TRPGな一言2001年01月前期分


目次


2001/01/01:課題を作れるゲーム

人の知能の特異性というか、素晴らしいところは。「課題を作成する・目標を作成する」能力があることだとも言います。提示された問題を解決するシステムの作り方はわかってるけど、解決すべき問題を汎用的に作成するシステムの作りかたは、まだわかってないという感じですね。

TRPGは多人数で「課題を作成して解決する」遊びを行なえるという意味で、たいへん知的な遊びであるという言い方もできるのかも知れません。

2001/01/02:鍵穴にあわない鍵

素晴らしい忠告なども、相手が受け入れる態勢を持っていなければ無価値だし。鍵穴にあわない鍵は、どれだけ単独で素晴らしくても効果が無いわけですよね。薬と病気でもいい。

能力の行使とは、能力を持つ存在のみに依存するのではなく。受け手との関りの中で、結果が規定されるものなのだとは思います。

たとえば、武器と防具の関係ごとに別の表になるというのも、鍵と鍵穴の関係の表現の一種ですよね。このあたりは手間だけど、上手くいかせると面白いのかも。

2001/01/03:問題解決にしてしまう

TRPGでは、ゲームシステムを利用してセッションをすすめたり、上手くシナリオを運用するには。「問題解決の物語」であると楽です。

しかし世間一般の物語は、少なくとも明示的に問題解決の物語であるとは限らないわけですよね。

ですから、何かをモトネタにしてシナリオを作成する時には。意識的に解決すべき問題を追加するとか、解決すべき問題を探し出すと、楽でいいんですよね。

2001/01/04:提案を利用して設定を積み上げる楽しさ

セッション中に、プレイヤーの思いつきやうっかりした一言、おもしろそうだと思った提案や現実についての知識などを利用して。思いつきを、さくさく採用して設定を確定していくというのは。とくに内輪でキャンペーンを遊ぶ時には、よくある光景だと思います。

デザイナーやマスターから設定を下げ渡されるのではなく。プレイヤーやマスターの発言をもとに設定を推測し、わいわい言いながら設定を確定していく。そして、それをゲームマスターがシナリオに反映させていく。

これって楽しいんですよね。

わいわい、みんなでPCの周囲の環境やPCの設定を作成することを推奨し、意識的に活用するというのは。マスターのテクニックとして重要なものだと思います。

2001/01/05:できないことを利用して盛り上げる

「〜ができる」というキャラクターの能力は。問題解決において役に立つことでキャラクターをアピールし、プレイヤーの間でPCの立場や価値を共有するための基本的な要素です。

しかし「〜ができない」ので他のPCに依頼したりするというのも。キャラクターをアピールし、話を盛り上げ、架空世界を体感し、PC同士の対話を発生させるという、重要な機能があるんですよね。

あまり時間を食いすぎない程度であれば。できることをやってのけるだけではなくて、できないということ・苦手だということを提示し、だから他の人にやってもらうんだというのを演出するのも良いものです。

プレイヤー的にも頼られて悪い気にはなりませんしね。

2001/01/06:やりとりのサイクルという楽しみ

見せるための物作りの楽しみというものがありますよね。「〜をつくって欲しい」という提案にたいして、作り手が実際に作ってみせる手応えがあり。成果物にたいして感想という手応えがあるとか。そういうサイクル自体が、自分で何かを作るだけよりも楽しい。

このようなやりとりの楽しみってのは、TRPGの基本的な部分の楽しみにも通じのかもしれませんね。

行動にたいして結果という手応えがあり、結果にたいして一喜一憂して、さらに行動に。このサイクルそのものが、上手く回ってると楽しいんだと思います。それがTRPGの重要な魅力なのではないでしょうか。

2001/01/07:わくわくする舞台を用意しよう

街角の幽霊屋敷とか、悪徳貴族の屋敷とか、秘密の研究所とか、悪徳商人の店とか、盗賊のアジトとか、場末の酒場とか、火山の溶岩洞とか、氷河に穿たれた隠れ家とか、下水道の廃棄された一角とか。

名前を聞いただけで、わくわくするような舞台ってのはあるものですよね。独自の個性を持ち、入るだけ、居るだけで危険が漂って来るような場所。

そういう場所を用意するだけで、シナリオなんてのは簡単に沸いてくるものなのかもしれません。

2001/01/08:欠落と過剰による舞台・人物づくり

舞台や登場人物を作り上げるうえで、特徴づけを行うためのテクニックというのもいろいろあります。その一つが、ある要素を欠落させること、もしくは過剰にさせることです。

たとえば酸素を欠落させた環境を舞台とすれは、酸素をどう得るかなどの欠落を埋めるための行動を取る必要が生まれます。そこから、酸素を得る手段をどう守りつづけるか、得られる時間内になんとかしなければならないなどの制限や悩みどころも自動的に生まれてきて。結果として、舞台の特別さや、面白さが作られるわけです。

同様に人物であれば、感情(喜怒哀楽のどれかなど)が欠落していたり過剰だったり。 たいていの人間が持っている能力(歩行や記憶・会話など)や権限(身体の自由・発言権・利用権など)が欠落していたりすれば。 それから、解決すべき課題や、などが生まれるわけですね。

シナリオのパーツを考えるうえで、なにか欠落や過剰を用意するというのは、便利ですので意識してみるといいかと思います。

2001/01/09:優柔不断よりは勝手に決める人が居るほうがマシ

なにを遊びたいのか、集まる前に決めておかずに。集まってから何をしようかなどと話しはじめて、時間を大いに無駄にしてしまうというのは。けっこう良くあることではないかと思います。なんとなく時間空いてるし、集まれるから……なんてノリで集まった時には、特にね。

サークルの会合やフリープレイ型のコンベンションなどでも、何をするか相談してからなどとやると、なかなか決まらないので。ある程度何をするかを決めておいたり、何をするか決める手順を明確にしたりしているわけですね。

実のところ、あれこれ悩んでしまうくらいであれば、さっさとだれかが勝手に決めてしまったほうが良いわけで。集団に一人、自分勝手でもスパスパと決断のできる人間が居ると便利なんですよね。二人居て食い違うと迷惑だけど、居ないと不便だと思う今日このごろです。

2001/01/10:名前の持つイメージの利用・逆用

名前の意味が持つイメージというものはありますよね。漢字を利用すると明白ですし、知識があれば外国語名でも名前の意味のもつイメージというものがあります。

たとえば #kataribe で出たネタですが、氷室とくれば、なんかクールビューティの恐いお姉さんを想像しますし。鮫島とか鰐淵といった名字であれば、コワモテのおっさんを想像してしまいます。

こういったイメージは安易にも思えますが便利ですので、有効に使えば便利ですよね。また名前のイメージと実体の大きなズレのあるキャラクターを用意することで、イメージギャップを利用して強く印象づけるなどの手もあります。

凝りすぎてもなんですが、名前も上手く活用できると面白いですよね。

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