TRPGな一言2000年11月前期分


目次


2000/11/01:真相が隠された世界は使いにくい

世界設定には、謎めいた記述があって、シナリオフックとして用意されているようなことがあるわけですが。

いつサプリメントやリプレイや小説やシナリオで真相が明かされるかわからないような、大がかりな秘密は。実際のセッションで使う時に気おくれしたりするんですよね。まあ、気にしなければ良いんだろうけど。

もうすこしこう、使いやすい世界設定のありかたはないものかな。

2000/11/02:部屋や通路の大きさ

ダンジョンに限らず、戦場の広さというのはやっかいなものです。往々にして、十分な広さのある開けた空間を想定してしまうというのは、ありますよね。

でも実際の城だの地下施設だのを考えると、ひとが一人すれちがえる程度の通路とか、差し向かいで二人が切りあいするので精一杯な広さの部屋とか。そんな程度のものが多いはずなんですけど。なかなか意識できない。

まあ、自分の部屋や住んでいる地域のサイズ感覚でさえあやふやな自分のことを考えると、ある程度はしかたないんでしょうけどね。

2000/11/03:まず遊びたい世界から

まずゲームシステム、すなわちルールと世界があり、そのうえで遊ぶというのは、ひとつの方向性ではあるわけです。ただ、TRPGを遊びたい、その中でとあるものを選んで、それで遊ぶ。これはTRPGのファンの行動ではあっても、そうでないひとの望むことなのだろうかというのは、おおいに疑問です。

ある遊び方をしたい、そのためにどのゲームが使えるか、というのは、欲求としてむしろ素直であり、TRPGをはじめる欲求であることが多いのではないでしょうか。

そう考えると、現状では。何か遊んでみたい世界・舞台や、なってみたい役割がある場合に。初心者ばかりで上手く遊べるような状態とは言いがたいかもしれないですね。まあ、パロディ性の強いゲームシステムは、そこに遊びたいものを投影して利用するのに向いているという見方もできるかも知れませんが。

2000/11/04:名所旧跡からのシナリオ作成

世界設定には、よく名所というものが用意されています。ゲームシステム的な特性を生かしていたり、派手だったり、なにか伝説をともなっていたり。また現実の世界では、名所旧跡は非常におおいですよね。

そういった名所からシナリオを発想するのは、便利な方法です。

名所とは形あるものである。

だから壊したり、壊そうとすることから守ったり、奪うなり占拠するなり、なにか変化させようとする勢力と、それを防ごうとする勢力を用意すれば、シナリオを考えることができます。

名所とは場所である。

なにか登場させたり。戦闘やチェイスを行う舞台として利用したりできます。ちょっと変わった構造でしたらマップを入手してみましょう。良くできたタクティカルな戦闘システムでは、それだけでいろいろと考えることができます。

名所には秘密がある。

名所に絡む伝承や過去があれば、それをゲームシステムにあわせた敵や事件に使えば良いですし。そういった過去などがなくても、名前や形態から「〜かもしれない」と考えて秘密を作ることができます。

特に現実世界をベースとした世界であれば、名所旧跡のたぐいは腐るほどありますから、シナリオネタに詰まったら試してみませんか?

2000/11/05:はじめて触れるのに向いたルールブック

TRPGをよく知らないひとが遊ぶのに必要な内容を考えていまして。

あたりは最低限でも必要だなあ、と思ったわけですが。

……これがきちんと整備されているゲームで入手の容易なもので、気おくれしない程度の分量のものってのは、名前が出てこないんですよね。私の不見識のせいかも知れませんけど。

シナリオが豊富だったりセッションの実例としてのリプレイがあったり、ガイドブックがあったりと。もっとも初めて遊びやすいと思われるのはソードワールドですけど。これも一冊にまとまって必要な情報があるわけではありませんからね。

2000/11/06:コンベンション情報を得る・出す雑誌としての地域情報誌

「RPGマガジン」をコンベンション情報のためだけに買っていると公言している人は昔けっこう居ましたよね。いまの「ゲームぎゃざ」になったのは、そういう人にとっては、コンベンション情報は載っているし、カードゲームメインにしたことで値段は下がったしで、いいことづくめなのかも知れない。などと考えていて。

