TRPGな一言2000年10月後期分


目次


2000/10/21:作るのに便利な用紙、使うのに便利な用紙

シナリオやキャラクター、その他設定やデータ類を作成するうえで。

発想に便利な用紙と、制作に便利な用紙と、運用に便利な用紙は、いろいろと違いがあってしかるべきなのかも知れませんね。

作成用には計算手順や表が参照できるように記入欄の近くにあったりすると便利でしょうし、あるパラメータから別のパラメータを算出するなどがあれば、その流れなども示されているべきでしょう。運用用のシートは、作成に必要なデータは不要になりますし、使うためのデータが使いやすいように配置されていたり、一時的な変更点を記録しすかったりするべきですよね。

全部ひとつの用紙でまかなおうとすると、ごちゃごちゃするうえに、それぞれの用途について不便なところが出てくることになるので。もし可能であれば別のシートとしてしまうのも、手ですよね。

2000/10/22:選択するだけでも楽しい時期はある

自動的に幾つかの明示された選択に反応するだけのシナリオ運用、つまり選択肢選んで進めるタイプのコンピュータゲームみたいな処理でも。うまく雰囲気を出したり、等価である事実を認識していなかったり、別の楽しみ(演技とかね)を見いだしていたりすれば、プレイヤー的に楽に盛りあがれるのも確かなんだろうけど。

それでいいのかというと、慣れてくると不満のある人も居るわけですけど。満足している人も多い、また最初はそれだけでおなかいっぱいなのも確かなんで。難しいものですね。

2000/10/23:いつもおなじ行動にならないために

状況によらず、PCの能力的に取れる戦術が一種類に固定されると、ゲームとしては、つまらないことになりがちですよね。TRPGではPCを作りなおしでもしないかぎり、能力は大きく変動しませんから。成長は単に強くなるだけだし。

対策としては、ゲームデザイン的には。

あたりがあるでしょうか。

セッション運用的には

などがあるでしょうか。

2000/10/24:戦闘ルール中心なら戦闘で解決するでしょう

初心者が戦闘で解決したがる、戦闘がないと不満がる。などを不満に感じる人は多いようです。もっと、戦闘以外の解決策を模索するとか、工夫するべきだというのは、ゲーム重視という人もストーリー重視という人も、同様に言っているような気がします。

しかしまあ、考えてみると。これはTRPGの現状に慣れていない人にとっては、理不尽な言われようなんでしょうね。

ふつうテーブルゲームというものは。決められたルールのなかで、与えられた能力を利用して、相手を打ち負かすなり、評価点を競うなりするものなわけですから。

たとえ目標が協力して問題を解決するというものであったとしても。ルールにある能力を使った行動で解決しようと考えるのは、これは理の当然なんだと思います。

他の解決策を使って欲しいなら、もっとゲームシステムを工夫するべきなんですよね。

2000/10/25:住人の連携のあるダンジョン

ダンジョンものにおいては、往々にして、部屋単位での独立性が高くて。ある部屋で何をやったとしても、別の部屋に影響を与えないような対応になることがあります。ある部屋で戦闘をしようがなにをしようが、別の部屋のモンスターは、その部屋でじっとしていて。PCがやってくるのを、じっと待っているという情景です。これはこれで、処理的に簡便ですし、扱うデータや考慮するべき条件も減るので、遊びやすいのも確かなんですけどね。

モンスターも感覚や知能があるわけで。PCと別の部屋のモンスターとの戦闘がはじまったり、PCがうるさい音を立てたり、異物の匂いがしたりしたら。勝手に移動してきて襲いかかったり、待ち伏せしたり、増援としてやって来たりしてしかるべきだ、と考えることができます。

そういうことを考慮すると。プレイヤーとしても、PCに音を忍ばせるとか、戦闘を回避するとか、逆に陽動(D&Dなどは人が雇えますし)で誘導・誘出するとか。色々と考えることが出来るようになるわけですね。偵察や事前情報の収集の価値も出てきますし。

事前に、こんな感じで相手も考えて動くよ、と宣言して試してみるというのも。ただ殴り合うだけに飽きてきたら、試してみるといいかも知れません。まあ、事前調査とかに耐えられるダンジョンを作るのは、手間ひまのかかることなんですけどね。

2000/10/26:PCにできることから、PCの立ち向かう課題を考える

行為判定で可能なこと、キャラクターの持つ能力(技能・術・道具など)を見て、それによって解決できるように課題を配置するというシナリオ作成方法があります。

これは、上手くいけば、活躍の平等を図れて、かつそれぞれの能力的個性を表現することにもなり、便利なんですけど。

(キャラクター作成前にシナリオを作るのであれば)プレイヤーがその能力をうまく取ってくれなかったり、使うことを思いつかなかったりした場合に、上手くいかないという問題があるんですよね。

