するので、気をつけてみるといいでしょうね。

2001/05/15:小説を読んでこう思う人はマスターをどうぞ

TRPGを説明・勧誘する時に、こんないいかたを使うことがあります。

「小説を読んで『わたしなら、ここでこう行動させたのに』と思わない?

そんな感じに、架空世界で登場人物を行動させるんだ」

これはプレイヤーを勧誘するのに使えるわけですが。ゲームマスター向けの勧誘ではないことに気がつきました。やはりこう

「小説を読んで『わたしなら、この登場人物たちを、こんな事件に遭遇させるのに』とか『登場人物たちを、こんな危険にあわせたら楽しいな』とか『こんな舞台に放り込んでみたいな』と思わない? それを実践できるんだ」

みたいな感じになるんでしょうかね。

2001/05/16:商売の中心的な対象となる層は……

物や情報を売りつけるのに最適な相手は、「はじめてからしばらくたち、上手く遊べるようになり、もっともっと遊びたい・知りたいという欲求のある時期」の人間だといいます。TRPGだと、はじめて数ヶ月から数年、高校から大学あたりの、一番遊んでいる人たちですかね。

商売的には、初心者向けコンテンツとかよりも、この層を引きつけるためのサービスやコンテンツを提供していくべきなんですよね。そういう意味では、いまのFEARなどの商売は正しい層を狙ってるような気がします。

オンライン情報として提供の中心になるのは、コンベンションサークル情報、新製品情報、実際に遊ぶのに必要なマップやダンジョン、シナリオや小道具など、といったものでしょうかね。

いまのTRPG.NEtは、もう少し枯れた層向けの感じが強くて、人数的にも利用の欲求的にも、商売としては狙うべき層とはズレてるのかも知れませんね。愛用するシステムが染みついて、新しいものを買う必要を感じないような層を相手にするのは、商売への誘導という意味では正しくないんでしょう。

2001/05/17:なぜ別のセッションと技量の比較が困難なのか

あらかじめ用意された課題を解決するタイプの遊びは、色々ありますよね。クイズとかパズルとか、試験とか、運動とか、そして乱数要素が展開に根本的な影響を与えない(与えにくい)タイプのコンピュータゲームとかです。

これらは一般には、別々に遊んだ人間と達成度を比較して熟練度を競うことができます。しかし、TRPGは「あらかじめ用意された課題を解決する」タイプの遊びですが、別々に遊んだもの同士を比較することが困難ですよね。

でまあ、理由の一つとしては、問題解決に利用できる手段にあいまいさや裁量の余地が少なくないと、困難さの基準が統一されず、比較できなくなることにあるようです。

マスターの裁量で加減が出来たり、マスターの気分によって判定基準が変化したるするとそうは行きませんよね。TRPGでは、多彩な展開をプレイヤー展開を創出することが可能なのが魅力ですが、だからこそ他の場でのプレイとの比較が不可能になりがちなわけですね。

2001/05/18:効果音つきシナリオが欲しい

効果音やサスペンスを盛り上げるような音楽があるだけで、色々と雰囲気は盛りあがるのだろうというのは理解できますが。なかなかこう、利用しにくいですよね。

音を鳴らしても良い環境というのも問題ですし、そも効果的な効果音などを収拾するのもめんどうなもので。

こういった素人が用意しにくい素材なんかをセットにしたシナリオが売っていると、たいへん楽でいいし、買う価値もあるんでしょうね。シナリオ、画像、音楽、地図、駒、などがパックになってると楽だなぁ。

2001/05/19:キャラクターはみんなでわいわい作ろう

キャラクター作成の楽しみってのがあります。

良くできたルールですと、あれこれ考えながら一人でキャラクタへを作り上げるのが楽しいものですし。好き勝手に設定を作れるタイプのシステムでも同様ですよね。

しかし、こういった「一人でキャラクターを作る楽しみ」というのが存在し、楽しまれてるのも確かですが。これ以外にも「みんなでわいわい干渉しあいながらキャラクターを作る楽しみ」というのもあるんですよね。システム的にサポートされていることが少ないため、意識されにくいのかも知れませんが。

もしもキャラクター作成時に、一人一人のプレイヤーが孤立したまま作成しているのでしたら。わいわいと関係づくりや役割分担、設定のツッコミや再解釈などを入れながら「みんなで」キャラクターを作っていくと。よりスムーズに運用しやすいですし、一緒に遊ぶ楽しみを味わいやすいので、試してみてはいかがでしょうか。

2001/05/20:数値が高くなると成功率が変化しにくくなる

どのダイスの振りかたにしても、成功率の体感的な変化は、高い目ほど少なくなります。数字が1違ったときの成功率の倍率での変化が、小さくなるわけです。

 2    3    4    5    6    7    8    9   10   11   12 ダイス目
 1   +2   +3   +4   +5   +6   +5   +4   +3   +2   +1 場合の数
 1    3    6   10   15   21   26   30   33   35   36 累積の場合の数
      3    2  1.6  1.5  1.4 1.24 1.15  1.1 1.06 1.03 前の数からの倍数
 1    2    3    4    5    6    7    8    9   10 ダイス目
 1    1    1    1    1    1    1    1    1    1 場合の数
 1    2    3    4    5    6    7    8    9   10 累積の場合の数
      2  1.5 1.33 1.25  1.2 1.17 1.14 1.13 1.11 前の数からの倍数

数値が一上がったときに、前と今とを比較した時の成功率の変化が、どんどん小さくなるわけですね。そのあたり 2d6のカーブの前半あたりってのは、体感的に伸びがいのある感じですね。

コンピュータのクロック数が、近年数値的にはずいぶん伸びているものの、倍数的にはさして変化がないことから、体感的にたいした変化に感じられなくなっていますよね。それより顕著に、レベルやスキル値が上がった時の成功率の変化は、低い頃に比べて遅くなるように思えるわけです。

数値が高くなればなるほど数値が伸びにくくなるシステム、たとえばベーシックRPG系のようなシステムでは、これがより顕著になってしまうので。経験を積み成功率が変ったという体感を与えるためには、高レベルでも成長機会が変化しないくらいのほうが良いのかも知れませんね。

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