TRPGな一言2001年05月前期分


目次


2001/05/01:わいわい楽しめるようにしよう

シリアス、リアリティ、かっこよさ。まあ色々ありますが、そういうものも大切だしこだわりたくなるのは良くわかります。しかし、そればかりにこだわってしまうと、上手く楽しむうえで落とし穴にはまりかねないんですよね。

コメディ、すかたんぶり、笑える展開、へんなもの。そういうものを上手く許容できる環境ってのは、わいわい楽しむには重要なのかも。

シリアスな側面とコミカルな側面、両方を上手く扱えるように世界の雰囲気や設定を組んだり、プレイヤー意識を調整するのも、考える価値はあるかも知れませんね。

2001/05/02:殴り合うだけでも楽しい条件

実は、キャラクターを作成して、殴り合うだけで楽しめたりするものですよね、TRPGでも。そこで楽しみやすくする条件・要因について少し考えてみました。

といったところでしょうかね。

2001/05/03:もっと手軽でない趣味に

TRPGは手軽でない趣味である、という言いかたがされるのを見かけることがあります。確かに、テレビゲームなどよりは手軽ではないでしょう。

しかし、知り合いの趣味なんかを考えて見ますと。自動車いじりとレース、釣り、スキー、鉱石採集、パソコンの組み立て、クルージング、家の改造・建造などなど。金もかかるし時間もかかるし知識も訓練も必要な「手軽でない趣味」というものは、いくらでもあるんですよね。

そして手軽でない趣味のほうが、金になる、商売になることが多いようにも思えます。TRPGも「手軽でない趣味」として金をかける甲斐がある状況を育てていき、金をかけることで手間を省けるようにすると、もっといろいろな人材や企業が入って来るのかも知れませんね。

2001/05/04:制作する楽しみがあるのと制作しないと物がないのとは違う

TRPGの楽しみに「制作の楽しみ」というものがあるのは事実だと思います。実は「創作の楽しみ」と言われるほうが多いとは思いますが、制作としたほうが意味がはっきりするような気がしまして。

ルールの作成、シナリオの作成、小道具の作成、準備物の作成、設定の作成、キャラクターの作成、プレイレポートやリプレイの作成、などなど、確かに制作の楽しみの要素は、TRPGには多いわけです。

そしてこの制作の楽しみがTRPG固有の、あるいはTRPGに必須の楽しみであると考えるのは。わりとよくある通念なんじゃないかと思いますが。これは、あまり良くないことではないか、と最近思います。

じつはTRPGに限らず、ほとんどの趣味においても。自分でなにか作ることは可能です。そして、実際作られているものの規模や投入される時間などでは、現状のTRPGよりもはるかに手のかかる制作者のいる趣味はいくらでもあるわけですよね。しかし、それらのほとんどは、趣味を支える「作らないで楽しむ層」も居るわけです。

今のTRPGは、釣りで言えば竿やテグスは買えるが餌は飼えないとか、ルアーは自分で造らなければ無いとか、そういった不十分な状態なんじゃないでしょうか。

2001/05/05:最初のプレイ環境に最適化されていることを自覚しよう

人間ってのは、合理的で適応力があるものです。だから、継続して遊んでいるような人は、自分の置かれた環境を、あたりまえの環境であると考えるし。かつて最初に遊んだ環境を、最上のものだと考えがちなんですよね。

どうしても、最初の環境に向いたプレイスタイル、最初の環境で困らないプレイスタイルを習得する。

しかし別のプレイスタイルが向いている環境や、プレイスタイルの良い効果の前提の変化している環境でも、昔の環境に最適化された行動をしてしまうので。他の人からは「困ったプレイヤーだ」と思われるし、他のプレイヤーに対しては「最近の連中はなっとらん」とか「○○の連中は駄目だね」と反応しているように見て取れます。

典型的なのが、ミッション型のTRPGと、キャラチャット系のPBWとの齟齬で。ミッション型では提示された状況の中で色々と考えるのがよく、自発的に状況を変化させてしまうとマスターが困ったりするわけです。しかし、キャラチャットなどでは、自発的に事件を出さないと動けないので、状況提示がなされるまで待ちの姿勢だと、つかえないプレイヤーということになったりするわけです。

