TRPGな一言2000年10月前期分


目次


2000/10/01:セッション後に設定をまとめる

キャンペーンを行うにしても。そうでないにしても。

シナリオ中の設定やセッション中の設定を記録して整理しておくことは。再利用できるようにし、シナリオ作成の労力を下げるというだけでも有用なことです。

まとめておくと便利で再利用が効きやすいのは

あたりでしょうか。

このあたりは、実用的な世界設定として必要なもの、でもありますね。

また。おなじプレイヤー相手に同一の設定や同一の人物を再びだした時に起きる移入感や、共有意識なども、また楽しみのスパイスになりますが。そのためには、

を記録しておくと、便利かと思います。

2000/10/02:ゲームシステム特盛りの罠

ゲームデザインをしていて良く陥る罠として。アイデアを全部盛り込んでしまいたくなるというものがあります。

さらに、どんな用途にでも使えるようにしようとすると。多くの場合、処理が繁雑になり、理解しにくく、巨大で、日常的に使う部分の処理が遅くなりかねないんですよね。汎用ルールにしようとして、よけいに手間がかかったりとか。

いかに上手く削るか、まとめるか。そしてそれが自分以外にも遊べて楽しめる程度に豊富な情報があるようにする。このあたりは、なかなか難しいんですよねぇ。

2000/10/03:医療風シナリオパターン

病気の診察の推移をシナリオの展開のパターンとして考えてみると。以下のようなものを考えることができると思います。

問題・症状が発覚する
   ↓
 対処療法
   ↓
 その後の調査で原因を解明
   ↓
 根治の準備と実行
   ↓
 その後も問題がないかの観察。

このようなパターンだと、原因をいくつも考慮することで、シナリオを公開しても問題なかったり、複数回利用したりできそうな気もします。

また、対処療法を持続的に行うことは、カウントダウン要素としてプレイヤーに緊張感を与えたり、時間的制約を明確にしたりするのにも有用でしょう。

例えば。症状:痩せすぎてやつれる人が続出対処法:点滴とか隔離とか治癒魔法の定期的利用とか原因:痩せ薬、呪い、望みをかなえすぎる神の使徒、伝染病、寄生虫、吸血鬼など

とか。

このパターンでシナリオを考える場合。なにか原因になるものと、それから発生しうる困った問題め症状を思いついたら。同じ結果になる問題を実現できる、他の原因を色々考えるといった方法が便利そうです。

そうすれば、シナリオの幅が広がったり、悩みどころを作ったり、シナリオを掘り下げやすくなりそうですからね。

2000/10/04:○○である自分で遊ぶ

プレイヤーの知識とキャラクターの知識を区別するべきであるとか、プレイヤーの感情や判断ではなくキャラクターの感情や判断を考慮するべきであるとか、良くいわれるわけですが。

実のところ、もしも合意が取れている環境であれば、べつに混同していても問題ないわけですよね。とくにTRPGをはじめたばかりであれば、一体化させて

「戦士の役割をする自分」とか「雪の山荘で殺人犯に直面した自分」とかであるのは、負荷が少なくて遊びやすいというのはあるわけですよね。

こういうのは、むかしはプレイヤー主導型などと呼ばれてキャラクター・プレイ主導型と対置されていたりもした(1987年のゲームグラフィックス10月号別冊エクスカリバーP41で発見)ようですが。現在ではキャラクター・プレイ主導型こそがとうぜんであるという認識が普及しているような気もします。

もちろんプレイ環境やゲームシステム、遊び方などによってどちらが望まれるかは変わってくるわけですが。○○である自分、というスタイルがあることも思い出してみるのもいいことなのかも知れませんね。

2000/10/05:手ごわい怪物との戦い

gamers.com のD&D3e特集の、モンスターマニュアル用のイラストなるものを眺めていて思ったこと。……これに剣で殴ったりするだけで、勝てるのか。よく考えると、凄いことだよなぁ。

カードゲームのOrgeや怪獣映画よろしくどうしようもなく強い敵の暴走を。何度も失敗しながら、犠牲を払いつつ、わずかな目に見えるダメージ与えながら、最悪の被害を回避すべく奮闘するようなことが表現できる。そんなシステムやシナリオがあっても良いのかも知れませんね。

