TRPGな一言2001年02月後期分


目次


2001/02/21:暗黙知を体得するためのゲーム

いまのTRPGには暗黙のルールというやつがたくさんあります。それなしには機能しない前提、ある行動への期待される反応、特定の行動の結果の処理、などが明文化されずに、暗黙知としてゲームマスターやプレイヤーに蓄積されていて。それなしには楽しみにくくなっているわけです。

これがどのように蓄積されたのかを考えてみますと。少なくともわたしの場合には、単純素朴なダンジョン戦闘を繰り返し、それに色々と付け加えていく過程で学習していったように思われます。

一般に暗黙知は言葉で伝達しにくいものです。言葉で書かれていても納得しにくい、体得しにくいものであるから暗黙知であるわけで。教科書などがあったとしても、おそらくあまり上手く機能しないでしょう。ルールはちゃんと読まれない、読んでいても都合のよいようにしか理解していないものですしね。

やはりこう、遊びながらTRPGを上手く遊ぶためのノウハウを身につけられるようなタイプの、シンプルで遊びやすい限定されたTRPGってのが、欲しいですね。教育におけるゲームとは、体験する過程で行動規範などを自己発見し、体得していくというものですからね。

2001/02/22:だれさせないために選択の機会を中心にする

プレイヤーにとって、ゲームの根幹をなすものは「行動」である、という言い方もできるかと思います。どんなに素晴らしいストーリーやコンポーネントがあっても、プレイヤーがなんらかの行動を行い、関与できなければゲームである意味がないわけですよね。

そしてひとつの行動しかできないならばただの作業なわけで。複数の行動ができる余地……つまり選択の機会が必要であると。

だからこそ。選択の機会もなしに、だらだらとしなければならない行動を繰り返したり。行動の対象としてなにがあるかわからなくて、それを聞き出すだけで時間が過ぎたりすると。退屈で散漫なセッションになるんじゃないでしょうか。

ゲームマスターはシナリオにおいて、行動する機会を、きっちり用意しておくと良いんでしょうね。

2001/02/23:解決を支援する条件を整える価値

セッションにおいて解決すべき課題がまあ、たいていはあります。そして、その課題はスタート時点では解決できないようになっていますよね。

このスタート時点で解決できなくするための方法としては、解決するために出向くべき場所、倒すべき敵がだれか、敵の居場所、などが不明である、というものが良く利用されているように思います。

しかし、最初から最終的な解決のしかたもわかっていて、いつでも挑戦できる場合でも、機能するようにはできますよね。それが「解決を支援する条件を整える」というものです。悪徳商人を合法的に倒せるように、証拠固めや証人・物証の確保、官憲や民衆を味方につける、などの事前準備をする、といったようなものです。

解決のために必要な情報をあつめることで進行を管理するというのは、便利な手段ですが。それだけがシナリオの作りかたではないんですよね。

2001/02/24:ダイスを拾う時間で演技する

有用性を欠いて、意図も状況への影響も持たない演技。それが、退屈な時間を産む原因の一つなんだろうと思います。しかしまあ、全くなしでも楽しいものではないわけですよね。

そこでまあ、ひとつの手として。ダイスを振り、その結果を認識してダイスを拾う時間だけに、演技する時間を制限してみるというのはどうなんでしょうね。

実際のセッションを思い起こすと、結構のそ程度でわいわいと楽しめるものですし。ながながとやればいい結果になるわけではないので、制限をかけてしまうというのは、いい手なのかも知れません。

2001/02/25:ヒーローポイントで勝敗が決まるなら他は些事かも

ヒーローポイントの削りあい(死亡ダメージの打ち消しあいとか)に戦闘が帰着されるシステムってありますよね。結局それ以外は、ややこしいだけのフレーバーになってるようなやつ。

ヒットポイント減少が"技の凄さ"の表現になってるというのは、それはそれで効果はあるとは思うけど。どうせヒーローポイントを削れたかで勝敗が決まるなら、残りはもっと簡略化しても良いのかも知れませんね。

2001/02/26:キャンペーンの準備はしすぎない

キャンペーンの準備する時には「必要かも知れないもの」まで作成してはいけないんですよね。「絶対に必要なもの」だけを制作していくのが、望ましい。

なぜならば、「必要かも知れないもの」は必要にならないことが多いので、労力を「必要かも知れないもの」にかけると始まりさえしなかったりするし。キャンペーンではPCの行動や目標が世界と絡み合っていくのが醍醐味なので、あらかじめ決まっているものが多すぎると、邪魔にさえなるんですよね。

むろんまあ、できてしまったものをたくさん貯えて、そのうえで延々と設定を増補しながら、過去の設定を絡めつつ遊ぶとかは楽しいわけですが。それを最初からやろうとする、最初から十分に準備しようとすると、破綻するわけです。

2001/02/27:問題の置きやすいポイントのチェックリスト

いろいろなゲームにおいて、デザイン上の失敗や不具合と感じられるものは、良くあることかと思います。そのような「失敗しやすい点」についての情報を整理してあると、ゲームデザイン上便利かも知れませんね。

たとえば。

などなど、色々あるとは思いますが。

エラーテスト用のチェックリスト、テスト要綱として、整理されていると。デザインマニアには便利そうです。

2001/02/28:技量のそろってるほうが楽しい

TRPGはメンツしだいだと言います。しかしこれは、TRPGに限らず、ゲーム全般に言えることですよね。駆け引きがある本当のゲームだからこそ、メンツの技量やゲームへの態度しだいで、楽しいかどうかが決まってしまうとかは。競争型のゲームのほうが顕著でしょう。

将棋とかは典型ですよね。たとえば極端な話、飛車角桂馬香車落ちでも楽勝な相手とはゲームにならないわけです。この程度は、そんなに珍しい技量差ではないと思います。

でまあ、TRPGは協力型だから、技量差が平気だということが言われることもあるようですが。自分より全面的に、知識・計画能力・ルール把握力・説得力などが優れたプレイヤーと同じ場にいて、本当に能動的に楽しめるか。自分より全面的に、知識・計画能力・ルール把握力・説得力などが劣ったプレイヤーと同じ場にいて、本当に気持ちよく楽しめるか。そう考えると、正直なところ、難しい面が多いのは確かだと思います。

以前も書きましたが、やはり、初心者から友人同士の集団で長く遊んでるのが、いちばん幸せなんでしょうね。色々考えたり工夫したり自分たちで見つけられて、それが楽しいわけで。人間、教えられても身につかないし、楽しくないですからね。自分で獲得したものほど、愛着も沸けば理解もしやすいわけで。

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