同様に広告費で運営され安価に入手できる……というか無料で配布されている、地域情報誌には。〜あげますだの通信欄がありますが。あれにコンベンションやサークル募集の告知を出すと、どの程度効果があるんでしょうね。地域限定なので、そのぶん狙いは絞れてるわけですが、実読率が高くないかも知れない。

しかし、ある程度あたりまえのように載る習慣がつけば、たいへん面白い媒体になるのかも知れませんね。TRPGという面白い遊びがあるんだよーという雰囲気を出せて、まったくの初心者も気楽に遊べる環境とセットにしたりすると、いろいろと面白いかも知れませんね

2000/11/07:提案は固定的でなく変化させるものである

なにか提案やお願いや行動をして、拒否されたら全部放棄してあっさりあきらめるとか、武力で全部押しつけるというのは、けっこう良くある情景のような気もします。提案が通るかどうかを、ON/OFF・成否でしか考えないという感じでしょうか。

しかし、最初の提案が上手く受け入れられなかったとしても、相手の様子や都合を引き出して、受け入れられる程度に変化させた提案を行う。これが交渉なり説得ってものですよね。そのあたり意識的にできるようになると、いろいろと楽しみやすくなるのかも知れません。

まあ、こういうのを判定処理できるシステムは、いまのところないような気もしますが……。

2000/11/08:素朴に戦闘で楽しむ

ちょっとした戦闘と、その動機になる敵の悪行。それだけで、けっこう満足できる。戦闘システムがそれなりに複雑で、戦闘を楽しめるものであればなおさらだ。というのを再認識してみたり。

成長する喜びとかさー。こつこつ強くなって、わ〜いとかね。そういう楽しみかただけで満足だった時期を思い出してみるのも、枯れてしまった古いゲーマーにはたいせつなのかも知れません。

2000/11/09:楽しむためのプロセスとしての準備

ゲームにしてもスポーツにしてもドラマにしても、結果だけあってもつまらないのではないかと思います。結果にいたるまでのプロセス、過程があってこそのものであると。

まあ、いきなりクライマックスの対決だけあっても楽しくないというわけですね。たとえば野球ものの話なんかでも、九回の勝敗が決まるところだけではつまらなくて。それまでのやりとりや、さらには訓練や挫折なんかがあってこそ、盛りあがるとかね。

この過程というものを考えていると。直接の勝負なり重大局面なりにいたる前に、いろいろとあるのが楽しいのかもしれないとも思えます。結論を出す部分自体には、あまり楽しさを得るための重みがなくて、準備とか成り行きとか動機づけとかのほうが重要なのかも知れない、とね。

そう考えると、じっくりみっちりできるキャンペーンのほうが面白くなりやすかったり、セッションの時間の十倍ほども自然の調整や準備や設定の練り込みに使ったりするのが楽しかったりしたのが、納得がいくのかも知れませんね。

2000/11/10:状況・情報の記録と整理の重要性

セッション中……特にシティアドベンチャーなどでは。きちんと出てきた情報をメモするなりしながら整理して、現在の状況をきちんと把握して、行動計画を考えやすくするのはたいせつなノウハウの一つですよね。

とくにチャットセッションでは、ログが残るせいもあって。現状をきちんと整理して行動を計画するための指針とすることをプレイヤーが怠りがちだと思います。しかし、それが状況の誤認による行動のロスや、状況を再度ゲームマスターが説明するという無駄を生じさせているんですよね。

こういった情報整理・状況整理をゲームマスターにさせず、プレイヤーが自主的に行うことは。一回で終わらないような分割セッションやキャンペーンでのセッションを楽しくするための、基本的な配慮というものだと思います。

スムーズにセッションを運営し、より楽しみの密度を向上するためにも。自発的に状況を記録・整理して参加者の間できちんと共有いくことは、忘れないようにするべきでしょう。

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