H1 ALIGN="CENTER">TRPGな一言2001年04月前期分

目次


2001/04/01:具体的な描写やセリフは楽しくて自然に出るのでいい

説得だとか聞き込みだとかがルールにある場合には。別にセリフやなんかを考える必要はないんですよね、基本的には。ルールで規定されていれば別ですけど。行動宣言としての5W1Hとかが、むしろ重要で。

戦闘において攻撃時に、切りかかる描写やなんかをするかとかといっしょで。具体的に上手く言えたらそれはそれで楽しいけど、それを必ず要求するというのは、敷居をあげてしまう行為なんでしょうね。

とりあえず気楽に、ルールにある行動をしてわいわい言う。その中から自然に具体的で詳細な描写やセリフがでてくる、そういったほうが、楽しくて良いんじゃないかと思います。

2001/04/02:楽しもうと思わずに遊ぶな

コンベンションは駄目だ、行っても無駄だ、駄目なやつばかりだ、などという人も居ますが。どうせだめだろう、と思って遊びに出かけて楽しめるほうが不思議ですよね。

楽しもうという自主性をもって遊びに行くほうが、心理的にも結果的にも望ましいでしょう。

2001/04/03:メディアミックスのイメージを引きずると危険

小説や漫画、アニメはみて楽しむための演出過剰やご都合主義が含まれていますよね。ですが、TRPGはゲームであり、特別な一人の主人公のドラマではないわけで、成功することもあれば失敗することもあるわけです。

だから主人公のように行動できると思いこむと大失敗、どころかセッションをめちゃくちゃにしかねないわけですが。見るだけの娯楽作品上では、ごまかしやご都合主義が必要なのも事実なのが難しいところです。

メディアによる違いを、もっとこう明確に理解できるようにしないと、メディアミックスは恐いのかも知れませんね。しかしまあ、小説と映画の特性の違いでさえ気にせず「同じでない」と批判する人間も多いわけで、辛いですねぇ。

2001/04/04:キャラクターを個性化し演出するためのルールという方向性

ロールプレイ支援ルールなどと呼ばれているルールや、キャラクター作成のバリエーションを増やすルール、ゲームの進行を規定するルール、ストーリーに干渉して結果を制御するルールなど、長年にわたって盛り込まれつつある機能がありますよね。

こういった機能は演技志向とかストーリー重視を実現するものであるという見方がされることが多いと思いますが。これらは全て「キャラクター演出」を重視するための機能であると解釈することもできます。

セリフをいうためのルールは、キャラクターらしいセリフをいう動機づけ・免罪符として機能するでしょうし。キャラクター作成のバリエーションは、選ぶだけで手軽に個性をつけた気になれるかも知れません。ゲームの進行が定形化されていれば、あとは流れにのって個性を演出してるだけでも、ルールを運用するだけでゲームが進行するはずです。ヒーローポイントなどはストーリー的に必要だから使うという機会は判断しにくくて、キャラクターの個性を演出するために使うほうが楽ですよね。

このように、キャラクター演出を楽にする、やりやすくする、合理化するための機能であると解釈すると、いろいろとわかりやすくなる気がします。

キャラクター演出への適性の増大という長期的傾向は、ストーリーのメリハリや巧妙さや意外性や組み立てよりも、キャラクターの派手な演出を重視するという、漫画やライトノベルの方向性とも同期しているのかも知れませんね。

むろんまあ、キャラクター演出とストーリーの組み立てを上手く噛み合わせると、より良い作品になるのは確かなように。キャラクター演出能力できてしまう上で、さらに色々と工夫をすれば、より楽しくなるのだろうとは思います。

2001/04/05:プレイヤーにこのままだとどうなるか尋ねよう

行動の結果や、事態の展望について

「このままだとどうなるだろう」

「そういう行動をしたらどうなるだろう」

とプレイヤーに問いかけてみるというのは、基本的だけど有用なテクニックですよね。

人間、他人からこれこれこうなるよとか聞いただけでは、なかなか頭に入らないものですけど。自分から口に出したことは、わりと素直に頭に入るもののようです。

この先どうなるかを理解していないとには、なにも行動できないわけですし、行動する意味も感じ取れないわけですから。きちんと先を予測し把握してもらうためにも、行動案を実際の行動として確定する前に、プレイヤーにたいして

「このまま行動したら(しなかったら)どうなるだろうか?」と問いかけるのは、大切なことだと思います。

2001/04/06:行動宣言の定型化の重要性

行動宣言するのに最低限必要な要素というものがありますよね。5W1Hとか、行動意図とか、得たい結果とか。

ふつうのTRPGであれば、行動宣言で不足している部分などは、マスターがその場で問いただせばいいだけなので、比較的意識しなくても機能しやすいのですが。オンラインでのセッション、とくに掲示板や電子メールを利用したメッセージセッションでは、行動宣言の内容がしっかりしていないと、だらだらとなかなか進まなくて、空中分解してしまいやすいように見受けられます。

郵便で行われるメイルゲームなどでは、そのあたりの大切さがより強いせいか。参加マニュアルに行動宣言の必要要素が書いてあったり、定形の行動用紙のフォーマットがあって、枠を埋めるだけで必要な内容を間違いなく記述した行動宣言ができるようになっていたりすると聞きます。

