TRPGな一言:1999年12月中期分


目次


1999/12/11:状況の組み立て

TRPGでは、とくにその場でキャラめいくして一回こっきりのセッションでは。マスターが用意した状況にあわせて、どう行動するかしか考える余地がないというタイプのシナリオになりがちなのかなぁ。

プレイヤーが能動的に状況を用意できるか、していいのか、やるならどこまでできるのか。このあたりって、マスターによって許容度ぜんぜん違うよね。

1999/12/12:合意形成のルール化

TRPGでは、ルールで規定されない部分については話しあいとマスター裁定で片づけるわけですけど。

この合意形成過程/手順について、もうすこしルール的に記述されていると便利なのは確かですね。って、既にいくつかあるらしいけど。

1999/12/13:成功させてあたりまえ意識

ベテランなんだから成功して当然という意識。これってのは、期待されもするし、自分でももってしまったりするわけですが。

この意識があると、単に失敗しないマスタリング、無難なマスタリング、参加者の御機嫌をうかがうだけのマスタリングに堕してしまって。

結果としてゲームマスターとして楽しむことを見失ってしまうということが、けっこうあるようです。なかなか難しいですねぇ。

1999/12/14:常に初対面の心を

「これから長くつきあうであろう」という前提のもとでは、初めての相手だけの状況においては、それなりの緊張感やモラルを維持して対することになりますよね。そういう場合には、恥はかき捨てと初対面の相手に迷惑をかけることもやりにくいでしょうし。

しかし、慣れてしまうと。対応がぞんざいになって混乱するとかとか。親密度の違いで反応や態度が変わってしまうとか。いろいろな問題が発生したりするように思われます。

常に初対面の心を忘れない……。そんな心がけだけで解決できる問題でもないでしょうし。心掛けるだけでもしたほうが良いのかな。

1999/12/15:最適参加人数

セッションやシナリオには、向いている参加人数とか、向いている層とかが実際にはあるんだけど。そのあたり、考えない出とりあえず参加者全員……にって感じになってることが多いのかなぁ。

1999/12/16:プレイヤーの役割分担

プレイヤーの役割分担という概念は、近年忘れられている重要な概念ではないかと思います。プレイヤーの役割分担であって、PCではありません。

議論や案内などを見ていても「一人のプレイヤーがプレイヤーとしてのすべての活動において万能であること」をゲームマスターが期待してしまっているのではないかという疑念を禁じ得ません。

それぞれが、それぞれの得意な技量を出し合って、協力しあうことの効果というもののは、全員が得意なことも苦手なこともすべてをもとめられる環境よりも、ずっと機能的なのは、間違いないわけで。プレイヤーもそれぞれの得意な活動でセッションに参与して行くのが良いことだろうと思うわけです。

内輪だと、それぞれの得意な行動がわかってるからか、比較的、暗黙の役割分担が発生していますし。D&Dにあったコーラーとかマッパーとかも、プレイヤーの役割分担の一種ですよね。

1999/12/17:遊んで楽しいシナリオ

市販シナリオを買ってセッションをしようという人が増えるためには、プレイすること自体のたいへん楽しいシナリオってものが、必要になってくるんでないかな、と考えています。それが具体的にどのようなものでありうるかというのは、難しい問題ですが。

実際「読むことが楽しいシナリオ」とか「作っていて楽しいシナリオ」は、ぱっと浮かんできますけど。「ゲームマスターとしてセッションで利用することが楽しいシナリオ」というものの具体像ってのが浮かんできにくいんですよね。これって、すごく恐ろしいことではないでしょうか。

1999/12/18:どうしようか?

GM
「さて、戦闘しますか?」
プレイヤー
「どうしようか?」
GM
「(青筋)」

……といった事態は、わりとあるような気もしますが。

「どうしようか?」という言葉の持ちうる機能には、さまざまなものがあって。そのシグナルをゲームマスターが理解できなかったために、腹を立ててしまっている、ということもあります。

「いま考えているから少し待ってください」

「情報が足りないのでもうすこし出してもらえませんか」

「その行動は有利なのですか?」

「その結果どういう危険が予想されますか?」

「その行動の成功率は高いのだろうか?」

実際のところ、一言に込められている可能性のある意味は、いろいろとあるはずです。

マスターは、言葉の裏にある真の機能を見いだすように努力し。プレイヤーは婉曲な話法を使わず率直にマスターに言葉を伝えるようにしたほうが、良いのでしょうね。

1999/12/19:有利さによる誘導

再現したい展開にそった行動を、ルール的に有利にすることによって誘導するようなゲームシステムってのは、けっこうありますけど。これって、

人がいる場合には、まったく機能しなくて。結局のところ、狙いからハズレてゲームシステムが機能しなくなったりする危険性が有るんですよね。

誘導で「〜しましょうね、そうすれば褒美を上げます」なくって。「〜するゲームです」と明言して、それに満足するプレイヤーと遊ぶほうが良いのではないかなぁ。などと考えていなくもありません。

1999/12/20:新作がなくても増刷はある

本屋に行って驚いたことなんですが。富士見のTRPGとTCGフェアなるもので、TRPGも平積みになっていました。そこで気がついたのですが、ソードワールドの文庫ルール、11月づけで増刷されてるんですね。完全版がでた後もまだ増刷されていたのかぁ。と感心しました。

富士見のハードカバールールのたぐいは、きちんと増刷されて入手可能な状態が維持されているんですが、新製品がないから目立たないという傾向がありますよね。実際には、ひろく遊ばれつづけているのではないかという気がするんですが。

新規のフォローはないけど入手可能なルールについて、新規購入層が増えるような方向で盛り上げていくというのは、いろいろと有用かも知れませんね。こんなふうに遊んでいます、こんなふうに遊んだらどうでしょう、と掲示板を活用するとか。セッションの開催をするとかね。

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