TRPGな一言2000年09月後期分


目次


2000/09/21:行為判定に失敗したときの処理

一般行為判定システムとは、一般に、成功すれば意図した行動が可能である、となることかと思います。逆にいえば、意図した結果を出すために判定を行うわけですね。

しかし、一般行為判定では、失敗した時にどうなるのかについて、明確に規定されていないことが多いんですよね。そのあたり、もうすこし工夫の予知はあると思います。

そのあたりをマスターが工夫して、マスターの意図に合わせて失敗時の処理を提示することで。意図した方向に誘導するというテクニックもあるわけですけどね。情報収集で、成功したら良い情報、失敗しても必要な情報は渡す、とかね。

戦闘なんかだと失敗は行動権の喪失であったり、ダメージに直結したりとか色々あるわけですが……。一般行為判定になると、なかなか難しいんですよね。

2000/09/22:飛び道具が届くかの簡略処理

飛び道具に射程のあるゲームシステムは多いと思います。距離管理がきちんとしていれば、これはこれで楽しいんですけど。

活劇系であれば。たがいに交戦距離にある、交戦状態・接敵状態であれば。射程は視界内であると簡単に処理してしまうのは。軽快で良いのかも知れませんね。

この場合には、接敵するか、接敵からどう外れるか、あたりの処理手順が厳密になっていると良さそうですね。相手や状況を見て接敵するかを判断したいし、必要に応じて接敵状態から逃れるのもきちんと扱いたいし。

2000/09/23:手放しで読める喜び

D&D 3rd の PHB(プレイヤー用ルールブック)を開いていて、あることに気がつき感心しました。

どのページも、平面になるくらい容易に開ける閉じかたになっているんですね。手を放しても勝手に閉じて戻らないようになっている。開いたら開いたまんま。

32ページごとに糸綴じになってるから、こうなるみたいです。最近の日本の大判書籍なルールは糊づけなので、こうは行かないというわけですかね。単価の問題かなぁ。

机において広げておいて、手を放したまま読める。これは、たいへんありがたいことですね。ちょっと感動しました。

2000/09/24:最後の締めできちんとすること

セッションも終わりに近づき。課題が達成できたか、敵を倒せたか、生き延びることができたか、などが決まったあと。直接の結果を告げるだけではなくて。PCの行動の結果として、PC自身や周辺の社会や状況がどうなったのか。どう変化したのか。そのあたりを、きちんと示すのも大切ですよね。

プレイヤーとしても、自分たちの行動・計画・選択が、どのような影響を与えたのかを。最後にきちんと再確認するというのは。そのセッションを噛み締める、重要なものだと思います。

そのあと「次はこうしよう」「こんどはこうしてみよう」などと、プレイヤーたちが口々に話しだしたら、大成功。キャンペーンにするのも良いですしね。

まあ、そのためにも。きちんと時間があまるくらいに、終わらせられるようにしないといけないんですけどね。

2000/09/25:隠れた前提が機能するのに必要である

どんなゲームであってもあるものですが。TRPGにも、いくつかの明言されていない、ゲームを成立させるための前提条件があります。

たとえば、全員が勝利(目標)にむけて努力することを前提としていることは多いですよね。PCが協力するにしても、対立するにしても、目標に向かって努力しないプレイヤーが交じると、面白くなくなる。

たとえは役割分担がはっきりしているタイプだと。「分担された役割をきちんとこなす」という前提を守らないプレイヤーが居た場合には、上手く機能しないんですよね。

2000/09/26:役割分担にもプレイヤーの意識にたいする前提がある

役割分担は、活躍の機会均等やプレイヤーの参加促進のために有用である、とは良くいわれますし。実際上手く機能すれば有用なんですけど。

たとえ役割分担がはっきりしていたとしても。「分担された役割をきちんとこなす」とか「役割をに応じた行動を取る」とか「得意なことをやって不得意なことは他人に任せる」という前提を守らないプレイヤーが居た場合には、上手く機能しないんですよね。

2000/09/27:アイテムの利用制限のシナリオへの利用

最近は減っているのかも知れませんが、冒険の結果マジックアイテムを得るということがありますよね。

ここで、アイテムをそのまま便利に使えすぎてしまわないようにするというのは。キャンペーンなどで続き物のシナリオを作成するためには、たいへん便利な手段です。

アースドーンのスレッドなんかはルール的にフォローされている例ですが。アイテムの能力を解放するために必要な知識(キーワードや契約など)があるというのは、それを探すシナリオを生成できるんですよね。

必要になるものを知識だけでなく、修理するのに必要な材料や、起動するのに必要な資源などにしても、探索の旅に使えますし。敵が強力で危険なアイテムを起動するためにものを集めているのを妨害するなども、面白いですよね。

2000/09/28:行動の結果局面が変わって欲しい

最適な行動をした結果として局面が変わって、さっき最適だった行動がつぎの行動では最適ではなくなる、というのが良いゲームというかまともなゲームだと思うんですが。

TRPGでは、このあたり実現できてないことが多いような気がします。

いつでもPCに応じた得意技を使ってるだけで良いというのは。ゲームとしてあまりいいことではありませんよね。最初にどれが良い考えたあとは、考える必要のない作業になりますし。

2000/09/29:ロールの切り替え

社会学などで用いられるようなロールプレイであれば、環境や相手に応じてロール(社会的役割)を使い分けているわけですよね。

それを考えると、ロールプレイとキャラクタープレイを分離して考える場合。キャラクターから分離してロールを実装し、同一キャラクターにおいても複数のロールを明示的に取り扱えるようにするというのは、興味深い試みなのかもしれませんね。ビーストバインドの魔物の顔と人間の顔は近い概念かも。

2000/09/30:運営のゲーム化と明示

セッション運営をシステムに埋め込んで、ゲーム構造として運用しようという試みが、最近のゲームシステムには多くなっています。

しかし、ゲームとして有利になるように運用することで誘導するというのは。意図が理解できないと、自分の身にしみついたスタイルで運用しようとして不利になったり繁雑になったり障害になったりして。無意識に運用できるくらいに慣れた人間ほど、こんなの駄目だと思いがちなのかも知れませんね。

いっそ明示的に〜しろ、あたりくらいのほうが分かりやすいこともあるのかも知れませんね。運営のゲーム構造への組込みは、運営の提示のための方法の一つに過ぎず。理解されにくいなら他の方法でもいいんでしょうし。

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