TRPGな一言:2000年03月後期分


目次


2000/03/21:共有する必然性を増やしたい

オープンソースなTRPG、共有されみんなで作るゲームシステム、シナリオ……むかしから、オンラインの共同作業を利用してTRPGのコスト的・品質的問題を改善しようという発想はあったわけですが。

現実にうまく機能したものは、ないわけですよね。少なくとも私の知るかぎりでは、中長期的に成果をあげているものは記憶に無いわけで。

これはなぜかと考えると。やはり「作業したものを公共に還元するために消費する必要がある作業量と、公開されたものを利用することで軽減される作業量のバランスが、利用するほうがコスト高である」ということが問題なのではないかと考えています。

わざわざ共有できるようにしなくても、自分だけで使うものを自分だけで作るほうが、他人が有用に利用できるところまで練り上げるとか、他人が作成したものを自分の満足の行くようにするよりもずっと楽になりがちなんですよね。

やはりこう、共有する必然のあるものを、持続的に維持管理・増補できるようにしたいんですけど。いまのところ「既に定評あるものを翻訳する」くらいしか、オープンソース的なしかけが多少なりとも機能しうる環境はないような気がします。

2000/03/22:支離滅裂は必然か

わりとこう、現実の人間ってものは、一貫していない支離滅裂な判断や認識や対処をするわけですが。それを傍目に見ると、どうしても筋の通った話として認識できなくて。「リアリティがない」とかいわれてしまうことになりがちですよね。リアルなのに。

で、自分自身は一貫性をもって居ると思うのに、傍目には一貫性がなく見えて不満を感じるってのは。セッションの場であるプレーヤーをほかのプレーヤーが見た時に感じるだけでなくて。セッション全体の記録を傍目に見た時にも発生するんでしょうね。

そのあたり考えると。「ほかのプレーヤーの納得の行く行動」をとるのは、ふつうに生活するうえでの行動基準よりも厳しい自己管理で一貫性をとらなければ駄目で。さらに、リプレイなどで鑑賞されるに値するようにするとなると、

「鑑賞して納得がいくだけの一貫性を提示する」というのは、たいへん難しいんでしょうね。さらに世界の統一された一貫性なんてなるともう……。

観客としての要求を高くしないことは、プレイする楽しみのためには、だいじなのかもしれないなあ。などど思ってみたりして。

2000/03/23:データにルールを押し込める

統一された判定体系に頼ろうとすると。

どうしても、いろいろな処理や優先度や相性や定性的な記述を、データに押し込めないといけなくなるので。結果として、データを知らないとゲームにならなくなる……要求の高い人間が居るとすべてのデータを把握していなければいけなくなる……というのはあるんでないかな、とか思ったり。

2000/03/24:引きつけるもののある世界

人をひきつける、異様さというか異形性というか。心をざわつかせるような、インパクト。

そういうものがある世界ってのは、整合性や緻密さや完成度なんかは気にしないで、愛好者がつくものなんですよね。

でも、そういうものって、なかなか作れませんよねぇ。計算しては。

いや、グロテスクさとか、陰鬱さとかを使うと、わりと手軽に出しやすいのかな。見たくないものを見せることにより、インパクトはあるし。

だけと、それだけでないなにかってのも。あるといいなぁ。

2000/03/25:セッション記録は用途にあわせて

セッションを記録する方法には、いろいありますし。その利用法にも色々ありますよね。

プレイ中にメモを書いたり、地図を描いたりとかして記録する。これはプレイ中の便宜を重視したセッション記録のありかたかな。

録音してリプレイに起こすなんてのは、事後の楽しみといって良いだろうし。

プレイレポートを簡潔にまとめたり、人間関係や持ち物などの変化を整理したりするのは、つぎのセッションの利便をはかるためだろうし。

用途に合わせて、セッション記録をどうやるか考えないと、負担で潰れてしまいかねないんですよね。一つの方法ですべての役にたてようなんて考えると、とくにたいへんかな。

2000/03/26:ゲームそのものの面白さ

ゲームシステムに安全弁やコントロール手段、演技やキャラクター表現や状況表現の折り込みなど、組み入れるというのも。設定をしっかりさせたり、小道具を用意したりするのも。

実はこう、CRPGにおいて、操作性やグラフィック、音声やなんかに凝るのに近いものがあるのかもしれない。ゲームの骨格そのものを楽しいものにするのではなく、演出的なやりとりの面を楽しませるようにしている、という意味で。

ゲームとしての根本的な面白さを組み上げるために、なにが出来るのか。そんな視点についても、もっと考えてみるのも、いいのかもね。

2000/03/27:混ぜるな危険、なのか

ジャンルミックスには、異なるものを混ぜ合わせることから発生する異化作用が新鮮な関心を呼び覚まし売るけど。両方が好きな人間しか相手にできない、特殊化して理解しにくい、という問題がある。自分の好きなジャンルをふたつ混ぜるってのは、受け入れられる対象を減らすことに繋がるのだ。

……と書こうと思ったんだけど。

実は、キャラクターごとに別ジャンル、ってのが、もともとTRPGなのだかもしれないなぁ。たとえばD&Dでは、戦士、魔法使い、僧侶、盗賊などってのは、もともとイメージソースは別の小説なりなわけですよね。歴史も技術もまぜこぜで。

別の話の枠組みの相克・葛藤から生まれるものが、ある意味魅力になっているという概念は、なんかありうるるのかも知れない。難しいところですね。

2000/03/28:現実とゲームとの対立

リアルな現実をシミュレートしたものである。というイメージってのが。わりとTRPGについてまわってますけど。これが「現実ではこうだから」「実際にはこれこれで」「歴史的にはうんぬん」といったものを判定に持ち込め、知識差がある人間同士で楽しみにくくなる原因となっているのかもしれませんね。

ボードゲームなら許されるんだけど、TRPGでは不自然と不満に感じられる。TRPGの持つそもそもの構造的な悩みなのかも知れない。

2000/03/29:ビンゴ式判定

ビンゴという賭博遊戯があります。それぞれの参加者が、それぞれに並びかたの違う、マス目に数字を並べたカードを持って。いわれた数字の部分を塗りつぶしながら、列がそろったものが勝つ、というあれです。

これを、TRPGの判定に利用するのも、面白いんでないかな、とか思いました。

パーティで一枚の紙に、それぞれが判定結果でますを埋めていって、列がそろうと特殊効果、とかは、協力判定におもしろそうですし。

戦闘なんかで、参加者が数字をどんどんあげていきながら、それぞれのビンゴカードがそろったりすると敗北・特殊効果・勝利とかいった戦闘にするとか。

いろいろと、楽しめそうな気がします。

なんといっても、結果が目に見えてマスに埋まっていくってのは、ものすごくわくわくしますからね。

2000/03/30:独創であることはゲテモノと紙一重

独創性とか奇想天外な面白さと。理解不能、げてものとは紙一重である。

……というか、たんに受け手の知識や物の見かたに依存するんだよな、とか思う今日このごろ。

受け入れられると程度に、独創的であることってのは。色々と難しいものですね。

2000/03/31:ランダムに因果を見いだす

人間には、発生したものごとに因果関係を見つけようとする習慣があります。例えばダイス目の確率的な偏りをみて「あいつはダイス目が良いから/わるいから」とか、「今日はあいつの出目が回ってるね。失恋したから運が回ってきたのかな」とか。そういう解釈をするのも、因果関係をみつけて安心しようとする心の働きである、というわけですね。

このようなダイス目による偶然にたいして、それを理由づける因果関係を組み立てるという作業を、うまく活用するゲームシステムはありえないかなぁ。

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