自分のプレイスタイルや思考パターンが最初のプレイ環境に最適化されていることを自覚して、他のプレイスタイルが合理的でありうることを認識し、状況にあった方法で遊べるようになると、あちこちで遊びやすくなるんでしょうね。まあ、そこまでする必要があるのか、求めていいものかというと、ちょっと難しいとこではありますが。

2001/05/06:市場構築のための資金源としての物品提供企業の開拓

ビジネスとして考えると、TRPGをより普及させるためには、当然ながら資金が必要になるわけです。しかし現状では、ほとんど自己資金に近い体勢のように思えます。

今の市場相手にちびちび雑誌だなんだ提供している程度だと、なかなか市場も広げにくいし、金にもなかなかならないんですよね。市場は創出しないと、儲からないわけで。

もう少しこう、たとえば、TRPGを遊ぶ人が買いたくなるようなものを作っている企業から、金を出してもらえるように交渉するとか。そういう方向で考えて営業したりできると、だいぶ違うんでしょうね。相手の(将来的)利益を得られる市場構築のために金を出してもらうというのは、基本だと思います。

2001/05/07:地形認識の誤謬の再現

角度がくっきりしていない曲がり角を何度も曲がる必要があったりすると、どの方角を向いているのかわからなくなり、道に迷う。そんな経験はないでしょうか。とくに曇りの日や地下道なんかでは、わりと起きやすいんでないでしょうか。

このような甘い角度を利用して錯覚を起こさせ、地理認識を誤認させるというトリックは、現実の世界でも利用されていたんですよね。本当は五角形の城を正方形に誤認させて、抜け道を用意したりというものがあったそうです。

このような感覚をごまかすトリックというのは、地下迷宮を迷宮たらしめるためや、要塞を守りやすくするために使われていてしかるべきなのですが。どうしてもTRPGで利用する地図ってのは、かっちりしたマス目にあてはまるようにしがちな気がします。

確かに正確な正方形ベースの地形のほうがルール的にも理解しやすさでも扱いやすいのはたしかなんですが。プレイヤーにマッピングさせながら進める古典的なセッションでしたら「だいたい正方形のような部屋」とか「少し曲がったりしているような気もする通路」とかを利用して、マッピング結果に矛盾が入るようにしてみるのも、面白いですよね。

2001/05/08:モンスターデータからのシナリオ作成

シナリオ作成の古典的方法として、モンスターデータを見ながら、このモンスターを使えばどんなシナリオが出来るかな、と考えるというものかありますよね。モンスターデータからシナリオを引っ張り出すための、考えかたをいくつか紹介してみましょう。

なお、モンスターをシナリオで利用する場合には、そのまま普通に出す以外の方法でひねりを加えることもできます。類似するが別のモンスターとする、実は欺瞞で実在しない、性質が通常知られているものと少し異なっていて標準の対処ではしくじる、などですね。

2001/05/09:ルール的意味のない細かさにも価値はある

能力値から能力値ボーナスを出し、能力値ボーナスしか利用しない。そんなルールがありますよね。それならボーナスのほうをメインにして能力値のほうは産出用の副データにすればいいのに、などと良く思ったものです。

しかし、数値的に意味のないように見える細かさにも「リアルっぽさの演出」とか「わずかな差異による優越感の醸成」とかの価値があるんですよね。

常に合理的で小さくまとめたゲームシステムが最善というわけでもないのが、人間の使う道具であるTRPGのルールの難しいところですね。

2001/05/10:TRPGから趣味を広める

TRPGは色々と準備するものが必要であること、遊んだ結果をまた物をつくるネタにできることから、必然的に小さい物や読み物作りの趣味と連関しやすいという傾向があります。

また知識をそのまま架空世界の現実として適用する傾向があるため、現実世界についてのさまざまな歴史的・文化的・技術的知識を集め利用することができます。

このような傾向は、俗に言うオタクの一部と重なるため、TRPGがオタクの趣味であると見なされるようになったのは、ある意味で必然なのかも知れない、という気はしますが。しかしまあ、もう少し広く利用できるはずなので、もちっとこうアニメ・コミック系以外の趣味の活用と習得について心がけ、実践してみるとか、記事にしてみるとか、あると楽しいですね。「TRPGファンのための前衛演劇入門」とか、「TRPGファンのための浪曲入門」とか。

なんにしてもまあ、TRPGから趣味を広めることについても、色々とフォローしたりできると楽しそうですね。また同様に、いろんな趣味からそれを活用する手段としてのTRPGというものを提示していけるといいんでしょうね。

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