TRPGな一言2001年02月前期分


目次


2001/02/01:はじめにデータありき

データをいろいろ見ながら「このモンスターでこれこれと罠を仕掛けて」とか「このアイテムで事件を起こして」とか考えるのは楽しいものですよね。発想の材料になり、また実際のセッションで便利に使える。

ゲームマスターにもいろいろなタイプが居るわけですけど、このような提供されているデータをもとにしてシナリオを作成するタイプにとっては。単なる数値だけでも設定だけでもない、ゲームルール上の意味のあるデータが大量にかつ多様にそろっていると、便利なんですよね。

ゲームを作成している人も、データを読んでいるだけでわくわくさせられるようにできるといいですね。単に数字が並んでるだけでは、つまんないわけですけど。

2001/02/02:安い原稿料で書かせれば量産できる……のかも

Freelance Editing for Steve Jackson Gamesのスティーブジャクソンゲームズの GURPSサプリメントの執筆要綱なんぞを眺めていたのですが。 128頁で800〜1200ドルだそうで(実績のある人間は1500ドルまで応相談みたいなことも書いてますが)。 ……もともと高くないライター稼業のなかでも、日本では底辺の安さといわれるゲーム系のライターよりも、ずーっと安いような気が。

ちょっと検索かけてみつけたBurning Void Roleplaying Resourcesの What It's Like to Write for the RPG Industry とかみても、かなり悲惨なようで。良くて50000ワードの本で2000ドルってか。

これだけ安ければ、サプリメントをたくさん書かないと(書いても)専業では食えないし、メーカーもたくさん書かせても比較的採算を取りやすい、そして本も低価格にしやすいわけですわなぁ。健全とは思えないけど。

2001/02/03:モンスターの利用目的別必要データ

モンスターの利用法としてなにがあるか。またその利用法のためには、どんなデータが欲しいかを簡単に整理してみました。

排除すべき障害
武装を含む戦闘能力、遭遇地域、遭遇数、取る戦術、移動能力、戦闘回避に使える手段。
利益を得るための獲物(生死問わず)
生息地域、逃走能力、発見・補足・拿捕または殺害するための障害、保有する財産。
解決すべき事件を発生させる原因
どのような事件を発生させる能力があるか、解決を難しくする要素、事件を解決するのに使える要素。
問題を解決するために利用できる道具・協力者
協力してもらって、どんな利益が得られるか。なにを提供事物・脅迫・誤誘導・対案とすれば動いてくれるか。弱点、必要とする・欲しがるものはなにか、協力して当たれる敵は何か。
土地柄(地形、文化、民族などの舞台)を明示するために出す
生息地域の特殊性と、それを生かすための移動能力・被る影響・外見。

2001/02/04:表現は媒体に向いたものを

映画には映画に向いた、小説には小説に向いた、漫画には漫画に向いた表現技巧があるように。

TRPGにはTRPGに向いた、表現技巧や伝達技術があって、ほかのものから方法を安易に借りると大失敗に繋がることはあるんでしょうね。

とはいえまあ、なにか参考にしないと身動き取れないし、他の色々なものから学びながら、取捨選択していき。TRPG向きのものを作り上げていくしかないのかも知れませんが。

2001/02/05:選択の余地のない部分は結果だけでもいいかも

TRPGにおいて、プレイヤーの選択の余地がない部分ってのがシナリオにある場合がありますよね。シナリオを成立させるために、どうあがいても特定の結果や特定の行動をしてもらわないといけない部分などです。

このような「何やっても変わらない」「やれることがろくにない」ような部分は、できるだけ省略してしまったほうが、引き締まって密度の濃いセッションになるんでしょうね。

たとえばプレイヤーがどのような行動をしようと最終的に得られる情報であれば、さいころを振って「どんな方法で得られたか」を決定するとか。プレイヤーに得かたを宣言させて、ちょいとセリフの応酬を楽しむ程度にするなりして、ほいほい与えてしまうとか。選択の余地のない部分なんてのは、どのような過程で結果が得られたのかを説明する程度に押さえてしまうと、短時間でどんどん話を進めて行きやすいのかも知れません。

まあ、全部だらだら遊びながら、シナリオの先や対応を考えたり、アクシデントでは梨が転がることを楽しんだりというのも、楽しみではあるわけで。さじ加減が難しいところですけど。

2001/02/06:なにができないのか明確に

PCに何が出来るのかをルール的に記述することは良くありますが。もうすこしこう、PCに何ができないのかも明確になっていると、運用が楽になりますよね。

技能やなんかをすべて理解して、他の技能でサポートされている特別の行動だから普通にはできないに違いないとか、そういったことを類推しなければ遊びにくいというのは、負担がでかいですよね。

むろんまあ、何もかも"これはできない"などと明確にするのには限界があるわけですけどね……。

2001/02/07:複数日に渡るチャットセッションは避けよう

一日で片づけないチャットセッションは失敗しやすいですよね。最初は良くても、どんどん時間をあわせてちゃんと来る率が減ってしまって。間隔がどんどん開き、途中で空中分解するというのは、よくある光景です。

対策としては

などして。なんとしてもその日のうちに片づけるのが、良いようですね。

2001/02/08:やるべきこととやりたくないことのジレンマは危険

小説などでは、よく、以下のようなジレンマが活用されます。

「AをするためにはBが必要である、しかしAしないと困るが、わたしはBするのも嫌だ。だから困っている」

冷たい方程式なんかもそうですが、これは物語を駆動するための基本的な仕掛けとしてたいへん有用であり、良く利用されるわけですね。

しかし。TRPGでは「わたしはBするのも嫌だ」というのが保証されないという問題があります。ありがちな「女の子の命と天秤にかける」というものも、プレイヤーによっては「じゃあ死んでも良いや」でジレンマ構造が崩壊してしまう危険性があるわけです。

システム的にある程度フォローするとか、言い含めることで対処するなどの方法もありますが。上手くいかない可能性があることには気をつけたほうがいいでしょうね。

2001/02/09:戦闘中の外乱

戦闘を行っていると、ついついPCと敵との対決のみに集中してしまうことがあります。しかし、戦闘中もPCと敵以外の存在も、活動しているわけでして。

警邏がやって来る、増援が来る、水をぶっかけられる、洞窟が崩れる、などなど。戦闘中に外部からの影響が入るというのは、戦闘を単調さから救ってくれる良い手段だと思います。

シナリオ中に外乱の可能性をいくつか入れておくと、だいぶメリハリがつくので、試してみるのも良いかと思います。

2001/02/10:個性は行動に宿る

派手な設定や極端な設定を作成して、個性的だというのは、わかりやすくて手軽な手段ではあるんですけど。

本当の個性は行動の中にあるんじゃないかな、とも思います。どんな目標を選ぶか、どんな手段を取るか、事態にどんな反応を行うか。その細かいところに、個性があらわれるんですよね。

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