2000/10/06:シナリオの要素は判定に使うためにある

ダンジョンシナリオにおけるダンジョンを構成するパーツ、たとえば通路や扉や部屋や壁やモンスターは。行為判定を行う対象、もしくはやランダム判定を行うトリガーとして存在すると考えることができます。

この考え方を応用すると。シナリオの構成要素を考えるうえで、ゲームを進行するうえで行為判定を行う対象としてなにがあるかを考えるとか。逆に存在する技能・能力に合わせて、それを使えるように要素を用意するとか。そういったことができるわけですよね。

たとえば、社会技能やコネのあるゲームシステムのシナリオであれば。社会技能やコネ判定のできる機会・対象とその結果を用意するのがシナリオであると考えることができるわけです。

このあたりを上手く使うと、シナリオになにを用意するかを考えるうえで、色々と役にたつのではないかと思います。

2000/10/07:シナリオの記述は十分か

シナリオが上手くできているか、十分設定されているかの簡単な判別法としては、他の人が追加せずにプレイ可能か、というものがあるかと思います。

それを意識するだけでも、作成しておきたくなる内容はどんどん増えるわけですね。

ただまあ、自分で運用するシナリオで、それだけ作り込む必要があるか、だれもがそこまでやるべきかなどは、疑問が多いですけど。準備にプレイの数倍の時間がかかるようでは、あまり時間あたりのパフォーマンスが良いとは言いにくいでしね。

2000/10/08:シナリオ書きに煮詰まった時のために

煮詰まってしまってなにも書けない、シナリオが沸いてこない。そんなことってあると思います。そんなときには、部分からさくさくと、捨てるつもりで書いてみるというのもひとつの手です。いくつか書いているうちに、なにか使えるネタが出てくれば万々歳。

書きやすい部分としては、敵、味方、舞台、罠、追い詰められる状況、なんかがありますかね。とりあえず、そういったものからなにか書けないか試してみるというのは、ひとつの手だと思います。世界設定や過去のシナリオなどから、使えそうな発想の広がりそうな「敵、味方、舞台、罠、追い詰められる状況」などを探してみるのもいいでしょう。

2000/10/09:経路としての情報、道具としての情報

ゲームマスターから提示される情報を、三つに大別して考えてみましょう。A.ゲームを進行させるためには何をすれば良いか/なにができないかの情報B.ゲームを有利に進めるのに使える/使うと不利になる情報C.雰囲気づくりの情報

この三つで、機能的には網羅できるのではないかと思います。むろん、実際には。ひとまとまりの情報が三つのタイプの機能をある程度ずつ含んでいるのは良くあることだとは思いますが。

でまあ、このうちA.のタイプは、機能が無いのでいいとして。B.とC.について。

情報にはA.の経路情報とでも呼ぶべきものと、B.の道具情報とでもよぶべきものがあると。真相にたどりつく経路誘導としてのA.タイプの情報は、得られないと、最後までゲームが進行しないわけですよね。セッションを成立させるための要素だから。

しかし、真相解決に有利になる道具としてのB.タイプの情報は努力しないと得られないとやって良いので、ゲーム上の駆け引きの要素とできるわけです。

たとえば行為判定では、A.タイプ情報は失敗しても与える、B.タイプ情報は成功しないと与えないとか。A.タイプ情報は制限時間内に必ず確保できるが、B.タイプ情報は制限時間内にすべて得ることはできないとか。そういった区別をシナリオ作成時にしてあると、失敗しにくくなるのではないかと思います。

2000/10/10:提案を世界観に受け入れやすくする

「そんなことは、この世界の人間は思いつかない」

「この時代ではそんなことはできない」

などとリアリティを盾に行動宣言を却下するのは、どうしてもプレイヤーの創意工夫を潰すことになって不満を産むんですよね。だからといって放置するのも問題だとかあるけど。世界をつくりながら遊んでると、このあたり柔軟に対処しやすいとかはありますよね。

制限の範囲内で工夫するとか。〜はあるか、〜はできるかと聞きだしたうえで工夫するとか。プレイヤー的にも、上手く受け入れられるような提案を行うためのノウハウはあるわけでしょうけどね。

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