TRPGな一言2000年12月前期分


目次


2000/12/01:わいわい考える楽しみ

ルールやデータとにらめっこしながら。こうすればよいのではないか、しかしそれは○○の問題がある、などと、みんなでわいわいやりながら考えるというのは楽しいものですよね。

こういう遊び方を成立させるには、ルールの読み込み度やゲーム慣れの度合が、ある程度そろっていないと。一人が全部わかってしまって、あとの人間はそれに従うだけになる来険があるのも確かですけど。

2000/12/02:普段は何をしているのか

NPCを作成し、運用するうえで考えておくと便利なことはいろいろありますが。そのうちのひとつとして「普段は何をしているのか」考えるというものがあります。

いつごろ起きて、どこにいて、なにをして過ごしているのか。最近の一般的な行動について考えておけば。PCが会いに行く時に同署利するか、どんな情報を持っていうるか、どのような能力を持っているのがありそうか。そういったことを一貫性をもって考えることができるわけです。

とくにシティアドベンチャーの脇役系に利用すると便利ですね。

2000/12/03:金を使わせることによる意欲創出

借金とか維持費とかをマスターが与える形では、プレイヤーのやる気を維持するのは微妙に難しいような気もします。現実を考えてみてもそうでしょう。借金を返すためとか、税金を払うためとか、生活費を払うためというのは、しかたないから働くとなることが多いような気がします。

やはりこう、プレイヤーが自ら金を使いたい気分になれるような、金の投入先があると良いんでしょうね。自宅や領地、船やなんかってのは典型ですか。

最初から「なにか金をかけて作りたいものがある」でかつ「少しずつ作り上げていける手応えが楽しい」という要素を明確にして。そのために金を稼ぐのである、というところから進めるのが良いのかも知れませんね。

2000/12/04:ビジュアルから作る

人物画や写真、フィギュアや地図や小物。そういったビジュアルな要素を先に用意するなり、見つけるなりして。そこから発想をひろげてシナリオやキャラクターを作成するというのも、面白いものです。

この絵の、このフィギュアのキャラを使いたいから。この写真の、地図の場所を舞台にしたいから。そういう欲求があると、いろいろと考えるうえで刺激になりますし、意欲も沸きやすいんですよね。ただでさえ、ビジュアルイメージが明確だと、考えるのは容易になりますし。

2000/12/05:強さの演出による勝利

戦争においても喧嘩においても、戦闘の帰結と片方の降伏とは。

「あいつには勝てない」

「完全に自分は劣勢だ」

という心理を作られてしまうことによって発生すると考えることができます。そして、その相手の優勢さとは、往々にして幻影だったりするわけです。

心理を作るためには、強さの幻影を上手く作り出すための技術・演出。そして幻影を産み出すだけの確実な行動と強さを見せつけるためのハッタリが、重要になったりするわけですね。

TRPGでは戦闘は直接的な結果をもたらすことが多く、士気判定のようなルールさえあまりないわけですが。戦闘が致死的なものであるほど、このあたりがルール的にフォローされていると面白いかも知れません。

ルール的にないとしても、演出的に強さを見せつけるなどしていると、雰囲気づくりや納得しやすさなども増しますので、いろいろと工夫してみるのもいいと思います。

2000/12/06:意図を読む

セッション中に。相手の行動がどのような意味を持った行動なのか、どのような結果を期待しているのか、どのような反応を期待しているのか。そういった相手の意図を読むというのは、有用なことですよね。

むろんまあ、十分にできるかというと、誰しも不完全にしかなりえないわけですが。相手の行動から意図を読まない、自分の行動から意図を読みとってもらえないというのは、珍しくない事なんでしょうけど。

意図を読もうとしていないと、「こういうふうに遊びたい」という意図の食い違いなどわ、すりあわせをしようとしても。「すりあわせに使える材料だよ」という意図の発話を、「完全な拒否」と誤解するとかして。泥沼になることは多いのかも知れません。

2000/12/07:サラリーマンのファンタジー

サラリーマン向け漫画、サラリーマン向け小説のようなものがありますよね。おそらくは電車内や昼休みにでも読み捨てたりするものなのではないかと思うんですが。

そのなかに、サラリーマンの(小さな)夢が具現する成功者とか、なんか超絶的な力を得てばりばり活躍するとか、そういう「サラリーマンのファンタジー」とでもいうべきものがあるように思います。願望充足もの、といってもいいですが。

まあ、ライトノベルが力ある中高生が「本来なら自分はもっと活躍できるべきなのだ」という思いを具現するようなもんなんでしょうか。主人公の活躍を見て、スカッとするんでしょう。

こういったサラリーマンのファンタジーものをTRPGで遊ぶというのも、新たなジャンル開拓という意味では、ひとつの手なんでしょうかね。

いまのTRPGはライトノベルのパターンを踏襲するものが基本的で、それは想定ターゲットである中高生むけには正しいわけですけど。古いゲーマーが楽しめるようなサラリーマン系ファンタジーものも、あってもいいのかも知れません。

2000/12/08:パクリで覚めるわけ

パクリはいけないと言われますが、正面から「なぜダメなのか」と問われると、答えにくいかも知れませんね。

しかしTRPGでは「ある世界に生きている」ということを納得できると、楽しいことが多いと思います。そして「別の世界のネタ」を引っ張って来ると「世界の統一性にたいする幻想」が崩れるとばぐちとなり。その世界にたいする幻想が破壊されやすくなるんですよね。覚めちゃうわけです。

むろんまあ、別の世界のネタを引っ張って来るのは、発想の材料として便利であり。いろいろな作品にたいする知識がすくなければ少ないほど、必要性は高くなるんですよね。そのあたりのバランスが、人によってちがうのが難しいところなのかもしれません。

2000/12/09:対立の構図

シナリオ作成を考える、そして世界設定を考えるうえで。対立の構図について実例を色々と覚えておくと、作成するのに便利ですよね。

歴史上や実生活、創作などにおいて。対立の原因、それぞれの陣営・個人の望み目標としている状態、対立解消の経緯、それぞれの陣営・個人の長所や短所、あたりかな。

対立があり、それを解消するのにPCを関与させるだけで。シナリオができますからね。民族紛争、遺産相続、お家騒動、販売競争などなど、規模も対立の深刻さもいろいろありえます。

シナリオの全体構造だけでなくても、セッションの中の行動なども、対立を解消する過程であると考えると。こまかい対立とその解消過程なんかも、いろいろ使いみちが有るのかも知れません。

2000/12/10:誰もやらないことをやるPC

PCにできること(能力)は一般人と同等で、PCのやること(行動)が特別である。TRPGでは、なかなかこうはならないんですよね。

どうしてもこう、プレイヤーからみると特別なことをやっているのだが、PCにとっては日常業務とか。PCのような職務(そう、それだけ定着している作業)についている人間がたくさん居るとか。なりがちなんですよね。

シミュレーションとしても、ゲームとしても。繰り返し発生する状況をゲームシステムは表現するので、その世界でのありがちなものをルール的に処理することになりますから。どうしてもそうなるのはしかたないんですけど。

もう少しこう、演出的にだけでも、他の人間はやらないようなことをやる、それがPCだ。というのを、上手く扱えるといいなぁ。

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