TRPGな一言:2000年06月中期分


目次


2000/06/11:ゲームシステムの理解しやすさの功罪

ゲームにおいて、ゲーム進行の理解しやすさや扱いやすさ、というものは、それなりに重要です。一般判定による一貫性とか、統一感のあるシステムとかは、理解しやすさを向上するのが狙いですよね。

しかし、理解しやすいことが楽しいゲームをつくるのかというと、難しいところかも知れません。理解しやすすぎると、見通しがききすぎて、飽きてしまうという問題があるかもしれない。

どの部分を使いやすくして、どの部分は繁雑にしておくのか。その見極めと実装に気を使うべきなんでしょうね。そして、ゲームの奥深さを仕込むために意図的に、複雑にしたり繁雑にしたり、直感的理解と実質を乖離させたりできるといいのかも知れません。

なにもかも見通しが良くなってしまうと、完全情報多人数協調型ゲームとでもいうべきものになって。あまりこう、考えることが無くなるのかも知れない。

2000/06/12:内輪で楽しむ方法のもちだし

内輪でやるときには。いいかげんで、暴走しまくりのほうが。わいわいと楽しみやすくて、それで良いというのはあるのかもしれない。

まあ、その感覚を不特定と遊ぶ場に持ち込んじゃうと、たいへんだけど。

……持ち込むと大変ということを考えると、数値計算かっちりとか、狡猾な計画とか、卑屈になってても勝利するとか、ほかのプレーヤーを望んだようにコントロールするとかも、内輪で機能して望まれていても、つらいものではあるのかな。

2000/06/13:モンスターづくりの欲求

凄いモンスターを作って、プレーヤーをびっくりさせたい、PCを痛い目に会わせたい。そういう欲望がゲームマスターを行う上で存在し、うまく機能していれば有用であるというのは、あると思います。

そのあたり、もうすこし正直になるべきなのかな。正直なげてものづくりの欲求と、公正さとのバランスをシステムが取ってくれると、気が楽になるんですけどね。

2000/06/14:オンラインセッションに創作ルールの多いわけ

コンベンションなどに比較して、チャットや掲示板やメーリングリストを使用したセッションでは。市販でない創作ルールの利用比率が高い傾向があるように思われます。

理由としては

などがあるでしょうか。

2000/06/15:処理の高速化とコミュニケーション

TRPGにおいて、処理の高速化のための最も有用な手段は、プレーヤーと他のプレーヤーやゲームマスターとのやりとりの回数を減らすことでしょう。
プレーヤーの行動宣言
→ゲームマスターの難易度提示
→プレーヤーの判定
→ゲームマスターの結果提示

といったルールと。
プレーヤーの行動宣言
→ゲームマスターの許諾
→プレーヤーの使用技能宣言
→許可するならゲームマスターの難易度提示
→プレーヤーの判定
→ゲームマスターの判定
→ゲームマスターの結果提示

とでは、かかる時間も大違いですよね。(あまり良い例でもないかも)

このような一処理あたりのやりとりの分量の削減と。コミュニケーションとを両立し、共同感の維持形成とが相反しないように処理すれば、もっと一セッションあたりの時間を裸子、密度を下られるのかも知れませんね。

2000/06/16:攻めることは弱点を作ることである

軍事史ものや格闘ものを読んでいて思うんですが。攻めることによって、弱点が作られるものであるということが、TRPGの判定系では、あまり表現されていないような気がします。

たとえば軍隊が前進して攻撃するというのは、隊列の乱れを生じて攻撃を受けたときの被害が増えるわけです。柔道などでも、相手を崩そうとしたときには、自分の体勢も不安定になっていますよね。

このような「攻撃することが弱点を産み出す」ような概念を、スマートに取り入れたルールってのも、面白そうです。

2000/06/17:公正さを武器にされても

特にキャラクター作成において、ルール的公正さってのは。

安心してルール上の工夫はなにをしても良い、どんなことをして押し通しても正しい、という気分になるために利用される。という側面もあるのかもしれませんね。

欲求をごり押しするための道具として使われては、楽しめないよなあ。

とはいえ、そういう側面、そういう心理を排除できるわけもないんだけど。

2000/06/18:足りない部分を補う成長

現実世界における成長ってなんだろう。と考えていたりするのですが。足りない部分を補う方法を知り実践できるようになること、というのが現実世界の我々の成長というやつなのかも知れませんね。

ふつうTRPGで扱われている、出来なかったことが出来るようになるというのは、足りない部分を補うための一つの実現方法、それもたいそうコストのかかる方法にすきないと。

しかしまあ、数値に代表されるデータでルール的にできることできないことが規定されている場合。最初からできないことはプレーヤー的には理解できていることになりますから(ルールを理解してデータを把握できればだけど)。あとは、どうそれを補うかという「プレーヤーの能力」になってしまうのかな。

まあ、救援を呼ぶ・援助してもらう・コンタクトを取るなどの、足りない部分を補うためのルール的能力を成長とともに増やしてやるという処理を追加する、重視するってしても良いのかも知れないけど。経験点による成長の一要素としてね。

2000/06/19:シナリオが普及には必要

ソードワールドの成功要因については、いろいろと言われていますよね。メディアミックス、雑誌サポート、豊富なリプレイ、無難な世界設定、バランスの取れた戦闘ルール、などなど。

しかし最終的に現在のように、多くの人が遊んだことのあるシステム、となったのはなぜか。その理由をひとつあげよといわれれば、わたしはシナリオの豊富さを挙げたいところです。

ソードワールドでは、十冊ほどのシナリオ集が文庫という入手容易な携帯で出版され、雑誌でもシナリオが提供されました。いまは完全版対応の二冊くらいしか書店では入手できないかも知れませんが、古本屋などでも容易に手に入ります。

TRPGでは、なんといってもゲームマスターがいなければ、そのゲームは普及しないわけですから。分量もそれなりにあり、マスタリングについての指針もあり、そのまま遊べるシナリオが他のルールに比べて沢山あるのでは。広く遊ばれるのは、むしろ当然とさえ思えます。

もしもあなたにとって普及して欲しいゲームシステムがあるのでしたら。それだけで遊べるシナリオを、作成公開してみる、というのはいかがでしょうか。

2000/06/20:無力化武器の充実もとむ

基本的に戦闘ルールは殺すことを目的として、もしくは殺し合いとしてデザインされていることが、多いように思われます。

しかし、法治国家では殺人は危険な行為ですし、特にシティアドベンチャーでは、殺すことが必要ではなく、捕らえて情報を得ることのほうが重要ですよね。裁判にかける必要もあるし。

もうすこしこう、無力化系の武器が充実していると、いろいろと面白いのかな。江戸時代の捕り物や、機動隊あたりが参考になるかも。催涙弾や放水を使うためのルールってのは、必要な気がする。

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