自分たちで遊ぶだけであれば、無色透明でありがちなものでも、色々好き勝手に遊びやすいから、受けるんですけど。
それを外に広めようと考えると、その世界で遊ぶからこそ可能になるなにか、なんかがないと、なかなか引き込みにくいんですよね。
サークルで良く遊ばれている、そのサークル内製のシステムとかは、良く遊ばれているぶんこなれていたり、データが豊富だったりするけど。そのあたりの訴求力が弱いことが多いような気もします。
初めてシナリオ作成をしようというひとがつまずきかねないところ、そして慣れている人でもはまってしまいがちな落とし穴として。「シナリオを作成は、ドラマチックなお話である必要はない」ということを忘れてしまうというものがあるようですね。
むろんまあ、ゲームシステムにもよるわけですけど。シナリオレベルで美しい話、素晴らしい話は、必ずしも必要なものではないんですよね。
私はTRPGは「問題解決の物語」広めにとっても「目標達成の物語」を表現していると良く書いてますが。これはつまり、解決すべき問題、達成すべき目標、それがシナリオの根本であって、そのための筋書きやドラマ・葛藤などは、付随するものであるというつもりなんですよね。
ですからまあ、「お話なんて思いつかない〜」などと思って臆せず、まずPCに解決の努力をしてもらう難題を考えて。そこから「なぜPCはその問題を解決しようとする必要があるのか(動機)」や「なぜ容易に解決できないのか」などを考えて行くだけで、多くのゲームにおけるシナリオは出きるので。お話的なものは気が向いたらそれに肉づけしていくだけでいいんだ、くらいの気持ちでシナリオを作ってみると、良いんでないかなと思います。
敵を倒すぜ〜、あいつらは悪いやつらだー。
悪いから倒せ。そう言われても、ふと気がつくと納得がいかなくなったりしやすいんですよね。「〜は殺さねばならない」とか戒律みたいなものが規定されていても、プレイヤーのほうが納得できないと、なかなか気分的に機能しない。
プレイヤーがどう思おうと、PCは別とまで割り切るべきだという考えもありますし、深く考えなければざくざくと戦闘で片づけて楽しめるんですが。リアリティだの納得感だのを大切にしようとすると、プレイヤーにもその気にさせることが必要になってきたりするわけですね。
具体的な方法としては、目に見える被害、体感できる損害。それをPCが見つけて、PCがなにもしないなら事態が悪化するのであると印象づけること、なんかがあるんでしょうかね。
そのシーンがいつ終わるのか。そのシナリオがいつ終わるのか。TRPGでは、このあたりが良くわからない、少なくともプレイヤーには見えにくいわけですけど。普通のゲームでは、どのようになったらカタがつくかの予測ができるようなものが多いと思います。
しかしこう、ゲームの終了条件と、終了タイミングが読めないと。消耗型のリソースのゲーム的運用はそもそも困難な気がします。
ヒーローポイントや魔法なんかで、使い残すのもあれだし、途中で使い切ってしまうのもまずいし。というあたりで悩む時に、判断の基準が少ないわけです。
このあたりは、もうすこし改善されても面白いのかも知れませんね。
マスリングテクニック的にも、カウントダウンやタイムリミットを利用することで、明示することができますし。
シナリオや世界設定、キャラクターやアイテムなどを考える時に。なにか、もとになるようなネタがあるというのは、これはまあ良くあることなんだとは思います。元ネタはなにか創作作品であったり、身の回りの現実であったり、いろいろでしょうけどね。
ここで、そのまんま利用してしまわないのが、うまいやりかたですよね。
たとえばシナリオのもととしてなにか小説を利用するとして。小説の筋書きをなぞるようにシナリオを作成するのは、バレやすしい覚めやすいし、TRPGのシナリオとしての柔軟性や機能性に欠けたりしやすいわけですよね。
こういった場合に、元ネタの要素を書き出して、それを機能の段階にまで分解して。さらに複数のものを参照して合成し。そののちにフレーバーを載せなおせば。だいぶと印象が違ってきます。
シナリオなんかだと特に、機能分解すると、分岐も作りやすいですし。いざという時に機能を頭においておけば、アドリブもしやすいんですよね。
こいつの機能はなんなのだろうか。それを意識するというのも、上達のコツのひとつなんじゃないでしょうか。
ゲームデザイン的に、なにかの行動に必要になる小道具をいろいろと考えておくのは、良いことですよね。
魔法の触媒とか、薬品とか、使いべりする道具類とか。色々あると思いますけど。小道具があれば、手順が必要になり、妨害もしやすくなるし。なによりも、小道具がない、足りない、盗まれた、などを物語のとっかかりとすることもできるんですよね。それだけでシナリオが作れてしまう。
下手であるほど小道具が必要だとか、小道具が消耗するから資金が必要だとかいった場合には、手応えのある成長感の演出にもなりますし。
NPCの価値観を考え、伝達するための手軽な方法をひとつ。
PC集団に遭遇した時の反応において。PC集団を二つのグループに分け、対応を露骨に変えるという手があります。
男女で分ける(男尊女卑だったり女に甘かったり)とか、階級で分ける、職種で分ける、外見で分ける、などなど、色々ありますよね。
PCを二グループに分けられるような特性を考えて、反応を変えるというのは。違いがみえやすいですし、役割分担や対話を引き起こしやすいので、分かりやすく便利です。
まあ、ほどほどにしないと騒動のタネになったりするかも知れませんが、ためしてみてはいかがでしょうか。
ヒーローポイント式のシステムで、ヒーローポイントが活躍するために消費されずに、死なないために温存される、というのは良くある情景ではないかと思います。
能動と受動でポイントを分けてしまう、シナリオの終了時点をプレイヤーに把握できるようにしてリソース管理がまともにできるようにする、そもそも死ななくする、ポイントはどんどん稼げるようにする、などが対処方法として考えられますかね。
ちなみに、ヒーローポイントに限らず、一般的に消耗ポイント制のシステムについて言えることで、マジックポイントやなんかでも、同様のことが言えると思います。
ウィザードリーのTRPGのどれだったかかで、呪文ごとにポイントがあるというのは、いろいろな呪文を使う気にさせて便利だったような記憶があります。
キャラクターや舞台の設定を煮詰める時のキーになる視点として。
なぜ、こうなってるのだろうか。
すべての設定について、これを考えてみるというのは、たいへんに有用です。
ランダムに色々と決まるようなシステムでは特に、このような理由づけは大切だとおもいます。
納得感を増すためにも、行動の指針や未設定の部分の増補、そしてシナリオの広がりの素材として。なぜから生まれた発想を利用するのは、便利なテクニックなので。活用してみると良いかもしれません。
シナリオが思いつかない時には。私販や公開れさているもの、それも詳細めのものをみて「わたしなら、こうするのに」と思うものをネタにするという手があります。
不満は発想の原動力ですよね。こう変えてやれば良いのに、という思いは、往々にして発想のきっかけとして機能しやすいと思います。
がんがん、こんな風になればというものが出てくれば、大成功。元ネタがなんであろうと、独自のアイデアがいつのまにかできあがっていることと思います。
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