TRPGな一言:2000年04月後期分


目次


2000/04/21:相手の強さが見積もれない

戦闘以外がルール化されていても。行動にどの程度のリスクがあるのか、どんな結果があるか見積もれないルールが多いんじゃないかと思います。

相手の強さがつかめないというルールは、戦闘でさえ、けっこうあるわけでして。戦闘以外の、交渉や売買などについては、相手の強さを見積もることのできるものって、どれだけあるんだろう。ルールがあっても、一部の者しか持ってない特殊能力だったりしやすいし。

相手の強さが見積もれないと、撤退したり回避したり別の手を考えたりするという判断をする材料が得られなくなってしまうんですよね。そうすると、最初から戦闘(や交渉や売買)をすることが決定済みになってしまう。

対決は、まずはあいての値踏みから。そうするだけで、展開はおおきく変わってきそうです。

2000/04/22:質的にやれることが拡大される上級ルール

拡張ルール、上級ルールというものは世に多いが。今までに無いタイプのPCで遊べるようになるとか、マスターにとって便利なデータが増えるとかはあるけど。

これまで使ってきたPCに質的にできることが増えるというのは、あまりないような気がします。高レベル魔法があるとかいったものがせいぜいで。

そう考えると、野外冒険や築城・領地運営や雇用や大規模戦闘などの行なえたD&Dというのは、良くできていたんですなぁ。

2000/04/23:協力できるように課題を組もう

解決すべき課題や、その解決のための技能というものが、ただ一人のプレーヤーやPCによって処理できるものであるルールやシナリオは、協力の必然性が低くなってしまうんですよね。

たったひとりの頭の良いプレーヤーや、特定の能力(鍵開けとか)を最高値でもつPCだけが問題を解決し、あとの人は見てるだけ、では、プレーヤー間の相談やPC間の協力の必然が薄くなるのかなと。思わんでもないです。シナリオの解決は他人に任せて、他のことで楽しむ必然がでてくるし。

やはり協力してこそ解決できるように、シナリオ中の課題、つまり最終目標や中間目標などを設計するように心がけるのは大切かな。

2000/04/24:PCの達成課題を考えてもらおう

プレーヤーに、PCそれぞれの長期的な達成課題を考えてもらい、それをシナリオに反映するという手法があります。

別れ別れになった親族・友人・恋人などを探すとか、特定のアイテムを奪還するとか、領主になるとか、金をためて店を開くとか。いろいろと。

これを単発ではシナリオの動機づけにつかうと便利ですし。シナリオを作成するときにネタとして利用するのも、特にキャンペーン(同じPCをつかう続き物)などでは、便利です。

まだやったことがなければ、試してみるといいかもしれません。

ただし。無茶すぎる設定は認めないようにしたほうが、マスターは楽かも。

2000/04/25:伝達されなければ意味がない

TRPGでは、架空世界の中で、あるいはPCになにかが起きているとしても、それが言葉なり図示なりパラメータなりで理解して共有されていなければ、起きていないのとおんなじことなわけですよね。

自分だけで理解して伝達していないのであれば、それは存在しないのと同じであると。

でも、人間ってわりと説明したつもりになってたりして、うまく共有がとれていないことに気がつかなかったりするわけですよね。だからまあ、積極的に現在の認識の確認しあったりするべきなんでしょうね。

2000/04/26:緻密な架空世界は常に満足できない

ついつい詳細で緻密な世界設定、とくに現実世界の事実をコピーしたり混ぜたりしただけでないようなものを作成しよう思って、色々調べてみてから思うことなのですが。

知識があればあるほど、整合性を保ちつつ架空の世界設定を作成するということは、難しくなるんですよね。考慮する必要のある要素は、知識があればあるほど増えてしまい、結果として人間が把握して処理できる規模でなくなってしまうようで。

一人の人間に問題点を見つけられないようにするのでさえこうなんですから、多数の人間に違和感を感じさせず、整合性にミスをし見いだせないようにするとなると、どうしようもないのかも知れないですね。多数の人間の持つ知識は、当然ながら全体としては、一人の人間よりはるかに大きいわけですから。

そんな感じで途方に暮れたりしていると、とりあえず遊びやすければいいやとか、ぶっとんだやつでいいのかもとか。そんなことを思わなくもありません。

2000/04/27:PC対立型のバランスはPC協力型と違う

既存のTRPGは基本的に協力することを前提としたゲームバランスとゲーム運営システムになっていると思うわけで。

たとえば、役割分担や強さのバランスが必要なのかも謎ですよね。むかしも書いたきがしますけど、強さのバランスが崩れているほうが、むしろ強い相手・優位に立っている相手にたいして結束したりといったPC間の一時的協力や裏切りなどが発生しやすいとかいった、考えかたもあるわけで。

PC対立を前提とする場合には、いろいろと考え直さないと、暗黙の了解でなんとか運用している状態になりがちなのですよな。

2000/04/28:コンベンションの料金明細が欲しい

コンベンションで「金を払ってるんだから、客として扱え」的な態度にでるひとが居るという話を良く聞きます。仕事として対処するなら一日一万円でも安いくらいだと思うのですが、それはさておき。

何のための対価なのか不明確な料金は、全人格的に(そう、スタッフやゲームマスター、そして他のプレーヤーまで)買い取った気分にさせてしまうということが有るのかも知れませんね。料金明細のないサービス料金コミに慣れていると、なにに金を払ったかがわからず、横暴になる人間がでてくるのかもしれないな、と思います。

コンベンションなどでも、代価の明細を公正に示せば、それだけで、なにに金を払ったか理解してもらいやすくなるのかもしれませんね。

曖昧な慣習で決まっている異様な低価格しか示さず、場所代の分担金すら足のでるような不健全な運営は、自分の首を締めているのだと思います。

2000/04/29:最終裁定者としてのゲームマスター

ルールの適用や設定との整合性の判断には。最終意思決定者が必要であって。そういう意味でゲームマスターは必須なんじゃないかとは思うんですよね。実際問題として、TRPG以外のゲームにおいても、機能させるためには絶対の権威を持つ裁定者が必要ですし。とくにもめたときには。

むしろ、TRPGで問題になるのは、裁定者と判定者と、課題を用意する人間と、達成過程を考える人間と、行動の結果を生成する人間とが、すべてひとりに集中していることなのかも知れない。などと考えてみたりして。

2000/04/30:平和な時代のわれわれ

歴史なんぞをひもといてみると、われわれは平和な時代、平和な日本に生きているのだなあと痛感させられます。私の生まれたころ(大阪万博のころ)も、まだ学生運動とかで騒然としていたんですなぁ。

でまあ、平和な時代の人間としては、なかなか「史実的な危険な状況が存在する社会」ってのは、なかなか理解できないってのはあるのかも知れない。などと考えてみたり。

TRPGは対立葛藤のある世界設定のほうが遊びやすいわけですが、ヒストリカルな対立葛藤ってのは、なかなか意識的に把握しきれないというか、ゲームで取り扱うきにならなかったりするかもなぁ。

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