TRPGな一言:2000年06月前期分


目次


2000/06/01:成功へのボーナスは成功させるのに使えないほうが良い

巧妙な行動をとって成功することに、さらにボーナスを与えることがありますけど。このボーナスを、次の行動で成功させるために使えてるようにするのは。結果として、成功した人間がどんどん成功して活躍する一方になり、格差の拡大が増大する方向に働いて、危険じゃないかなと思います。

まあ、現実には、強いものはどんどん強く、有利になっていくというのは、あるかも知れませんが……。逆転しにくくなるのは、ゲーム的には辛いですよね。

2000/06/02:評価するという恐怖

相手が目の前に居るときには、相手の行動を採点するのもされるのも、ふつうのひとには心理的に恐い、避けたいことなんじゃないかと思います。

悪いところを見つけたらその場で改善するというのは、相手が目の前に居ても平気で避難できるような人間でもないと脳しないんでしょうね。それが良いことなのか悪いことなのかは難しいことですが。

評価するという行動を行なう恐怖を甘く見て、ゲームシステムや行動の分析をすると、実際の場でうまく動かなかったりするんでしょうね。

2000/06/03:正解があるかないか

シナリオにおいて。ゲームマスターが、あらかじめ正解があると考えているのかどうかというのは、重要な問題です。

正解を求めるべきだと思うプレイヤーが、正解はないけど考えてみようとか、正解のない中であがくのを楽しんでもらおうと考えているゲームマスターのシナリオを遊ぶと、不満の溜まる一方でしょうし。

逆に「なにか正解のある謎である」と思っているゲームマスターにとっては、用意された正解を探さず自分で考えるプレイヤーは、うまく制御できなくなりがちで。プレイヤーとしても、考えても手応えがないということになりやすいわけですよね。

このあたりは、いっそマスター告知・マスター紹介で明確にしてしまうのもいいのかも知れませんね。

むろん、ほんとは、正解は用意して、それいがいの案もきちんと処理できるように、ゲームマスターがシナリオを組むのが良いんだろうけど。

2000/06/04:乱数の魔力

たださいころを振って、色々と予期しない結果が出るだけでも。みんなで、わいわいとやっていれば、ものすごく楽しめるものなんですよね。

このような乱数の魔力を、もっと生かしたルールが見てみたいな、などと考えてみたりして。

2000/06/05:濃密な時間のために

一回のセッションの時間を有効に活用し、濃密な時間を楽しみたい。そんな欲望は、時間が貴重になればなるほど増えてくることかと思います。

しかし、濃密なセッションは、実は膨大な準備が必要で。準備にかける時間がたいへん膨大になって、全体としては必要な時間のわりに楽しめる時間が少ないといった事態になりかねません。

やはり、もっと手を抜くというか、時間をかけずに濃密に遊べるような工夫と環境が必要ですよね。

典型的には準備物などの充実したシナリオを買って遊ぶ(売られてなければどうしようもないけど)とか、作業部分の負担を減らすツールや資料を、探してきて簡単に使えるようにするとか。そのあたり、もっとノウハウや実データが充実してきて欲しいですね。

2000/06/06:失敗時のフォローが書いてあって欲しい

ルールブックやシナリオなどで、他人に見てもらいたいものを作成するのであれば。「上手くいったときの手順」しか書かないのでは駄目で、「失敗したときにどうするか」を書いてあると良いんですよね。じっさいに慣れていない人がつかうときには、いちばん必要になるのは、上手く行かなかったときどうしよう、ということでしょうから。

まあ、なかなか、心がけても実践は難しいものですけど。

2000/06/07:不祥事の起きる組織

TRPGの遊んでる人間に問題行動を起こす人がいる、とかいいますけど。

ひとつの不祥事が起きること自体は、おこした人間の問題かも知れない。しかし、繰り返し問題が起きるのは、組織と構成要素がわるい。と考えるべきなんでしょうね。

ここで忘れてはいけないのは、われわれひとりひとり自身がその組織の一員であり、問題に大いに責任をおうているということ。他人に責任を負わせるのは、安易すぎると思います。

……と書いてみましたけど。だからといって、具体的に組織改革・社会改革の方法が思いつくかというと、難しいんですよね。そもそも、単一のサークルのなかでさえ困難で、TRPG遊戯層の全体なんてのは、とてもでないけど手に負えない。やはり、じみちに「自分を底上げする」しかないんでしょうかね。だれもが真似したくなるように。

2000/06/08:コミュニケーション能力の高低

相手のコミュニケーション能力が低い、だから駄目だ。という考えかたは。逆にみれば、相手のコミュニケーション能力に期待して、うまく処理してもらえることを望んでいて、望みどおりに行かないのが不満である、と考えることもできます。

もしコミュニケーション能力に着目し、それが高いことを望むのであれば。相手がどうあろうと、うまくコミュニケーションを取れるようになるべく。自分が工夫し、努力し、試みてみてはどうでしょうか。どんな相手ともコミュニケーションをうまく取れるというのが、高いコミュニケーション能力だと思います。

コミュニケーションがとれない理由として。自分が駄目だとか、相手が駄目だとか、分かりやすいように極端な割りきりをしては解決しなくて。どちらにも、それなりの問題があると考えると、幸福になれるかも知れません。

そしてもちろん、なにか変われるとすれば、自分でしかないわけで。自分なりの工夫をしてみることによって、間接的に相手に影響を与えるべく、試みるとかね。こんな方針で、自分を磨いてみるのも良いのではないでしょうか。実生活でもたいへん役にたちますしね。

2000/06/09:判断基準を隠さない

ゲームマスターが、表にでてこない内部パラメータや内部ルールで、プレーヤーの行動にたいして結果を処理するといのうは、TRPGでは良くあることだと思います。

しかし、このような隠れたパラメータ・ルールによる処理には、公正さやゲーム性、架空世界の共有認識の構築などの面で、問題があるのも事実でしょう。プレイヤーにとって行動結果が明確でない、行動結果が安定しない、行動結果が予測できないようでは。プレーヤーは責任と確信をもって、行動にみあった妥当な結果が帰ってくる(良い結果でも悪い結果でも)と期待しにくいんですよね。このあたりが、ゲームマスターにより楽しめるかどうかが不安定になりやすい、一因なんじゃないでしょうか。

情報などは隠すことで楽しみを増やすことができるでしょうけど、判断基準や判断材料、行動の結果などについては、できるだけ共有されるように明示していくみるのは、いかがでしょうか。いままでより、もうすこし、ね。

2000/06/10:有能であるということの別の表現

TRPGでは、有能であることは

といったことで表現されるのがふつうだと思います。

しかし、現実には、有能であるとは失敗しないということではなく。

というあたりが、大事なんじゃないかとも思います。

そのあたりも、表現できると面白いかも知れませんね。ゲームシステムでであっても、実際のプレイでのプレーヤーの行動であっても。

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