このような行動宣言の定型化・行動宣言フォーマットの明示は、オンラインでTRPGをやる時にも、有用だと思います。

2001/04/07:自分の理解を言葉にし、すりあわせよう

ゲームマスターをしていて、プレイヤーが現状をきちんと理解していな、PCにさせようとしている行動の結果がどうなるかの危険性を理解していない、といった事態は、良く経験するかと思います。

これには、書いた文章をきちんと理解してもらえず誤解に基づく反論を受けて泥沼になるとか、仕事において依頼した任務をきちんと理解して望んだ結果を出してもらえないのと、同様の構造があり、対策があるのではないでしょうか。どれにしても「相手が何をいおうとしているのか確認して、自分の理解を復唱する」ことで、多くの誤解・ミスが取り除けるんですよね。

TRPGで言えば。プレイヤーがゲームマスターの説明を聞いて、現状や将来予測を自分なりの言葉で言い直せば、ゲームマスターは解釈がずれていると思ったら、それを指摘することで認識をすりあわせしていけるというわけです。

セッションのテープを聞き直したり、チャットや掲示板のログなどをじっくり読んだりしている人は良くわかると思いますが。わりとまあ人間は、誤解と思い込みだけで噛みあわないままに対話していても、気がつかないようにできているようです。ふつうは、それでも平気・平和なんですけど、少なくともだいじな局面では、きちんと認識のすりあわせを行わないと、互いにあいてを軽蔑する結果に陥ったりするのではないかと思います。

内輪で遊ぶ時には認識のすりあわせは比較的容易で、手間もかからないことが多いのですが。コンベンションではある程度意識的にならないと、認識のずれがあること事態に、致命的になるまで気がつかないことがあります。コンベンションで「今回の参加者は酷かった」とか「相手が○○でセッションがつまらなかった」となる原因として、認識のすりあわせをする必要があることを忘れているというのは、あるのではないでしょうか。

そんな問題を減らすためにも、認識のすりあわせのために自分なりに理解を復唱することは、役に立つノウハウだと思います。

2001/04/08:穴埋め方式で遊び方を学ぶ

D&D のベーシックセットでは、ありもののダンジョンの次は、白紙のダンジョンにモンスターやトラップを埋めて使うことができました。そのため定形にあてはめながらシナリオを作る方法が実践できたように思います。

参考書の章ごとの内容確認のための問題や学校のテストでの穴埋め問題のように、半完成品にありもののパーツを埋め込むということが用意されていると、訓練として有用でなんですよね。

そういった手順の用意されていないシステムは、教科書や法規を読んで、授業も小テストもなしに国家試験で筆記問題をするようなもんで、敷居が高いのはあたりまえなんだと思います。

定形の枠に埋めていくというのは、他にもさまざまな効果があるわけですが。とりあえず「何をすることが要求されているのか」「なにをすれば答えたことになるのか」が明確なため、学習効果もあるというわけです。

2001/04/09:縁を使ってシナリオを組み立てる

PCが他の人間を利用する時にTRPGでは、金や脅迫や術などで強制的になにかさせるという処理をするか。口車でそれらしく行動させるようなセリフをマスターに納得させることで処理するのが一般的だと思います。

しかし現実の我々の行動を考えてみると、なにかやってもらおうという時にまず考えることは、コネ、つまり地縁・血縁・趣味縁・学校縁などによって縁を持つ相手のなかから役に立つ人間を見いだし、そして依頼するということが多いわけですよね。なにかできる人間にむりやりやらせるのではなく、言えばやってくれる人間リストから選んでお願いしてるわけです。

このような縁についてきちんと考えることは、シティアドベンチャーに置いて、いろいろと便利な思考の方向性だと思います。

たとえば NPCの縁のをたどることでシナリオを解決するとか。誰と誰が縁を持つかを調べたり、縁を利用して何かをしてもらうための条件を整えたり、縁を作るべく計画・行動したりという活動でシナリオが駆動されるわけです。

縁を繋ぐこと・切ること・性質を変えること(仲を良くしたり悪くしたり)は、シナリオ上のゴールとしても機能しますよね。

2001/04/10:マスターからの問い合わせが必要だと時間を食う

面と向かってのセッションでは。なにも言わない人が居れば発言をするように指示したり、妙だったり無茶だったりする行動案を出したら結果を指摘してみて「それでもやるの?」と確認したり、行動の宣言内容が不足していたら不足分について問いただしたり、できますよね。

このような、対話による現状認識の確認は、たいへん重要なマスタリングテクニックであり、慣れた人間の多くが活用しているものだと思います。

しかし、この手段に頼っているのは、意思疎通・合意形成に時間かかる媒体を利用している時には、大きなしくじりの素になりやすいんですよね。

チャットでさえも、時間を食う原因の一つが「プレイヤーとマスターの間の合意形成のやりとりに時間を食う」というものですし。パソコン通信時代からいろいろと見てきましたが、掲示板やメーリングリストを利用したセッションが空中分解しやすいのも、合意形成ばかりに時間を食ってはなしが進まないというものがあるように思われます。

マスターからの問い合わせに頼らないでも、状況認識や行動宣言がスムーズに行なえるような運用システムを用意するのは。TRPG入門者がマスターをやるためにも、またプレイヤーが円滑にセッションを進める方法を学ぶためにも、必須なんじゃないでしょうか。

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