対処法としては、誘導するとか、思いつくまで考えさせるとか、上手く成功させなくてもシナリオがすすむようにするとか、色々と手がありますが。

準備に手間を翔けるのであれば、全員の能力のどれでも、もしくは複数の能力で対処できるように、課題を用意するという手が、わりと安全牌なのかな。一回きり役割分担を殺す危険性があるので、複数回の処理で……となると、戦闘みたいな処理になるわけですが。

2000/10/27:理由づけを便利に使おう

どんな行動であっても、その行動には理由・動機があります。正確には人間が認知的に、行動には理由があるものだと、おもいたがるのだそうです。ほんとうは理由の明確でない行動なんかはいくらでもあるわけですが、人間はそれに理由づけしたがるんですよね。本当の因果関係があろうとなかろうと。前にできたはずのことができないと、おまじないをしなかったからだと考えるとかも、その一種のようで。

そのためもあってか、キャラクターの一貫性と人格を演出するためには、行動するときに理由をつけてやると、なんとなくなっとくしやすくなることが多いようです。

理由として便利なのは、親が○○(虐待者とか)だったから、相手が恋人・初恋の人に似ているから、金が欲しいから、私は○○な人だと自認しているから、ある立場に居るから、恨んでいるから、食欲、などなど色々とあるかと思います。

なお、理由づけはNPCの行動にも有用です。とくに敵対NPCの悪行の動機づけを明確にし、その行動に一貫性を持たせてやると。なんとなく人間味が出てきたりして便利です。事件解決の材料提供にもなりますしね。

2000/10/28:時間は金で買え

パソコンを新調しようといろいろと情報を漁ったり、価格を調査したりしていておもったんですが。こういうのは確かに楽しくもあるんですが、時間えらく食うんですよね。労力とのコストパフォーマンスでは、どこか懇意にしてるとこで、さくっと高めでも買ってしまうほうが、時間を仕事に使えて効率的だったりすると。

TRPGでも、いろいろと買い物を考えるのは楽しくもあるわけですが、時間を食うわけで。シナリオにしてもキャラクター作成にしても、さくっとできる知り合いなり販売物なりがあると、時間のパフォーマンスが良くなるものだよなあ、などと再認識しました。やはり時間は金で買え、というのは事実ですよね。

……ま、貧乏だったり、あれこれ考えるのを楽しみたかったりすれば、自分で時間をかけることになるわけですけどね。

2000/10/29:対人感情は楽しさを規定する

なんだかんだ言って。結局セッションが楽しいかどうかには。自分が一緒にいて楽しめる相手だと認識している相手かどうか、自分が話していて面白いやつだなと思っている相手かどうか、というのが、重要な要素になっているものだと思います。

……これは。客観的・技術的に、一緒にいて楽しめる相手かどうか、話していて面白い相手かどうか、ではないんですよね。あくまで主観、気分、そして人間関係に依存すると。

このあたり考えると、外見や口調ひとつで気に入らなくなりがちな危険のあるコンベンションよりも。人間関係が既にある程度信頼のおける内輪環境や、知り合いになったあとに気にいったメンツと卓を囲むほうが、安心して遊べるのは間違いないんですよねぇ。もしくは、誰にでも寛容な心構えで接するか。

2000/10/30:ゲーム的最適行動をとらないと成立しないようでは困るかも

TRPGとはゲームである。いやストーリーやドラマの共同制作だ。

などど二律背反のように考え、どちらかを優先すれば片方は忘れていいとなったり、両立することのできないと考えたりするような心理状態は。TRPGをはじめて数年のころは良くありそうですし。長年遊んでいても、そのどちらかにしか関心のないというのは、広い目でみると珍しくないのかも知れません。

そういったゲーマーにとっては。ゲーム的に良い行動、黙示的に推奨される行動をしていれば、自動的にセッションが上手く機能するとか世界観が表現されるようなゲームシステムは。失敗しやすいし、不満を持つものなのかも知れません。

そのようなシステムは、ゲーム的最適行動は当然のこととして即座に分析・理解して実践でき、かつシステムを駆使してドラマを組み立てようという意欲があるようなプレイヤーに向いているものであって。これは、はっきり言ってマニア層のそれも一部にしかできない、やらないことなのではないだろうか。などという疑念があるんですよね。

2000/10/31:出世できるゲーム

漫画や小説などでもシリーズの主軸を貫き、また人気の源となる、ひとつの原動力が。感情移入される主人公の能力的・人格的な成長であるというのは良くいわれることです。そして、社会的な出世もまた、原動力として機能します。

レベルが上がって強くなる。これはまあ、おおむねゲームシステム的に表現されているわけですが。人格的成長は難しいですよね。それに比べれば容易であるはずの社会的地位の変化についても、きちんとフォローされているゲームが少ないように思います(D&Dがありますけど)。

もうすこしこう、キャンペーンの過程で地位や信頼を得、社会に大きく関っていく立場になることを、楽しみやすいようなゲームも増えてくると面白いかも知れませんね。

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